陽陽空

宇宙のことについて私なりに常々思っていることを述べさせてもらった章があります。宇宙とか科学の分野に関する文章は、まさかその専門家でなければ書く資格がない、という決まりはないのでしょうが、だいたいにおいて専門の人が書いています。何々大学の研究科勤務、あるいは出身だとか。
 ところが私はまったく、そういうところには縁がありません。どこで得た知識かといえば自分で選んで買って読んだ本だけです。
 それにまた、宇宙好きの集まる同好会などに属しているわけでもありません。思えば、周りにひとりも話す相手さえもいません。だがべつにそういう流儀を構えているわけではありません。たまたま、いなかっただけです。というよりも世のなかにそういうことに興味の向く人間が巷にはそうはいない、というのが正確なところでしょう。

 さて、しかし。これは私が知識がすくないことの言い訳では決してなく、ひとつお断りしておきたいことが あります。
 それは、いま、現時点で人類が観測等で知り得ている知識に照らして矛盾、あるいは間違っていることは書 いてないつもりだという点です。
 たとえばビッグバンを例にとれば、大方の科学者はまるで自分がそれを実際に目の前で見たことがあるかの ごとき事実のように語るのですが、私はそれがおかしいというのです。仮説にすぎないと。

 科学だけにとどまらず、すべての分野において、「これはじぶんの仮説であるが、」と前置きをしてから始めるのがほんとうだと思うのです。
 本編において私も私なりに少々仮説を述べましたことの、上記を持ちまして「私のすべての本編の前置き」とさせていただきますことご了解くださいますよう。

論理の果て

ガリレオが世紀の大発見をした。地球が宇宙の中心にあり、その周りを太陽、月、星々が回っていると全人類は思い込んでいたのに、なんとあろうことか、それは永年の人間の錯覚で実はじっとしている巨大な太陽の周りを実はちっぽけな地球がこま鼠のごとくクル......感謝の念は持たねばならないがあくまで主従の関係ははっきりしている。太陽は地球の意志に従い従順に勤勉にいつまでも変わることなく地球の周りを廻りつづけるのだ。ことほど左様に天動説は実に甘美な安らぎをこの地上界に住まう人間に与えてくれるのである。

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