令和10年 兄妹の物語(略~ の続き

なおち 作

  1. あらすじを書く
  2. 賢人「会社のお昼休みのシーンから再開か」
  3. 瞳「賢人が泣いてる(≧∇≦)」
  4. 美雪「お兄ちゃんの様子がおかしい( ゚Д゚)」
  5. 賢人「今日は会社は休みなのか:;(∩´﹏`∩);:」
  6. 瞳「(*´ω`)賢人とデートするのは初めてね」
  7. 瞳「( ゚Д゚)家電量販店って平日の朝から戦場なのね」
  8. 賢人「美雪が刺された? (;・∀・)」
  9. 美雪「令和10年の犯罪率の高さについて(。◕ˇдˇ​◕。)/」
  10. 瞳「私の名前は坂上瞳です。あなたは?」
  11. 美雪「作者を倒す」
  12. 賢人「ヤマダ電機でショッピングだ(∩´∀`)∩」
  13. 賢人「戦車はどこへ行くんだ(;゚Д゚)」
  14. 大塚家具ちゃん「行政はバツイチに冷たいわ」
  15. 瞳「令和10年の市役所ってこうなってるの……(ノД`)・゜・。」
  16. 美雪「(* ̄- ̄)マッカーサー元帥って悪い人じゃなかったのね」
  17. 美雪「市役所での戦闘……? (;^ω^)」
  18. 美雪「瞳をぶっ殺したい!!」 瞳「それはこっちのセリフよ!!」

あらすじを書く

「令和10年。財政破綻と強制労働と若い兄妹の絆の物語」
まさかの第2シーズンである。需要はあるのか。

筆者も書いていてよく分からない展開になってきたので
記憶を整理する意味でも登場人物の設定をまとめておく。

改めて主要人物(三人)を説明する。

・渋谷賢人 25歳 男  しぶや けんと
・渋谷美雪 21歳 女  しぶや みゆき
・坂上瞳  32歳 女  さかがみ ひとみ

『賢人』は、時給210円のブラック企業で働く底辺労働者だ。
小説では伝わりにくいが、ルックスは今風のイケメンである。
瞳と婚約をしたのはいいが、
紆余曲折を経て自らがシスコンであることを自覚し、
美雪と結ばれることを願っている。

大学3年生の『美雪』は、兄との同棲生活の継続を強く望んでいる。
家庭料理が得意な安定感のあるブラコンである。
父から譲渡された米国株式9000万円に加え、
自らが運用していてた米国株式1300万円を保有しており、
実は富裕層なのだ。経済学部、経営学科に在籍。

『瞳』はかなりの美人でしかも社長令嬢。
金持ち扱いされるのを嫌い、自ら父の経営する会社で
末端労働者として働く道を選び、賢人と同じ部署に所属している。
生活費からお小遣いまで親から支給され、現金、クレカなど
個人資産の総額が軽く1000万を超える、かなりのお嬢様。

育ちの良さを感じさせる、余裕のある性格はどこへ消えたのか。
度重なる美雪からの妨害によって性格が豹変してしまった。
病的までに賢人に執着し、賢人との結婚を心から望んでいる。
市販のラノベにはなかったタイプの、新手のヤンデレである。

この三名は、埼玉県北部のとある市営団地で同居生活を送っている。
(彼らが同居生活を送るまでの展開を描くのに
 第1シーズンでは24万文字も使ってしまったのだ)

それぞれの主義主張立場の違いから、毎日が昼ドラ。
修羅場。殺し合い。気の休まる暇などない。


この物語は、上記の三名を中心に複雑奇怪に推移するのだ。
いったいどんな結果になるのか。

賢人「会社のお昼休みのシーンから再開か」

~連載形式。文章は随時加筆修正していきます~

※けんと

前回どんだけ中途半端な終わり方したんだよ。

今日は6/18日 火曜日の昼休み(12:00~12:50)
俺はいつものように会社の食堂でお弁当箱を広げた。

美雪に作ってもらったお弁当は、
瞳の指示で道端に捨てられてしまった(;´・ω・)
美雪に後でどう謝ったら許してもらえるのか。
いっそ瞳に本気で抵抗すればよかったのか。でも逆らったら銃殺刑。

俺が死んだら、美雪は悲しむだろうな(;´∀`)
たぶんあいつは自殺して俺に続くと思う。

(*^▽^*)ジー

離れた席に座った瞳が、俺をずっと見てくる。
そんなに見られたら食べにくいぞ。

瞳の手作り弁当は男としてうれしいさ。
こんな美人のお姉さんに作ってもらえるなんて
俺にはもったいないくらいだ。
だが問題はそこじゃない。

あの人は美雪の弁当を生ごみ呼ばわりした。
令和10年になってから一番傷ついた言葉だぞ。

「くそっ!!」

俺はお弁当抱えたまま走り出した。
ここだと瞳がいるから腹が立って仕方ない。

職場の机で食べることにしよう。
規則違反になっちまうが、構うものか。
この時間なら誰いやしないからな。

現場に行くと2人の男性オペレーター(印刷機械)が
机に突っ伏して寝てやがる。こいつら何してんだよ。
飯食わなくていいのか。

「あれ!?」

俺の机の上には、捨てられたはずのお弁当があった。
ちゃんとお弁当包みにくるまれている。
見た目も綺麗で泥汚れなどは見られない。

「おう、その弁当なんだがよぉ」

オペの一人が俺に話しかけて来た。寝てたんじゃねえのか。

「大塚さんちのカグちゃん(キャラは前作参照)が
 ここまで届けてくれたんだ。
 なんでも、朝っぱらから道端に不自然に捨てられてるお弁当が
 あったって話でよ。その包みのデザインはおめーのだろ、シブヤ」

カグちゃん……ありがとうヽ(^o^)丿
あとでお礼を言わないと!!
それにしても俺のお弁当だってよく分かったよな!!
普段から食堂で俺の姿を見てたのか?

「残すわけにもいかねえし、二人分食うか( ゚Д゚)」

もたもたしてると他の奴らがここに戻って来ちまう。
さっきも説明したが、現場で食事をする奴は規則違反だ。
この会社の法律(会社ごとに法律がある)に違反すると
監禁、拷問、虐待、銃殺刑が適用されることになる。

今の日本では資本家連中が日本の全ての権利を独占し、
意にそぐわない国民や従業員は好き放題虐待できるのだ。

「うっぷ( ゚Д゚)さすがに食いすぎた。(;^ω^)
 味わう暇なんてなかったし、少しでも体力を回復させるために寝るか」

昨日は瞳のヒステリーにおびえて、妹に抱き締められながら
眠りについた。俺は瞳に殴られて二度吐血したこともあり、
精神的にも肉体的にも激しく消耗したが、ギャグマンガ(小説)なので
一晩寝たら治った。しかし体は良くなっても寝不足の設定だけは消えてくれない。

「ねえ。ねえったら」

誰だようるせえな。俺は寝てる時に起こされるのが一番ムカつくんだよ

「お弁当の感想を聞きに来たの。どうだった?(*^▽^*)」

うわああああ!! 瞳がいるじゃないか!! 一瞬で目が覚めたぞ!!

「( ゚Д゚)すごくおいしかったよ!! 」
「(*^▽^*)そう。残さず食べてくれてよかった」
「( ゚Д゚)瞳は料理が上手だな。ま、毎日作ってもらいたいなぁ」
「(*^▽^*)おかしなこと言うのね。今日から毎日作るって言ったじゃない」
「( ゚Д゚)あ、あはは。そうだったね」

「(*^▽^*) ねえ。ところで、それなにかな」
「(´・ω`・)え?」
「(^_^メ)どうしてお弁当箱が二つもあるの?」

また修羅場だ。朝起きて修羅場。通勤途中で修羅場。昼休みも修羅場。
きっと家に帰ってからも修羅場なんだろう。もう疲れた(;´・ω・)

俺は馬鹿じゃないので瞳がヒスるパターンも大体把握できた。
ここで正直に大塚家具ちゃん(別名久美子さん)が拾ってきたと言えば、
カグちゃんが銃殺刑になりかねない。俺が拾ったとした場合も論外だ。

瞳は美雪の存在を認めない。美雪が俺と結婚したがっていること、
俺にお小遣いをあげること、俺にお弁当を作ってあげること。
全てが気に入らないんだ。それは良く分かったよ。
だったら俺はこう言うね。

「俺がそんなに悪いことしたのかよ!!」

キレた。お笑い界でも通用するキレ芸である。

「あえて理由は説明しないが。俺は君と妹の作ってくれたお弁当を
 ここで食べただけだ!! 残さず食べたぞ!! 何か問題があるのか!?
 ああ!? 黙って聞いていれば朝から
 ごちゃごちゃ細かいことばっかり言いやがって、うるせえんだよ!!」

「賢人…」

「だいたい美雪のこと何度も悪く言いやがって!! 
 今朝も歩いてる時ずっと美雪の悪口言ってくれたよな!?
 肉親を悪く言われたら誰だって傷つくだろうが!! 
 美雪は俺の大切な妹なんだぞ!! 
 人の気持ちを察しろとしつこく聞いてくる割には、 
 俺はずっと我慢して聞いてたの気づかなかったのか!?」

瞳は唖然としていた。
さすがに怒鳴られることを想定してなかったのだろう。
俺がおまえさんの奴隷だと思ったら大間違いだぞ。
俺は一人の人間だ。主張したいことは、はっきり言わせてもらうね。
もう赤の他人じゃない。同棲してるんだからよ。 

「あなたはおかしなことばかり言うのね。
 私は美雪のお弁当を捨てなさいと言ったの。
 もちろん食べる必要もないわ。
 あなたは私の指示に従わなかった。それが問題なの」

「そんなクソみたいな命令に従う義務が俺にあるのか!?
 ああ!? 社長令嬢だからって調子こいてんじゃねえぞ!!
 君の指示なんて知らねえよ!! 俺にムカついたなら
 さっさと銃殺刑にでも何でもしてみろよ!! おら!!」

「銃殺刑は言いすぎたわ。本気であなたを殺すつもりはないけど、
 お仕置きは必要だと思うのよ。あなたもこれからは坂上家のファミリーに
 なるのだから、母様直伝の腹パンによる制裁を食らってもらうわ」

ブオオオン

俺は、風を切る彼女の拳を、間一髪で交わすことに成功。
しかし体のバランスを大きく崩し、
オペ陣のいるテーブルへ突っ込んだ。

ドンガラガッシャーン!! ←昭和の漫画でよく使われた擬音。

いてえΣ(゚Д゚)パソコンの画面で肩を打っちまった。
痛すぎて午後の仕事に直ちに支障が出るレベルだ。
この騒ぎを聞きつけてフロアに従業員共が集まってきやがった。
へっ。ギャラリーがいたほうがちょうどいいぜ。

「あー。みんなもこの惨状を見てくれ!!
 俺は坂上瞳に脅されて婚約を迫られてるだけなんだ!!
 今も殴られて再起不能になるところだったんだ!!
 こんな女と結婚するなんて監獄行きになるのと同じだ!!」

( ゚Д゚) (*・ω・)(*-ω-)( ヽ(^o^)丿 Σ(゚Д゚) (=゚ω゚)ノ
なんだってー。坂上さんって暴力振るうのかよ。ヤダー。社内暴力?
なんだよ痴話喧嘩かよ。違うよ修羅場じゃない? 離婚するのか?

「俺は妹の美雪のことを愛してる!! 
 だから瞳との結婚は無理なんだ!!」

シーン ( 一一)( 一一)( 一一)( 一一)( 一一)( 一一)

あれ? 反応が薄くなったな

「賢人。こっちに来なさい」

俺は階段横の人影のない所へ
連れ出され、思いっきりほっぺたをひっぱたかれた。

またしても暴力。何より怖いのが、
彼女が俺を殴ることに全く抵抗のないことだ。
俺は衝撃と恐怖のあまり(m´・ω・`)mこんな
顔になってしまう。

「あなたのせいでみんなの前で大恥かいちゃったわ。
 今すぐ私に謝ってちょうだい(#^ω^)
 そしたらさっきの演技はなかったことにしてあげるわ」

演技か( 一一) 俺の渾身のキレ芸は、
演技だと言われればそうなのかもしれない。

しかしここでひとみんにいじめられたら
ずっとこのままの状態が続くことは確実だ。

嫌なことは、はっきり嫌だと言うべきだと小学校で教わったぞ。
なんで小学校? 俺の頭は小学生レベルのなのかヽ(^o^)丿
とにかくはっきり意思表示はした方がいい。お互いのためにも。

「ひとみさん。俺は」

ぱっしいぃぃぃぃぃぃん

そこまで言ったところでまたひっぱたかれた(>_<)

二度もびんたされるのは新鮮だな。
痛む頬を女々しく手で押さえてしまう。

「ごめんなさいね。
 今賢人が寝言を言おうとしていたようだから、
 つい手が出てしまったわ」

なんだこの状況……( ゚Д゚) 
俺はただ彼女を振りたいだけなんだが、
口にしたら殴られるのでどうにもならない。

トランプに関税戦争を仕掛けられて
有効な対抗策が思いつかず、
毎月フルボッコにされてる習近平ってこんな気分なの?

「あなたは物分かりの悪い子だから
 もう一度分かりやすく言ってあげる。
 私にさっきのことを謝って頂戴。
 さあ謝って。早く謝って。今すぐ謝って頂戴」

「( TДT)ごめんなさい」

「そうよ。それでいいの。私とあなたはこれから 
 結婚するのを忘れないでね。
 長い人生で喧嘩することもあるでしょうけど、
 ちょっと喧嘩したからって関係が壊れることはないわ。
 だって私たちは偽物の関係じゃないのだから」

「うう…(;´∀`)」

「なにその顔は。不満なの?」

「こ、心が」

「なに?」

「心が持たないんです。今も殴られたショックで
 足元がふらつく。イライラして吐き気がする。
 まだ同棲を始めて三日目。
 結婚する前からこれじゃあ、絶対に離婚すると思います」

「離婚?」

俺は壁際まで追いつめられ、逆壁ドンをされた。
相手が年上とはいえ、女に壁ドンされるとは。
どんだけドMなんだよ俺(~_~;

「離婚はあり得ないわ」

「はい?」

「離婚するくらいならあなたを銃殺にして
 亡き者にしてあげる。
 ほら。こうすればあなたは私の夫のまま死ぬのよ。
 離婚するのは不可能でしょ?」

目がマジだ。昨夜俺の妹のことを
殺す殺すと念仏を唱えていた時の顔だ。

なぜ俺にここまで執着するのか理解に苦しむ。
正直この会社でも俺の他にも若い男いるぞ。
瞳のお母様に頼んで縁談をすれば
いくらでも金持ちの男がいるだろう。腐るほどな。

「私、クリスチャンなのよ」

休日は銀のロザリオを首から下げていたから、
なんとなく察していたよ。それが何か?

「私は運命論者なのね。この世で起こる全てのことは
 天にいる神様が決めてるって信じてる。
 私は神様のご意思に従ってあなたと結婚したいと思ってるの」

「他に男を見つければ」

「いや。あなたじゃないと嫌。
 この会社であなたと知り合えたのは絶対に運命よ」

「恋愛ドラマの見すぎだよ。ごめんね。
 これ以上瞳さんと話してると疲れるよ。
 俺は今日でこの会社を辞めようと思う」

「なんですってΣ(゚Д゚)」

「もう無理」

「本気で言ってるの?」

「俺は瞳さんが嫌いだ。
 あなたと出会ったのは間違いでした。
 もう二度と俺の視界に入らないでください」

「……あなたは誰に対して
 そんな無礼な口の聞き方をしているの。
 今すぐ訂正するなら許してあげないこともないわ」

「さよなら」

「ちょっと待ちなさい。待ちなさいってば。
 渋谷賢人。待ちなさいっ!!」

俺はそのまま歩き出し、現場からお弁当箱を持ってきた。
俺がフロアに入ると全従業員が注目していたが、
もう今日で辞めるんだから関係ないよな。

こんなクソみたいな職場でも去ることに寂しさを
感じてしまう。俺は自分の机を見て、少しだけ
涙がこみ上げて来た。へっ。ペンタックに情があったのかよ。

そのまま更衣室のロッカーで私物をまとめ、
靴箱で外用の靴に履き替えると…

「賢人ぉ。よくも私を無視したわね」

スタンガンを手にした瞳が俺の前に立ちはだかった。

「この会社の規則を忘れたわけじゃないわよね?
 特別な理由もなく早退する者は尋問、拷問、
 銃殺刑が定番のコースよ」

「好きにしてくれていいよ。
 俺が死ねば美雪も自殺すると思うから、
 それで物語は終わりだ。
 はっきり言って君と夫婦になるくらいなら
 死んだほうが良いよ」

俺は精一杯の敵意を込めて瞳をにらんだ。
俺がこの美人を睨んだのは生まれて初めてのことだ。
すると彼女にも思うことがあったのか、急に態度を変えてきた。

「……賢人は色々あってちょっと疲れているのね。
 分かったわ。今日は私も言い過ぎたところもあるし、
 家に帰ってゆっくりしていいわ」

「その上から目線がもう限界だ」

「なに?」

「俺は君に支配されるのが嫌だ。君に会うのも、もう嫌だ。
 俺はこの会社だけじゃなくて団地からも出て行くよ。
 もちろん俺の愛する妹と一緒にな。止めてくれるなよ。
 俺と君が出会ったこと自体が不幸の始まりだったんだ」

俺は呆然とする瞳の横を通り過ぎようとしたが、肩をつかまれた。

「待ちなさいよ。まだ話は終わってないわ」
「そのスタンガンを使えよ。一瞬で俺を動けなくさせられるだろ」
「私がそんなことをする人に見える? これは脅しよ」

「……どっちでもいい。放してくれ」
「いやよ。あなた、本気で会社を辞めそうな顔してるじゃない」
「さかがみさん。放してください。制服が伸びちゃいますので」
「さかがみさん……? そっちがそのつもりなら絶対に離さないわ」

「僕とあなたは赤の他人ですから。さようなら」

「分かったわ。どうしても帰りたいなら、私も付いて行くわ。
 一緒に帰りましょう。今の貴方を一人にするわけにはいかないわ」

「どうして赤の他人と帰らないといけないんですか。
 今日の夜までに荷物をまとめて団地を出て行きますので」

「その他人行儀な話し方を止めなさい!!
 私に対して失礼だと思わないの!!」

「僕はすぐ怒鳴る人は大嫌いです。
 そんなに僕のことが嫌いなら一緒にいる意味ないと思いますよ。
 そういうことで、さようなら」

「ご、ごめんなさい。今のはつい声を荒げてしまったのよ。
 決してあなたのことが嫌いなわけじゃないわ」

「嫌いなんでしょう?」

「嫌いじゃないわ!! 神様に誓って言うわ。
 ねえ怒ってるの? 怒ってるんでしょう?
 顔が引きつってるわ。ちゃんと私の目を見て話して頂戴」

今までの会話を、俺たちは歩きながらしていた。
会社の駐車場を出た歩道を、腕組みしながらだ。
瞳は無理やり腕組みしてくるが、俺は顔すら彼女に向けない。
彼女は怒鳴った時も絶対に腕組したままだから笑える。

どんなカオスな喧嘩だよ。
このシーンをユーチューブにあげたら人気になるんじゃないか。
瞳は靴箱で履き替えてないから内履き(安物のサンダル)のまま
外を歩いているぞ。

「賢人くぅん(。・ω・。)ノ♡ 怒鳴っちゃってごめんね?
 銃殺刑にするのも全部嘘なの(*^▽^*)
 本当は賢人君と離れたくなくて必死だったの。
 瞳ったら悪い子だよね。賢人君に嫌われたくなくて
 必死だったから、逆に変な性格になっちゃって」

令和十年で生きる意味があるのか。
消費税率34%。物価の変動なし。労働者の95%が派遣労働者。
労働者は派遣会社に拉致され、人権をはく奪される。

国を守るために命を懸けている自衛隊の皆さんでさえ、
時給350円だ。そのくせ国会議員の平均給料は4400万だ。
ふざけんじゃねえよ。

「賢人君のほっぺた、真っ赤になっちゃったね(>_<)
 あとでお水で濡らしたタオルで冷やしてあげないとね(*^▽^*)」

「賢人くぅん。さっきから顔が怖いよぉ?(∩´∀`)∩
 まさか……本気で私のこと嫌いになったわけじゃないよねぇ?
 どうしてさっきから黙ってるのかなぁ?
 激おこなの? 激おこぷんぷん丸?(ノД`)・゜・。」

自分に対し、好意を持ってくれている女に一番やってはいけないことがある。
それは相手にしないことだ。話さない。目を合わせない。
存在を無視する。これは女を一番傷つけることになる。

「黙ってないで何か言いなさいよぉおおお!!
 あなたの態度ムカつくわ!!
 あっ……、今のは違うのよ。嫌だった? ごめんね。
 短気な女だと賢人に本気で愛想つかされちゃうものね(*^▽^*)」

俺から言いたいことは一つ。耳元で怒鳴るのをやめろ。
あとこの時期に腕組みを続けてると暑苦しいんだよ。
瞳の汗ばんだ髪の匂いが妙なフェロモンを発しているが、もう関係ない。

俺たちはこのカオスな状態のままローソンの前に差し掛かった。
のぼりに、おにぎりのセールと書いてある。
全品100円均一で買えるらしい。なにがおにぎりだ。
税率34パーだから安くねえよ。死ねよ。

「どうしてローソンをじっと見つめているの?
 ローソンで買い物でもしたいの?
 欲しいものがあるなら何でも言ってちょうだい。
 私が何でも買ってあげるわ(*^▽^*)」

いや。自殺用の道具でも売ってねえかなと思ってさ。
本気で自殺してやろうかな。

瞳の大好きなキリスト教ってのは、死んだ後に
天国で魂が再開できるそうじゃないか。
なら俺と美雪はこの世界から消えても
復活の時に再開できるんだから問題ねえな。

「自殺なんてしたらダメよ(>_<)
 どうして自殺なんて言葉を簡単に口にするの!!」

あれ、おかしいな。俺口に出してたのか。

「私の賢人は自殺なんてしないわ。
 あっ。私のせいか。ごめんねぇ(ノД`)・゜・。
 私がうざい女だから賢人は人生が嫌になっちゃったのね。
 うええええん。( ;∀;) 賢人に嫌われたくないよぉ。
 賢人がいないと生きていけないよぉ。
 ねえ私がどうしたらいいのか教えて!?」

「喉が渇いたから、ローソンでジュースでも買おうかなと。
 朝は焦ってたから水筒忘れたんだよ」

「あっ、そうなのね!! 
 分かったわ! 私が買ってあげるからね。
 賢人が喉乾いていたのに気づいてあげられなくて
 ごめんね!! さあ、中へ入りましょう(*^▽^*)」

自動ドアを二人で通る。
平日の昼下がりに工場の制服姿の男女がべったりしてるものだから、
女性の店長さんが奇異な目で見てくる。当然だろうな。

『あーあーマイク入ってますよねwwww
 私はこの国の内閣総理大臣でありますwwww』

なんてタイミングで首相の演説が始まっちまったんだ。

この世界では各会社、自治体その他いたるところに
大型の液晶パネルがあり、不定期で
流される首相のクソ演説が映し出されるのだ。

北の将軍様のように首相の演説をどこにいても
国民が聞けるようにとの配慮だ。
コンビニのレジの前の液晶で放送されてるんだから笑える。

この前美雪たちが新幹線に乗ってる時でさえ
首相の演説が行われていたそうだぞ。

『最近年金額が少ないとかwwww老人だけじゃなくて
 若者までデモ行進とか初めてうざいですwwww
 現実世界でも参議院で立憲民主や共産のクソどもが
 ギャーギャーわめきやがってwww仕方ねーから
 俺様が新しい法案を作ってあげましたwww』

2019年6月の現実世界では、金融中が独自に
試算した結果、老後に必要な資産は
1500から3000万ほどの現金だった。

一言でまとめると、金のない奴は死ね。これだけだ。

そして令和10年のこの世界では、
日本政府はマクロ経済スライドを悪い方向へ発動させた。
厚労省から布告されたのは以下の内容だ。

⇒従来は年金支給開始年齢は
基礎年金90歳。厚生、共済年金が95歳だった。

これを変更し、支給開始年齢を早めてくれるらしい!!

