恋する君には、

あっちをみるのは君のため


流し目 横目で 君を見る



静かにしてみても 明るくしてみても

君の好みには刺さらないし

きっとそんなことにも気づいてもらえない



君が他の誰かと話す時

君が他の誰かと笑う時

心臓のどっかは風が吹いてて

ざわめき うずめき せめぎ合う



君と過ごしたあの全ては。



誰よりも幸せな自信はないけれど

誰よりも悲しくなっている自信もなかった


君はどこにいますか?

君の気持ちはどこにいますか?


受験生と呼ばれることに

もう

慣れてしまった私たち


未来への不安も過去への後悔も

ぜんぶぜんぶ忘れて

君と今だけを信じて生きていたかったな


なんどもなんども願った

星にも月にも神にも仏にも


だけど何かが変わるわけじゃない

何かを起こすのはいつだって自分だけだって

わかってるのにな


心にぽっかり空いたこの穴に

君が住んでくれるんなら

これ以上 穴の修理は要らないよ


切ない、という感情は

このことなのかなあ

悲しいというにはあまりに辛くなくて

寂しいというにはあまりに辛すぎる

目からは涙も塵も出ないほどに。



どうせ、という言葉を使うのは

何か気にかかっているからだと思う


そうやって最後の希望をたった三文字に託して

明日もがんばって生きるの


しょうもねえなあ。


この一言に隠された真意を


私は知ってしまったはずなのに


考えられない。



キッパリ言われても



諦められないの




本当変だよね



君のことを好きとか。


でも、私のこと好きにならないとか




センスないよね

恋する君には、

恋する君には、

  • 自由詩
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-11-01

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