死神機構 #4
・キャラクター紹介・
ルジェ・デフィシエンシー
屍回収係に所属する青年。どこまでもマイペースで無気力。「だるい」「面倒くさい」「帰りたい」が口癖の怠惰の塊であるが、ノルマは必ず達成し誰よりも早く退社するため、ある意味やり手なのかもしれない。和菓子がすき。「んあー」とよく鳴く。
ロワール・デフィシエンシー
魂埋葬係に所属する青年。ルジェの双子の兄。弟とは正反対な規律正しい真面目な性格。上司譲りのワーカホリックであり無駄が何よりも嫌い。普段から大きな棺桶をリュックのように背負っており、その中身は何が入っているか誰も知らない。
ハインリヒ・ヴァルシュミーデ
巨大な書庫「ヴァビロニア」を管理する少年。齢14にして飛び級で機関入りを果たした神童。悟りを開いた子供らしくない物言いをする。シルヴァーノとは主従関係であり、つねに行動を共にしている。人間扱いは全くもってしていない。
シルヴァーノ・アンジェルッチ
「ヴァビロニア」の門番。残念な美人。忠誠心が強いテンプレ下僕体質。元の姿は「チャーチグリム」といわれる魔物。ハインリヒを「ハイン様」 と呼び心酔している。主人一筋なため、ハインリヒ以外には塩対応でかなりそっけない。
ルジェ:、、すー、すー、、(寝息を立てて)
ハイン:(無言で彼を蹴り飛ばし)
さっさと起きなさい、屍回収係の穀潰し。
ルジェ:、、いってぇなぁ。何すんだよチビ。(見るからに機嫌の悪そうな声で)
ハイン:貴方は何度言えば理解をするのです?此処は貴方が惰眠を貪るために存在しているのではありません。本を読む気がないのならば即座に出ていって頂けますか??(腕を組み見上げて)
ルジェ:、、(少し考え込み)嫌だね。
ハイン:、、はい?(声のトーンを落とし)
ルジェ:聞こえなかった?い、や、だ、ね、って言ったんだけど。(気だるそうに)
ハイン:、、はあ、これだから穀潰しは。
僕が間違っていました。能無しに理解を求めても学習しないのですから、最初から意味など何一つとしてないですものねぇ。(態とらしく鼻で笑い)
ルジェ:へーへー、どうせ俺は「のーなしのごくつぶし」ですよー、、はあ、だる。
(まるで聞く耳を持たずまた寝転がって)
ハイン:っ、ちょっと、言った傍から、、!!
(声を荒らげるも物音に気付き目を向けて)
シルヴァ:お取り込み中の所申し訳ございません、ハイン様。(礼儀正しく頭を下げ)
ハイン:(小さく咳払いし目を向けて)
ええ、構いませんよ。どうしました?
シルヴァ:訪問者です。見たところ、そこにおられます「怠惰の者」の兄上様かと。(静かな声で)
ハイン:(重い溜め息を吐き)
、、分かりました、通しなさい。
シルヴァ:Sir, yes, sir.(敬礼しその場を離れる)
ルジェ:、、んあ。ロアの匂い。(顔を上げ)
ハイン:匂いで分かるんですか、気持ちが悪いですね。(ちら、と横目で見て)
ルジェ:くひ、まあねー。(へら、と笑い)
ハイン:褒めてませんよ。(ぴしゃりと言い)
ロワール:ああ、やっぱりここにいた!!(息を切らした様子で頭をかいて)
毎度毎度ごめんねハインくん、うちの愚弟が迷惑をかけて、、(申し訳なさそうに)
ハイン:いえいえ、どうぞお気になさらず。貴方に罪は一つもありませんからね。(柔く笑み)
、、そこにいる出来損ないを覗いては、ですが。
ロワール:あはは、、(困った様に苦笑いし)
ほら、ルジェ。迷惑ばっか掛けてるんだから、一言くらいはハインくんになにか言ったらどうなの??(ぐい、と無理やり立たせ耳打ちして)
ルジェ:んあー、、(目を擦り小さく溜息)
、、もっと俺に優しくしろ。このドケチチビ。(んべ、と舌を出しプイっとそっぽ向いて)
ハイン:、、(舌打ち1つし腕を組み)
ええ、今ので充分に分かりました。その死神とは僕の一生をかけても絶対に和解が出来ないと、ね。(不機嫌そうに眉根寄せて)
ルジェ:けっ。元々お前なんかと仲良くする気なんて更々ねぇよーだ。ばーかばーかぁ。
ロワール:そうやって直ぐに煽らないの!!
(ルジェの口を両手で塞ぎ)
なんでお前は次から次にそういう言葉がポンポン出てくるんだよ全く、、
ルジェ:むぐ。んんーっうーっぬーっ
(じたばた暴れ、ムグムグと唸り出し)
ハイン:ああ、丁度いいですね。そのままずっと塞いでやってて下さいな。半永久的に。
ロワール:はは、相も変わらず血も涙も無いねぇハインくん、、いった!!(反射的に手を離し)
ルジェ:っぷは。んあー、苦しかった、、(くい、と口元を拭い)
ロワール:兄の手を噛むとか犬かお前は、、
シルヴァ:失礼致します。(お辞儀一つし)
ロワール様、例の書物をお持ち致しました。
ロワール:(渡された書物を確認し)
わあ、すごい!そうそう、これだよこれこれ!!
ハイン:探すのに苦労したんですからね、それ。
毎度の穀潰しの除去に感謝しておりますので、今回は特別サービスですよ。(ふん、と息一つ)
ルジェ:、、(近寄り本を覗き込み)
「ネクロフィリア解体新書」「変死体についての考察」「穢れた生娘の愛し方」、、??
、、はあ?なにこれ、趣味悪。
シルヴァ:「件の少女」、に御座いますね。
ハイン:あの老害も良くやりますよねぇ、、前々からとんだモノ好きだとは思っていましたが。
ルジェ:ちょっと、俺の上司の悪口やめてよね。
(むす、と眉間にシワを寄せ)
シルヴァ:長年に渡り墓守犬をして来ましたが、私も聴いたことのない案件です。墓荒らしの死神とは何度もお会いしたことは御座いますが、「生命力を持続した状態の死体を持ち帰る死神」はあの方が初めてかと。(淡々と語り)
ロワール:本当にね、、(眉根下げ)
我らが墓守様もお手上げ状態なんだよ。僕ら部下がこんな書物を買い込んでまで手がかりを探すくらいには。ね。
シルヴァ:お力になれず申し訳ございません。
ロワール:ううん、充分すぎるくらいだよ。必死に探してくれてありがとうね、シルヴァくん。
(書架内にボーンボーンと鳴り響く古時計の音)
ルジェ:、、ロア、仕事の時間。
ロワール:本当だね、、行こうか、ルジェ。(立て掛けていた棺桶を背負い)
死神機構 #4