⇒60歳から基礎年金も厚生年金も満額支給

仮に第二号被保険者(厚生)の場合、
定額で2000円(偶数月に支給)

つまり月額1000円 (゚д゚)!
その中から健康保険と介護保険等を差し引くと

手取りはたったの660円 Σ( ̄ロ ̄lll)

『これでぇ、若者の生活は一生安泰ですwwww』

若者⇒令和10年では80歳以下の人間を差す。
    80歳を超えたあたりからようやく中年、高齢者。

『660円もあれば、スーパーの半額弁当を中心に
 各種お惣菜を購入することがぁ、できますwwww
 生活費の不足した部分(実質99.99%)はぁ、
 一生会社で勤めて補填していただきますwww』

『一億総活躍社会wwww 若者も老人も輝いて
 過ごせる日本wwwwこれこそがぁwww
 我々自民党が描く、日本の未来なのでありますwwww』


これでも暴動が起きねえんだから、日本人は奴隷だよ
俺は涙が止まらないぞ。(´;ω;`)

俺は会社で一日16時間労働を強いられているが、
月の手取りは7万にも満たない。
どれだけ働いても豊かになれず、
一生会社の奴隷として過ごすのだ。

瞳「賢人が泣いてる(≧∇≦)」

※ひとみん

前話の首相の演説はまさしく最低でした。
史上最低の演説でした。

この世界の労働者は生活費が足らず、
消費者金融や銀行カードローンで
借金をして生活をしています。個々人の平均の
負債残高は2000万から6000万と言われています。
しかも金利が14%から21%。つまり一生返せません。

あの演説は、今までギリギリのところで
努力して頑張って来た労働者に死を宣告したのに等しい。

(´・ω:;.:... 賢人はORZになり、
子供のように泣いています。

やっぱり死んだほうが良いと口にしています。
気持ちは分かるけどね。私だってパパから
生活費を支給されていなかったら自殺していたと思う。

「賢人はお金の心配はしなくていいのよ」

私は彼の頬にキスしました
(*´ε`*) Σ(゚Д゚) あっ…

「生活費は今まで通り父に出してもらうわ。
 父は会社の経営者で資本家よ。
 私と結婚すればあなたも勝ち組に入れるの」

今まで私は金持ちなことを絶対に自慢したくなかった。
けど今は金持ちを武器にしてでも彼を口説かないといけない。
私の目的は彼と夫婦になること。そして夫婦関係を
一生涯継続すること。ただそれだけなの。
今の私には賢人以外の人間は視界に入らない。

「ひ、瞳と結婚すればお金に困らないのか」
「そうよ。だから自殺なんて考えなくていいの」

よしよしヾ(・ω・`)
(*´Д`) あ…

賢人の顔、かわいい(≧∇≦)(・∀・)!!

ほらね。最後はお金よ。
生きていくのに一番必要なのは…

旦那ですか? 愛する子供ですか? 一軒家ですか?  

違いますよね。

『お金』です(∩´∀`)∩

この作品では第1シーズンから
お金の大切さを繰り返し述べてきました。

これは何も小説の設定ではなく、現実そのものです。

『金』のない奴は将来死ぬ。野垂れ死ぬ。
政府も自治体も友人知人も会社も誰も
助けてくれない。

最後は……死ぬ!!!!!ヽ(^o^)丿

「賢人は今は若いからいいけど、
 将来病気や怪我で動けなくなる時が来るわよ。
 そんな時に病院に行くお金もない状態で死にたいの?
 (*^▽^*)」

「う、うう(;´∀`) 確かにそれは困る」

「(*^▽^*)すごく苦しいでしょうね。誰も助けてくれないのに
 治療費を払うお金もないんじゃ。ご飯も自分で
 作れない。買い物にも行けない。確実に飢え死にね」

「飢え死に…」

「飢えて死ぬ。これがどれだけ悲惨か分かる?
 じわじわと、生まれてきたことを後悔しながら
 思考力を日々奪われ、腕や足も上がらず、
 毎日食べ物のことを考えながら死んでいくのよ」

「い、いやだぁ。死にたくないよぉ。
 死ぬのは怖いよぉ(>_<)」

「うふふふ。(´∀`*)ウフフフフフフ」

――でも大丈夫よ

(゚д゚)!え?

「賢人は私の夫になるんだから(´∀`*)
 私は夫を一生金銭面で支えると今この場で誓うわ(*^▽^*)」

私達は、時給210円のブラック企業勤務。
ブラック企業とは、営業利益を稼ぐために
極限まで人件費をカットするクソ企業。

その手の企業は売上金を従業員に還元しないんだから、
内部留保金を大量に保有している。特に製造業に多い。

経営が苦しい外食産業などと違い、
私の会社(ペンタック)は主要な取引先が
ファースト・リテイリングなので大儲け。
ファーストリ(略)は東証一部の時価総額ランキングでも
ベスト8に入る優良企業。業績絶好調。

私はパパから年間の生活費他を受け取っていますが、
その源泉となっているのはブラック企業の売上金の
一部なのです。

こう考えてください。
私を含めて多くの従業員が奴隷にされている一方、
パパの会社の剰余金は私に流れてくる。
つまり私は会社の経営が傾かない限りは、
一生飢えることがないのです。

前作で散々書きましたが、私は個人資産の総額が
1000万を超えていまして、毎月の給料は
使い道がないので全額貯金してます。

さらに母から毎月お小遣いを5万円もらっています。
もはや会社で働いてるふりをしているニートとも呼べます。

冷静に考えたら、私ってかなりのお金持ちだったのね。

(∩´∀`)∩ニート、ばんじゃーい

「瞳さぁん。助けてくれぇ:;(∩´﹏`∩);:
 さっきまで冷たい態度を取ったことは謝るよ」

「そんなの全然気ににしなくていいのよ。
 私も悪かったんだから、お互い様ってことで仲直りましょう。
 それにお金のことは大丈夫だって言ってるでしょ?(。・ω・。)ノ」

「((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル」
「こんなに震えちゃって。かわいー(´∀`*)ウフフ」

首相の演説のおかげで私寄りの展開へ変わりました。
グッジョブ!!!!!(∩´∀`)∩

賢人は一生私に縋り付かなければ
生きていけないのです。

これにてこの物語自体に終止符を打とうと思いましたが。

「(´・ω`・)冷静に考えると、美雪も株をたくさん
 持ってるじゃないか…」

問題はそこです。
美雪さんは外貨建ての資産とはいえ、
現物株式で1億円を超える資産を保有しています。
しかも長期投資のための高配当銘柄で無駄がない。

資産は渋谷家の父から譲渡されたものです。
説明すると一話丸ごと使うことになるので、
くわしくは前作(第1シーズン)を参照してください。

美雪さんは何もしなくても勝手に配当金が入ってきます。
外国株式は日本株より多く課税されますが、
それでも手取りで240万はくだらないでしょう。
(日本円での換算は、その時の為替レートにもよりますが)

「美雪も俺を一生守ってくれるって言ったんだ(;´・ω・)」

「賢人。こう考えてみなさい(; ・`д・´)
 この会社での雇用はどうするの?
 賢人は…まあないでしょうけど、仮に万が一
 私を振ったりしたらこの会社を首になるわ」

「首になるの?Σ(゚Д゚)」

「私とあなたの婚約は会社の規則になっているから。
 規則違反の人は銃殺刑なんだけど、最低でも首になるわ」

「首になったら転職か……」

「今は令和10年。転職はうまくいかないわよ」

「((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル」

転職したらどうなるのか。

まず派遣会社の営業に怒られる。
就業先のペンタックに迷惑を掛けたとして、
天井から宙づりにされ、
顔面が変形するまで殴打される。

転職先をあっせんするのは派遣会社の仕事。
紹介される会社はさらなるブラック。

直射日光を浴びながらの建築現場での作業。
作業員の6割は外人です。原発の作業員。
現実世界でも借金の額が多い人が優先的に配置されます。
上にあげた仕事は平均して時給400円です。

時給230円で三交代の医療介護のお仕事。
一日の労働時間は14時間を超えるため、
実質二交代なのに募集要項は三交代です。

外食店では人手不足によりワンオペが横行。
さらに食料品店、ドラッグストア、家電量販店は
お金のないお客によって毎日襲撃されています。

戦車、装甲車、突撃法による攻撃を毎日
かわしながらの接客業です。平均時給210円。
こんな仕事をやりたい人はまずいないでしょう。

賢人の登録してる派遣会社は、製造だけでなく
事務やエンジニアなど幅広い職種を保有しています。
システムエンジニアやプログラマーなら
一日の労働時間が19時間が基本です。

時給は500円とかなりの高収入ですが、
勤務を始めて14日以内に病気になる人が大半。
無理な納期に追われ、発狂してビルの屋上から
飛び降りる人が後を絶ちません。

これらの就業先に共通するのは、会社に許可なく
遅刻早退欠勤を繰り返す人は拷問の末銃殺刑になること。

「ひとみさん。やっぱり助けて゚(゚´Д`゚)゚。」

「ええ(´∀`*)助けてあげるわ。
 ただし、結婚してくれたらね( ・´ー・`)」 

「分かりました(*・ω・)(*-ω-)」

「あら嬉しい(*^▽^*)
 ようやく素直になってくれたのね」

今の会話をスマホで録音しておいたわ。
あとで会社の本部に送信すれば公式記録として残る。

勝った!!!(*´▽`*)

これで渋谷美雪に勝ったわ!!! (∩´∀`)∩

どんな方法であれ、結婚すればこっちのものヨ!!
私たちの婚姻関係をペンタックの法律化してしまえば、
賢人を私の私物にすることすら……可能( ・´ー・`)

もう賢人は私を振ることもできない。
私の夫でいることを拒否する権利もない。
ついに目標の第一段階を達成した!!!!

あとで彼の苗字を坂上に変えておくわ。
坂上賢人。良い響きね。偏差値が3くらい上がりそうよ。

「あ・な・た(⋈◍>◡<◍)。✧♡
 そろそろ職場に戻りましょうか。
 お昼休みが終わってから48分も経過してしまったわ」

「うん(^○^)」

問題は彼と今後も婚姻関係を継続することよ。
私は絶対に他の若者みたいに離婚しないんだから( ・´ー・`)

美雪「お兄ちゃんの様子がおかしい( ゚Д゚)」

※みゆきちゃん

「おかえりなさい」

私は兄に対してだけ言いました。
なぜか兄と腕組して帰宅した瞳には
最大の警戒を払っています。

「ただいま帰ったわよ美雪さん( ・´ー・`)」

そのどや顔はなんのつもり…(;・∀・)
奴は昨夜暴れまわったことから、
私の中ではお腹のすいたチンパンジーと同等の
危険生物にランクされています。

チンパンジーを舐めてはいけませんよ。
握力が500ありますから。人間の骨など軽く砕きます。

「ひとみが先にお風呂入っていいよ」
「賢人が先で良いわよ」
「じゃ、じゃあ一緒に?」
「えっ(≧∇≦)」

ちょ(#^ω^) なんなの二人の仲の良さは。
いったい会社で何があったの。

私がおにいにお昼の一言メール
(お弁当のおかずやその日の天気などを報告する)を
送った時は何も返してくれなかったけど。

それと朝イチで送られてきた茶番のメールは削除しておきました。
明らかにフェイクだと分かったけど。あえてスルーです。

「やっぱり先にご飯を食べましょう。
 美雪さん。作ってくれてありがとね(^○^)」

「ふん(^_^メ) 適当に食べてください。
 洗い物はお願いしますね」

私はこんな奴の顔すら見たくないので
自室の布団の上に横になった。
普通に考えて今夜の11時過ぎなんだよね。

こんな時間に帰宅するのがデフォなんて
お兄ちゃんの会社ブラックすぎるよ。
土日休みなのが唯一の救いだね。

『賢人ぉ。からあげ食べさせてあげるわ。
 おくち、あーんして(⋈◍>◡<◍)。✧♡』

『あーん(´ー`)』

『その顔文字だとあーんしてないわ(*^▽^*)』

『( ゚Д゚)こうかな?』

『ちょっとキモイけどいいわ。はい(*^▽^*)』

もぐもぐ…

『おいしい?°˖☆◝(⁰▿⁰)◜』

『うん。おいしいよ(∩´∀`)∩
 ひとみんが食べさせてくれたから(*´▽`*)』

『まあうれしいわ。けんとのことだいちゅきよ』
『僕も大ちゅきー』

(*´ε`*)チュッチュ 
(*´ε`*)チュッチュ
(●´Д`)ε`○)(*´Д`)ハァハァ

団地は狭いので会話が丸聞こえです。
たまに隣の家の夫婦の怒鳴り声も聞こえてきますよ。

私はふすまを全力で明け、瞳のアホに殴りかかろうとしました。

「先に言っておくわね。私と賢人は夫婦です。
 夫婦が家でイチャイチャするのは当然だし、むしろ健全です
 ( ・´ー・`) ( ・´ー・`) ( ・´ー・`)」

私は反論するより前にスマホで前回の内容を読みました。

前作でも説明しましたが、私達は
「小説に出演していることを自覚しているタイプのキャラ」
なので作品に対するつっこみや、
作者への攻撃が可能となります。

お兄ちゃんのバカ……。
会社でこのアホと結婚するって言っちゃってる(´・ω・`)
会社の法律化されちゃったら面倒だ…。

しかも瞳のヤンデレっぷりが精神病のレベル。
喜怒哀楽が激しいってレベルじゃないでしょこれ。

「瞳さんにお願いがあるんです」

「なにかしら」

「今すぐ青酸カリを飲んで自殺してください」

「あっそう(*^▽^*)好きなだけ吠えていなさい。
 あなたが何を言おうと何を願おうと事実は変わらないのだから。
 賢人もそう思うわよね? 私とあなたの関係は何だったかな?」

「夫婦だよ(*^▽^*)」

お兄ちゃん……

「ほら見なさい(*^▽^*) 夫婦だから顔文字も同じよ」

私は怒鳴り散らしたかったのですが、困ったことに寝不足です。
昨夜は兄に添い寝をしてもらいましたが、
瞳のヒステリーに脅えて満足に眠れませんでした。

明日は1限の授業があります。
私の英語の必修クラスは毎週水曜なのです。
大学生である以上、必修授業を落とすわけにはいきません。

私はふらふらする頭を押さえ、布団へ転がり込みました

『(。・ω・。)ノ♡けんとくぅん。今日はいっしょににねましょう?』
『うーん( ゚Д゚)でも、みゆきがおこるだろうから、きょうはごめんね』
『あらそうなの(⋈◍>◡<◍)。✧残念ね』
『(∩´∀`)∩またあした、いっしょに、かいしゃにいこうね』
『そうね(^_^)毎日かいしゃにいくのがたのしみだわ』

全部聞こえてるんだよ(-_-メ)
ひらがなが多いのが気になるけど。
兄は入浴後、ちゃんと私の布団のところへ来てくれました。

私を抱き枕のように抱いてくれて、少し暑苦しくて
目が冷めちゃったけど、そのまま寝ました。
夜はまだ涼しいからエアコンなしで寝れます。
私はエアコンの風が苦手だから、真夏でも寝る時は
エアコンをオフにしますけど。

つーか兄と私が寝たらヤンデレ瞳がぶち切れそうなんですが。
なんで認めてくれたのか理解に苦しみますね。
それとこの話の内容短くないですか。

賢人「今日は会社は休みなのか:;(∩´﹏`∩);:」

※賢人

6月19日。水曜日の早朝。

時刻は6時前。

美雪は先に家を出たようだ。
俺に毎日お弁当を作っていたのに、今日だけは作ってくれなかった。
俺がペンタックに勤めてから美雪のお弁当なしなのは初めてだ。

美雪は朝ご飯を食べた形跡もないが、
出先で何が食べるつもりなんだろうか。

「けんとくぅーん(。・ω・。)ノ♡」
「おはよ。ひとみさん(;・∀・)」
「さん、じゃなくて、ひとみでしょ?(*^▽^*)」
「ひとみ(*´ε`*)チュッチュ」

(●´Д`)ε`○) 俺たちは朝一から自然とキスをした。
喧嘩のアと仲直りしてからは以前よりも仲良しだ。

瞳さんはすっぴんでも20代と変わらぬ肌をしてるから、
朝から余裕で抱くことができるレベルだ。平日だからしないけどな。

これにて俺と瞳が結ばれたようなものだから、
そろそろこの物語を終わらせてもらってもいいかな?

『本日ペンタックはお休みです』

玄関には不審な張り紙がしてあった。
前も似たようなパターンがあったのは気のせいか。

「ペンタックがお休みってあり得るのかしら」

「この張り紙がフェイクだったら困るよね。
 無断欠勤したら拷問されちゃうから慎重に考えないと」

・フェイク

最近の政治を見ると、防衛省が秋田県への
イージス・アショアの導入に際して
山の高さを適当に測量して問題になった。
なんと調査員が現地に調査に行かず、グーグルアースで
傾斜角度を計算してしまい、しかもそれが大幅に間違っていたのだ。

総務省、厚労省を初め、もはや自民党の各省庁は
フェイクデータを作るのが仕事の一部となってしまっている。

麻生大臣は、件の年金について金融庁が独自に出した試算結果を
怪文書として受け取らなかった。2019年夏の参議院選挙が終わるまで
黙ってろとメディアの前で本音を漏らしたそうだ。
自民にとって都合の悪いデータは『フェイク』扱い。
まさに嘘つき内閣ここに極まれり。

国会での質疑は、野党による小学生レベルの揚げ足取りに終始する。
こんな低レベルの政治で国が良くなるわけがない。
この作品を読んで国会中継に興味を持った人は、
画面に投げつける用のポテチなどを用意するのをお勧めする。
絶対にイライラするから。

「現実世界の話はそれくらいにしましょう。
 私達は令和10年を生きているのだから(*^▽^*)」

「そうだねヽ(^o^)丿」

「今パパにメールしたら本当に今日はお休みみたいよ。
 正確にはペンタック北関東工場(埼玉北部)がね(*^▽^*)」

「まじかΣ(゚Д゚)」

平日に休めるなんてラッキー!!
昨日も16時間勤務で疲れてるから一日寝て過ごすか。

「せっかくだから買い出しに行きましょう(≧∇≦)」
「買い出しって?(゚Д゚)」
「扇風機とか家電よ。あと調理器具。フライパンとか」

調理器具なら炊飯器もまな板も包丁もあるけど、
よく見るとフライパンがないな。俺たちは日曜の夜に
引っ越したばかりで日用品が不足していた。

瞳さんが気を利かせて通販で必要最低限の物を
取り寄せてくれたようだが、まだまだ足りないものがある。

「まだ開店まで時間があるわね(*^▽^*)」

家電量販店やホームセンターは10時開店だ。
俺たちは朝起きたばかりで6時過ぎだ。それまで暇だな。

「ご飯は炊いてあるから、朝ごはんを食べましょうか(*^▽^*)」
「ちょっと待って、今メールが」

美雪『お兄ちゃん。私の見てないところで
   瞳といちゃついてたら殺すから(#^ω^)』

さすが俺の妹だ。文章だけで震えが止まらなくなるぜ。

「私と話してる時にどうして余計なものを読んでいるの」

瞳は俺から携帯を取り上げ、電気ポットの中に入れてしまった。

は……? (;´・ω

ちょっと待ってくれ!!
俺は今さらっと描写したが、俺の携帯が?!!????!?!?!

電気ポットの中に入った……だと!!?!!???!?!?

電気ポットは95度で保温されている。

つまり俺のスマートフォン(アンドロイド)は、
「おしゃか」になっちまったってことなのか!!!

