近くて遠い50cm

北きつね

近くて遠い50cm

最後の一歩

 僕が彼女を意識し始めたのは、何時だっただろうか?

 彼女が、僕に向かって
「ちょっと家まで遠いけど送ってくれる?」
 送った時に話した事がきっかけだったのだろうか?

 彼女は、1つ年下の19歳になる大学生。話を聞いて初めて知ったのだが、僕と同じ大学の2つ下の学年になる。

 僕と彼女の出会いは、バイト先が同じになったことがきっかけになる。
 バイト先も同じだし、同じ大学に籍を置いている、話そうと思えば話せる関係にあるし、メールアドレス・電話番号も知っている。

 同じ時間を共有する機会は多く存在している。

 しかし、僕と彼女の距離は大きく離れている。離れている50kmが、短く感じてしまう位遠い場所に彼女は居る。

 僕のこの気持ちを彼女に伝えることが出来ないでいる。この想いを気持ちを、僕の中に閉じ込めておくべきなのかもしれない。

 僕は、彼女を近くに感じる、日々を過ごしていた。しかし、そんな日々に僕は満足していたのかもしれない。
 想いを伝えることで彼女と時間を共有する権利を失うくらいなら・・・。

 バイト先で、イベントが催されることになった。バイト先の関連会社が、新たにキャンプ場をオープンする。新装オープンを記念して、常連さんを交えてバーベキュー大会をやろうって事になった。勿論、店員やバイトに、全員参加が言い渡された。

 大学でもそうだが、僕は貧乏くじを引いてしまう癖があるようだ。車を持っていて、1番の下っ端の僕が、買い出しを行って、設営の準備をやることになってしまった。

 悪いことばかりではなかった。

 彼女の迎えを、僕がやることになったのだ。彼女は一人だけ、遠いところに住んでいて、朝早くからの準備はキツいが、バイトの人数も少ないので、彼女自身も”朝から参加する”とのことだ。そこで、車を持っていて、朝から準備をする事になっている、僕が迎えに行くことになった。

 これは嬉しい誤算だ。

 大学から帰って来て、すぐに洗車場に行った。普段なら、簡単に洗うだけだったが、昨日は、お金をかけて、プロに中まで綺麗に清掃してもらった。彼女を乗せるのだ、当然のことだ。タバコを吸わないので、匂いは大丈夫だと思ったが、消臭効果が高い物を購入した。エアコンを使う季節ではないが、エアコンのフィルターの洗浄もお願いした。ガソリンは満タンにしてある。

 陽が昇る前に、僕は、はやる気持ちを押さえてエンジンに火を入れた。

 一秒でも早く彼女の下に行きたい。普段なら使わない高速を使って彼女が住んでいる街に急いだ。
 予定の時間よりも大分早く着いてしまった。このまま訪問しては、彼女はまだ寝ているかもしれない。そして、どういう顔をして訪問したらいいのか解らない。誰も僕の想いを知らない。

 不自然な態度よりも自然に接した方がいい事は解っているが、できるだろうか?

 ここまで来て迎えに行かないわけには行かない。そんな事を車の中で考えている内に、約束の時間が近づいてきた。まずは、彼女に近くまで来ている事をメールで伝える。

【10分位で着きます】

 それだけのメールを打つだけで、僕の心臓は信じられない位の速度で動いている。そして、8分30秒が過ぎた。

 僕は、勇気を振り絞って彼女の住んでいる部屋に歩を進めた。

 彼女の部屋は、2階だ。階段を上がって、彼女の部屋の前に着いた。彼女の部屋は前に、一度送っているので知っている。しかし、前と状況が違う。彼女は起きているのか?早い時間なのに、迷惑じゃないのか?着替えをしている最中だったら・・・。余計な事ばかり考えてしまう。

 そして、僕の心臓が信じられない音を立てている。心臓の音がドアを通り越して、彼女に聞こえてしまわないか心配になるくらいだ。

 僕は、彼女の部屋のベルを鳴らした。
(ピンポーン)

