おしっこがしたい。今はそれだけしか考えられない。それでもいいかい?
おしっこがしたい。今はそれだけしか考えられない。それでもいいかい?僕は今、膀胱に液体が溜まっている感触を確かめることで、あゝ生きてるんだなって実感するんだ。でもこれを出してしまうとどうだろう?僕に残るのは、僕というただの木偶の棒な肉体と、ひどい喪失感だ。自分がこんなちっぽけなものだなんて認めたくない、誰だってそう思うだろ?だから、おしっこを出し終わると僕は泣いてしまう。
僕がただ散歩するだけの話
男と扉のショートストーリー