「食材が何もないから、おかずなしの朝ごはんになっちゃうわね(*^▽^*)」

ちょっと待ってくれ。

「退屈だからテレビでも見ながら、ってテレビもまだないのね(⋈◍>◡<◍)
 賢人はさっきからアホ面して立ち尽くしてるけど、どうかしたの?」

むしろ、あなたがどうかしましたか?
どうなってるんですか?
先ほど僕の携帯を釈迦様にしたことは全力スルーですか。
そうですか(# ゚Д゚)

210円の派遣社員にとってスマホがどんだけ貴重だと思ってるんだ。
美雪と同居する時に新しいのに変えたばかりだから、
使い始めて3か月しか経ってねえ。前使ってたのは
イヤホン端子が壊れて音が出なくなっちまったんで買い換えたんだ。

美雪は「お兄ちゃんのためだから(⋈◍>◡<◍)。✧♡」と言って
なんと一括で買ってくれたのだ。スマホって定額だと8万以上するんだぞ……

これこそ弁当を捨てられたこと以上に美雪に言い訳できねえ蛮行じゃねえか。
マジで朝からストレスやばいよ。どこの世界の女に
人様のスマホを『電気ポットへ投下』する奴がいるのよ。ギネス記録だよ。

「ご飯盛ったわよ。早く食べましょ?(*^▽^*)」
「うん」

俺は瞳と何を話したのか覚えてない。
こんなに味気のない食事は何年ぶりだろう。

歯磨きした後、トイレにこもって音もなく泣いた。
美雪との思い出を一瞬でぶち壊されてしまったことが
何より悲しかった。

ただ妹のメールを読んだだけなのに。
それだけで瞳さんにとってそこまで許せないことなのか?
俺が逆の立場だったら絶対にやらないぞ。
これから結婚する人に嫌われるようなことしてメリットあるのかよ。

「賢人のスマホ、壊れちゃったわよ(^^♪」

ほどよく熱せられ、水浸しになった俺のスマホを
瞳がお箸でつかんでいた。

「(*^▽^*)私ったら最近ボケてるのか、不注意であなたの
 スマホを電気ポットの中に落としちゃったのよ。
 ちょうどいいから新しいのを買いに行きましょうか」

「えっと。俺はお金が」

「お金のことなら心配しないでって第三話で説明したはずよ。
 あなたの欲しい物は、今後全部私が買ってあげるわ。
 私とお揃いの携帯、スマホケースにしましょう
 (∩´∀`)∩」

瞳さんのケースってキラキラした乙女チックなのだ。
俺が持つには激しく抵抗がある……(;´・ω・)

「ごめんなさい。やっぱり正直に話すわ。
 私は賢人が妹さんとメールしてるだけでイラつくのよ。
 女のジェラシーね。ジェラシー。ジェラる。ジェラったのよ」

ジェラるってどんな日本語だよ。
最近の若者の間で流行ってるのか?
俺はテレビ見ない派だから知らんが。

「私みたいな女は、やっぱり嫌?」
「(´・ω`・)エッ?」

「(*^▽^*)賢人って考えてることが全部顔に出てるもの。
 本当は今すぐここから逃げ出したいんでしょ?」

「そ、そんなことないよ。俺は君と結婚するって誓ったんだ。
 俺のことを一生金銭面で助けてくれるんだろ?」

「(*^▽^*)もちろんやくそくするわ。ねえ。だからね。
 仲直りしましょうよ」

「仲直りって…」

(^ε^)-☆Chu!! (●´Д`)ε`○)

歯を磨いておいてよかった。
俺は不意打ちのキスを食らった。

キスしたまではまだよかった。
瞳は悔しそうに歯を食いしばった後、
涙をぽろぽろとこぼすのだった。

「ごめんねぇ(ノД`)・゜・。 本当はあなたの携帯を
 お湯につからせるつもりなんてなかったの!! 
 でもムカついて自分で自分を抑えきれなくなっちゃうの。
 お願いだから嫌いにならないでぇ!!
 賢人のこと大好きなの、大好きだから美雪に嫉妬しちゃうのよぉ!!」

「俺の方こそごめんね。瞳を不安にばっかりさせてる俺が悪いんだ」

「賢人お願い。めんどくさい女だって思われてるのは知ってる。
 それでも嫌いにならないでええええ!!
 お願いよぉお賢人ぉおおお!! 賢人ぉおおお!!」

「ダイジョブ。嫌いにならないよ。
 瞳の俺に対する愛は十分に伝わっているから。ね?」

ムカつくけど、女としては極上の美人なんだよなぁ。
髪からいい香りがする…。
この甘ったるくて男を安心させる匂いはフェロモンなのかな。

「うわあああああああああああああああ!!
 賢人に嫌われたくないよぉおお!!」

「大丈夫。大丈夫だから」

瞳を抱きしめ、泣き止むのを待つのみだ。
言っちゃ悪いが、鼻水がすごいぞ……
30過ぎの女のマジ泣きってのも珍しい光景だ。
妹の美雪とは病み方の質が違うんだな……

「賢人。好きよ」
「俺もだよ。ヒトミ」

ようやく落ち着いたようだ。

不思議とキス以上のことをこの人は求めてこなかった。
今なら美雪がいないから、まさかと思って身構えたが、
節度はわきまえてるのだろうか。女ならさすがに
朝からそういう気持ちにはならないか。

俺たちはスマホで今日買うべき家具や家電などを
調べながら、世間話をして時間をつぶした。

9時過ぎになり、近所の森林公園を散歩してから
家電量販店へ行く流れになった。

瞳「(*´ω`)賢人とデートするのは初めてね」

※ひとみん

今日はペンタックがお休みで本当に感謝しているわ。
きっと普段から主へお祈りをささげてるおかげね。

団地から歩いて7分の所に大きな公園がある。
沼の周りを全集5.7キロの遊歩道が囲む。

田舎だけにそれなりに大きな公園なのだ。
埼玉県の北部は関東平野の一角で、広大な湿原がある。
今でこそ開拓が進んだけど、大昔は広大な田園と葦(あし)に
覆われていたそうよ。そのため沼がそこら中にある。

湿原と言えば、かつてソ連の中核をなしていた国に
ベラルーシがある。ベラ(白い)ルーシ(ロシア)。
別名湿原の民。ちなみにポーランドは平地の国という意。

「(^○^)本当に埼玉県は山がないよね。父部以外は」
「賢人君は山とか興味ある?」
「あるある。どっちかというと海に憧れる。海が見たい」
「私も海行きたい。潮風を浴びてみたいわ(*^▽^*)」

県外の読者さんには意外に思われるかもしれません。
日本にある内陸県はたったの8県。その中に埼玉も含まれています。
私達は山がないどころか、海もないのです。
したがって私たちにとって海は貴重です。
観光した時以外は見ることができないのです。

その分、津波や土砂災害がありませんから、
日本で一番安全な場所に住んでいるとも言えますけどね。

「ひとみんとお散歩楽しいな(^○^)
 今日は曇りだから熱くないし、お散歩日和だ」

賢人君はうきうきして私と手を繋いで歩いています。
私たちって仲良し!!!( ・´ー・`)

美雪が見たらきっと嫉妬するだろうな。ざまーみろ。
今ごろ大学で堅苦しい経営学でも学んでるんでしょうね。
何が株式投資だ。あんなのいつか大損して後悔するんでしょ。

「ひとみん。のどかわいた(^○^)」
「(*^▽^*)あらそうなの。
 あそこの自販機でジュースを買いましょうね」

賢人君は普段から歩き慣れてるのか、3キロ歩き続けても
疲れた様子がないのが意外だった。普段からジョギングと
各種筋トレをしてる私なら連続で10キロ歩いたころで少し
疲れた感じになるんだけどね。

「コカコーラでいいかしら?」
「うん(^○^)」

少し違和感が( ゚Д゚)

「賢人って炭酸水は苦手じゃなかった?
 会社では毎日水筒の水を飲んでいるようだけど」

「だってコカコーラ(米国)は、美雪の保有している銘柄だからさ(^○^)」

「ふーん(* ̄- ̄)」

はい、でましたぁ。これで何度目でしょうか。
私をイラつかせるワード『美雪』『いもうと』『株式』

なんで!? ねえ、なんで!?
私と2人っきりでデートしてる時に妹のことを口にするの!?
そのワードは禁句!! 押してはいけない核ミサイルのスイッチ!!
私の怒りは絶校長…じゃなくて最高潮に達する!!

「ち、ちがうんだよヒトミさん!!Σ(゚Д゚)」

私はまだ何も言ってません。
ただうつむいて震えてるだけです。
私の顔から全てを察してくれたのかな?

「俺は瞳のことが大好きだ!! 嘘じゃない!!
 ほら。これでも信じてくれないのかい?」

彼は私のおててをぎゅっと握り、きすしました 

そんなんで騙され…

「俺は誓うよ。二度と君と2人でいる時に美雪の名前を出さないって。
 俺には瞳さんだけいれば、他の女なんていらない。
 瞳だけいてくれればそれでいい。だって君は俺の妻になるんだから」

「(´∀`*)ポッ」

どうせ口から出まかせだと分かっていても、
胸が熱くなるセリフね。そこらの独身の女が、
彼の顔と声で口説かれたらイチコロでしょうね。
彼の声って楽器みたいに素敵なのよ。

彼の顔も好きだけど、声はもっと好き。

「ひとみ。好きだぁ!!( ゚Д゚)」

今度は私をぎゅっと抱きしめてくれました。

もう(´ー`)
セリフだけは男っぽいんだから。

しょうがいない。今回だけは許してあげようかな。

「おや(;・∀・)」

賢人がコカコーラを飲みながら唖然としています。

それもそのはず。この公園は芝の面積が大ききので
多目的運動場としても利用されます。
そして釣り人やバードウォッチングをしてる人など、
老人が多いのですが、様々な人がいます。

沼の中心部には、浮島弁天という名の、小さな神社みたい
のがあるんですが、そこで不審な人物たちが集会を開いていました。

『各員整列せよ。今次作戦の襲撃予定時刻は、開店と同時の
 10:00とする。作戦決行までの間に、各種装備の最終点検を実施せよ』

体調の命令に部下たちが敬礼をします。

どうやら近くのお店を襲撃するために集まった、
武装戦闘集団のようです。
平日の朝から暇人ですよね。

「ひとみん(;゚Д゚)  あいつらの話を聞いたかい?
 最寄りのヤマダ電機を襲撃するつもりだ」

「山田がダメなら、ケーズ(電気)で買えばいいじゃない」

「だ、ダメだ、山田じゃないとダメなんだ。
 株主優待券があるんだ」

※ヤマダ電機の株主優待券
100株持ってるだけで年間で3000円の割引券。
2年以上保有していると5000円くらいに増える(たぶん)
燃えないゴミが多い日本株の中では、配当・優待利回りの高い優良株。
実は筆者も保有している。

「(*^▽^*)あらそうなの。賢人ったらお母さまから
 優待券をもらっていたのね。以前お母さまに
 ポートフォリオを見せていただいた時には
 ヤマダの株なんてなかったけど」

「母さんは、実はあれとは別に500万円分くらい
 優待銘柄をたくさん持っていたんだ。
 すかいらーくHDとか吉野谷とか外食ばっかりだったよ」

「(* ̄- ̄)ふ~ん。日本株が生ごみの集まりって
 言ってた割には持っているのね」

「優待銘柄を保有してるって子供たちに話すのが
 恥ずかしかったみたいだ。桐谷さんだって
 たくさんもってるんだから、恥ずかしがらなくていいのにね」


ギリギリリr キャリキャリ、ガタタガタガタガタ どどどどど

公園の広場には、戦車と装甲車と突撃砲が集結しています。
いつもの光景だから何とも思いません。武装した市民が
戦車に給湯をしたり、内部の清掃から点検をしています。

それにしても今日は数が多いですね。
軍用車だけでざっと20を超えます。
武装集団も上が70代から、下が小学生までいます。
混成舞台ですか。

短機関銃、軽機関銃、手りゅう弾、物騒な物ばかりが
芝の上に並んでいます。

「金融庁の発表した老後の資金問題のせいだよ(;´・ω・)
 見てくれ。あんな小さな子供まで電気屋さんを
 襲撃するために武装している」

小学生低学年の女の子が、相手の戦車を一撃で
再起不能にできるパンツァー・ファウストを手にしています。
かつてナチスが使った、簡易ロケットランチャーなのです。

「これから夏場で暑くなる。各家庭に設置するエアコン、
 扇風機、サーキュレーターなどの買うにしても、
 お金がないから奪うしかない。お店の方も
 それが分かっているから、お店を要塞化する」

ヤマダ電機は各店舗がお客の襲撃に備えて防備を固めています。

私達が行こうとしている、
テックランド久喜店の武装は下記のとおりです。

コンクリの塹壕陣地×7    重機関銃多数(弾薬1億発)
お店入り口前の地雷原 ×13  内蔵された地雷数、4百超 
20から30口径の野砲 ×21   弾薬数2万発
迫撃砲 ×11         弾薬5千発

スーパー・カスミと同じく店回りは5メートルの厚さの
コンクリで補強されており、正面以外の侵入は不可能。
お客を迎え撃つこの正面陣地は、高度に軍事化されている。

射撃訓練を受けた店員は、男女合わせて54名。
店長と副店長が中心となって客を迎え撃つ。
久喜店では、家電の他にも日用雑貨売り場も入っていますので
店員の数は多いのです。

店員の犠牲がでた時に備えて、お店の倉庫の一部は
医療施設となっています。持久戦に備えて
地下通路を利用して弾薬の補給が可能。

「(;´・ω・)令和10年の電気屋さんは地獄だね。
 子供の教育費や税金を覗いた家計の消費支出で、
 一番大きいのが家。次に車。その次が家電製品だ」

消費税率34%。物価の変動なし。
月あたりの年金支給額は、手取り660円。

これで襲撃するなというほうが無理な話ね。
私が一番納得できないのは、お金のないはずの市民が
どうやって戦車を手に入れてたのかってこと。

お店側も経営が大変だと思うんだけど、
迫撃砲とかどうやって買ってるのよ。
あと弾薬多すぎない?

「ひとみさん。俺はヤマダの株主優待券500円×5枚を、
 なんとかして使ってみたいんだ」

「お店で買い物するのは不可能よ。
 あそこはまもなく戦場と化すわ」

「店員の若林さんが死んじゃう(>_<)」

「若林さん?」

誰ヨ。わかばやしさんって。まさか女の名前なんじゃ…。

「男の店員さんだよ。
 俺が大学時代にお世話になった人なんだ゚(゚´Д`゚)゚」

彼はヘッドホンやウォークマンに凝っていた時に、
色々相談に乗ってもらっていたそうね。
茶髪ですごくチャラい感じの人だから、
店内のあだ名がチャラ林さん。

明るくて販売成績を上げるために嘘をつかない人だから、
安心して買い物ができたそうよ。

「別に買い物ができなくてもいいから、
 お店の様子だけを遠くから見に行こうよぉ(>_<)」

「(* ̄- ̄)何言ってるのよ。
 戦車の主砲とか飛んでくるから危ないでしょ」

「それでも気になるんだぁ(>_<)
 遠くから見てるだけでもいいからさぁ」

「しょうがないわねぇ。遠くから見るだけよ(^_^)」

「うん(^○^)」

私達は最寄りのファッションセンター・しまむらに行きました。
なぜしまむらなのか? しまむらの二階の駐車場からなら
ヤマダ電機の駐車場が一望できるからなのです。
少し長くなったので次の話に行きます。

瞳「( ゚Д゚)家電量販店って平日の朝から戦場なのね」

※ひとみん

埼玉を代表する会社といえば。

やまだうどん
しまむら

この二社くらいしか思いつきません。

「これもあるよ!!(`・ω・´)」

賢人君は、私に小さな双眼鏡を渡してくれました。

Vixen? ビクセンって読むのかしら。

「埼玉県の所沢に本社を置く天体メーカーだよ。
 天体望遠鏡のシェアが世界の23パーセントを占める。
 趣味の双眼鏡や、業務用の顕微鏡にも強いよ( ̄▽ ̄)」

「へえ。手のひらサイズなのによく見えるわね。
 戦車長の禿げた頭まではっきり見えるわ。
 あの人たちヘルメットもせずに進撃しているわ」

※実際に双眼鏡は低コスト化が極限化し、コスパは抜群。
最近の市場ではジャニオタを中心にコンサート向けの
小型双眼鏡のシェア拡大。アウトドア、旅行向けにもおすすめ。
一部の家電屋さんでも扱っています。


自動車彼歩兵部隊と化した市民は、普通に道路を横断して
お店の正面入り口に迫っていた。戦闘に関係ない
自動車たちはパニックを起こして逃げまどっている。

令和10年ではいつもの光景です。

戦車は、縦一直線に並んで、お店の正面陣地へ差し掛かりました。
そこは地雷原となっているので、
戦車のキャタピラーが吹き飛ぶことでしょう。

装甲の厚い戦車の後ろには、装甲車と突撃法が並んでいます。
まだ発砲しないので、そのまま直進するつもりなのでしょうか。

「あっ(;´∀`)」

戦車の一台が火を噴きました。
がくん、と音がして、片側のキャタピラーが外れてしまいました。
地雷を踏んだのでしょう。
むき出しになった車輪から白い煙が上がっています。

これはまずいと、戦車の上部ハッチが開いて、
中から戦車長たちがよじ登ってきます。
白髪の老人ばかりです。

「う…」 「がは……」 

彼らは頭を戦車から出した瞬間に撃ち殺されました。
まさに一瞬の出来事です。

ヤマダ側には熟練のスナイパーがいたようです。
余計な弾薬は使わずに、相手の頭だけを狙って殺す。
まさに合理的です。

ブオオオオン

ギエリギrビリぎギギギギギギgりぎいりぎちっギリギリg

動けなくなった戦車をどかすように、後続の戦車が
そのまま塹壕陣地へ突っ込んできます。
戦車を縦一直線に並べた理由は、地雷原の
一点だけ集中して突破するためのようですね。

ずどおおん 

お店側の大砲が、水平方向に発射されました。
戦車の胴体に当たって、明後日の方向へ跳ね返されました。
その弾が近くに有るビルに直撃し、大火災を起こしています。

どうやら戦車の装甲は硬く、お店の大砲では倒せないようです。

各塹壕の機関銃が一斉に火を噴きますが、戦車相手に
機関銃の球を打っても威嚇にしかなりません。
弾は全て装甲が跳ね返してしまうのです。

「あのままではお店に入られてしまうわ(=゚ω゚)」
「まだ希望はあるよ(;゚Д゚)」

勇気ある店員の一人が、火炎放射器を持って塹壕から出て来た。
そして戦車の横へ回り込み、一気に火を噴いた。

「だだぁあぁぁっぁあぁぁぁぁぁぁぁ」
「パマギーチェ!! パマギーーィ!!」

これにはたまらず、戦車の乗員が火だるまとなって戦車から出て来た。
そこへ機関銃の猛射。とどめを刺した。

一方、火炎放射器を持った店員も「う……」
後続の戦車の機銃にお腹を打たれて絶命した。

「こんなの見て何になるの。
 令和10年が地獄なのはよく伝わったわ」

「ひとみさん。俺たちは令和十年を生きている。
 この現実から目を背けてはいけないんだ」

私の未来の夫は、双眼鏡を固く握りしめている。
彼の頬を涙が伝う。双眼鏡越しでは見えないけど、
泣いているの……?

先ほどから進撃を続けている、2両目の戦車の装甲は硬い。
10は通常の大砲を食らっても装甲が跳ね返し、
迫撃砲と重機関銃も効かない。

戦車はついにお店の自動ドアの目前まで迫る。
そこには7つの塹壕陣地があるが、そのうちの一つに
戦車と後続の突撃法が狙いをつけ、一斉に大砲を発射した。

ずどおおん

粉砕されたコンクリが、宙へ跳ねた。
土嚢の土、人の右腕らしきものも、散らばった。

塹壕の弾薬庫に直撃したのか、火災が発生し黒煙が宙を覆う。

戦車は、同じように別の塹壕へも狙いをつけ、大砲を発射する。
また、粉々になった塹壕が宙へ高く飛んだ。
弾薬の煙を巻き上げ、重傷を負った店員の悲鳴があがる。
すでに息絶えた者の死体がそこへ残される。血だまりだ。

戦車に寄る突撃は、他の塹壕陣地に衝撃を与えた。
たまらず発狂した店員が、自ら外へ飛び出て、戦車のハッチを空けようと
よじ登ろうとする。手にした手りゅう弾を戦車の内部へ放り込むのだ。

そうすると、後ろにいる装甲車からはイイ的だ。
装甲車の機銃でハチの巣にされて息絶えてしまう。
その人は副店長のバッチを付けていた。
52歳で高校3年生と1年生の娘がいる、ごく普通の父親だった。

(この音を聞いてると頭がおかしくなりそう……
 小売店に比べたらペンタックはどれだけ天国だったことか。
 私達はまだまだ世間知らずだったってことなのね)

(副店長さんがついに戦死したか。
 若林さんは無事なんだろうか。
 死体には茶髪の男性の死体も含まれているようだ)

Auf die Plätze, Fertig, Los…
アフトゥング!! ロース!! ロス ロース!!!!