 インターホンから、彼女の声が聞こえてきた。
「江端さん?」
「おはよう。江端です。約束より早いけど」

 カメラがあるから、僕だってわかるはずだ。
 僕はそう言ったつもりで答えたが、彼女に聞こえたかどうか不安になった。声が震えていたかもしれない。心臓の音が聞こえたかもしれない。それが彼女が気がついたかもしれない。

 しかし彼女からの返事はあっけない物だ。
「うん。すぐ行くから、待っててね」

 僕は安堵と共に、少し残念な気持ちになった。

「うん。下に車止めているから、車で待っているよ」

 5分位して、助手席を叩く音がして、そちらを見たら彼女が笑って手を振っている。僕は、急いで助手席のドアを開けた。彼女が助手席に乗り込んで来た。

「お待たせ」

 彼女は明るい笑顔で、僕にそう言ってくれた。凄く幸せな気持ちになることができた。

「じゃぁ行こうか」

 彼女は、僕を促した。
 会場に向かう道を、僕は海沿いの道を選んだ、この時間帯なら空いている。それが理由だが、早く行くのなら、高速を使えばいい。でも、僕はあえて、この道を選んだ。彼女とこの道をドライブしたかった。

 彼女は、車の窓を開けながら・・・呟いた。
「気持ちいいね」

 僕には確かにそう聞こえた、それが僕に言ったセリフなのか解らなかった、僕は返事ができないでいた。

 彼女は、海を見ながらまた呟いた。

「朝日が照らされて綺麗だね」

 僕は心の中で、(朝日も素敵だよ)そう思ったが、口に出す勇気は無かった。

 楽しいドライブも終焉に近づいてきた。
 左車線に入るために、ドアミラーを見ようと思った、後方を確認しようと思った時だった、意識しないつもりで居たが、彼女の姿が視界に入ってしまって、僕の視線は彼女に固定されてしまった。そのせいで、車が安定を失い左右に動いてしまった。

「大丈夫?どうしたの?」

 彼女は不安そうに、僕に話しかけてきた。

「うん。ごめん、大丈夫だよ」

 (君の姿が視界に入って、確認が出来なかった)
 そんな事を言うことができない。
 他愛も無い会話でさえも貴重に思える僕がいる。そして、その貴重な時間を今共有できていることに喜びを感じている。

 もうすぐ待ち合わせ場所に着いてしまう。買い出しの時間はあるが、それは二人だけではない。
 彼女と一緒に居る時間は、刻一刻と終焉と向かっている。

 彼女はすぐ隣にいる。助手席までの距離 50cm 手を伸ばせば届く距離に居る。でも、50cm の物理的な距離よりも遠く感じる。彼女が、助手席に座っている。届く距離ではあるが、届く距離ではない。何もかもが遠く感じる。僕には、この距離を埋めることが出来ない。このままなら、何も変わらないことは解っている。

 今の僕には、何も出来ない。このまま彼女の居ない平凡な日々を過ごすことは考えられない。しかし、僕には 50cm を埋める事が出来ない。
50cm などすぐに埋まる距離だ。

 指示された場所に付いた。そこは、キャンプ場には見えなかった。それに、まだ誰も居なかった。
 少し早かったのだろう。店長に電話してみたがつながらない。

「ごめん。早く着きすぎたみたい」
「いいよ。待っていよう」

 助手席に座ったまま笑いかけてくれた。

 彼女の携帯が鳴った。画面を確認している。僕からは見えない。見てはいけない。

「ちょっとごめん」

 そう言って、彼女は車から降りて、少し離れた所で、電話に出るようだ。誰だろう?こんな時間に?彼氏?
 彼女は、すごく”モテる”わけではないが、”モテない”わけではない。大学でも、可愛い方から数えても上位に来るのは間違いない。でも、彼氏が居るという話は聞いた事がなかった。

 時計を確認すると、5分くらい経っただろうか。僕には、1時間にも2時間にも感じられた時間が過ぎて、彼女が戻ってきた。
 何やら嬉しそうな雰囲気がある。やっぱり、彼氏だったのだろうか?彼女は、そのまま助手席に座った。

