ツノツキ男子のあれやそれ
・配役・
眠(ねむり):♂/くしゃくしゃな黒髪に眠たげなジト目/夢とは双子/口の悪いツンデレ
夢(ゆめ):♂/くしゃくしゃな白髪にとろんとした垂れ目/眠とは双子/ふわふわ癒し系
現(うつつ):♂/緩くウェーブした白銀の長髪に切れ長の瞳/4匹の中では最年長/お調子者な兄貴肌
幻(まほろ):♂/ふわふわな栗色マッシュヘアに優しげな糸目/現とは腐れ縁/紳士的だが実は??
・諸注意・
こちらの作品は声劇用四人台本です。
当台本は『添い寝リフレ』を題材にしています。まだまだにわか知識です。所々妄想もあり。
BL(ボーイズライフ)です。男子たちがキャッキャウフフしてます。苦手な方はごめんなさい。
多少の改変、アレンジはご自由に。ただしセリフまるごと改変はおやめください。
創作の人種が出てきます。詳しくは概要をご覧下さい。少しでも楽しんで頂けたら幸いです。よろしくお願いします。
羊を祖先に持ち頭にツノが生えた、声と瞳に不思議な力を持つ人種「ツノツキ」のお話。
( 人肌が恋しい、甘えたい、寂しい、誰かに癒して欲しい、、そんな人達が集まる不思議な場所。それが完全会員制添い寝リフレ「迷々」。
今宵は「ツノツキ」であるそんな彼らの、まったりゆるゆるなアフタートークをお届け致します。)
眠:、、ふああ。ん、、ねむ、だり、、
夢:あ、むーくんだ。お疲れ様でーす。
(気だるそうに欠伸をする眠の元へヒラヒラと手を振りながらやってくる夢。)
夢:ふふ、お兄さん眠たそうですねぇ。お隣、座っちゃってもいいですかぁ??
眠:、、今は仕事中じゃねぇだろうが。普通に話せ気持ち悪い、あと座るのは勝手にしろ。
夢:はぁい。でも疲れてるのは本当でしょう?いつもよりクマひどいもん。ちゃんと寝れてる??
眠:余計なお世話だっつの。いちいち俺の頬を撫でるな、距離が近いんだよマジでやめてくれ、、
夢:えー。相変わらずお兄ちゃんつめたぁい。
眠:うるさい黙れ。
(ガチャりと開けられる扉。緩くウェーブした長髪を揺らしニマリと厭らしい笑みを作るのは「ツノツキ」の男だ)
現:やあやあ、愛しの双子諸君。今宵も我が店舗のために見知らぬ男女に添い寝をしてくれて誠に感謝だ。最大級の感謝をお前達に示そう。ありがとう。そしてありがとう。
夢:うーくんお疲れ様でーす、こちらこそだよー。
眠:話が長い、胡散臭い、将来的に消えてくれ。
現:わあい、双子のくせに反応真逆過ぎて笑えてくるなぁ。お前ら最高。結婚しよ???
眠:疲れてるんだよお前、取り敢えず夢に癒して貰えば?
夢:うーくん疲れてるの?大丈夫?ぎゅーってする??
現:ああん、夢たんまじ天使。お兄さんのお嫁さんになって毎日美味しいお味噌汁作ってよーっ好きだーっ!
夢:ふふ、僕で良ければ喜んで。うーくんよしよーし。
(ハグをする2人の前でまた扉が開く。栗毛に羊のツノが生えた青年は不思議そうに首を傾げた)
幻:えっと、お疲れ様です?今日も今日とてラブラブなんだね、羨ましいよ。
現:おうっそうだろう羨ましいだろう!!お疲れだな、今日はお前が最後か?まほろ。
幻:うん、そうみたい。現、大好きなのは分かるけど力加減してあげなね。夢、潰れそうだよ?
