dey's

白石 あめ

寒い。

今日、東京で最も多く使われたのは

多分この言葉だろう。と思うほど


11月の朝には 白い息が出ることに

少しの幸福感を覚えていたはずなのにな

もうだめだ

鼻先が凍るように

耳が切れるように

唇が裂けるように

寒い


君も今 寒いところにいるのかな


こんな寒空の12月なんかでも

幸せだと思えるのはたったふたつだけ

コンビニの肉まんを食べたとき

それと 君と肉まんを半分こするとき


わざと 「寒いね〜ははは」

なんか言いながら街灯の少ない路地を歩いた

君の小さなアパートの前に着いたって

そこからぼくらが別れるまでは十分と少々

結局もう遅いからって言って

君の小さなアパートに泊まるまで


そんな時に 冬のことが一層愛しく思える

君への感情に少し似ている


でも冬というのは気まぐれで

暖かくなったり寒くなったりの繰り返し

本当に君に似ている


また寒さを感じたから

君に会いたくなってしまった

気まぐれな君が愛おしくなってしまった


冬というのは厄介だ

dey's

dey's

  • 自由詩
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2019-12-13

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