 彼女が戻ってきて、何を話そうかと思っていたら、僕の携帯が鳴った。フロアマネージャーだ。

「おぉ江端。悪いな。少し遅れそうだ。貴子。居るだろう?」
「えぇもちろん迎えに行きましたからね」
「そうだったな。それじゃ悪いけど、二人で、荷物の受け取り頼むわ。お前の車ハッチバックだよな?」
「荷物?」
「貴子の指示に従ってくれ。なんか、常連さんが告白したいらしくてな。協力する事になってな。そのための物の受け取りを頼む」
「え?僕、そんな話し聞いていませんよ?」
「そうだったか?ワリぃ伝えたつもりで居たワ。買い出しとかは、俺がしておくから、頼むな」
「え?あっわかりました。朝日さん」

 フロアマネージャーは、言いたいことを言って、電話を切った。かけ直しても、呼び出し音がなるだけで出てくれない。

「誰から?」
「あっフロアマネージャーから、それで、荷物の受け取りを頼まれたのだけど、朝日さんの指示に従えって言われたけど?」
「うん。大丈夫。それじゃ行きましょう」
「わかった」

 僕は、彼女の指示通りに、車を走らせる。この辺りに住んでいないのに、土地勘が有るかのようなナビで、目的地には迷わずに付けたようだ。

「ここでいいの?」
「うん。ちょっと行ってくるから待っててね」
「うん」

 そこは、有名な洋菓子屋だ。ここのケーキが好きでよく食べている。バイト先にも、何度か持っていったことがある。彼女は、中で店員となにか話している。時折、店員がこっちをみて笑っているように思える。彼女は、その都度うつむいて何かを言っているようだ。少し大きめの箱を彼女が持ってきた。

「うしろ。大丈夫?」

 トランクルームも綺麗にしてよかった。
 学校で使った物とか全部部屋に放り込んである。

 甘い匂いがする?ケーキだろうか?滑り止めのシートをしておく。ずれないように、ネットで固定しておけばいいだろう。あとは、安全運転すればいい。

「疲れちゃった」

 彼女は、手をプラプラしていた。
 確かに、ケーキとはいえ、20cmを越えるような物だったから、重たかったかも知れない。それ以上に気を使ったのだろう。僕は、助手席の方に廻って、ドアを空けた。彼女は、嬉しそうにしてくれた。映画とかでよくあるシーンだ。彼女の荷物を一度僕が預かって、片手を出す。彼女は、解ってくれたようで、手を握ってくれた。手に心臓ができたかと思うくらいにドキドキして、彼女の熱が伝わって、手が熱くなる。

 彼女に握られた手がまだ熱い。

「あっもう1ヶ所いい?」
「ん?いいよ?どこ?」
「バイトとか関係無いんだけど、知り合いの部屋なの?ダメかな?」
「いいよ。時間も余裕が有るだろうし、問題ないよ」
「ありがとう!」

 誰だろう?知り合い?大学の?それとも、彼氏?
 彼女のナビに従って、車を移動させた。少し大きめのマンションの前に付いた。彼女は、少し待っていて欲しいと言って、マンションの中に消えていった。どの部屋だろう?見ていてもわからない。やっぱり、彼氏なのかな?

 僕的感覚で、3時間ほど経ってから彼女が戻ってきた。
 大きいバッグを持ってきていた。荷物からは、男物の香水の匂いがする。やっぱり彼氏なのだろう・・・。

「もう。大丈夫だよ。行こう」
「ん」
「どうしたの?なにかあった?」
「ううん。なんでもないよ」

 そういうのが精一杯だ。
 彼女を乗せたまま、車を走らせる。

「そう言えば、江端さん。猫好きだったよね?」
「え?そうだけど?なんで?」
「ん。小耳に挟んだ」
「・・・フロアマネージャーが言っていたの?」
「そんな感じ」
「ふぅ~ん」
「どんな猫が好きなの?」
「うーん。どんなって聞かれると困るけど・・・暫く。猫は・・・」
「どうして?」
「うん。実家に住んでいた時に、狩っていたけど、今の所に引っ越してから、ペット禁止だからね」
「そうなの?」
「それに、僕・・・2年前に・・・」
「ん?」
「ううん。なんでもないよ。ペット禁止だし・・・ね。それに」
「それに?」

