フランツ カフカ【キメラ編】
キメラの最後。人間の、判決。
I
【キメラの最後】
〝もう、ぼくは、死にたいニャンメェ〟
だめだ。最後まで、ぼくは、面倒を見るよ。
〝イヤメェ。ニャン。〟
〝殺してニャン〟
猫と羊のキメラは、ニャンメェ泣いている。
ぼくに、殺して欲しいという、目つき。
ある時、キメラが、ぼくの頰をつたう、しずくが流れ溢れた。
II
羊でもなく、猫でもない動物は、最後に訴えてくるのは、いのちのはなし。
羊でもなく、猫でもない、人間のしでかした、キメラへの罪。
殺した方が、救いになるのか、生かした方がいいのか、どちらの答えも正解である、とわたしは、思う。
生き続けるのが、苦痛で仕方がない。
生きていて、居心地のいい、楽園がある。
死にたくても、死ねない。
生き続けて、大切に扱う。
人間が、作ったキメラ。
カフカは、この父から受け継いだ、キメラを、寿命まで、世話をするという。
カフカの、考え方でもある。
III
永遠の幸せを求めて。
鋼の錬金術師の、エルリック兄弟と、スカー【傷の男】の話では、スカー【傷の男】が、キメラを次々に殺してゆく。
スカーは、正義だと思っている。
キメラの苦しみ。
人間の愛の運命
殺すか
生かすか。
わたしは、命のある、生物は、やはり、大切に可愛がって、最後まで、面倒をみる、のが、正しい。
そう思う。
フランツ カフカ【キメラ編】
いのちある、生物は。