2015年2月9日 廃色の鳥居~囲いの巫女と無名の思想家~ 上巻 完結!
京都府亀岡市の山中にある社、『三原稲荷神社』。通称、『廃神社』。 女子高生、橘 三咲は、とある縁からその廃神社に足繁く通う物好きの一人。神社の宮司代務者を名乗る青年、狭間とはそれなりに親しく、くだらないことから悩み事に至るまで気軽に打ち明けられる仲である。 ある日、いつものように学校帰りに訪れた廃神社で、他愛のないお喋りから、かつてこの神社で起こったと云われる伝説を狭間の口から聞く。それはある二人の男女の、忘れ去られた恋の話だった――。 時は遡り、世は宝永三年の花見月。 丹波国亀山の山中にある『三原稲荷神社』の巫女、葵は、育ての親にして神社の宮司を務めていた翁を喪い、途方に暮れる日々を送っていた。 そんな葵の前に、自らを『思想家』と称する一人の賽銭泥棒が現れて――? 不自由な巫女と、化外の力を持つ思想家が織り成す異聞奇譚!