 信号で車が止まった。
 彼女の表情を見たくて、助手席の方を見て

「それに、好きだから、無責任な事はしたくない」
「え?あぁ猫の事だよね」

 何を、そんなにびっくりするのだろう?彼女から振ってきた話なのに?
 待ち合わせ場所に着いたが、誰も居ない。

 彼女がなにか携帯を操作している。彼氏に連絡でもしているのだろうか?

 僕の携帯が鳴った。また、フロアマネージャーだ。
「ごめん。フロアマネージャーから」
「うん。いいよ」

 今度は、彼女に断ってから電話に出た。
 彼女は、僕が電話に出た事を確認して、携帯を持って、車から降りた。彼氏に電話でもするのだろうか?彼女の事が気になって仕方がない。やはり、電話をしだした。彼氏と話しているのだろう。何か、慌てているし、手振り身振りをし始めた。正直、すごく可愛い。

「おい。江端!聞いているのか?」
「え?あっすみません。聞こえていませんでした」
「ウソつけ、貴子を見ていたのだろう?」
「え?え?」
「お前が、貴子に好意を寄せているのは、常連含めて全員知っているぞ?」
「は?」
「今日、お前以外には、待ち合わせ時間は2時間遅い時間になっている」
「えぇぇぇ??」
「貴子だけだろう?告白しろよ!」
「いやいや。なんで?はぁ?」
「いいな。フロアマネージャー命令な!貴子に、告白しろ!」
「いや、だって、彼女、彼氏が居るでしょ?」
「ハハハ。わからんぞ、江端。お前は、お前が思っている以上にいい男だぞ!根性出せよ!それじゃぁな。あぁ待ち合わせ場所も違うからな。本当の場所は・・・今は、内緒だな」

 それで、電話が切れた。
 え?常連さんへのサプライズのためのケーキを持っているから、待ち合わせ場所には行かなきゃならない。
 え?は?なんで?
 驚いて、車を降りてしまった。それから、何度電話しても、フロアマネージャーどころか、バイト仲間、連絡先を知っている常連さん。誰も出ない。まるで、僕と彼女だけしか居ないように思えてくる。

「ねぇどうしたの?」

 彼女がいつの間にか、電話を終えて、僕の側に来ていた。
 首をかしげて、途方に暮れる僕の顔を下からのぞき見ている。

「フロアマネージャーは、なんだって?」

 言えるわけがない。

「ねぇ?」

 くそぉ本当に可愛いな。

「もう、あれだけヒント出したのに?」
「え?」
「フロアマネージャーに何を言われたの?」

 そういえばさっきの電話で、”|()|()|()|め《・》|て《・》|()|()|()|っ《・》|て《・》|い《・》|る《・》”や”|お《・》|()|()|()|に《・》|は《・》”と、言っていた。

「うん。1分。いや、30秒・・・いや、10秒待って」
「わかった。後ろ向いているから、気持ちができたら、肩叩いてね」

 彼女は、僕に背中を向けて、数を数え始めた。

 彼女のカウントが3になった所で、僕は、彼女の肩を叩いた。初めて、自分から彼女に触った。

「うん。それで、なに?」
「うん。僕は、キミ。朝日貴子さんの事が好きです。彼氏が居るのも解っている。でも、好きな事だけでも伝えたい。迷惑かも知れないけど・・・僕と付き合ってください」

