釣り堀

男が歩道橋の上から釣り糸を垂らしている。

「釣れるかい?」
「ああ。見ての通りさ」
「そこには魚がいないんじゃないの?」
「よく見ろよ。うじゃうじゃいるぜ。覗いてみろよ」
「え?そうかい?どれどれ・・・・・・あっ?!ちょ!や、やめろ!ちょ!あ」
「・・・今日は釣れねえな」

男が歩道橋の上から釣り糸を垂らしている。

「なかなか精が出ますね」
「ああ。見ての通りさ」
「魚はいますか?」
「さっき跳ねたよ。覗いてごらんよ」
「ええ?どれどれ?・・・・・・あ!?ちょ!?何をする!?え!?やめ!?ちょちょ、あ」
「・・・釣れそうにねえな」

男が歩道橋の上から釣り糸を垂らしている。

「結構大漁そうですな」
「そうかい?見ての通りさ」
「さっきもそこから魚が跳ねましたな」
「おお。そうだな。覗いてみなよ。ここからだとよく見えるぜ」
「ふむ?どれどれ?・・・・・・あ?!何!?ちょ!?放せよ、ちょ!危ないだろ!ああ、やめ、あ」
「・・・今日は坊主だな」

釣り堀

釣り堀

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-08-27

Copyrighted
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  1. 男が歩道橋の上から釣り糸を垂らしている。
  2. 男が歩道橋の上から釣り糸を垂らしている。
  3. 男が歩道橋の上から釣り糸を垂らしている。