装甲車の後ろに隠れていた武装市民が一斉に展開した。

70過ぎの男性老人。
50代の茶髪の主婦。
小学生の女の子二人。姉妹?
スーツを着た20代の男性リーマン。
ヤマト運輸の制服を着た、あんちゃん。
この作品の作者(30代の男性)
20代のスタイル抜群の女性看護師。
アニオタの男性(萌え)
ジャニオタの中年女性(平成ジャンプ)
農家のご老人の皆さん。

今回の決起に参加した歩兵はこんなにいたのね……。
なんか福岡で見たことのある男性もいるけど気のせいかしら。

恐るべきことに、彼ら歩兵は
それぞれがパンツァー・ファウストを装備している。
片膝をつき、肩に背負ったそれを一斉に残りの塹壕陣地へ放った。

火力の一点集中。残りの塹壕は全て破壊され、
内部構造物と人体が空高く舞った。

正面陣地ががら空きになった。
そのすきに、一台の戦車が店内への侵入に成功。
ついにヤマダ電機の防衛ラインが破られたのだ。

といっても、迫撃砲と野砲舞台はいまだに健在。
そこへ歩兵部隊が、勇敢にもピストルや
包丁やスコップを片手に肉薄攻撃を仕掛ける。

超近接戦闘では迫撃砲弾や野砲は役に立ちません。
野砲部隊らは、陣地を放棄せずそのまま迎え撃った。
素手での殺し合いである。

小学生の女の子が包丁で大人の背中を刺してる。
ゲームでも見れなそうなおぞましい光景である。
70代の老人は、衰えて震える手でピストルの週準を付けている。
50代の主婦、は突撃をした瞬間に撃ちたれて床にふせている。
出血がひどいが、まだ息がある。

そのすきに戦車、装甲車、突撃砲は店内へ侵入を果たした。
店長以下、中にとどまっていた店員は形勢不利として
地下の脱出路から逃げてしまった。

これでお店を守るものは何もないのだ。
武装集団はお店の中で略奪の限りを尽くした。
戦車の中に詰めるだけの家電を詰め込み、普通に帰って行く。
駐車場からお店の正面までの陣地はまさしく戦場跡なのだ。
無数の遺棄された死体、武器や銃弾、塹壕の残骸が残されている。

店内では状況を絶望視し、拳銃で頭を撃って自殺した人もいます。
あれもいつか誰かがきれいに掃除をするのだろうか。
この無意味な戦いで散った命を誰がどうやって救ってあげられるのか。

これが令和10年。消費税率34%で物価の変動なく、賃金水準は
埼玉県の平均が250円。公的年金支給額は、第二号被保険者で月660円。

私、坂上瞳のように生まれながらにしてお金に困らない人で
なければ、お店に対し略奪をしなければ生活の糧が得られないのだ。

「娘のプレステ4をゲットしたどおお!!(´Д`)」

若いリーマン男性は、なんと幼稚園児の娘さんのために
ゲーム機を手に入れるため、この決死行に参加したとのこと。

「お義母さんのために新しいエアコンをゲットしたわ!!゚(゚´Д`゚)゚」

同居してる旦那の母の介護のため、長年勤めたパートを辞めた主婦の人だ。
壊れたエアコンを買い替えるお金の余裕がなかったそうだ。
でも設置はどうするのか

「タブレットとソニーのイヤホンをゲット(∩´∀`)∩」
「あたしは弟と一緒に遊ぶためのゲームソフト(∩´∀`)∩」

小学生の女の子二人は、奇跡的にも生き残っていました。
遊ぶためのおもちゃをママにねだったが、
「うちにはそんな余裕ないからヤマダ電機でも襲撃してきなさい」
と言われ、今回の決死行に参加したとのこと。

この二人は「まりちゃん」「いずみちゃん」と言って、このあと
この小説にわき役として登場するそうです。なんと双子だとか。

賢人「美雪が刺された? (;・∀・)」

※ けんとちゃん

俺と瞳は家電量販店での買い物を断念せざるを得なかった。
戦場跡と化した山田の他には、コジマ電気とケーズデンキもあるのだが、
どこへ行っても同じことだろう。

「家電がダメでも、日用品を買うのにホームセンターに行かないと」

瞳に言われるままにニトリへ向かう。
ニトリは業績不振が続く大塚家具と違い、
色々な意味で絶好調である。

「ずいぶんと消防車が集まっているようだけど…」

ニトリは、よく燃えていた。
俺はあの店が大好きだった。低価格帯の製品を中心に
ラインナップも豊富で店内も広さも程よく、快適に買い物ができる。

あの二階建て建物は、周囲の住宅まで巻き込んで燃えていた。
もはや一建物の火災の規模ではない。
久喜市中央部の住宅街を巻き込んだ大火災である。

店の駐車場には遺棄された武器弾薬、戦車と装甲車がある。
戦車が黒煙を上げているのが生々しい。

軍服を着た市民が大量の血を流して倒れている。
警察隊に鎮圧でもされたのだろうか。すごい数の死体である。
ガソリンと鉄の焼ける匂いと、焦げた死体の
生臭い匂いがこっちにまできて吐きそうになる。
死体の匂いって内臓が腐ってるのか知らんが、形容しがたいほどの匂いだ。

⊂⌒~⊃。Д。)⊃⊂⌒~⊃。Д。)⊃⊂⌒~⊃。Д。)⊃ プーン

しかも天気がやばい。空を見ると雲が流れてやがる。
空気も湿ってきて重く感じるし、まもなく雨が降りそうだぞ。
あの死体の山が雨で濡れるなんて想像もしたくねえ。

「なんてこと……私たちは日用品すら買えないのかしら(;゚Д゚)」

「家具が欲しいよぉ(;´・ω・) 俺達ってイスとテーブルすら
 買ってない設定だから床で食べてたんだ。ソファも欲しいよ」

「本棚も欲しいわ(;´∀`)あとクローゼットとハンガー。
 化粧台。日焼け止めクリーム」

「レースカーテンも買わないと:;(∩´﹏`∩);:
 あと夏物のシーツ。タオルケット」

冷静に考えると俺たちが欲しい物って生活必需品のほぼ全てじゃねえか。
物が不足してるってレベルじゃねえぞ!!(;´Д`)
日本はGDPの規模で世界三位のはずなのに、
日用品すら満足に買えないっておかしいだろ!!

確かに俺たちの住んでるところは埼玉の地方都市だが、
買うものに不足するほど貧しい地域じゃなかったはずだぞ!!

「ひとみん。もうすぐお昼になるよ(;´・ω・)」

「そうね。実は私お腹ペコペコなのよ(´Д`)
 普段から運動してるから代謝が良すぎて11時前からお腹がすくの」

信じられないことに、瞳さんは会社でも間食を頻繁にしているらしい。
カバンの中には常にクッキー類やチョコレート菓子が入っていて、
休み時間の度に食べているとのこと。

お昼休みも昼食後にはグミを食べているそうだ。
そもそもお昼ご飯のお弁当も30代の大人女子にしては多めだ。
(大人女子ってなんだ? でもこう呼ばないと瞳に怒られる)

ふつうこれだけ食べれば、顔にニキビができたり肥満、
高血圧などになりそうだが、前作で描いた通り、
瞳の美しさはおそらく埼玉県でもトップレベルだ。

身長は162センチらしいが、体重は40キロくらいしかないんじゃないか。

これで俺の妹に対して異常な敵意を
向けてこなければ最高だったんだが(;・∀・)

「(*´ω`)スーパーも危なそうだから、コンビニでお昼を買う?」
「(^○^)ちょうど母から渡されたクオカードもあるから、そうしようか」

実は美雪から渡されたんだが、間違っても美雪の名前は口にできん。

そして近くのコンビニ♪ファミリーマート♪へ向かうと、

「ちょ…\(^o^)/オワタ」 「おい……\(^o^)/オワタ」

コンビニのガラス越し(書籍類があるとこ)に、2台の乗用車が突っ込んでいた。
ただそれだけだ。散乱したガラスの破片が店内と駐車場に広がっている。
車の乗員はどこにもいない。そして店内に客もいない。店員も店長もいない。

コンビニに車がつっこんだ状態で放置されているカオスだった。
意味が分からん。どういう経緯でこうなった?
なぜ騒ぎになっていないんだ。警察は?

まだ炎上してないだけましだが、不気味すぎて近づけねえ。

「絶対にお店に近寄っちゃだめよ(; ・`д・´)」

「どうしてだい(;゚Д゚)」

「よくレジの裏を見てみなさい。
 何人かの男が潜んでいるわ」

「……あっ、確かに黒髪が見ええる」

「不用意に近づいてきたお客を暴行して金目の物を奪うのが目的ね。
 文字通り身ぐるみをはがされるわよ」

「ひぃ;つД`)」

「コンビニはあきらめましょう。
 今日はどこへ行っても危険よ。
 あの首相の演説の影響で市民がおかしくなっているのよ」

老後資金2000万円問題に加えて年金支給額が660円。
市民感情を逆なでし、暴徒とさせてしまったのだ。
本音でしゃべる自由民主党は恐ろしい(゚∀゚)

「俺達はこんな危険な国で生きていけるのかな(>_<)」

「ヨシヨシヾ(・ω・`)私は賢人を守ると決めたわ。
 だから安心して。今日はいったん家に帰りましょう?
 朝炊いたお米が炊飯器に残っているから、
 食べる物がないわけじゃないわ」

その時だった。

瞳が持っていたハンドバッグを、若い女が奪って逃走した。
典型的なひったくりだ。

俺と瞳はイチャイチャしていたこともあり、完全に油断していた。
都合の悪いことに女は自転車を全力で漕いでいる。

「待てえ泥棒\(゜ロ\)(/ロ゜)/」
「この野郎おおおおおおおお!!(;゚Д゚)」

瞳と俺は全力で追いかけるが、距離は広がるばかり。
追いかけても無駄だよ。そう言いたかったが、

「あのバッグにはお父さんのデビットカード(500万)が入っているの!!」

俺はさらに全力で走ったが、やはり女の背中は遠ざかるばかりだ。
だが奴の姿形は覚えたぞ。身長159センチでストレートの黒髪を
後ろでまとめて垂らしている。ずいぶんと髪の量が多いな。

アイドルマスターの我那覇響にそっくりじゃねえか。
ちなみに俺は一瞬で相手の女の身長を当ててしまう特技があるのだ。
何の役にも立ったことがないがね。

悔しくて仕方ないが、俺たちはあきらめざるを得なかった。

「ああ、私の500万が……:;(∩´﹏`∩);:
 ちくしょう。あの女。殺してやりたい」

瞳さんが泣き崩れるのを始めて見た。
父から預かったお金だけに複雑な思いなのだろう。
瞳はその場にしゃがみ込み、顔を両手で覆って子供のように大泣きをした。

「(ノД`)・゜・。うわああああああああああああああん。
 お父さん。ごめんなさーい」

「(;´・ω・)カード会社に電話して利用停止にすれば大丈夫だよ。
 落ち着いて。瞳」

「゚(゚´Д`゚)゚ でも私、盗まれちゃったのよ。
 お父さんから渡された大切なカードを!!
 私は最低の親不孝者だわ!! うわああああああああああ!!」

涙と鼻水でぐしゃぐしゃになってしまった俺の瞳。
彼女風の表現をすれば神から与えられたのであろう、
恵まれた容姿が台無しだぜ。

「:;(∩´﹏`∩);:ご、ごめんねぇ。賢人君。
 こんな私じゃ、あなたを
 守ってあげる資格なんてないわ」

「(´っ・ω・)っ 君に怪我がなかった。
 俺にはそれだけで十分だよヒトミ。
 俺達のお金が全部盗まれたわけじゃないんだから大丈夫さ」

「私のお財布に入っていた現金2万円も盗まれてしまったの!!」
 私は今日だけでどれだけ多くのお金を盗まれてしまったの!!」
 商品券も入っていたはずよ!!」

「いいじゃないか2万円くらい。ヒトミ、そろそろ落ち着こうよ。
 いったん家に帰って寝よう。寝れば気分も良くなるさ」

泣きわめく瞳を何とかなだめ、俺たちは帰路に着いた。
カード会社に連絡をしたが全く繋がらない。
おそらくだが、カード会社も
テロ集団に襲撃されている恐れがある(´・_・`)

これは瞳の精神に致命的なダメージを与えた。
相手が暗証番号を知らない限りはお金を使えないはずだが、
カードの利用停止ができないのは不安だ。

それに令和10年では国内でサイバーテロが頻発し、
個人情報の漏洩が半端ではない。

普段のラインでのやり取りですら赤の他人に筒抜け。
何も知らずにペイペイやラインペイを利用すれば、
一週間以内に詐欺集団に口座残高を全額盗まれるそうだ。

(↑2019/7月 セブンペイ利用者の口座残高が
 全額盗まれる事件が発生。しかも利用開始から
 たったの4日で。小説じゃねーのかよ)

俺と瞳が現金支払いに凝るのはそのためだ。

「おかえりー。おにい達、今日は会社休みなんだね(^_^)」

平日の13時過ぎだというのに美雪がいた。
ああ、大学三年だと授業数が少ないのか。
今日は一限から三限の授業まで受けて早めに帰って来たらしい。

「み、みゆき。実はな(;゚Д゚)」
「なに? (^_^)」
「いや……やっぱりいい;つД`)」

言えねえ。険悪状態の美雪に対して瞳の落ち度を説明するなんて。
500万の入ったカードを盗まれたなんて言ったら絶対にこいつ
調子に乗って瞳を説教する気だろ。

だが早めに言わないと。遅かれ早かれバレることだ。
家族は共同体。各人が現在までに保有しているお金も共有財産とし、
協力し合って生きていくこと。全部ヒトミお姉さんが決めたことだ。

「なによ。お兄ちゃん。気になるじゃない、早く言って(; ・`д・´)」
「まあ、その、なんだ……? ちょっとスリにあってな(;゚Д゚)」

「スリ……? お財布でも盗まれたってこと?
 普段からおにいのお財布には700円くらいしか入ってないでしょ。
 多くの現金は持ち歩かないようにしてるんだから」

「いや、俺じゃなくてね。その……ひとみが……」

瞳の泣きはらした顔を見れば一目瞭然だろう。
美女の目元が真っ赤になっている。
化粧が中途半端に落ちてしまっているが、
これでも十分に美しいんだからこの人は化物だよ。

どうして芸能界に入らなかったんだ。

「美雪さん。はっきり言うわ」
「はい」
「私は500万の入ったカードを盗まれてしまったの」
「え……」

詳しいいきさつを説明したのだが、美雪の反応は意外なものだった。

「( ´_ゝ`)フーン」

と言ったきり、興味を失ってしまった。
絶対に怒鳴り散らすと思っていたのに。

「お兄。こっちに来て一緒に通販カタログ読もうよ。
 ベルーナの通販でお惣菜がたくさん載っているのよ」

「お、おう(`・ω・´)」

本当に怒ってないのか……?
瞳は罰が悪そうに玄関に立ち尽くしてるんだが。

※ベルーナ
国内の優良株。優待銘柄。
業績、株価共に超安定。財務健全。米中摩擦等の影響も受けず、
堅実に国内の通販事業を中心に実売店舗、ホテル業、金融まで輪を広げる。

2019年度3月決算までのセグメント別売上ではEC部門、
化粧品が特に好調。化粧品はまさに生活必需品である。
世界的な景気減速を受け、東証に上場する企業のほとんどが
打撃を受ける中、安定した売り上げを誇る堅実な企業の代表例と言える。

中間、期末配当でワイン他、ホテルの割引券など選べる。
もちろん配当金(増配した)もくれる。
ヤマダと比べると配当・優待利回りは低いが、
財務安定で株価の下落がないことは最も評価できる。
なぜなら、いざ売却したい時に損益が出ないからだ。

会社の決算内容はよく分からないけど、
まず優待銘柄を持ってみたい、という人には
筆者が自信をもっておすすめする企業。
ちなみにこの会社の株主総会は、他社では例を
見ないほど穏やかであり、株主から良く愛されているが伝わる。


「ベルーナの通販カタログすげえ(゚Д゚;)!!!
 魚介類、肉類、お酒からつまみ、和菓子などの菓子類から
 カレーのレトルト食品まであらゆる食材が揃ってやがる!! 
 しかもワインの豊富さと言ったら!!」

「この会社さんってご婦人向けの洋服ってイメージだけど
 食材もすごいんだよね(∩´∀`)∩」

「しかも写真の掲載もでかい!! 印刷状態も良好!!
 文字もでかくて老人でも電話注文が簡単!!
 中高年を中心に需要が安定するも納得の理由!!」

「しかも株価が割安で10万もあれば買えるよ」

(;一_一)今気づいたが、俺たちはなんで
ベルーナの宣伝みたいなセリフをしゃべってるんだ? 
まあどうでもいいが。

「(^_^)お店が戦争している時は通販は便利だよね」

「冷凍肉やシャケの詰め合わせとかすげえ割安だぞ。
 冷蔵庫は買ってある設定だから、
 今すぐスマホでネット注文しておくか」

「私たちが買うのは豚の角煮(1キロ)と、シャケの詰め合わせと、
 タラコ明太子と、長崎ちゃんぽんと……レトルトカレー10袋と、
 お魚の缶詰の詰め合わせと……、アスパラベーコン(お弁当用)
 あと贅沢して冷凍イクラ」

けっこう買うんだな……。

「5000円以上で送料が安くなるから(^_^)」

なるほど。

「ひとみさんはどれにするの?」

(´・ω`・)えッ?

ヒトミも( ゚д゚)ポカーン としている。

「美雪さん。私は買うものを選べる立場じゃないわ」

「カードを無くしたこと気にしてるの?」

「それはそうでしょ。カード会社と連絡すらついてないのよ」

「別にいいじゃん。仮に全額不正利用されても
 授業量だったと思えば。そんなことより早く選んでよ」

そう言って瞳にぶ厚いカタログを手渡した。

瞳はカタログに目を輝かせ、頭を悩ませていた。

「紅茶が飲みたいわ。この、ダージリンのティーパック」

「はいはい(:一_一) さっそく注文しますね」

美雪の話では二日後には食材が届くらしい。
アマゾンと同じレベルで超簡単だ。

今気づいたんだが、ティーパックが届いても
保温するポットもないし、ティーポットもねえ。
あとでアマゾンで注文するべきか。

「お兄ちゃーん。家に物がなさすぎて暇だよぉー(⋈◍>◡<◍)。✧♡」

「はは。可愛い奴め(∩´∀`)∩」 
                 イチャイチャ (੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾ヾ(・ω・`)ラブラブ

「せっかく時間があるんだから映画でもみたいよねー。貞子とか」

「パソコンもないからネットフリックスも使えねえし、
 ツタヤにレンタルにも行けないだろうな。たぶん襲撃されてる」

映画といえばショッピングモールも定番だが、
一体どうなってるんだろう。久喜にはアリオがあるが、
ニトリ並みの惨事になってる可能性が高い。

ただでさえ人が密集する所だ。犯罪率の高さも
他店の比ではあるまい。考えないでおこう。

美雪「令和10年の犯罪率の高さについて(。◕ˇдˇ​◕。)/」

※みゆきさん

今さらですが、前話のタイトルはフェイクです。
私も自分が暴漢に刺されるんじゃないかとビクビクしましたが、
作者から嘘だと言われて安心しました。
あとであの人殴っておきますね。

「2人とも。今日も気持ちのいい朝よ(´・_・`)」

ひとみさんです。今日は長い髪を後ろでまとめています。
癖のない髪で羨ましい。私は梅雨時は毛先が乱れて
毎朝鏡の前で15分も格闘しているのよ。

カーテンがないので猛烈な朝陽がリビングに差し込みます。
6月でも晴の日は真夏とそう変わりません。
今6月になってたんですか。日本株も米国株も
配当金が入る時期です。日本株は優待品のラッシュですね。

「美雪さんがベルーナで頼んでくれたお惣菜のおかげで
 少しはましな食事ができるようになったわ。
 でも日用品が絶望的に不足しているのよ。
 食器棚すらないレベルよ」

問題はそこです。どうやって買ったらいいんでしょうね。
実はアマゾンと楽天で家具類を取り寄せたんですけど、
やはり宅配業者さんが道中でテロリストに襲撃されたそうです。

大阪の堺の倉庫から関東に運ぶ途中で襲撃にあい、壊滅。
それでも懲りずに三度も注文を出したんですけど、
一度も団地まで配送されることはありませんでした。

注文内容確認の画面では、ライトバンが襲撃されたため
搭乗者が殉職となっています。どんだけ危険なんですかこの国。
しかも宅配業者は時給280円。倉庫の仕分けはたったの180円。
まさに奴隷大国ですよね。

「こんな時こそ大塚家具だな」

大塚家具って…。お兄ちゃん……正気? ⊂⌒~⊃。Д。)⊃ (´ρ`)

「大塚家具も通販サイトを持ってるようだぞ。
 俺たちのリビング兼ダイニングに必要なのは家具だ。
 せめて家族三人が食卓を囲めるテーブルとイスだけでも買おう」

そして三人分のイスとテーブルを選んでみたら、
最低でも21万を超えてしまいました。ちゃんちゃん\(^o^)/
これは税抜き価格です。34%の消費税を入れると、なんと27万円成り!!
完全に\(^o^)/オワタwww

「でも買うぞ」

「け、賢人君(;゚Д゚) あなたは何を考えてるの(;''∀'')
 大塚家具は富裕層ご用達よ。私達貧乏人には縁がないわ」

貧乏人……? あんたは大金持ちだろうが!!( ゚Д゚)
私がカードの件を叱らなかったのは、あんたにとっては
5百円落としたくらいの感覚だろうって意味だよ!!

「高くても結構。支払い能力がないわけじゃない。
 これは男の意地だ。俺達はここで暮らしていくのに
 いつまでも床の上で食べてていいのか」

私たちって床の上で食べてる設定だったんだ……。
よく考えると確かにみじめかも。

Σ(゚∀゚ノ)ノキャー ナンダー (´ρ`) うわー\(゜ロ\)(/ロ゜)/ 

私たちじゃありません。お隣さんで何かあったようです。

私達は404号室。お隣は405です。

『どりゃーきさまら、借金払わんかい!! 
 何カ月滞納しとるんじゃこらぁあああ!!』

ズドオン ずどおんん

この音はバイオハザードで聞いたことがある。
ショットガンの発射音だ。

借金取り。いわるる闇金は令和10年では合法です。
違法な金利を設定してもおk。
借金を滞納する国民は殺してもおk。
ロシアの漁港へ人身売買をしてもおk。

金のない奴は死ね。
日本の各金融機関は、自民党の教えに忠実に守っているのです。

借金取りの迫力と家族の悲鳴がすごくて、
私達家族三人は、:;(∩´﹏`∩)←こんな感じで震えていました。

隣の家で起きていることなのに、まるで自分のことのように怖いです。

結果的に一家は、有り金がないので住宅にある家財をすべて
借金取りに提供して事なきを得ました。しかしこの次こそ
命を取られるか人身売買をされるのは確実。

日本では現実世界でも債務残高が2000万を超える人が
原発の作業員として派遣されています。ああいう仕事は
自分から希望して働く人は基本的に存在しませんからね。

その日の深夜、その家族は団地の屋上から飛び降り自殺しました。
40台のご夫婦と、小学生の男の子二人、生まれたばかりの娘の五名でした。
生きていくのに精いっぱいで借金の支払いができなかったのでしょう。
令和10年ではたとえ1000円でもその月の借金を払えれば、
拷問や虐待はとりあえず免除されるのです。

私はその日の朝、コンクリの上で脳みそをぶちまけている
奥さんの死体を見てから、トイレで吐きました。
何より恐ろしいのが、飛び降りた人たちって
手足を複雑骨折していて、変な方向に曲がっていることです。

(´-`).。oO 私だってお金がなければ、ああなるのね……

令和10年では、借金が払えなくて奴隷として
売り出される人は後を絶ちません。
行き先はロシアや中国、朝鮮など枚挙にいとまがない。


「おはよう美雪(^○^)」

「お兄ちゃん。おはよう(。・ω・。)ノ♡
 昨日はよく眠れた?」

「すげえよく眠れたよ。会社が休みだから
 少し体がなまり気味なくらいだ。はは(^○^)」

ペンタックでは、年金問題で不満が噴出した従業員たちが
ストを起こしているんです。目的は賃上げただ一つ。
時給210円なのに今までむしろよく我慢していたものね。

出勤を拒否した彼らを派遣会社の営業が拉致しに
行くんですけど、逆にみんなの玄関先に来た営業が
殴られているそうです。

そして徒党を組んだ派遣従業員たちが、火炎手りゅう弾や
火炎びん、アサルトライフルで武装して派遣会社のオフィスを襲撃。
すでに派遣会社の営業スタッフの半数が殺害されています。

さらにペンタック北関東工場にも武装集団が乗り込み、
会社の偉い人たちを次々に殺害して収拾がつかない状況となっています。

「俺もヒトミも無収入状態だね」
「早めに転職先を探したほうが良いかしら」
「まともな職場が日本に残ってるんだろうか」
「転職は……はっ(゚д゚)!」

瞳が急にばつの悪そうな顔になった。

ああそうか。私の兄をつなぎとめている唯一の絆が
ペンタックだった。おにいがあいつと婚約した一番の
決め手となったのは、ペンタックでの雇用の保証。

北関東工場が大規模ストとなってしまった以上、
もうその保証はない。

「ひとみ」
「けんとぉ…( ノД`)シクシク…」
「例えペンタックが燃えてしまっても、僕は君と結婚するよ」
「え(´・ω`・) でもあなたの雇用が…」

「僕も君も無職になるのは同じ条件じゃないか。
 僕は君が言ってくれた言葉を忘れないよ。
 あの時ペンタックの玄関前で、俺を一生金銭面で
 助けてくれるって誓ってくれた。うれしかったよ」

