夜半より降り出した雨が薄墨の煙となって家の周りを漂っている宿直明けの遅い朝。
ひと月半で、よわい六十となります。感情はむしろ強くなりました。これでメシが食えればいいのだが。夢を追い続けます。
素直な感情表現をできないぼくは、そのことによって他者を傷つけ既に己さえも傷つけていることを知っている。 女の思いやりを返せないぼくはどこかで何かを無くしたのだろうか。