地球誕生の詩
きみを見つめることは、星々の運動のような、はやさだね。美しいのに、継続されることはなく、ただ、美しいままで、ぼくを、沈めようとする。海にはならないけれど、ぼくがひっそりと、呼吸をしなければならないほどに、やさしく、あくだった。だから、星をあいせなくなったという、彼のはなしは、ほんとうかもしれない。ぼくたちは、忘れてしまったのかもしれない、もういいかい。もういいよ。うん、さようなら。
明滅はとても残酷で、生きているのかわからないから、生きていなくてもいいような、生きているのかわからないような、きみを、あいすることは、彼にはまた、残酷だった。ぼくのあいしている、は、瞬く間に、死んでいくけれど、それは、星ではないし、星になることもないし、いつか、ほんとうに、消滅してしまう。彼が美しいと云えないものが、かがやいている世界で、きみは、誰よりもあいされていて、ぼくはあいしていて、連続的に、生を授かって、奇跡が、爆発していく。この日常に、鈍感なまま、こんなにあたたかい狂気なんてないよ、地球上にはもったいないよ、と、ぼくたちは、削りあっていく。
地球誕生の詩