「私は父のデビットカードすら管理できないほどの無能よ…」

「そんなことはどうでもいい。
 俺は君の気持ちがうれしかったんだ。
 ほら。こっち向いて」

(●´Д`)ε`○) (*´ε`*)あっ……

「ひとみ。何度でも言うよ。俺は、君のことを、愛してる」

(≧∇≦) ←瞳はこんな顔になっています。

うれしくてたまらないでしょうね。

はいはい。この手の茶番を私の見てる前でするなと何度言ったら…

「私も賢人のこと愛してる!! この世で一番大好きぃ!!」

だいしゅきホールドを発動。
32歳の行き遅れと25歳のイケメン男子が、こうして結ばれたのでした。

ちゃんちゃん。少女漫画ならこれで次号へ続くなんだけど。

「私はまだ二人の関係を認めたわけじゃないよ」
「怖い顔でにらまないで頂戴。素敵なシーンが台無しよ」
「お兄ちゃんから離れて!! 嫌がってるじゃない」

「どこが? 美雪さんは目が腐ってるの? 
 今賢人から愛の告白をしてきたんですど。耳も腐ってる?」

「それは一時の気の迷いです。兄は雰囲気に流されやすいので」

「あっそう。好きなだけ言ってなさい。あなたの相手をするのは疲れたわ。
 さ、私と賢人は今から再就職先を探さないといけないの。社会で働いた
 こともないお子様の相手をしてる暇はないのよ。ごめんなさいね」

「カード盗まれたくせに」

「……空耳かしら。それより賢人。こっちに来」

「道端でカード奪われたドアホのくせに!! 間抜け!!」

瞳はすごい顔でにらんできて、私にコップを投げつけてきました。
冷たぁい。飲みかけの水が入ってたから上着がびしょぬれになった。
しかもこれ、瞳の飲みかけだ。私も頭に血が上った。

「瞳のクソやろぉぉぉぉ!!(:゚Д゚)」

電気ポットを投げてやった。重いので肩に痛みが…。。

「ぽぎゃあああああああああ;つД`) ⊂⌒~⊃。Д。)⊃」

お兄ちゃんに当たっちゃった。
運悪く後頭部に一撃を食らったお兄ちゃんは、
脳震盪を起こして床に転がっている。

「きゃあああ!! 私の賢人がぁ!! (;゚Д゚)」

瞳は激しく取り乱した様子で兄を介抱しています。

「賢人大丈夫?! けんとぉぉお(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾」

⊂⌒~⊃。Д。)⊃←賢人

「私の賢人をこんな目に合わせるなんて、いくら妹でも許せないわ。
 おい美雪。クソガキが。あんたには生まれてきたことを
 後悔するほどの腹パンを食らわせてやるよ」

やばい。この女、マジギレしてる。
北斗の拳を彷彿とさせる殺気を放っています。

私は身の危険を感じたので逃げ出してしまいました。
めんどくさいことになった。夜までには家に帰るつもりだけど、
このご時世で一人で外を出歩くだけで危険行為なのに。

瞳と一緒に暮らすなんてそもそも無理げーなんだよ。

瞳「私の名前は坂上瞳です。あなたは?」

※ さかがみひとみ さんじゅうにさい

令和10年ほど生きづらい時代が、かつてあったのかしら。

天下泰平の世だった江戸時代は、それはもう平和だったと聞くわ。
争いを止めて文化の花が咲き誇った江戸の文化。
文芸。音楽。書道。食文化。
当時の武士はやることがなくて、短歌を作ったり
サッカーらしきものをするのが日課のニートだったそうです。

喧嘩は江戸の華とはいったものの、戦国時代に比べれば
史上最も平和で安定していたと言われる時代。

そして戊辰戦争を経て江戸幕府崩壊。
明治維新の文明開化から日清日露戦争。
日中戦争太平洋戦争を経て、戦後の高度経済成長。
平成の大不況30年を経て、令和でも不況は継続。

一部の大企業と資本家、お金持ちの市民だけが
富を蓄え、貧乏人は一生貧乏人として地を這うことを強制されている。

現実世界でも米国下院議員のグループでも「反資本主義派」が形成され、
資本主義の有り方を見直すべきだと話し合われているそうです。
次期大統領選後に半トランプ派の民主党政権が誕生すれば、
米国を中心に何かが変わるかもしれません。

ちなみに米国マクドナルドではCEOのお給料が
末端従業員の『2040倍』だと、CNNテレビで報じられて話題になっています。
※実話です(2019/7/1)


0:30
市営団地の夜は静かなものです。
どこかのお部屋から赤ん坊の泣き声が聞こえたりもしますが、
遠くの部屋のようなのでそこまで響きません。

私は自分用の部屋でおとなしく横になっています。
美雪は、さっき玄関が空いた音がしたので帰って来たのでしょう。
足音を殺して移動し、シャワーを浴びる音が聞こえてくる。
まだ私におびえてるのかな。あの時のあいつの引きつった顔、
今思い出しても噴き出しそうになる(*^▽^*)

私は働いていないので生活のリズムが少しづつずれてきています。
いつもなら布団に付いたら即爆睡なんですが、まどろいんでいます。
スマホで確認すると、あれから30分経過していました。

『(*´Д`)ハァハァ みゆきぃ。みゆきぃ。好きだぁ』

私はばっと布団から半身を起こしました。
聞き間違えではないようです。すぐ隣の部屋から彼の声が聞こえます。
あの子達は今夜も一緒に寝てるの……? しかも好きとか言ってるし…

賢人は私と一緒に寝ようとはしません。
恥ずかしいので私からは誘えませんが、賢人は修羅場になるのを
警戒して私と夜は距離を取るのです。
本当に私のこと好きなのかな(´・ω・`)って不安になることがあります。

『(*´Д`)ハァハァ やっぱり美雪の体は最高だ……。
 瞳みたいな貧相な胸じゃ触ろうって気にもならないもんな……。
 この肉の柔らかい感触……たまんねえ。触った瞬間に
 イッちまいそうになるんだ…』

ま、まさか( ゚Д゚)二人はすでに……

『(*´Д`)ハァハァ 俺が瞳に言った言葉? そんなの口から出まかせだよ。
 あんな年増の若作り、俺の好みじゃない。顔は綺麗だけどな』

うそ……嘘だと言ってよ

『(*´Д`)ハァハァ 俺は美雪のことが生まれた時からずっと好きだった。
 お前さえいてくれれば、赤の他人なんていらないよな。
 ほら服を脱いで。お前の下着をもっとよく見せてくれ』

けんと…

『(*´Д`)ハァハァ ペンタックの雇用が継続されないなら、あんな女には
 もう利用価値はない。あとで説得して出て行ってもらおう。
 美雪の方がお金をたくさん持っているし、俺を守ってくれるのは
 分かってる。美雪さえいれば、あんな奴はもういらない』

『(*´Д`)ハァハァ あのヒステリーなところも大っ嫌いだ。
 俺が少し美雪の名前を出しただけで取り乱しやがって。
 ばっかじゃねえの。あんなんだからいい歳して独身なんだよ』

その後も賢人は何かを言っていたけど、もう何を言われても
私の耳には入りませんでした。

私は声もなく泣きました。手が震えている。くやしくて。
涙がこんなにも流れるなんて、大人になるまで知らなかった。
こんなぐしゃぐしゃになった顔、誰にも見せられない。

私は馬鹿だな。ずっと賢人に騙されていたんだ。
賢人は私の手を握って愛してるって何度も言ってくれた。

全部……全部……嘘だったんだ( ;∀;)

(´;ω;`)

天にいる神様。お父さん。お母さん。

私は今まで生きていてこんなに悔しい思いをしたのは初めてです。
できるなら、今すぐ賢人を怒鳴りに行きたい。
でもそんなことをしたら、裸で抱き合ってる兄妹の姿をみて
余計に自分がみじめになります。

壊れてしまいたい。でも壊れられない。

失恋ってこんなにも重い感情なのね。
私は恋愛なんてしたことなかった。だから失恋の重さを知らなかった。
学生時代に友達の恋バナをよく聞かされた。
みんな私を恋愛上級者と勘違いして、色々な相談をされた。
私の前で男に振られて泣きじゃくってる子もいた。

そんな時、恋愛経験豊富な坂上さんだったら、どうするんですかって
聞かれた。一晩良く寝ればすっきりするよって、適当に答えるしかなかった。

騙された私がみじめで、狂ってしまいたい。手首を切りたい。
騙されたと分かった今でさえ、賢人を心から憎むことができない。
私は嘘だったとしても彼の言葉がうれしかった。

男性に真剣な顔であんなこと言われたこと、一度もなかったから。
あの思い出まで嘘だったことにはしたくない。
こう思うのはわがままでしょうか。神様。

私は震える手で旧約聖書を手に取る。
だめだ。一行も頭に入ってこない。
音読しようとしても嗚咽しか出てこない。

親はここにはいない。誰も頼れる人はいない。

私は布団の上で両足を抱えてうずくまり、いつまでもそうしていた。
カーテンのない窓から朝陽が差し込み、室内を照らしていきます。

もうあれから4時間も経ったのか。
私は会社で出会ってからの賢人との思い出の中にいた。
思い出の中の彼は、子供っぽい顔で私に微笑んでくれた。

こんな女と今まで一緒に居てくれてありがとう。賢人。
偽物の関係だったとしても、婚約の事実は初めから
なかったとしても、それでもうれしかったよ。

運命の男性と出会えたと、舞い上がっていた頃の
愚かな自分と別れを告げるために、私は化粧すらせずに玄関へと向かった。
生理二日目だから余計に体が重い。お腹がごろごろする。もうどうでもいい。

「あ、瞳さん」

玄関先には美雪がいた。
不思議なことに彼女も目元に濃いクマが出ていた。

「今回ばかりは素直に負けを認めますよ。
 いつまでも兄とお幸せに。
 邪魔者の私は今日で消えることにしました。
 天国から二人のことを見守っていますからね」

美雪は何を考えてるのか、手にした果物ナイフを
思い切り自分の胸に差そうとしている。

私は瞬間的に体が動き、果物ナイフを手ではじいた。

カランと、行き場をなくしたナイフが玄関の床に転がった。

「お願いだから邪魔しないで。本気で死にたいの」
「どうして死にたいの?」
「兄が、最終的に貴女を選んだからです」
「( ゚Д゚)ハァ?」

「昨夜、私は兄に言われたんですよ。
 妹はうざい。うっとおしい。あいつの手料理はもう食べ飽きた。
 あんな子供より瞳の方が百倍素敵だって……」

... ( ゚Д゚)ハァ? 
... (。´・ω・)ん?
... (´・ω`・)エッ……?

( ˘•ω•˘ )
私はカンで分かった。彼女は勘違いをしている。

おそらく賢人君に言われたことは事実じゃない。
そして私が昨夜聞いた賢人の声も、おそらく事実じゃない。

「゚(゚´Д`゚)゚ 昨日ね、兄の独り言がリビングから聞こえたきたの……
 瞳をいつまでも抱いていたい……それには妹が邪魔だ。
 あいつがいなければ、いつでも瞳と裸で抱き合ってられるのにって……。
 明日にでも美雪を追い出してやろうって……
 良かったですねぇ瞳さん……そこまで兄に愛されてぇ。
 うえええええええん!! ;つД`)」

その時でした。玄関の先から足音が聞こえて来たので
なんとなく開けてみました。

「あっ……」

30代の男性がいました。なんとこの作品の作者です。

「し、失礼しましたっ」

彼は急いで駆け出していきました。
なんでこの団地にいるんですか。
彼も市営団地の住民だったのかしら。
それに逃げる理由が分かりません。
また私たちに攻撃されると思ったのかな。

「これは何かしら。あの男が落としていったわ」

東芝製の安いラジカセです。
老人以外で今時ラジカセなんて使う人いるんですね。
小さなスピーカーが内蔵された、モノラルラジカセです。
USB端子が刺さっていて、今すぐ再生できるようになっています。

私は何気なしに再生ボタンを押してみました。
これって単二電池で動くんですね。

『(*´Д`)ハァハァ ひとみぃ。もっとキスしてくれぇ。
 君とのキスは……病みつきになりそうだ……。
 このサラサラな髪の毛……最高だ……
 美雪よりずっと美人で、何度見ても君の顔は飽きることがない』

『(*´Д`)ハァハァ 君に俺の子供を産んで欲しいんだ。
 妊娠すれば……美雪の奴も諦めるだろ。
 だいたいな……あいつはお兄ちゃんお兄ちゃんってしつこいんだよ。
 あいつと我慢して暮らしてやってるの、いつになったら気づくんだろうな』

( ˘•ω•˘ )
なるほど。私が美雪さんの立場だったら自殺ものね。

冷静に考えれば彼はリビングで寝てるわけだから
私とそういうことをしてるわけないんだけど。

それに賢人君が人を騙すような人なわけないわ。
ごめんなさい賢人君。
誠実なあなたを一度でも疑ってしまった私を許してちょうだい。

試しにラジカセの別のトラックを再生してみると、
私が昨夜聞いた音声が流れました。

つまり私と美雪は、作者のおもちゃにされていたと。

ビキビキ(# ゚Д゚) 
ビキビキ(#^ω^)
 ビキビキ ビキビキ (# ゚Д゚)

美雪さんにも訳を説明したら、上の顔になっていました。
阿修羅のような顔です。

「おはよう二人とも。朝から玄関先で何を……?(´・_・`)」

「おにいちゃーん(∩´∀`)∩」

美雪は兄の腕の中でわんわん泣いています。
何も知らない賢人は激しく困惑しつつ

(;^ω^) みゆき……。 怖い夢でも見たいのかい?
(⋈◍>◡<◍) ナデナデヾ(・ω・*)

本当に優しいお兄ちゃんなのね。
この人があんな暴言を吐くわけないわ。

「ひとみさん、目のクマがすごいけど、寝不足なの?」

私も彼の何気ない言葉を聞いた瞬間に、涙があふれてきました。
あの声が嘘だと分かってほっとした。
内に溜めこんでいた、色々な感情が爆発しそうでした。

「ひとみさん(゚д゚)!?」

嗚咽する私を心配した賢人。コアラの赤ちゃんように抱き着く
妹をなだめながら、私のことも抱きしめてくれました。

「何があったのかは聞かないよ。
 きっと二人で夜遅くまで喧嘩でもしてたんだろう。
 今は気が済むまで泣いてくれ」

:;(∩´﹏`∩);:゚((;´・ω・)(゚´Д`゚)゚
こんな感じのカオスな図ですが、これで家族三人は仲良しです。

美雪「作者を倒す」

※ しぶやみゆき にじゅういっさい だいがくさんねんせい

タイトル通りのことを実行しようと思います。
そもそもこの小説って最初から最後まで
作者に振り回されて私たちにとって
特になることが何もありません。

特に前話の茶番のせいで作者に対し猛烈な殺意を抱くに至りました。
瞳さんに相談したら、賛同してくれました。

私達は「小説に出演していることを自覚しているタイプのキャラ」なのです。
これには作者への攻撃も可とされています。

「現実世界では、もうすぐ夏の参議院選挙だなぁ(´ー`)」

お兄ちゃん。もう政治ネタはお腹いっぱいだよ。

「作者を一概に悪者扱いするのもどうかな。
 結果的に俺たち三人の絆が深ったじゃないか」

そう。私と瞳は淑女同盟を組みました。

【基本原則】
渋谷兄妹、坂上瞳は、市営団地で
生活を共にする上で立場の違いはなく、
家族として支え合って生活を送ること。

そのため、渋谷美雪と坂上瞳は、

一、賢人を独占しない
二、賢人と勝手に婚約を結ばない
三、賢人もまた、二人を平等に愛すること

お兄ちゃんのハーレムエンドに近い状態になりました。
これ、何て名前のラノベ?

その他の決め事としては、

三人が保有している全ての資産は共有財産であり、
基本的に生活に必要な資金として使う。
家計の管理は、三人が共同で話し合って決める。

作者の仕掛けた茶番で私と瞳は、賢人を失うことの
恐ろしさと愚かさを痛感し、いっそどちらかが
傷つくことのない妥協案を考えるに至りました。

そしてこれは極めて合理的であることが確認されたのです。

けんとくーん(≧∇≦)
おにいちゃーん(⋈◍>◡<◍)

こうして二人同時に抱き着いても喧嘩になりません。
瞳に対する嫉妬も驚くほど減りました。
兄に拒絶されるかもしれない恐怖に比べたら、
今の状態の方がずっとましです。

瞳と彼を奪い合ったりでもしたら、私が負ける可能性がある。
私は資産運用の経験があるのに、
負けるのがこんなにも怖くなってしまいました。
:;(∩´﹏`∩);:

賢人の私を拒絶したあの録音は、今でもトラウマです。
夢に出てきそう。 

「ちょっと聞いてくれないか」

賢人がイケメンボイスで何か言っています。

「美雪と瞳が作者を倒したいのはよくわかった。
 だけど俺には別の目標があるんだ」

「別の目標( ˘•ω•˘ )……?」 ←ひとみ

「買い物をする。これに尽きる」

私達はベルーナのネット通販でお惣菜を取り寄せて以来、
まともな買い物をできませんでした。ベルーナの通販は
なぜか普通に宅配業者が運んでくれたのですが、
前述のとおりアマゾンや楽天ではそうはいきません。

ベルーナがなぜ無事だったのかと言うと、
株主だったから特殊は補正が働いたのでしょう。
投資金額に対してそこまでリターンが得られる株
とは思えませんけど、
なぜ筆者がおすすめしてたのか謎です。

「それは違うぞ美雪」

「えっ」

「長期投資の資産運用で一番大切なのは、
 短期的なリターンじゃない。
 長期保有しても倒産しない会社。ただこれに尽きる」

つまり目先だけの配当利回りや優待品の豪華さに
欲が出て、つい買ってしまう人は愚者。
例え配当金が少なくても、長期で安心して
持っていられる株を選ぶ人が本当の賢者。

米国株ではジョンソン・エンド・ジョンソン、
ウォールマートの配当利回りなんて3%を下回っている。
素人目には決してお買い得には見えない株だけど、
パパは「絶対に売るんじゃないよ。むしろ買い増しをしなさい」
と言ってたのは、そういうことなのかな。

パパはこの二社の経営のタフさは、
米国が軍事攻撃を受けて壊滅しない限りは大丈夫だと言っていた。
なんか、すごい安心した。

「目先の利回りに踊らされて、いざ現金が必要になり、
 売る時に時価評価額が下がっていたらどうするんだ?
 損を覚悟で売るか? そしたら配当金で設けた今までの
 時間は全て無駄になるんだぞ」

本当にお兄ちゃんの言う通りなんです。
配当金投資は時間をかけてコツコツと資産を増やしていく。
その年月が、売却して損を出すことでパーになってしまうかもしれない。
だから、時価評価額が下がりにくく、経営が安定してる企業がベスト。

「やはり、VOOが最適解だろうな」

VOO=ティッカー名。 ※銘柄の出席番号みたいなもの
上はバンガードSP500ETFを差す。
令和10年の第1シーズンで既出の銘柄です。

嘘だと思う読者の人は、「VOO、チャート」で検索して
10年間のグラフを見てください。【完全に右肩上がり】です。
しかも200年前から統計を取っても右肩上がりなことを、
ジェレミー・シーゲル博士が自著で証明し、世界に衝撃を与えました。

シーゲルさんは世界で超有名な投資家です。
日本で例えると池上彰さんくらい有名です。

日本に存在するいかなる株、いかなる投資信託の商品でも
トータルリターンでVOOに勝る商品、株式は存在しません。断言してもいいです。
投資の神様ウォーレン・バフェットを初め、世界中の株式投資家から
【株式投資の最適解の一つ】とされています。

これは小説のための誇張でなく、ただの事実です。

「株の話はいいから、賢人君の目標を言ってちょうだい(*^▽^*)」

「分かったよヒトミ。てか俺のことを賢人君って呼ぶのな(・ω・)」

「くせでつい読んじゃうのよ。
 あなたも私のこと、たまにさん付けで呼ぶじゃない(*^▽^*)」

「俺もついくせでね(;´・ω・)」

「(´∀`*)ウフフ」 「あはは(^○^)」

イチャつくなよ(;一_一)
はよ話すすめて(-_-メ)

「買い物の話だったよな。俺は通販じゃなくて
 実在の店舗で買い物がしたいんだ。
 ヤマダ電機とかニトリとかウェルシアで」

私と瞳は暗い顔になってしまいました。
お店で買い物をするのは戦場に身を投じるのと同じです。

先日のヤマダ電機への襲撃事件は地方新聞で話題になったほどです。
よく訓練された戦車部隊によってお店周辺の陣地は徹底的に破壊され、
もはやお店としての機能を失ってしまいました。
従業員にも多数の死傷者が出たと聞いています。

あーあ。残念だな。近所にヤマダ電機があって助かっていたのに。

「ヤマダ電機はそんな簡単に壊れないよ」

「え(;一_一)」

「今、軍備を増強中だ」

お兄ちゃんはどこで情報を仕入れたのか、
ヤマダ電機が陣地を作り直してることを教えてくれました。
それも、前回のような強盗に備えた簡易的な陣地ではなく、
戦車一個大隊の攻撃を受けてもびくともしないほどの
要塞を作っているそうです。

・要塞
敵の攻撃に対抗できるように,
軍事技術や建築工学を応用して造られる堅固な構築物のこと
              ※ブリタニカ国際百科事典


お店なのに「要塞」

((((;゚Д゚))))ガクブル

これが令和10年クオリティです。
お金がなく武装化した市民に対抗するためには
お店を要塞化して営業をしなければならない。
まさに殺伐とした小売り事情です。


「これが詳細図だ」

兄がなぜ要塞の詳細図を持ってるの?

「若林さんの友達からもらったんだ」

戦死したチャラ男店員さん。若林さん。
彼の同僚の男性が、お兄ちゃんに横流ししたと。
軍事機密とかじゃないの。大丈夫?

