にきび

おはよう、と

スマホのアラームを止める代わりに呟いた

鏡の前に立つ私は

むくんでいる

昨日夜更かしをしたので

右頬にできてしまったにきびを気にしながら

洗顔をする


布団を綺麗にたたんで

朝食にヨーグルトを食べる

これ安いのに美味しいな、

なんて思いながら

テレビを見て話題の記事をチェック


むくんだ体をほぐそうと

ストレッチをする

あんなに体が硬かった私も

今では嘘みたいに柔らかい


それからSNSを巡回して

私以外はみんな幸せそう、

と思って少し落ち込む


幸せでないわけではないのだけど

なんだかなあ、

一言で言うとつまんない

そんな日々だ


しかし休日なんてやることがない

なんにもない

寝すぎてむくんだからだも

倦怠感も偏頭痛も

ぜんぶ休日の付き物だ


きっとかわいいあの子は

友達か彼氏と

街へ出て買い物をしたり

映画を見たりするんだろうなあ


泣けちゃうよなあ


別にゴロゴロしててもいいのに

なんだか損した気分になってしまう


女の子は憂鬱だ


生きていたくないのに死にたくない

外に出たくないのにどこかへ行きたい

誰にも会いたくないのに抱きしめて欲しい


女の子は面倒だ


仲良くしたくないのに笑わなきゃいけない

嫌いなのに好きなふりをしなくちゃいけない

理解できないのに共感しなくちゃいけない


あーあ


明日は月曜日だ、

にきび

にきび

  • 自由詩
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-07-29

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