蛇々螺羽

書くという行為はあてもなく鹿児島本線に乗ることとどこか似ていて、私の気持ちをときに底上げしてくれる。

今後、機会があるごとに私の書いたものをここに載せていただくことになりそうなので、それこそスコーンのこぼしカスくらいは私のことを説明しておかなければいけないのかなと思います。まず、なんといっても私は雨が好きです。そういうといかにも偏屈で、人生のあらゆる先行事物において批評的なやつであろうと思われるかもしれない。けれども、ある意味ではそうかもしれないが、多角的に私のことを説明すると自分はいささかユーモアな人間であることを説明できるかもしれない。自分ではそうも思ったりする。そして何事にもまして私は書くことが好きだ。多くの人が、整理整頓やチラシ配り、ネズミ取りの組み立て、そしてサルモネラ菌を好むようにして、私は書く行為そのものを純粋に深く好んでいる。例えば、知らない土地をあてもなく歩いていて、道に迷ったとき、まず一番に私はなぜ道に迷ったか、その理由を考える。そうすることによって、これからどうすれば道に迷わないことができるかの判断を冷静に、かつ素早く選びとることができる。つまりは私にとって書くということはそういう行為と似ている。あまり長く、屁理屈になりすぎると何事にもよい結果をもたらさない傾向があることを身をもって経験しているため、もうそろそろ終わりにしたいと思うが、やはり自分の好きなことをこういう風に公衆の面前でさらすということはどこか照れ臭かったりする。でも、それが私にとって大事なのだと、幾度となく推敲しても、そこに疑いの余地は見当たらない。
それにしても、人間における唯一にして最大の美的感覚の一つである味覚、それによってもたらされる美味という飲食における究極形態は何事にも代えがたい人間の生み出した最大のレトリックである。要するに、客観的に、または主観的に言って、私は食べることがものすごく好きなのだ。

自分

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
  • Copyrighted

出産

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
  • Copyrighted