ヤマダ電機テックランド久喜店における、店舗周辺の防御施設の詳細

まず店舗の倉庫を含む内部構造物を全て地下へ移動。
入り口は正面の塹壕のみとする。
駐車場は用を足さないとみなし、全面撤去した。

店の入り口から遠い順に下記の障害物を配置する。

・鉄製の障害物(高さ2メートル) 

・有刺鉄線(高圧電流付き) 

・コンクリート製のブンカー 
 (厚さ3メートル。長さ35メートルの鉄製の胸壁。
  等間隔で銃眼が開けられ、内部からお客を狙い撃ちする)

※ブンカーはドイツ語で塹壕の意。英語はバンカー。

・監視用ブンカー 
(お店周辺を監視できる背の高い援兵豪。レーダー付き)

・「トゥブルグ」型ブンカー
(戦車の砲塔を外して地面に埋め込んだもの)

・地雷原

・火砲用トーチカ 
(遠くにいる戦車を破壊するための、大口径砲)

・キューポラ
(キュートな丸い形をした塹壕のこと。
 榴弾発射機、重機関銃を内部に装備。
 複数の銃座が空いており、360度方面へ射撃可能)

総戦力
武装店員 370名      (埼玉の各支店からの応援、補充含む)
機関銃×64         弾薬3億発。短機関銃、軽機関銃を含む。
各種火砲×72         弾薬5万8千発。毒ガス弾400発を含む
地雷×6000       遠隔操作で爆発する地雷を含む。
メルカバ第3.5代戦車 22両  イスラエル製の強力な戦車
レオパルト2戦車 10両    西欧州最強のドイツ製

戦車は、地下倉庫に待機させて起き、いざとなった時に出撃する。
お客の戦車群を逆襲し、殲滅するためのものである。

特に戦車が強い。イスラエル、ドイツ製の戦車は
現代では移動可能な陸上兵器としては、
最強と称されるほどである。

お客はこれらの障害物を乗り越えなければ、
買い物をすることはできない……。

瞳「⊂⌒~⊃。Д。)⊃
  おかしいでしょこの戦力!! 前よりパワーアップしてる。
  もう電気屋さんじゃなくてドイツの軍事基地じゃない!!」

もちろん武装した強盗犯のみを対象にした迎撃措置である。
賢人らのように普通のお客の場合は、
なんらかの手段で身分証を提示すれば普通に入店できる(地下へ)

美雪「Σ(゚Д゚) 問題はそこじゃないわ。
   これだけの戦力をそろえるのにどんだけお金使ったのよ…」

賢人「どこから借り入れたのか知らないが、軍事費がざっと5000億円……。
    イスラエルとドイツから輸入した戦車が割高だったようだ。
    ここまで経費を使うんだったら店をたたんだほうが…と思ったよ」

瞳「これ、よく読んでみると、ニトリやウェルシアも地下に
  入っているみたいよ」

美雪「ヤマダ電機だけじゃなくて他のお店も入ってるの!?」

賢人「どおりで武装定員が増えてるわけだ。
   施設名称はテックランド久喜点だが、確かに他の店舗も
   入ってるみたいダゾ。小さなショッピングモールみたいなものか」

瞳「近所のアリオとモラージュは徹底的に破壊されて廃墟同然……。
  むき出しになった骨組み。露出されたお店内。
  ごろつきなど危なそうな人たちの住居となり、
  様々な化学実験や新興宗教の布教の場ともなり、
  現在はもっぱら武装した市民の武器補給庫となっているわ……」

美雪「令和10年終わり過ぎ\(^o^)/ワロタ」

賢人「さあ、お買い物に行こう」
瞳「(゚д゚)!あなた、頭は大丈夫なの?」
美雪「どうしてわざわざ戦場に(>_<)」

賢人「ぶっちゃけ俺も行きたくないんだけど、作者の命令なんだよ」
美雪「なにその理由(>_<)」
瞳「やっぱり作者を殴りたい!!(*^▽^*)」

賢人「ヤマダ電機でショッピングだ(∩´∀`)∩」

※三人称

問1 平日の昼間から会社を休み、
  ヤマダ電機に買い物に行くのはどんな気分ですか?

賢人「少し違う。会社は労働者のストで休業となったから、
   俺たちが好きで休んだわけじゃねえよ。
   買い物自体は楽しみだな。ここが令和10年じゃなければだが」

問2 前話でヤマダ電機が強固に軍事化されたことが明らかになりました。
   どうやって買い物を済ませるつもりですか?

賢人「それについても突っ込ませてもらうが、まず今日の買い物の
   目的は日用品を買うことだ。中にウェルシアとニトリが
   入ってるから何でも買えるだろ。入店方法だが、
   お店の前で身分提示をすればいいんだろ」

問3 山田は現在、お客の襲撃に備えてピリピリしています。
   武装集団は、監視用ブンカーのレーダーにより、4キロ先から
   検知され、榴弾砲による砲撃を受ける可能性があります。

賢人「スマホがあるだろ。お店に電話して害意のない普通の客だから
    入店したいって伝えればどうだ?」

美雪「ねえお兄ちゃん。(⋈◍>◡<◍)。✧♡さっきから誰とはなしてるの?」
瞳「壁に向かって独り言を言ってると変な人だと思われるわよ( ゚Д゚)」

賢人「いや、俺も何言ってたんだろうな。
   とりあえず様子を見にファッションセンター・しまむらに行くぞ」

しまむらの二階の駐車場は、広々としていて風が気持ちい。
ヤマダ電機の方角を見ると。確かに軍事化されているのがうかがえる。
しかし、想像していたのとは違った。
ナチスドイツ軍の大西洋要塞のような作りなのかと
思いきや、キューポラが5つか6つあるだけで、
件のレーダーサイトなどは見えない。

瞳「(; ・`д・´)確かに地味ね。
  お店入り口の前に少しの塹壕があるだけ。
  武装した店員さんの姿も見えないわ」

美雪「あの情報は嘘だったのかな?
    でもネットで店舗情報を調べると
    すごい軍事化されたって書いてあるけど」

賢人「ネットの情報はあてにならないものさ。
   フェイクだったって可能性もある。
ネットをうのみにした武装集団を騙すなら、
   ある意味有効かもな」

さらに不思議なことが起き、三名は驚愕するのだった。

杖を突いた70代の白髪のおじいさん。
ポロシャツから覗く手が細く、いかにもよぼよぼだ。
同じく年老いた妻がリードして、ヤマダ電機の入り口に近づいた。

瞳「いけない。不用意に近づいたら、あの二人は撃ち殺されるわ!!」
賢人「いや、まだ分からないぞ。あの二人は強盗には見えない」
美雪「でも身分証明とかしてないんじゃないの?
    なんかよく分からないのに買い物に来たって感じじゃん」

キューポラの銃眼から、重機関銃がぬっと出てきた。
罪のない老人二人に照準があう。
機関銃手が引き金を引けば、毎分1200発の連射性を
誇るドイツ製の機関銃が火を噴くのだ。

老婆「おじいさん……あの鉄製のふたの中から、銃が見えますが」
老人「なんじゃ。わしらを打とうとしてるのかい。
   わしらは客じゃ。構わず店の入り口に入ろうじゃないか」

杖を突き、お店入り口へさらにに近づく。
そこは都内の地下鉄駅の入り口のようになっている。

すると男性店員が、キューポラのふたを開けて出て来た。

店員「そこのご老体。このお店で買い物をするには身分証明と
   現金やカードの有無、また非武装であることを
   証明しなければなりません」

老人「はいはい。まず身分証だが、免許証で良いのかい?」

70代でもまだ免許所持。早く返納しろと、
老人被害のご遺族から叫び声が聞こえてきそうである。

店員「免許証は結構。現金も8万も持っているようですな。
   今日のお買い物の目的は最新式の扇風機のようですが」

老人「風が体に優しい、11枚羽のタイプを探しておるんじゃ。
    この年なもので、安物の扇風機の風は体にこたえてのう」

店員「さっそくお店にご案内を。おっと、ご婦人の身分証等の
    確認を忘れることろでした」

老婆「おっほっほ。その必要はございませんことよ」

店員「……?」

老婆「なぜなら、あなたが今ここで死ぬからです」

老婆は店員の後ろに素早く回り込み、ダガーナイフで店員の首を切った。
頸動脈から、シャワーのように音を立てて血が飛び出る。
首周りを押さえた状態の店員は、やがて大量出血で動けなくなった。
足だけがぴくぴくしている。

老人「さてと」

老人は、店員が持っていた手りゅう弾を奪い、
素早くキューポラの中へ投下。
鉄がはじける音がして、キューポラの内部で爆発。
人の短い悲鳴が漏れ、内部の通気口から土煙が立ち込める。

老婆「ほいっと」

老婆は、バッグの中に隠し持っていた手りゅう弾を、
各キューポラの中に投下していく。これは簡単なことじゃない。
キューポラは等間隔に五基も設置されていて、
互いの陣地を火線で支援できるようになっている。

つまり一つのキューポラを攻撃している最中に、
別のキューポラから射撃され、一網打尽にされるというわけだ。

老人二人は、身のこなしが異常に早く、しかもキューポラの
銃眼のない部分、すなわち死角をうまく利用し、移動を続け、
紙一重で重機関銃の連射を交わしつつ、あっという間に
五つもあったキューポラ陣地を破壊してしまった。

老人「ばあさん。塹壕の中に便利なブツがあったぞい」

背負い式の火炎放射器だった。
老人はフェイクで所持していた杖を投げ捨て、
21キロもあるそれを軽々と背負った。

老人「汚物は消毒じゃな」

さっそくお店の地下入り口へ向けて放射。
これは店にとって深刻な被害を与える。

まず、洞窟内など酸素の薄い場所へと火炎を放つと、
急激な酸素濃度の低下によって、中にいる人はぶっ倒れる。

老人は鬼で、なんと燃料が空になるまで火炎放射器の
トリガーを押し続けた。ばあさんは横で小躍りしながら見ていた。

それからしばらくお店は沈黙していた。
中から武装店員が出てくるわけでもない。
ただ、地下入り口付近で火災が発生し、恐ろしいまでの
黒煙が上がり続けているだけ。

実際の地下がどれだけ深く掘られているかは分からない。
ただ、入り口付近から火炎放射されたので内部が
悲惨な状況になっていることは簡単に想像できる。

老婆「おじいさん。そろそろ帰りましょうか」
老人「そうじゃな」

なんと。このご老体二名。
ただのストレス解消のために
ヤマダ電機を襲撃したのである。

令和10年。年金の支給額は月額660円
第何号などの各被保険者は問わず一律)

消費税率34%。物価の引き下げなし。
自民党の議員の給料の引き下げなし。
(一人当たり平均で4400万)

これでは、お店を襲撃したくなるのも分からなくはない。
だが、一番倒すべきなのは政治家であろう。店員に罪はないのだ。


ガタガタガタガタガタ ←地面が揺れる音

老人「なんじゃこの音は」 
老婆「戦車のキャタピーらの音ですか?」

地下には巧妙に偽装された、いくつもの出入り口があった。
そこから次々と戦車と兵員輸送車が出撃していく。

メルカバ、レオポルドを主力としてた戦車部隊は、
あっという間に老人二人を包囲してしまった。

戦車だけで軽く40両は超える。
さらに兵員輸送車も10台を超え、総兵力は80名。
定員は、旧ナチスドイツ並みに完全武装されていた。

老人「これはまいったのう。ネットの要塞情報は
   やはりフェイクだったのか」

老婆「これだけの戦車を日本で見ることになるとは思いませんでした。
   若い頃に英国のフォークランド紛争で見たきりですね。ほっほっほ」

老人「そろそろわしらの人生も潮時というわけか」
老婆「お先にどうぞ」
老人「うむ、では。遠慮なく」

老人はピストルでまず老婆の数多を撃ち抜き、
次に自分の数多を撃った。

あまりにも呆気ない、老人二人の死。
キューポラの内部には、殺害された武装店員たちの死体が並ぶ。

戦車の搭乗員たちは、次々に中から出てきて、
死んだ店員たちをしのんで声を上げて泣いた。

こんな日本に誰がしたのか。
貧富の差は拡大し、貧困者は増えるばかりで、
お店でまともに金銭を支払うことすらできない。

貧しいから、奪う。

現実世界の2018年末。
警察庁の統計で小売店での万引き犯の検挙率。
60歳以上が3割を超えている。

これは全国平均である。
つまり今や万引き犯の三人に一人は老人になっているのだ。

消費税率34%の令和10年。
小説に出て来たような、元気でよく訓練されたご老人ならば
品物の強奪、店員の殺害をしても不思議ではない。

自民党の国民貧困化政策の行きつく先は、サービス業の崩壊である。
金銭を使用した売買の崩壊。物は奪う。人は殺す。金は払わない。
これらを実施するためには、法律の壁を破らないといけない。

そのためには

市民の『武装化』が必要になってくる。

店員の側も自らの命とお店を守るため、同じように武装化するしかない。

ヤマダ電機テックランド久喜店は、最終的に防衛陣地の構築を
断念し、機動防御戦術に特化した。
お店の地下倉庫にいつでも出撃できる戦車を用意しておき、
敵の襲撃に備えて出撃。数に物を言わせて逆包囲をして殲滅するのだ。

ヤマダ電機の保有する戦車や輸送車の数はすごい。
自衛隊の二個戦車大隊と同程度の規模だ。

一つの大隊には、戦車二個中隊が含まれている。

中隊の編成
主力戦車   ×7
軽戦車    ×7
通信車両   ×1
大型トラック ×2
小型トラック ×2
兵員輸送車  ×4


老人たちは、形勢不利となるとあっさり自殺をした。
彼らは自宅のアパートに遺書を残しているのだが、
そこにはこう書いてあった。

『貧困と絶望の令和で生きていることが苦痛。ただの修行。
 年金が足りず、貯金もなく、一生政府と企業の奴隷。
 こんな世界なら生きてないほうが良い』

底知れない怒り。諦観。絶望。ストレスを感じさせる。

『貧困は自己責任』
自民党のこの主張は、政治家としての義務を放棄したのと同じである。
現実世界でも自分達国会議員の給料引き下げは審議すらせず、
参議院選の定員枠を6名増やすなど暴挙を続けている。

そしてストレスを貯めているのは、店員側も同様であった。

「戦車A中隊!! 貧民狩り部隊!! 
 前進を開始せよ!!」

戦車中隊が、主力の重戦車を先頭に道路を進み始めた。
日本の舗装路は、韓国のように戦車の通過を想定していないので、
重さに耐え切れず一瞬でボロボロになってしまうだろう。

小説なのでスルーするが、彼らの言う貧民とは、
過去にヤマダ電機を襲撃したお客のことである。
前回の襲撃はお店側の完敗に終わり、店内にある商品
255点、計1390万円分の商品が奪われた。

そこで自治体がヤマダ電意に復興費として7億円を提供し、
現在の武装戦力を保有するに至るのだ。
7億では足りない気もするが、あえて考えないことにする。

そして自治体は、ヤマダ電機に対し、貧しくて買い物が
できない貧民の殺害を命じた。
ヤマダ電機・戦車中隊がこれから向かうのは
貧しい人が住む公営住宅に対してであった。

前回の襲撃事件の際、小学生の女の子二人がいたと思う。
どんな名前なのかは忘れてしまったが、とにかくあの二人の
いる団地に向けて、戦車中隊は進撃を続けている。

その団地は、まずいことに賢人たちの住みかの市営団地であった。

賢人「おい(# ゚Д゚)」
美雪「なんで私たちの団地が!!」
瞳「私たちの住む場所が無くなっちゃうわ!!」

賢人「戦車はどこへ行くんだ(;゚Д゚)」

ヤマダ電機・戦車A中隊。通称貧民狩り部隊は、
賢人たちの住む市営住宅の目前まで接近した。

戦車、輸送車、兵員輸送車を含めた
この戦力が目的としているのは、

真理ちゃん 9歳
泉ちゃん  10歳

この両名の殺害である。

二人とも小さな女の子であるが、
前回のヤマダ電機襲撃の際の主戦力の一人だった。

「仰角をあげろ」

戦車長の命令だ。重戦車と軽戦車が、
3階部分の部屋を狙って主砲を高くする。

女の子二人は学校をさぼって自宅にいた。
ニンテンドースイッチで遊んでいた真理ちゃんと
泉ちゃんは、窓の外から異常な殺気を感じるので
何かと思い、ベランダから様子を眺めたら
怖い顔をした戦車の店員さんと目が合った。

「やめろおおおおおおお(; ・`д・´)!!!!!!」

貧民狩り部隊に追いついた賢人は、
この虐殺を止めさせるために、戦車部隊へと近づいた。

「なんだ、貴様は」

賢人は筋骨たくましい店員に裏拳を食らい、悶絶した。
顔面に食らったのだ。あふれ出る鼻血が止まらず、
また涙も止まらないため、視界がぼやける。

「お兄ちゃん(´・ω・)!!!」
「けんとぉぉぉ(;゚Д゚)」

ぼたぼたと、大粒の鼻血でベージュのTシャツを
真っ赤に染めた賢人を美女二人が介抱する。
瞳に渡された高そうなハンカチで鼻を押さえても
まだ血は止まらなかった。

しかたないので女二人で彼の体を離れた場所へ運び、
仰向けに寝させた。女二人がかりでも
ほどよく筋肉のついた男の体は重かった。

(ケント君って見た目よりもガタイが良いのね(´∀`*)ポッ
 見た目は引き締まってるのに筋肉がついてるのってポイント高い)

その時であった。

戦車隊の一斉射が始まり、件の303号室に主砲がぶち込まれた。

発射の轟音。303号室は白い灰を巻き上げ、ガラスが吹き飛ぶ。
粉々になった家具もベランダから落ちて来た。

「次は機関銃の一斉射。うてえ」

輸送車と戦車に設置された重機関銃が、それぞれ
200発以上の弾を打ち込んだ。これで303号室のみならず、
周囲の部屋も巻き込みながらの容赦ない攻撃である。

ハチの巣のように、市営団地の影が穴だらけになり、
割れたガラスが破片となって地に落ちてくる。

「あ、ああ……(;゚Д゚)」

瞳は、言葉もなかった。美雪も同じである。
ようやく鼻血が止まった賢人は、ゆっくりと体を起こし、
せめて女の子二人を弔ってやろうと思った。

あの二人は確かに犯罪を犯したが、すべて貧困が悪い。
令和10年の日本が一般市民を犯罪に走らせるのだ。
これは政治の責任であって、断じて子供のせいではない。

「そこにいるのはシブヤじゃない」

「カグちゃん!? カグちゃんだよね?」

「おっす。あんた、なにしてるの、こんなところで」

突然の大塚家具やさんとのエンカウント。
大塚カグヤ姫、別名久美子さん。
それらはあだ名で、筆者も含めて誰も彼女の本名を知らない。

賢人の同僚で離婚歴三回。六人の子供を持つやもめ(シングルマザー)だ。

賢人はジャイアンにいじめられ、泣きながら家に帰った後、
ドラえもんに一部始終を説明するのび太君の顔でいきさつを説明した。

「なんだ。そんなことか。そんなに心配しなくても大丈夫だよ(^○^)」
「は……?」
「マリとイズミは強い子だから、大砲を撃たれたくらいじゃ死なないよ」
「マリとイズミ……? まさかとは思うが」
「私の娘だよ」

賢人は、衝撃のあまりひっくり返りそうになった。
カグちゃんは子だくさんだから娘が二人いることは不思議ではない。

仲の良い同僚だから市営団地に住んでいることは知ってたのだが、
なんと彼女は賢人たちの下の階の住民だったのだ。

「おっ、住民たちが出て来たね。もうすぐ反撃が始まるよ(´_ゝ`)」

何が起こるんだと、賢人たちは団地の方を見た。
すると、満足して引き返していく戦車たちのケツを狙い、
団地の屋上に集結した武装住民が武器を構えているところだった。

団地の屋上に展開した武器は、下記のとおりである。

精密誘導装置付き、対戦車用ロケットランチャー×56
クルップ製 42センチ 榴弾砲 ×3
スコダ製 30,5センチ 榴弾砲 ×5 
狙撃銃 ×80

住民は、暇な老人や無職、バツイチが主力となって23名となっている。
今日は平日のため戦力が少ないのだ。

ところでこのクルップ製の42センチ方だが、
第一次大戦のドイツ軍が使用したものである。
弾薬数は700発あり、一つの弾の重さが630キロもある。

これは、大戦初期のベルギーのリエージュ要塞攻略戦に使用された。
リエージュ要塞とは、日露戦争のロシア軍の旅順要塞を
超える規模の大要塞として世界的で恐れられた。

リエージュ市を守るために、
同市を取り巻く12個の堡塁を中心とした、
環状線に展開された要塞のことである。

この要塞は、半径10キロに渡る規模である。
ちょうど、山手線より一回り大きい規模に、
各重火器、弾薬、地雷、鉄条網、地下通路が仕掛けられていた。

ドイツ軍は、この人類史上最大規模の大要塞を、
たった二日で陥落させた。ドイツ軍は上にあげた二種類の
攻城砲を使い、堡塁の天盤ごと撃破し、
内部に潜むベルギー兵を生き埋めにしたのだ。

※堡塁 ほるい
コンクリート製の、極めて強固な防御陣地。
並みの大砲ではかすり傷しか与えられない。

コンクリで固められた要塞を落とすには、
強大な砲で倒すのがベスト。
旅順要塞攻略戦で半年も苦戦した日本軍が、
巨砲を使って形勢を逆転させた教訓を
ドイツ軍がしっかりと学んだ結果である。

ドイツは、20世紀の歴史において
運用、用兵技術(作戦レベル)で最強の軍隊である。
先の要塞だが、米国、英国、フランス軍などが攻撃を仕掛けたら
陥落までに一ヵ月以上はかかったことだろう。


「うちかたよーい」 「うてええ」

団地の屋上で、クルップ製の42センチ方が発射された。

あの「リエージュ要塞」を陥落させた攻城砲である。
弾の重さは600キロを超える。
もはや、音がうるさいとか、そんな生易しい話ではない。

賢人「な、なんだこの音は((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル」
瞳「ゴロゴロって、空で雷が鳴ってる?」
美雪「空の上を蒸気機関車が通過してるみたい……」

弾が、先頭を走る重戦車に命中した。
初段から命中するのは奇跡に近い確率である。

天と地が裂けるほどの、轟音が鳴り響いた。

戦車の主砲部分である、上部構造物がまるごと持って行かれた。
主砲部分はそのまま道路先へと飛ばされた。
内部にある弾薬にも着弾し、
誘爆を起こして、上空5メートルに及ぶ火柱を発生させた。

黒煙を上げ、燃え盛る戦車の残骸。
タイヤ以外でまともな部分は残っていなかった。
戦車の中にいた人は、高温で殺されゼリー状の液体となっていた。

他の店員が、恐れをなして戦車や輸送車から降り、
少しでも安全な場所へ逃げようと走り出していた。

そこへ、狙撃銃の容赦のない攻撃が襲い掛かり、
店員はわずか3名を残して全員撃ち殺されてしまうのだった。

「あ…」賢人たちは呆然。言葉もない。

「ママー」
「今回の敵は強かったよぉ」

マリとイズミである。
年子なのだが、もはや双子といえるほど仲良しである。
長い黒髪のツインテールがマリ。
後ろで縛っているのがイズミ。

すれ違えば人が振り返るほどの美少女ではないが、
十分に可愛いらしい容姿である。
子供らしく無邪気さにあふれるところも好印象。

そして困ったことに、ここにいたいけな少女が
好きなロリコンがいたのだ。

(か、かわいい(*´Д`)ハァハァ)

説明するまでもなく渋谷賢人である。
ところで私の書く作品には必ずロリコン男性が
登場していることに気づいた。
本編と関係ないので深く考えないことにするが。

「あんたたちは無茶するわねぇ。(´ー`)
 ま、死ななければそれでいいんだけど」

まだまだママに甘えたりない年齢なのだろう。
マリとイズミは身長165センチの
カグちゃんの腕にぶら下がってキャッキャしてる。

「カグちゃん。ちょっと待ってもらっていい?」

サカガミ・瞳嬢である。会社では仲良しの同僚である。

「その子達どうやって生き延びたのよ。
 戦車の主砲が発射される直前までは部屋にいたのよね?
 時間的に考えて脱出する余裕とかなかったと思うんだけど」

「うちの子は、ちょっと特殊なのよ」

「特殊とか、もうそういうのいいから。
 ちゃんと読者の皆さんが納得できる説明してよ」

「うーん、説明すると長くなるんだけど……これでいい?」

手帳を見せてくれた。

『ネオナチス・国家防衛委員会、幼年部・陸軍特殊部隊の訓練課程修了書』

瞳(;゚Д゚)いみが、わからないのだけど? 

