とても幸せ

白石 あめ

どうしても言葉にしたくなった


愛しているよ、言うのは

あまりにも簡単すぎるから

きみと長く居る口実に

小難しく遠回して口にした



豚や牛や魚が

静かに僕を見ている

壁が僕を潰すように

圧迫してくる

身体を愛すほどに

心を失っていく感じがした



誰にも理解されないという苦しみは

時に幸せに感じる


人に嫌われることよりも

人に愛されることの方が

心に傷を負いやすい



やる気の起きない

22時32分

どうせなら死んでしまおうか、と

ニヤリと笑うけど


きみのことを想うと

死んでも死にきれない


目が合うたびに瞳孔が開く

胸が高鳴る

きみが他のやつと話すたびに

どこかがざわついている


そんな純情な恋だ

そんなガキくさい恋だ

そんな尊い恋だ


抱きしめるように

締め付けるように

ほどけるように

結ぶように

触れるように

叩きつけるように

流れるように

落ちながら




そんなきみと出会えた僕は


きっと とっても

とても 幸せ




だったはずなにな、

とても幸せ

とても幸せ

  • 自由詩
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2019-10-11

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