氷河期の詩

結晶は、すこし、こわかった。

つめたい、水に触れるたびに、たぶん、そんなときだけ、ぼくは生きていて、きっと、きみも生きているのだと、おもうよ、冬が去ってゆく、いまを、真冬だという人がいる。かじかんだ、ゆびさきから、光線をだせたなら、緩やかな日々が待っている。しかし、心拍数より、血液の流れが、はやい気がして、ぼくたちはいつも、いそいでいるよ。「星を見つめています、月齢を捨ててしまえたら、あの子を愛したかもしれません。星を見つめています、神様のことを考えます。星を見つめています。星を、見つめています。」ぼくらは、夜を越えられないはやさで、いそいでいる。

燃やせ、と、いうことが、正しくはない、ぼくはきみがいなければ、生きてゆけない。均等に、凍らされた結晶は、なくて、とても人みたいだ、なんて人はいう。やっと生きているとおもう、そんなとき、人はたしかに、生きられているよ。

冬のさきに、春があるより、きみはじゅうぶん、燃えている。

氷河期の詩

氷河期の詩

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-04-15

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