カグ(*´ω`) もっとわかりやすく言うと、
       娘たちは西側諸国の戦車の5割は運転することができってこと。

すさまじい訓練をされたらしい。
カグちゃんはバツ3で生活に困窮していると思うのだが、
どうやって娘に高度な訓練を受けさせたのか。

「日本はスパイ天国だから、ネオナチスのメンバーとか普通にいるのよ。
  安倍政権に支配された国家を破壊するために工作員や兵隊の
   教育訓練を無料でやってくれるのね」

なんと、カグちゃんの娘二人は学校に通ってないという。

「最近の学校はいじめとかひどいを苦に自殺することか増えてるじゃない。
 まじイジメってシャレにならないし、あんなクソみたいな
 環境で子供を育てたって意味ないかなって思ったのね」

茨城県など、各自治体には教育委員会があり、
いじめ対策に取り組んでいると声高には言うが、
実際には担任がいじめを認めない、
教育委員会、児童相談所、第三者委員会も放置する。
これらのスーパーコンボによって子供の自殺率は減ることがない。

さらに家庭での離婚、育児放棄、暴力、貧困など。
子供が育つ環境は、もはや先進国とは言えなくなりつつある。
2019年度の国会は自民党が子供の虐待防止をテーマに
発案とか審議をしていたようだが、はたしてうまくいくだろうか。

ここで筆者の意見を述べるが、ずばり学校教育とは
子供の精神的な発達のためには害悪だと思う。
理由はクラスの存在である。

クラスとは、一部の仲の良い友達と、
多くの会いたくもない連中と
毎日顔を合わせるための監獄である。

これは社会人の皆さんも同意してくれると思うが、
嫌な奴と毎日顔を合わせるのが人間にとって一番の苦痛なのである。
これは長年連れ添った夫や妻にも同じことが言える。
夫婦仲悪化の原因も、実は「時間」なのである。

「同じ人とずっと一緒にいる」
これが人間関係を悪くさせる決定的な要因なのだ。

学校は社会の縮図といわれるが、全く同意する。

40人もの人数を同じ箱に詰め込むな。
昔と違い、今の子供は片親の人が年々増加し、
朝食抜き、給食費すら払えない人もいる。
そして不景気によるストレスからさらにイジメが増加する。

親の経済力に差があり、育った環境も違う40人もの男女を
同じ部屋に揃えて、「対人トラブル」が起きないわけがない。

どこの州か忘れたが、アメリカのご家庭では、
子供を小学校に通わせずに母親が完全家庭教師となって
13歳まで教育する人が存在するらしい。
教材は日本でいう文科省当たりから取り寄せて
学校と同じ教育のレベルにするらしい。すごい発想である。

アメリカでは肌の色、宗教、移民の違いによる人種差別、
スクールカーストが相当ひどいらしい。
親たちもスクールカーストの上位にいられないことに
肩身の狭い思いをした経験から、多くの人が学校に通うことが
悪だと考えているとか。筆者が高校生の時に聞いた話だ。

また日本では教員の奴隷労働も深刻化している。
中学校では、土日も部活の指導という名目で
強制的に出勤させられ、しかも日曜手当てが、
たったの2000円という事例もあった。

さらに平日も部活の顧問をした後に残業を
済ませなければならず、長時間労働を強いられている。

NHKの発表によると、全国の自治体で働く小中学校教員の内、
精神疾患が原因で3か月以上求職したことのある教員は、
なんと55%にも及ぶそうだ。

さらにモンペ。モンスター・ペアレンツという
人類史上まれにみる低能の母親集団によって
子供の成績が上がらないことなどを全て
教員のせいにされてしまい、クレームを受け続け、
うつになる教員が増加しているのである。

民間の職場のみならず、教育の現場でも人の足を引っ張り、
人間関係を悪くするのは、おばさんなのである。
もちろん教養があり上品なご婦人もいるのは分かるが、
目立つのは口うるさいババアばかりである。
死んだほうが良いと思う。

子供とは、国家繁栄のための宝である。
国家とは人が作り出すものだ。

教育機関が腐ってしまえば、国民の平均的な
教育レベルは低下の一途をたどるばかりであり、
最悪末端労働者でさえ外人労働者に奪われることになりかねない。

そもそも20代の世帯の過半数が離婚していると
厚労省が統計を取っている。事実だろう。
各年齢別の調査結果を見ても、若年者の離婚率が最も高い。
10代の離婚率に至っては、なんと8割である。

深刻を通り越して絶望である。
やはり早期結婚は破滅への道なのだ。

明治の富国強兵は、国民の教育レベルを
高めることを第一とし、出生率を高め、
国民としての連帯意識を高めて
最終的な日新日露戦争の勝利へとつながった。

我が国の教育レベルは、清国露国と比べても高かった。
ロシア兵の捕虜は、文盲で掛け算すらできない人も少なくなかったという。

それを今の日本は、いじめの横行。自殺、DV、親の離婚。
学校教員のウツ、精神疾患。子供の列に高齢者の車が突っ込む。

ただでさえ少子高齢化の影響で一人の子供でさえ貴重なのに、
早い段階で子供を産むのは金髪茶髪のDQNばかり。
そして離婚後、育児放棄、虐待による殺害は
ニュースでパターン化している。

報道されてないで、今この瞬間も虐待されている
子供はたくさんいるのだろう。
どれだけ親に殴られ、食べ物を与えられなくても
死なない限りは報道されないのだから

まさに悪い材料しかない。
教育の視点から見ても我が国の衰退は進んでいるのは間違いない。

大塚家具ちゃん「行政はバツイチに冷たいわ」

※三人称

やもめ(離婚して独身に戻った女性)には
児童扶養手当(母子手当)が支給される。市税である。

よく間違われるのが、児童手当である。
これは民主党時代の子供手当を減額して引き継いだものである。
子供年齢に応じて支給額の増減があり、中学卒業まで支給される。

さて。児童扶養手当は、子供の人数に応じて下記になる。

1人 42,500円 (額は所得に応じて変動する)
2人 52,540円 (上に同じ。最大で1万アップすると覚えればおk)
3人以上  2人以上の場合に3,010から6,020円加算

市の給付金は、各自治体によって異なる。
上にあげた例は、主人公らの住む埼玉県久喜市の例である。
詳しい支給額が気になった読者は、ご自分の住む
自治体のホームページを調べてみてください。

日本のほとんどの自治体は、赤字である。
とはいえ、国家予算から地方交付税交付金が払われているだが…

「令和10年では年金の支給額が月660円。
 年金は国税。自治体の給付金も減ったわ」

カグちゃんはそう言う。まさか、令和10年の母子手当は…

1人 800円 (所得に関係なく一律)
2人 450円 (上に同じ)
3人以上   160円ずつ加算

Σ(゚Д゚) 賢人
Σ(゚д゚lll)美雪
Σ( ̄ロ ̄lll)ひとみ

端的に行って、行政は母子家庭に「死ね」と言っているのだ。

カグ「子供たちがプレステ4買ってほしいって言ってくるのね。
   私はお金がないからその辺の電気屋さんでも襲撃しなさいって
   言うのよ。そしたら本当に襲撃して、しかも生き延びて帰ってくるし、
   ここまでくると笑っちゃうわよね」

美雪(この人はどうやって暮らしてるのよ)

瞳(カグちゃんも私と同じ時給210円。
  臨時収入でもなければ飢え死にするわよね)

賢人「こんなこと聞くのもあれなんだけどさ、
   子供たちをどうやって食べさせてるの?」

カグ「子供の半分は実家に預かってもらっているの」

大塚かぐちゃんの実家は、鷲宮(わしのみや。ここからすぐ近く。
行政区画では久喜市の一部になっている)に古くから続く農家らしい。

8000坪を超えるほどの農地を保有する、明治の豪農として
栄えたご家庭であり、カグの両親が小さな子供たち
(3歳、5歳、6歳の三人)の面倒を見てくれている。

現在家具が同団地で暮らしているのは、
マリ・イズミと高校生の長男(17歳)の三人。
カグちゃんの収入だけでは厳しい。

長男(高校三年生)は部活をせず
飲食店でアルバイトをして母を助けてくれている。
さらに両親から野菜やお米など現物の仕送りがある。

市営団地は家賃が格安。さらに娘たちが
近所のお店から品物を強奪して家計を助けてくれている。
カグちゃん家の白物家電の8割は強盗によって得たものである。
つまりお金を払っていないのだ。

瞳「さらっと強奪とか襲撃とか言ってるけど、
  この小説って犯罪を助長しているような……(>_<)」

令和10年まで現在のデフレが続けば、強盗が日常化するのは
あり得ない話ではないと筆者は思っている。
さすがに軍事兵器は使われないと思うが。

オレオレ詐欺、先日のセンブンアイのキャッシュレス詐欺
(2019/7/4 900人の顧客から5500万の現金が盗まれた)
などは、強盗に比べれば可愛いものだ。

なぜなら、この作品にみられるように軍事攻撃によって
民間人の死傷者が出ていないからだ。
お金は盗まれるけど五体不満足にはなっていない。
健康な体こそ最高の資本である。

読者の皆さんも、休みの日は運動をする時間を作って
令和の大不況に備えてもらいたいものだ。
日本人の長寿化は政府とメディアに散々指摘されているが、
健康でいられる寿命、健康寿命は、
お金と健康な肉体によってのみ維持されることを忘れないでほしい。

瞳「カグちゃんはご両親が助けてくれて良かったね(*^▽^*)
  もっとぎりぎりの生活をしてるのかと思った」

カグ「私はまだましな方でしょうね。
    会社でも他のバツイチの子達は過酷だよ。
    週明けの月曜日に髪の毛の半分が白髪になって
    出勤してくる子とかいるじゃん(;・∀・)」

賢人「うーむ(-_-;)確かに女性の貧困問題は深刻だよな」

公営住宅に離婚組の女性、貧しい老人が
多数住んでいるのはどこの地域も同じである。
団地内の各家庭でランドセルや教科書の
使いまわしも普通に行われている。

今や20代から64歳までの一人暮らしの女性の
3人に1人が貧困の状態にあるという。
現実世界では参議院選挙が開始されているのだが、
山本太郎のれいわ新撰組の統計では、7人に1人の子供が貧困だそうだ。
もっと多いのではないかと思った。NHKでは5人に1人としている。

(カグちゃんってやっぱり美人なんだな)

賢人は口にせず、ひそかにそう思った。
今日は7月の初めの週。梅雨明けしてない関東の天気は
すっきりしない空模様で、湿度はあるが気温はまだまだ上がらない。

カグちゃんはこの時期になるとさすがに
マスクを外してるので顔をさらしている。
シャープな目鼻立ちで賢人好みの美人の顔だった。

実年齢は42歳。生活に疲れた感はあるが、
まだまだ女としての魅力は感じられる。
結婚を三回もしていた、という事実はまさに
女優か芸能人並みなのだが、ブスな女なら
そもそも三度も結婚できる器量がない。

ここで賢人は、自分の周りに美人ばかりが
集まっている不思議な現象に気が付いた。

まり「おにーちゃんたち、だれ?(^○^)」
いずみ「ママと一緒の会社の人?(^○^)」

賢人「可愛いお嬢さんたち。初めまして。
   カグさんの同僚の渋谷賢人と言います(`・ω・´)」

銀行時代を思い出してイケメンボイスで言う賢人。
いかにも品があって少しだけうさんくさい、
金融機関勤めの人特有の雰囲気である。

まり「おにーちゃん、イケメーンヽ(^o^)丿」

いずみ「声低くてかっこいい(∩´∀`)∩
     声優さんみたーい。
     ねえねえ、彼女とかいるのぉ?」

賢人は、後ろからにらんでくる瞳と妹に恐れをなし、
速やかに話題を変えることにした。

賢人「お兄さんは子供だから恋愛のことは分からないなぁ。
   それより二人は休みの日はどんなことして遊んでるの?」

(´-`).。oO(やべ。この子達は学校通ってないから
       毎日が休みじゃねえか)

いずみ「市役所で遊ぶのぉ(´-`*)」
まり「市役所は大人がたくさんいて楽しいよぉ(^ω^)」

賢人「へ、へえ(´ρ`)」

賢人(´-`).。oO(むしろ役所なんて頼まれても行きたくねえんだけど)
瞳(´-`).。oO(子供の遊び場ってイオンとかじゃないの?)
美雪(´-`).。oO(モールは全部壊滅してるでしょ。気づけやアホ瞳)
瞳(´-`).。oO(なんやとわれ、こら。ぶち殺されたインカ帝国)
賢人(´-`).。oO(やめろよ二人とも。つーかこの状態でよく会話できるな)

いずみ「今から遊びに行こう!!(*''▽'')」
まり「以降以降!!(´-`*)」
いずみ「変換ちゃうで( ˘ω˘ )」
まり「あかんわぁ。行こう←こうやな( ̄▽ ̄)」

そして久喜市役所へ。

賢人「カグちゃんは行かないの?」

カグ「会社が休みだから家でやりたいことあるのよ。
   むしろあんたらが子供の相手してくれると助かる。
   帰りに卵買って来てね」

賢人「お、おう」

瞳「令和10年の市役所ってこうなってるの……(ノД`)・゜・。」

自民党独裁。野党の解党。
元野党党員の銃殺もしくは国外追放。

そして地方自治体は自民党政府の奴隷。
県民、市民は自治体の奴隷。
奴隷がまた奴隷を管理する、
恐るべき社会が令和の日本である。

奴隷は、生まれながらにして奴隷。
主人(国家)に逆らうことはできない。

長らくそう思われていたが、多くの貧しい国民は
政府に従ったふりをしつつ、ひそかに軍事兵器を
外国から取り寄せ、暇な時間に軍事訓練をして、
着々と国家転覆の機会をうかがっていた。

市営団地から市役所まで、歩いて15分かかる。
賢人を一目で気に入ったカグちゃんの娘たちは、
子供らしい無邪気さで彼と手を繋ぎながら歩いた。

相手が子供でなければ両手に花といった状態なのだが、
この男はロリコンなので十分に満足していた。

「おにーちゃん」

とマリちゃんに言われると、心が温かくなる。
年下の可愛い女の子にお兄ちゃんと呼ばれるのが好きなのだろう。
妹居以外の女性にお兄ちゃんと呼ばれるは初めてだ。
そのため高揚していた。

賢人は、二人の頭を撫でたくなる衝動を必死でこらえていた。
なぜなら、血のつながったブラコンの美雪が
猛獣並みの殺気を放っていたからである。

「あのおばさん、怖いね(゜o゜)」
「さっきから、うちらのことにらんでるよね(・´з`・)」

(おばさん…?)

美雪は大学三年生21歳。賢人の会社にお邪魔した際は
ちょっとしたアイドル扱いをされたものだ。
そもそも21歳という年齢を考えると、女として
最も美しく輝いている年齢であろう。

にもかかわらず、この小学生の女の子二人に
兄を独占されただけでなく、

『おばさん』

と呼ばれてしまった。

これでキレるな、というほうが無理だ。

美雪は、口の聞き方が成ってない子供たちに対し
制裁を加えるために、一歩踏み出そうとした。
尋常でない殺意に、訓練された子供たちは臨戦態勢を取ろうとしたが、

「子供を虐待するのはやめなさいよ、おばさん」

瞳に言われてしまう。

「そーだそ-だ。お姉さんの言う通りだ( ̄▽ ̄)」
「ぼうりょく、はんたーい(・´з`・)」

美雪の怒りのボルテージがさらに上がった。

今のが聞き間違えでなければ、子供たちは
瞳のことを「お姉さん」と呼んだ。
今さら確認するまでもなく、瞳の年齢は32歳で
まもなく33歳の誕生日を迎えようとしている。
(8月が誕生月)

美雪より11歳も年が上の瞳が「お姉さん」
現役大学生の自分は「おばさん」

確かに、初対面の人に20代の半ばに間違えられることも
ある。最近急に老け込んできたのか。
兄の生活の面倒を見ているからかもしれない。
株の運用で頭を使っていることも影響しているのか。

確かに普通に考えれば女子大生で株価、為替、金利を
意識して生活をしてる人などまずいないだろう。

「おねーさん、ちょうびじんさん(゜-゜)」
「優しそうだし、きれーでうらやましー(゜-゜)」

「(´∀`*)ウフフ。ありがとう。可愛い妖精さん達。
 私の名前は坂上瞳よ。あなた達のお母さまとは
 会社で仲良くさせていただいているわ」

美雪はこの日の屈辱を一生忘れることがなかった。
瞳との容姿の違いは、第1シーズンでも明らかになり
屈辱に耐えたものだが、今回は子供に判定されてしまった。

前とは違う。前は大学時代のミスコンテストでの
結果の有無だったが、無邪気さの残る子供に
おばさん扱いされたのは、その場で気を失うほどのショックだった。

「へー!! おねーさんは、賢人さんの婚約者なんだぁ( `ー´)ノ」
「うらやましいなぁ。賢人兄ちゃんイケメンだし、
 お姉さんも美人。美男美女カップルだぁ(´っ・ω・)っ」

賢人|д゚)..₀o0(あんまり褒めると美雪が怒るからやめてくれ)

瞳「(´∀`*)ウフフ 素直でかわいい子達ねぇ。気に入ったわ。
  あとでお姉さんがゲームソフトを買ってあげるわね」

 ほんとにー? °˖☆◝(⁰▿⁰)◜☆˖° 
やったー(∩´∀`)∩ 


一行は、ついに市役所についてしまった。

賢人「これが市役所( ゚Д゚)……?」
瞳「Σ(゚д゚lll)軍事基地の間違えよね?」

ここは埼玉県の久喜市である。
埼玉北部の地方都市なのだが、全国の自治体でも特に
反自民党的な分子が多い市とされていた。

そのため、この市の行政機関の最高機関である市役所は、
反乱分子の鎮圧、また自民党的な思想を植え付けるために
従来の市役所の施設を大幅に改装するに至った。

改装に伴い、大いに参考としたのは、次の施設である。

・ヴォルフス・シャンツェ 
  Wolfsschanze

通称・オオカミの巣

Wikiから引用する。

(Wolfsschanze) とは、第二次世界大戦で東部戦線のドイツ国防軍の
作戦行動を指導するため、アドルフ・ヒトラーが設けた指揮所である。

建設された場所は、東プロイセン州のラステンブルク(現:ポーランド領ケントシン)の
東約8kmの森林の中である。ラステンブルク周辺は東プロイセン時代から
屈指の景勝地で、現在はポーランド・マズーリ湖沼地帯として知られる。

この施設には居住棟、厚生棟(食堂・娯楽室・映画館など)
管理棟がおよそ40棟、コンクリート製の大型掩蔽壕(ブンカー)が7棟、
小型のものが40棟があった。

ブンカーのコンクリートの厚さは『6mから8m』に達していた。
この他、鉄道引込線と航空機着陸場が2ヵ所があった。

周囲は50mから150mの幅の地雷原に囲まれ、有刺鉄線は10kmに達し、
面積は周囲の森林地帯を含め8平方kmに及んだ。
警備する将兵は1944年時点で約2000名に達した。


美雪「ちょΣ( ̄ロ ̄lll)ガーン
   うちの市役所ってこうなってんの!?」

賢人「(゚Д゚;)有刺鉄線がこんなに……しかも近づけば地雷原……?」


市役所周辺には兵隊も職員の人も立っていない。
したがって、近寄ろうとすれば出来る。

しかし。

市役所に近づけば、死ぬ。
死なないにしても、ただでは済まない。

それは本能で分かった。

ここは日本国の一部だが、もはや日本ではない。
令和の10年。令和でも平成の大不況を引き継ぎ、
自民党による圧政が布かれた日本では貧困化が加速し、
ついに抵抗する市民を軍事力で圧する。

瞳は女の子にしては珍しく、中学の頃より世界史をよく勉強していた。
日本は先の太平洋線の敗戦後、GHQのマッカーサー元帥の指導の元、
基本的人権を尊重し、軍国化を否定する憲法を作ったはずだ。

だがこれはどうだ?