夢:んんう、平気だよー。まーくんお疲れ様ぁ。
(よしよしと夢の頭を撫でる幻。すると先ほどまでソファに蹲っていた眠が幻の元へとやってくる)
眠:、、。(無言で後ろから幻に抱き着く)
幻:ん?ああ、ここにいたんだね、眠。
眠:、、ん。おつかれ、まほろ。
幻:うん、ありがとー。眠もお疲れ様、ね。
眠:んん、、もっと、撫でて。まほの手、俺好き。
幻:可愛い。いいよー、いっぱい撫でてあげる。
現:お前らだってラブラブじゃねぇかよーっ俺にもそれくらいデレていいんだぞ!さぁこい!!
眠:うるさい、邪魔するな、、んう。
幻:そうだよー現?ここ好きだね眠、よしよし。
現:かーっうらやまけしからん!いいもんね!俺には夢がいるから!ねっ夢たん??
夢:ねえね、まーくん。その袋なーに?
幻:これ?アイスだよ、今日暑かっただろ?色んな種類買ってきたから皆で食べようかなって。
夢:わーっさっすがまーくん!食べる食べるーっ
眠:まほろは気が利くな、、現、お前と違って。
現:夢たんに無視された挙句ねむりんにも罵倒される俺の気持ち分かる?ねぇ分かるかいまほろくんよぉ、、
幻:わかるわかる、ほら、現も食べて元気だしてね。このままミーティングも始めちゃおうか。
現:気配りも出来りゃ仕事も出来んじゃん、パーフェクトかよお前、、分かったよぉ。お兄さん、ミーティング始めさせて貰っちゃうからねぇ、、
(机を挟むように置かれた2つのソファに夢と眠、現と幻、と2人ずつで腰掛ける。バラバラと机に置かれたコピー用紙には今月の売り上げなどが明記されていた)
現:今月も売り上げトップは夢!さすがはウチが誇る「ゆるふわ王子」だなーっ鼻が高いってもんだぜ。
夢:でもでもまーくんだって凄いよ!固定のお客さんいっぱいいるし、羨ましいなぁ、、
幻:そうかなぁ、リピーターは多くても新規客が拾えないのは問題だからね、もう少し頑張らないと、、だな。
眠:、、ふああ。
幻:眠、最近ちょっと調子悪いんじゃない?前回に比べて顧客が減ってる。ちゃんとサービス出来ているかい??
眠:、、俺は仕事を全うしてる。ちゃんと添い寝もするし、リラクゼーションだって完璧だ。
夢:うーん、むーくんは確かに出来る子なんだよ?それなのになんでだろ、うーくん分かる?
現:そうだなぁ、眠のその冷たい接客態度、か?いや、「眠くんはツンデレなとこがいい!堪らない!!」って言うお客様も多いからそこは違うのか、、んん、なんだろうなぁ。
幻:、、眠、ちょっとごめんね。
眠:ん、、?っ、
(眠に顔をぐっと近付け瞳を覗き込む幻。耳許に唇を寄せ、そっと問いかける)
幻:眠、何かあったのなら俺に言ってごらん?俺達は同じ「ツノツキ」。隠すことなんて何も無いはずだ。、、出来るよね?眠??
眠:、、い、やだ。まほろには関係ない。これは俺の問題だ、だから、放っておいて、くれ。
幻:へぇ。、、ねえ、眠。君はいつから、そんなに悪い子になったの?俺は知ってるよ?眠はいい子だもんねぇ。ちゃあんと、嘘をつかないで真実だけを口にすることが出来るはずだよね??
