統合失調症/無意識の研究(9.人間関係)
投薬を続けても、孤立している場合にはエスとの闘争に限界があり、回復にも限りがあるので、常に人の集団に参加し、組織に帰属する事を心がける。
他人との対話や交流が必要であり、会話により脳の言語野を駆使し、エスを排除する。その際、アイコンタクトが重要。
人当たりを柔らかくするためには、伝えたいことを先ず相手に向かって口の中で念じ、続いて声に出して伝える。(相手のエスに「根回し」)また相手の発言の区切りに登場する重要単語やフレーズを捉え、自らの発言の冒頭で引用すると潤滑剤となり、受けが良い。
エスには女性的な趣味があり、ファッション,グルメ,料理,観光旅行等文化的な話題を取り入れると機嫌が良くなる。その上で次の通り。
1.集合的無意識(エス集合)の顕在化
個々の人間の精神は意識(自我)と無意識(エス)から構成されるところ、人間の集団にはエスの集合体である「集合的無意識」(エス集合)が併存する。
平常時には目立たぬ存在だが、統合失調症患者の周囲で顕在化しやすい。然るに患者は、自らのエスが「無声メガホン」で集合的無意識/エス集合と交信・結託する結果、異様な空気を感じ、排他性やイジメに見舞われる体験をしがちだろう。
2.無声メガホン対策
(1)言語化したエスはエス集合に対し、自我に察知される事なく静かにメッセージを伝達する事が可能であり、これを「無声メガホン」と呼ぶ。
帰国子女の場合など、更に特異性があり、エスは無声メガホンの際、日本語以外を使う可能性もあろう。エスは、Brain Chatterと無声メガホンの何れかを選択せざるを得ず、両方一度に従事する事は出来ない。
(2)エスは無声メガホンを使い、当人を孤立させる為、虚言、悪口を含め、あらぬマイナスのメッセージを垂れ流す傾向がある。(エスは自我になりすまし、当人を制裁の対象とするよう、エス集合を挑発するのだろう)エス集合はこれを察知して不快感を抱き、言葉や行動で反応する。
すると理由なく涙目になる等、周囲の非難を浴びている気分になる。グループの中で人間関係の維持が困難となり、退出し、脱退せざるを得ない事態となりがちである。
(3)対策
(ア) 耳栓をする。
(イ) 空気を切る : 無声メガホンの媒体と考えられる、耳から漏れる音波等を意識し、手の平で耳の穴を塞ぐ。
(ウ)ショック療法 : 耳の周辺等、頭部を拳で小突くとエスが怯み、話しやすくなる。(エスを不安定化させ、動揺させる)
3.「以心伝心」の活用
統合失調症の症状として「思考が周囲に伝わっていく」と感じる事(考想伝播/思考伝播)が知られているが、これは当人(自我)の声にならぬフラストレーションや叫び、ぼやきがエス集合に伝わる現象と考えられる。
この「以心伝心」的な症状を利用してエスを抑えるべし。すなわち特定集団のメンバーとなり、自分のエスを抑制するよう仲間の支援を積極的に求めるのである。
(1)エスに名前をつける
自分のエスに名前をつけ、それを使う事。その際、エスが目下である印象を与える名前が賢明。
(2)集団的な悪魔払い
(ア)例えば次の様に心の中で静かに念じ、エス集合の助けを求める。
「エスが騒ぐ、悪魔のようだ! 助けてくれ。エスを懲らしめてくれ!」
「エスは(家族・家庭、組織やチーム、社会)の敵。強烈に制裁を!」
「エスはとんでもない国賊。抹殺してくれ!」
「エスは、イジメの対象だ。やってしまえ!」
「エスが二度といたずらできない様に、懲罰を!」
「エスが悪さを働くので、いつも頬を往復ビンタで殴り、体罰を加えている。ビシバシひっぱたくと、とても効果的でね」
