社説 コロナウィルス対策に万全を期せ

社説 コロナウィルス対策に万全を期せ

社説 コロナウィルス対策に万全を期せ

 コロナウィルスの発生からもうすでに一ヶ月半経過したが、未だ終息を見ない。中国は武漢から発生したとされるが、瞬く間に世界全体に蔓延しつつある。未だ予断を許さない状態だ。日本政府も各国との緊密な連携を計りこのウィルスを抑え込むよう最善の努力を尽くすべきだ。またWHO(世界保健機構(せかいほけんきこう))とも盛んな意見交換を行いこのウィルスの対処法を確立していかなければならない。
 もっとも即席なウィルス対策として有効であるのがマスク着用であるが、そのマスクの枯渇も懸念されている。もはや、有り得べきマスク販売売り場の何処を探しても売り切れ御免ごの様相を呈している。こうなると、最悪には古くはデストロイヤー、タイガーマスク、獣神サンダーライガーなど、マスク違いのマスクに頼らざるを得ない。しかし、例えばスペルデルフィンのマスクを買った後に通常のマスクを運良く買えた場合には、スペルデルフィンを被りつつもそのマスクの上からマスクを着用するという二重の、マスクの上からマスクというシュールな状態も考慮すべきだ。早急なマスク枯渇対策を行うべきであろう。
 また、ウィルス対策で言うと、何とも古風で、ほとんど忘れられた、今では誰の口の端にも上らない、いにしえの健康法、乾布摩擦を思い出してみてはどうか。布を引き絞り、肩や腕、背中などを文字通り摩擦するのである。まだ春の到来を訪れない寒風の吹きすさぶ朝焼けの山奥に一人おもむき、ううぇお、ううぇおら、と叫びながら自らの身体を擦り、また擦り、大自然の息吹を全身に感じ、自己鍛錬というもっぱらの精神力、これのみによってウィルスを撃退するのである。
 こう考えるならば、もっぱら精神力、これのみで言うと広場に大勢の人が集まり、ううぇお、ううぇおら、叫声とともに身体を擦り、また擦りの、各々の自己鍛錬を通して得られる強力な生命の燃焼、つまるところの永続的な生への希求、換言するならば不老長生の妙においては、もはやマスクなどと言う間接的で、一皮被った、盲目的、独善的、独り善がりの、マスク着用は自粛すべきである。仮面ライダーにおけるライダーマンを思い出せ。何故、彼の口元は開いていたのか。マスクという実際的な用途を省みることも、この非常事態には肝要なことであろう。
 世界各国でも特定国の渡航者に対して入国拒否などが相次いでいる。我が国でも、中国や韓国からの入国者への制限がなされたばかりだ。こうした傾向は世界経済への悪影響になりかねない。政府には慎重な判断が求められよう。しかしまた慎重になりすぎ迅速な対応ができないという事態も避けるべきだ。慎重になりすぎず迅速であるが片手落ちだったりもせず、丁度良いところ、もっとも気持ちの良い勘所、ここを狙い、そこを掴む野性の勘を持つべきであろう。まさにイカセ屋を自認すべき時が来たのではあるまいか。再考がなされるべきである。
 最後に付け加えたいのが、トイレットペーパーの買い占め問題だ。うんこをした後のお尻を拭く紙のことである。風が吹けば桶屋の影響であろう、こう言った非常事態には特にトイレットペーパーが買い占められるのは歴史的事実である。その度ごとに排便難民が生まれるのは嘆かわしいことだ。しかし、それも朝焼けの山におもむけば解決がなされよう。野糞である。トイレットペーパーも木の葉で代用できよう。微生物が糞を分解し、大自然の営みを感じられる。大自然との一体感を持って爽快な気分で出社でき、すこやかな一日が送れるというものであろう。

社説 コロナウィルス対策に万全を期せ

新聞の社説って面白いくないですか?何か、面白いんですよ。何だか面白いんですよねえ。

社説 コロナウィルス対策に万全を期せ

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-03-10

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