眠:っ、、まほ、ろ、、(何処と無く蕩けた声になり)
現:で、出たぁ、、まほろの催眠能力、またの名を「強制的尋問誘導」、、同族であろうと容赦ないあの効き目、やっぱり「ドS王子」の称号は馬鹿には出来ねぇよなぁ、、
夢:むーくんには可哀想だけど、こうでもしないと口割らないだろうからな、、あとでいっぱい甘やかすから、今回だけは許してね、むーくん、、
(コソコソと小声で話し合う2人をよそに、幻の催眠誘導は続いていく)
幻:眠。目を瞑って、大きく深呼吸をして?息を整えて、俺に全てを預けてみせて。ん、いい子。いいね?今から3つ数えるよ。、、1、2、3。
眠:、、最近、出来た顧客で、変な奴が来たんだ。俺の催眠が、効かなくて。相手には早く寝て欲しいのに、俺も一緒に眠りたいのに。どんなに努力をしても、ダメで。どうしたらいいのか、分からなくなって、、俺、この仕事好きなのに。今、少しだけ、添い寝をするのが、、怖い、んだ。、、
(ガクッとネジが外れたブリキのように倒れこむ眠。間一髪のところで幻が眠を受け止める)
幻:おっと、、少し、力を使いすぎちゃったかなぁ。でも、これできっと深い眠りにつけたはずだよ。無理をさせちゃったけど、これで久し振りにゆっくり眠れるね。おやすみ、眠。
現:お疲れさん、まほろ。なるほどな、そんな厄介なやつが来ていたとは、、俺達「ツノツキ」の催眠能力が効かない、、か。それは確かに妙だな。
夢:僕らと同じ「ツノツキ」ってこと、、だよね?でもこのリフレには人間さんしか入れないはずでしょ??だとしたらどうして、、
幻:わざわざ自分のツノを折って人間に擬態した、、っていう可能性もあるかもしれないね。そこまでして眠に固執する客ってのもどうかと思うけれど。
現:なるほどなるほど、、分かった。あとは俺達に任せておけ。一応臨時ではあるがオーナーを任せられてる身だからな、お兄さん達大人の「ツノツキ」に全ておまかせ!!ってやつだ、安心しな。
夢:ありがとう、うーくん。むーくんのアフターケアは僕に任せてください。唯一の血の繋がったお兄ちゃんだもん。むーくんの問題は、僕の問題でもあるから、、ね??
幻:頼もしいな、夢。でも2人して無理だけするのはやめておくれよ。それだけは許しません。壁にぶち当たったら必ず俺と現に相談すること。いいね?
夢:はーい。ミーティング、この辺りで終わりにしない?むーくん、気持ちよさそうに寝ちゃってるし。
現:そうだな、アイスも底をついたし。眠が起きるまで、俺達3人も一旦休憩とするか?
幻:了解。、、ふああ、俺も力を普段より強めに使ったから少し疲れたよ、、おやすみ。
(ぱちり、と目を開ける眠。窓から見える景色は夕闇に染まっており、自分はふかふかのタオルケットに包まれていることに気付く)
眠:、、うつつ、ゆめ、まほろ。、、
(上手く息が出来ず過呼吸の様に荒く息を吐く)
、、1人は、嫌だ。誰か、誰か来て。、、俺を、
、、俺を、1人に、しないで、
(ガチャりと開く扉。パッと明るくなる室内。瞳をぱちくりとさせ、眠は言葉を失う)
夢:むーくん!?なんで泣いてるの!??
眠:ぇ、、?ちが、違う、泣いて、ない、、っ、
現:おやおやぁ??まさかまさか、、ねむりんったらぁ、目が覚めたら1人だったから寂しくなっちゃったんですかぁ???
眠:違うっ、頭わしゃわしゃするな、ウザイ、、
幻:1人にしてごめんね、眠。今からご飯に行くから準備しておいで?眠の好きなオムライス、食べに行こうね。
夢:そーだよむーくん!美味しいものいっぱい食べて嫌なことなんて忘れちゃおう?ねっ。
眠:、、ん。わかった、準備、する。
現:先にエンジンかけて待ってるからなー。早くしねぇと置いてくぞー??
幻:早くおいで、眠。待ってるよ、
(バタバタと部屋を出ていく3人。上着を羽織りながら、閉じられた扉に手を添え眠は呟く)
眠:、、ありがと。現、夢、幻。
ツノツキ男子のあれやそれ
次回からは主に単体、2人、という感じで短い話がメインになってくると思われます。「厄介な顧客」はもしかしたらいつか出てくるかもしれません。本当にもしかしたら、ですが。
少しでも楽しんで頂けたのならば幸いです。読んで頂き、ありがとうございました。