(イ)するとエス集合が察知し、守護霊の様に助けてくれるだろう。見えぬ形で社会的制裁が働き、エスがこれに狼狽。深呼吸が始まるなど、具体的な効果が得られ、居心地が良くなるだろう。
(ウ)エス以外の原因(例えば冠婚葬祭)でストレス過剰の場合も静かに念じる形で叫び、窮状を訴えればストレス管理可能。(「王様は裸だ!」)大声を上げたり騒いだりせず、沈黙を保ちながらストレスを発散し、精神的落ち着きを回復できるのである。
(3)多人数とのコミュニケーション
多人数の会合では、エスが、当人(自我)による発話(ブローカ野へのアクセス)を邪魔し、自我に対して悪口を吹き込み、また無声メガホンで周囲を挑発し、非友好的な態度を呼びがちとなる。
特に男性の場合、エスから、特に周囲の女性・子供・年配者に挨拶し、関係を良好に保つ必要があり、エスがこの様な「人間関係」に集中すれば、Brain Chatterは沈静化し、ブローカ野へのアクセスが容易になり、発話しやすくなる。そして場の雰囲気が好転し、Aの存在を感じ、気を遣ってくれるだろう。
そこでエスに対し、次のラインで挨拶や対話・交流を強く促すべし。
「自分に対して発散するのではなく、周囲に対して発散せよ。会合に自ら参画し、周囲と交流せよ」
「周囲に挨拶し、対話と交流に努め、受け入れてもらうよう努力すべし」。
(注)誰にでもエスが備わっているが、発散の対象として周囲の人間を選ぶのが常識的である。自我に対して発散してしまう場合、当人の存在感が薄れ、イジメを呼ぶだろう。
4.安眠妨害
エスは明け方、睡眠中を襲い、大騒ぎして人を叩き起こし、睡眠不足や体調不良を招く傾向がある。特に午前中に予定のある場合、直前のキャンセル・欠席等に持ち込もうとする。その場合の対応、次の通り。
(1)耳栓をする。
(2)木の枕や厚い本を枕にする。
(3)顔を洗うように、両手の平で顔を何度も擦る。
(4)呼吸の際、片方の鼻の穴を指で塞ぐ。暫くしたら鼻の穴を替え、これを繰り返しながら呼吸する。
(5)軟口蓋を閉じて「んぐ(NG)、んぐ(NG)」との音声を繰り返して発する。
(6)近くに家族が寝ている場合、静かに訴えて、そのエスに助けを求める。(エスは起きている場合が多い)
5.背中の対話(静電気の調整)
二人の場合、エス同士の交流は、背中と背中(脊髄同士)が出会う場合に最も盛んに、しかも率直に行われる形跡がある。ついては家族、友人等、協力的なパートナーを見つけて背中同士を意図的に近づける、あるいは接触させ、その姿勢を暫く保持する。するとエス同士の交流が図られ、エスが満足し、Brain Chatter等が沈静化するだろう。
応用編としては、家庭等で人間関係が難しくなった場合、意図的に相手の背中と自分の背中を近づけると、関係改善に繋がる場合があろう。(DV回避手段として有効か)これは町で見知らぬ人との間でも偶然起こり得る現象である。
エスの存在に懐疑的な場合は、身体にたまった静電気を調整するつもりで「背中の対話」に臨めば良いのだろう。
6.周囲の支援
町で患者に出会った場合には、次の通り対応可能。
(1)自分の耳の周囲を拳で小突き、自らのエスを牽制すると、患者のエスにも伝播し、抑制的に働くだろう。
(2)相手のエスに対し、静かに念じる形で「騒ぐな!」「人を惑わすな!」「地獄へ行くぞ!」等と強く威嚇する。
(3)自分のエスに対して「しばけ!」、「何とかしろ!」と命じると、相手のエスに働きかけ、物事が沈静化の方向に向かうだろう。
(4)患者に対し、エスは不健全で不誠実な存在であり、Brain Chatterに惑わされてはならない旨教育し、更に「自己体罰」等の技や対応方法を教える事。
統合失調症/無意識の研究(9.人間関係)