音をつくったり、言葉を書いたり。たいしたことのない毎日を、少しだけ拾っています。
飯尾 十七(いいお・とな)
音をつくったり、言葉を書いたりしています。
たいしたことのない毎日の中に、
たいしたことがあるような気がして、
ときどき拾って文章にします。
恋とか、生活とか、
うまく名前のつかない気持ちとか。
良い大人ってなんだろう。
良い音ってなんだろう。
まだ、その途中。
四十八歳の斗真には、もう新しい人生なんて始まらないと思っていた。 妻・紗季と二人の娘。長く続いた暮らしのすべては、いつの間にか日常という味になっていた。 そんな斗真の前に現れた、二十二歳の澪。 それは失った青春を取り戻す恋なのか。いまの人生から逃げるための恋なのか。それとも、言葉にできなかった自分自身と、もう一度出会い直すためのものなのか。 物語は、小学六年生の記憶へ遡る。 選ばれなかった記憶。守れなかった記憶。誰かに愛されることでしか埋められなかったもの。 人は、何歳になれば大人になるのだろう。 人生の「やり直し」ではなく、人生をもう一度引き受け直す人間たちを描く物語。 『二日目のカレー』