ぼくと星
ひとびとが、夜の海に沈もうとするとき、僕はぼくの瞳のなかで、星の飼い人になって、あの子よりずっと、美しくなったつもりで、瞳をとじています。果てしなくぼくは、広がっている、心臓から先へ、いのちをとばす、そのとき、きみはここにいる。うちゅうは、あんがい、狭いね、星空は、いつも、ある。
たまに降る星を感じては、ああ、どこかであの子のようなひとが、街を燃やして、暮らすことをやめてしまったのだと、思うよ。そのとき、きっと僕は神様に愛されて、満たされている、しかし、かなしみのために眠る。ああ、夜になれば、あまりまえのように星が降ることを、あまりまえのように感じることすら、感覚にしていることが、とてもきもちがよくて、セックスより、愛されているさみしさがあって、僕はまだ、地上に暮らしていて、星に、なりたい。僕らが生きていることが、たった地球の末端のできごとでしかないこと、とても誇らしく思えて、いまなら何でもできる気がします。
きらきらと、瞳ではあるけれど。
ぼくと星