 全部言えた。考えていた事とは違うけど、迷惑にしかならないだろうけど、やっと言えた。

「やっと、言ってくれたね」
「え?」
「克己さん。私、貴方の事を、2年前から知っていました」
「え?だって、バイトで・・・」
「うん。そうですね。克己さんが、バイト始めたのは、1年前ですよね。私がバイトに入ったのは、その少し後・・・だから、知り合って1年経っていない。ううん。正確には、今日で1年ですよ」
「え?」
「2年前の雨の日、克己さん。捨てられた子猫」
「あっ!」
「思い出してくれました?雨の日に、保健所に連れて行かれそうになっていた2匹の子猫を、保健所職員から奪って、自分がなんとかしますと言ったのを、動物病院に連れて行って、病気やノミのチェックを頼んで、有り金全部置いて、足りない分は、また持ってきますと言った事を、必死に里親を探したのを、見つかったのは、4日後ですよね?」
「え?なんで?」
「あれ、お兄ちゃん。あっ従兄弟なんですよ。さっき寄ってもらった部屋なのですけどね」
「え?」
「あぁちなみに、朝日健吾って名前です。聞き覚えは?」
「・・・・あっフロアマネージャー!」
「だから、さっきの荷物は、彼氏の物じゃ無いですよ」

 そう言って、彼女はクスクスと笑った。

「え?なんで?どうして?」
「ねぇ克己さん。私の事好きなんですよね?」
「好きだよ」
「私の事、彼女にしてくれるのですよね?」
「うん」
「私の事、大事にしてくれますか?」
「もちろん」
「大好きな猫よりも?」
「もちろん・・・です」

「なんか怪しいなぁでも、嬉しい。私も、2年前から貴方の事が好きだった!」

 彼女は、僕に抱きついてきた、僕も彼女を抱きしめた、あの時あった50cmの距離がなくなった瞬間だ。
 そして、彼女のくちびるに触れるようなキスをした。

 彼女の電話が鳴った。彼女が笑いながら、僕に携帯を渡してきた。
 店長の声が聞こえてくる。
「おぉ江端。やっと言ったな!次のシフト覚悟しておけよ!」
「え?今日は?」
「はぁお前は・・・まぁだからなのだろうな。朝日さんの部屋に行け。バイトは今日は休みだ。朝日さんを幸せにしろよ。店長命令だ!」

「店長はなんて?」
「ねぇもしかして、全部、僕・・・はめられた?」
「イヤ?」
「ううん。すごく嬉しい!」
「それなら良かった。サプライズ成功だね。それから、さっきのケーキ。猫も食べられるケーキ何だよ。4人で食べようね!それから、私の部屋二部屋あって、一部屋空いていて、家賃高くて困っているのだけど、誰か、安心できる人で、私を一生大事にしてくれて、猫好きな人って知らない?」
「え?だって、親御さん」
「大丈夫。私のパパ。ママとは離婚しちゃっているけど、店長だよ。それで、店長命令は何だって?」
「ちょっとまって」

 店長に電話する

「なんだ。江端!まだなにかあるのか?」
「朝日さんを一生大切にします。絶対に幸せにします」

 それだけ言って電話を切った。
 彼女が持ってきた、荷物は、ペットシートや餌や猫砂だった。

 それから、僕は、大学から離れた場所から通っている。二人で!
 そして、二人の荷物で重なっていらない物を捨てた。

 可愛い猫二匹と、可愛い彼女と、新しい生活を始めるために・・・僕は、彼女への気持ちを隠す気持ちを捨てた。

「ねぇなんで、私よりも、コウとハタに先にキスするの?」

 彼女を抱きしめて、深いキスをする。
 そして、今日、お互いのベッドを捨てた。広い大きなベッドが届くからだ。

fin

近くて遠い50cm

近くて遠い50cm

彼女との距離50cm。この距離がもどかしい 僕は、20歳になる大学生だ。 バイトに明け暮れていた。そのバイト先に、彼女が来た。 最初みた時から、心を奪われていたのだろうか? いつから、僕は、彼女のことを目で追っていたのだろう。 この気持ちは隠さなければならない、僕だけの秘密なのだ。 淡い恋心。そんな言葉で表す事が出来るのは過ぎ去った恋だけ、現在進行形の恋心には、昨日よりも今日、今日よりも明日。そして、近くて遠い人への恋慕が溜まっていく。

  • 小説
  • 短編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2020-04-24

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