市の行政の中心部が高度に軍事化され、
市民を毎日のように痛めつけてるのは間違いない。

人権は? 
人として最低限度の文化的な生活を営む権利は?
自民党独裁化の日本では、そんなものない。

そもそも年金支給額が将来的に減らされることは
現実世界でも確定しているし、いざ体にガタがきて
働けなくなった人に対する補償など何もない。

この市役所の防御施設は、もはや市民の自由など
まったく許さないと言っているのと同義。

『生活保護の申請をしに行くと職員に撃ち殺されるのよね』

同僚のバツイチが言っていたことを思い出し、涙さえ流しそうになる。
年金も、母子手当すら満足に払えない国と自治体が、生活保護など
払ってくれるわけがないのだ。
生保申請却下⇒自殺もしくはホームレス化は現実世界でも発生している。

まり「(^○^)あのしせつの、なかにはねー」
いずみ「(゜-゜) かそうば、があるんだよぉ」

賢人「(; ・`д・´)火葬場……?」
瞳「(;´∀`)葬儀屋でもないのに……?」

まり「(´ρ`)ねんきんの支給額が、すくなすぎて不満をいうひと とか、
   せいかつがくるしくて、せいほを しんせいするひととか
   に ぎょうせい様が、さーびすをしてくれるの」

美雪(-。-).₀o0 (なんでこの子達は赤ちゃんみたいなしゃべり方なの)

瞳「サービスってまさか、銃殺とか? ((((;゚Д゚))))」
いずみ「(´ρ`)んーんー。ちがうよぉ」

賢人「じゃあ日本国が大好きな拷問かい?(;゚Д゚)」
まり「ちーがーうYO☆ (´っ・ω・)っ あれだよあれ」

鉄条網の外側(つまり賢人たちの側)には、不自然な長机が
用意されていた。その机の上には、
「生活に困った人は、ご自由にお取りください」と書いてある。

置いてあるのは、いくつもの紙コップだった。
ふたがしてある。美雪が恐る恐る手に取ってみると、
中に入っているのは「青酸カリ」だった。

瞳「いやぁぁああああ(>_<) 青酸カリ!!!((((;゚Д゚))))」
賢人「うわああ(# ゚Д゚) なんでこんなものが市役所にあるんだよ!!!!」

・正式名称 シアン化カリウム(KCN)

下は沖縄戦の例。某HPから勝手に引用。

病院壕からの移動の時、
自力歩行不可な兵士たちは青酸カリウムによって「処置」された。

 化学に精通した友人に色々尋ねてみた所、
   「おそらく彼らは相当苦しんで死んだはず」
との答えが返ってきた。

 南風原を例に挙げてみると、青酸カリはミルクに混ぜて配られたようだ。
ここでは仮に、ミルクの量は全員100mlだったとして話を進めている。

証言の中に「ひどく苦くて――という記述があるが、
ミルクを苦くするのに必要な量は100mg前後。
致死量は250mg。死ぬには到れない量だ。

(正確に何g入っていたかは分からない)

 青酸カリを飲むと、まず食道にヤケドをおい、大量の血を吐く。

それから体内に吸収され、血液中のヘモグロビンと強く引き合い、
酸素を取り込めなくする。窒息させるのだ。

摂取後5分で死に至るが、その間、

『指と胸が血だらけになるくらいに胸を
 かきむしりながらうめき声を上げる』という。

仮に運よく助かっても脳にダメージを与えるために後遺症も残る。
致死量でない量を飲んだのに多くの兵士が死んだのは、
彼らの極度な衰弱を意味している。


美雪「ちょっとあんた達、これはいったいどういうことなの!!」
いずみ「うげー(´ρ`) 胸ぐらつかまないでよぉ」
まり「(。-_-。) 私たちじゃなくて、せいふの指示でじちたいが、やってるんだよぉ」


2019年7月の参院選において。
マクロ経済スライドの発動によって年金の支給額が
平均で7%減ることは政府与党が認めた。
基礎年金だけの世帯に至っては、6万5千円から4万円まで削減らしい。
(筆者がNHKの日曜討論で聞いた)

金融庁の審議会でも年金減額予想が伝えられたが、
総務省、厚生労働省、経済産業省も同様の見解であり、
経産省の見積もりでは、老後不足する資金は最大で3750万と最大だ。

つまり我が国の国家機関である各省庁が、
「金のない老人は死ぬ」と宣言しているのだ。


美雪「市民に青酸カリを無料サービスで配る国がどこにあるのよ!!
   これは毒物で飲んだら苦しんで苦しんでから死んじゃうのよ!!」

まり「(´ρ`)だーかーら、私たちはしらないよぉ」

いずみ「(゜o゜)むかしは日本軍が沖縄の人にやってたんでしょお?
    いまの日本人にもおんなじことを、してるだけじゃないのぉ」

瞳「いやああああ!! 令和十年ではお金のない人は青酸カリを
  飲んで死ななければならないの!!」

賢人「うおおおおおおおお!! これが人間のやることかよ!!」

令和10年の日本では、人権が失われていた。

なぜ、こんな日本になってしまったのか。
政治の責任は、その政党を選んでしまった国民の責任である。
そもそもの発端として、日本の平和憲法は
どのようにして作られたのか、次の話で詳しく解説したい。

美雪「(* ̄- ̄)マッカーサー元帥って悪い人じゃなかったのね」

GHQ=連合国軍最高司令部。そのトップはアメリカ合衆国である。

マ元帥= マッカーサー元帥の略称である。
     当時の朝日新聞を初め、メディアの文体ではよく使われてた。

すなわち、わが日本国を五年間にわたり保証占領したGHQについてこれから説明する。

1945年8月15日。大日本帝国はついに連合国軍に無条件降伏をした。ポツダム宣言
 同年9月8日。サンフランシスコ平和条約・締結。これが正式な降伏宣言である。
  
世界中の国は、9月8日が日本国による侵略戦争終結日と考え、
社会科の教科書にもそのように記載している。
これは日本国民にはあまり知られていない事実である。

マ元帥「うーっす。俺は支配者として日本国に降り立ったぞ。
    思えばここまでくるのに長い道のりだった」

開戦当初、日本軍によるフィリピンのコレヒドール要塞占領。
当時同等にいたマ元帥は、オーストリアにまで逃げ込んでから
態勢を立て直し、紆余曲折を経て日本の軍事力を撃破した。

ここまでくるのに三年半もかかった。
「俺は再び戻ってくる」英語で宣言した言葉通り、
対にフィリピンを陥落させ、硫黄島、沖縄も占領した。

沖縄戦の被害はすさまじかった。
米国海軍は1400隻の艦艇、20万人の陸戦戦力を投入した。

わずか3か月余りの戦いで、
艦艇360隻の損傷(若干の沈没も含む)と陸海含めて兵力8万名の死傷者が出た。
その後、日本国本土に侵攻したら少なくとも「100万人」以上の死傷者が出ると
警告され、米軍も米政府も震えあがっていた。

二発の原子爆弾の投下。
ソ連の対日参戦によって満州緒戦にいる関東軍の壊滅。

この二つの要因によって日本国の全ての希望は絶たれ、ついに戦いに敗れる。
神武天皇が即位してから2600余年。
一度も対外戦争で負けたことのない不滅の神国は、敗北を知る。

マ元帥「これから日本を保証占領して戦争の出来ねえ国にすんぞ!!
    とりあえずれの執務室を用意しろ!!」

※マッカーサーの執務室。Wikiより引用

第一生命館は、皇居を見下ろす地上8階建てのビルであり、
天皇の上に君臨して日本を支配するマッカーサー総司令官の
地位をよく現わしていた。

しかし、マッカーサーが執務室として選んだ部屋は
さほど広くもなく、位置的に皇居を眺めることもできず、
階下は食堂であり騒がしい音が響いていた。

マッカーサーの幕僚らの方が広くて眺めもいい快適な
部屋を使用していたが、マッカーサーがわざわざ部下より質素な
執務室としようと考えたのは、強大な権力を有しているが、
それを脱ぎ捨てれば飾り気のない武骨な軍人であるということを
示そうという意図があったためである。

しかし、実際にはマッカーサーの幕僚らにより第一生命には
「一番よい部屋を」という要望がなされ、
マッカーサーの執務室として準備さたのは第一生命の社長室。

壁はすべてアメリカ産のくるみの木、床はナラ・カシ・桜・
コクタンなどの寄木細工でできたテューダー朝風の
非常に凝った造りとなっており、第一生命館最高の部屋であった。


マ元帥「日本国の憲法を作り直さねえとなぁ」

マッカーサーには大統領ハリー・S・トルーマンから
『米国史上空前の全権』が与えられていた。

天皇と日本政府の統治権はマッカーサーに隷属しており、
その権力を思う通りに行使できる。我々と日本の関係は
条件付きのものではなく、無条件降伏に基づいている。

マッカーサーの権力は最高であり、
日本側に何の疑念も抱かせてはならぬ。日本の支配は、
満足すべき結果が得られれば、日本政府を通じて行われるべきである。

もし必要であれば、直接行動してもよい。
出した命令は武力行使も含め必要と思う方法で実施せよ。

連合国最高司令官政治顧問団特別補佐役としてマッカーサーを補佐していた
ウィリアム・ジョセフ・シーボルドは「物凄い権力だった。アメリカ史上、
一人の手にこれほど巨大で絶対的な権力が握られた例はなかった」と評した


部下「元帥閣下。昭和天皇がお話ししたいって言ってますけど」

マ元帥「んだよ。あんな奴と話したくねけど、しょうがねえ。
    あっちからくるように伝えろ」

元帥(´-`).。oO(日本人民を奴隷化していた嫌な奴なんだろ。
         どうせ自分のことが神とか思ってるクソ野郎だ。
         カミカゼ隊員の命は、自分の髪の毛一本より軽いとか言ってたそうだ)

そして昭和の天皇陛下が元帥の元へ足を運ぶ。
元帥は当時無礼にも出迎えすらしなかったが、
当時の米国の感情を考えれば当然とも言えた。

天皇陛下
「元帥様。私の命はささげます。私を好きなように処刑してくださって結構です。
 その代わりどうか、残された日本国の民を救ってあげてください」

マ元帥
「な!?Σ(゚Д゚) おまえ、何言ってんだ」

天皇陛下
「お願いします。お願いします。敗戦直後の日本では飢餓が発生しています。
 私は殺してくださって結構です。どうか日本国民を飢えさせないでください」

マ元帥
「(;´・ω・)お、おい。土下座までするなよ!!
 俺は確かに国連軍の最高権力者だが王族じゃねえんだ。
 そもそも、おめえは政府の戦争指導には関わってないんだろうが」

大日本帝国憲法下でも天皇陛下には政治に関与する権利がなかった。
真珠湾奇襲攻撃、満州事変のいずれにも天皇陛下に権限はなく、
御前会議にて事後報告を聞かされただけだった。
そしてそれはマ元帥もよく知っていた。

その後、11回にわたる会談が行われた。
のちにマ元帥は、昭和天皇陛下のことを「最高の紳士」とまで称し、
二度とバカにすることはなかったという。

マ元帥
(´-`).。oO(日本国にとって天皇は柱だ。この人を中心に日本の島国は
        一致団結して戦っていた。この人を失ったら日本国を
        支える柱がなくなってしまう。やはり天皇制は必要だ)

マ元帥「会談が終わったから記念写真でも撮ろうぜ(∩´∀`)∩」
陛下「わかりました」
マ元帥「あ…俺は陛下のこと嫌いじゃないからよ。記念に撮るだけだからな?」
陛下「は、はい」(優しい方でよかった(^o^))

マッカーサーの思いとは裏腹に、
この二人のツーショットは、日本国民に一生モノの傷を残した。

読者諸兄らも教科書やテレビで見たことがあるだろう。
軍服姿のリラックスした元帥と、
直立不動の正装した陛下が並んで映っているのである。

マ元帥は、両手を腰に当て、気取った様子はない。
一方の陛下は、敗戦側の気負いもあり、緊張した面持ちだ。

新聞に掲載されたこの写真を見て国民は、

「これからは、元帥閣下が日本の最高指導者となるのだ……」
「私たちはアメリカに負たんだ…」
「天皇陛下より偉い方が、この世にいたのだよ」
「陛下のお姿が、あまりにも哀れじゃないか……」

マ元帥「おい朝日新聞社!!」

朝日「ひぃい!! なんでございますか元帥様!!」

マ元帥「なんでこの写真を新聞に載せやがったんだ!!
    日本国民が俺を天皇より偉いと勘違いしてるじゃねえか!!」

朝日「な、何か問題があるのですか。マ元帥様は日本国の支配者でなはいですか」

マ元帥「この馬鹿野郎が!!」

朝日「うわああああ!!」←腰を抜かした。

マ元帥「俺は天皇より偉くなった覚えはねえぞ!!
     今は大統領の命令で5年間日本を保証占領して
     まともな国に戻してあげてるだけだ!!」

マ元帥「天皇もこの報道を知ってショックを受けてるんじゃねえのか!!
    彼にも謝れよ!! なんでおまえらはそんな報道しか出来ねえんだ!!」

朝日「申し訳ありません!! 責任者をあとで切腹か銃殺刑にしておきます」

マ元帥「そんな野蛮なことをしなくていい!! 
    そういう日本の悪い風習をなくすために俺が憲法を変えてやるんだよ!!
    もうどっか行けよおまえ」

朝日「すみませーん」ダッシュで逃げる

翌日。

マ元帥「グッモーニン。どいつもこいつもアホばっかりで疲れるぜ。
    おいコックさぁ」

コック「は、はい」

マ元帥「今日の朝食はスクランブルエッグが食べたいぜ」

コック「ただ今調理してまいります」

その後、数時間してもコックは戻ってこなかった。
昼の三時に差し掛かろうという時であった。

コック「(>_<)はぁはぁ……遅れてしまって申し訳ありません。
    スクランブルエッグをご用意しました」

マ元帥「いやいや。どういうジョークだよ。
    俺自身もうスクランブルエッグなんてどうでもいいわ。
    なんでこんな時間までかかったの?」

コック「実は、東京は焼け野原となってお店もやっておりません。
    そのため部下と一緒に地方まで出かけて、たった一つの
    新鮮な卵をわけてもらいました。そのため時間がかかってしまったのです」

コックは、マ元帥に食材がないと報告するのが怖くて、
何時間もかけて卵を探してきたのだと言う。
日本国民の生真面目さと、戦後日本の貧しさを物語るエピソードである。

マ元帥「そ、そうか…。ご苦労だった。行ってよし。
    おめーの作ってくれた
    スクランブルエッグは美味しくいただくぜ」

コック「は、はい」(叱られなかった…? 日本人なら怒鳴るのに)

コック「今は食事時ではありませんし、お口に合わなければ
    残してくださって結構です」

マ元帥「たぶん残さねーから安心しろよ」
     (貴重な卵を残せるわけねえだろ…( ˘ω˘ ))

そして別の日。

マ元帥「おいMPども!! 進駐軍の兵隊どもよ!!」

MP=アメリカの憲兵

兵隊たち「なんすかぁ元帥?」

マ元帥「おめーら、今日の昼飯持ってんだろ」

兵隊「レーションっすね。
   缶詰とかたくさん持ってますけど、それが何か?」

マ元帥「今日はお前ら昼飯抜きだ」

兵隊「へ!?」

マ元帥「そこに軍用トラック(ジープ)がある。
    トラックが満杯になるまで缶詰など食料を満載にしろ。
    そしてそれを庶民共に配ってやれ」

兵隊A「俺達の昼飯を日本人なんかにあげちゃうんですか!?」
兵隊B「あんな奴ら、勝手に飢え死にすればいいのにー」
兵隊C「俺も弟が日本軍に殺されたから恨んでますよ正直」
兵隊D「ジャップはその辺の石ころでも食ってればいいんだww」

マ元帥「うるせえ!! いいから配ってやれ!!
    いま日本は貧しくて闇市で満州から持ってきた
    人肉まんじゅうが売られてるほどなんだぞ!!」

兵隊「ちぇ……」 トラックへ缶詰を満載する。

運転手「じゃ、行ってきまーす」

マ元帥「ちゃんと市民たちに配ってやれよ?
    くまなく市内を回てやれよ?」

運転手「ちーっす。わーってますよ。元帥の命令ですからね」

(´-`).。oO(この国の貧しさは俺が想像していた以上だった。
       どうすればこの国が一日でも早く復興するのか)

国民A「マッカーサー様、ご飯を分けてくださってありがとうございます」
国民B「おかげさまで幼い娘にお肉を食べさせてあげることができました」
国民C「ありがとうございます。ありがとうございます」
子供「チョコレートって甘くておいしい(^^♪」
 
ペコペコ m(__)m  m(__)m  m(__)m m(__)m <m(__)m>

マ元帥「ふ、ふん。兵隊どもがダイエットしたいから
    食料を配ってたんじゃねえの?
    それと俺に頭を下げなくていいよ…」


そして極東国際軍事裁判が開かれる。

戦勝国側による、日本国の軍事犯罪者を裁くための国際司法裁判である。
まさに人類史上空前の規模の裁判であった。

各国から派遣された判事を見ると規模の大きさがよく伝わる。
※Wiki

裁判官・判事
ウィリアム・ウェッブ(オーストラリア連邦派遣)
- 裁判長。連邦最高裁判所判事。

マイロン・C・クレマー少将(アメリカ合衆国派遣)
- 陸軍省法務総監。ジョン・パトリック・ヒギンズから交代。

ウィリアム・パトリック
(グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国派遣)
- スコットランド刑事上級裁判所判事

イワン・M・ザリヤノフ少将(ソビエト社会主義共和国連邦派遣)
- 最高裁判所判事。陸大法学部長- 法廷の公用語である英語を使用できなかった。

アンリー・ベルナール(フランス共和国派遣)
- 軍事法廷主席検事 - 法廷公用語である英語を十分使用できなかった。
後述のパール判事やレーリンク判事とは別の考え方で7人の死刑に反対した。

梅汝璈(中華民国派遣) - 立法院委員長代理。
シカゴ大学・ロー・スクール法務博士取得者だが、法曹経験はなかった。

ベルト・レーリンク(オランダ王国派遣)
- ユトレヒト司法裁判所判事。
自らの個別意見書の発表は、パールが「反対意見」を
公表すると主張した副産物であったとした。

エドワード・スチュワート・マクドゥガル(カナダ派遣)
- ケベック州裁判所判事。

エリマ・ハーベー・ノースクロフト(ニュージーランド派遣)
- 最高裁判所判事。

ラダ・ビノード・パール(インド派遣)
- カルカッタ高等裁判所判事。
東京裁判では平和に対する罪と人道に対する罪とが
事後法にあたるとして全員無罪を主張。

デルフィン・ハラニーリャ(フィリピン派遣)
- 司法長官。最高裁判所判事。日本の戦争責任追及の急先鋒で、被告全員の死刑を主張。
日本軍の捕虜としてバターン死の行進を経験。
弁護側は被害者側による客観性の欠如を理由に忌避を申し立てたが、却下された。


これらはすべて日本国と交戦状態にあった国である。
日本は先の大戦でこれだけ多くの国と戦っていたのだ。

アジアの島国が、たった一国で、日中戦争を含めて
実に7年間もこれほどの国々と戦争が継続できた、
という事実に筆者は震えるばかりだ。

日本軍による外国人捕虜の強制収容所送り、
虐待、強制労働、拷問は、戦争期間中に絶えず行われていた。
日本によって被害を受けた国は白人国家だけでも
米英蘭仏、NZ、豪州、ソ連と多岐にわたる。

インド・ソ連を覗いたほぼ全ての国が、天皇の死刑を要求。

ニュージーランド「天皇はしねえ!! 侵略戦争の罪を全部背負え!!」
オーストラリア「逆さはり付けにして、じわじわと殺せ!!」
英国世論「悪魔のヒロヒトは絞首刑がふさわしい!! 人間の屑だ!!」

マ元帥「うるせえだまれ!! 
    おめーら日本の歴史も天皇の人柄も知らねえくせに、
    勝手なことこと言うんじゃねえ!!」

中国「天皇死刑!! クズは死ね!! 天皇死刑はやくー!」

マ元帥「天皇が処刑されたら日本人が怒って内乱が発生するぞ!!
     日本国の復興が遅れても良いのか!!」

中国・イギリス「そんなの知るか!! 死ねー!!」
NZ・豪州「死ね死ねー!! ヒロヒト。早く死ねー!!」

マ元帥「ええい、てめえら黙れ黙れ!!
    天皇の死刑反対は、うちの大統領も賛成してくれてるんだ!!
    天皇がいねえと日本国民は生きる希望を失っちまうんだよ!!
    俺は断固お前らに反対するからな!!」

ここでGHQ最高司令官の権限を利用し、天皇の死刑要求を撤回した。
A級、B級戦犯などは予定通り裁かれたが、昭和の天皇陛下の命は彼が救ったのだ。


・平和憲法の制定
大日本帝国を基に作成。
第一条が天皇から始まるのはそのためだ。

当時の政府与党が作成した草案を、元帥たちが
ダメ出しをして、現在の形に作らせた。

マ元帥が重視したのは三原則だった。
「天皇を元首とする、戦争の放棄、封建制度の廃止」だ。

基本的人権の尊重もこの時に作られた。
すべて国民は、健康的で文化的な最低限度の生活を
営む権利を有する。また拷問の禁止も含まれていた。

そして神風特攻隊のような悲劇が生まれないために、
軍部による独裁が二度とおこなわれないようにしてくれた。

マ元帥「ま、こんなもんだろ。
    そろそろ5年経つから保証占領終わりにすんぞ」

吉田茂「ははっ。これにて日本国は主権を回復しますね。
    さっそく私が内閣を作ります」

・朝鮮戦争勃発。

今の北朝鮮軍と韓国軍の血みどろの戦い。

米陸軍、海兵隊は朝鮮に上陸。韓国とともに進撃。一気に押す。
困った北朝鮮軍は、なんと中国軍の無尽蔵の兵力の供給を受け、
逆にアメリカ・韓国側は大ピンチ。

マ元帥「俺も韓国に上陸して直接指揮を執ってくるぞ」
吉田「はっ。左様ですか。無敵の元帥閣下が行けば楽勝ですな」

マ元帥「じゃあな。日本のみんな。ちょっと朝鮮まで行ってくるぜ」

朝日新聞「マ元帥閣下!! ついに日本の港を出港!! 
     その勇姿に国民は惚れ惚れする!!」

国民A「おきをつけてー(^○^)」
国民B「いってらっしゃいませー(^○^)」
国民C「元帥はかっこいいな。朝鮮軍なんてイチコロだ!!」
子供「元帥のおかげで生まれて初めてチョコや
   チーズを食べれたよ!! 頑張ってね!!」

その後。

マ元帥「だめだ……中国軍の兵力が多すぎて倒しきれねえ」
韓国「そろそろ戦争するの疲れてきたぞ…」

中国軍「米兵は簡単に倒せるぞ。日本軍より根性もないし弱いぞ」
密かに参戦していたソ連兵「うんうん」
スターリン「みんな頑張れ!! 米兵なんて日本に比べたら弱いぞ!!」

※実話。なぜか中ソの間では、日本軍の方が米兵より強いことが常識となっていた。
嘘だと思って筆者がイギリスの文献まで調べたのだが、本当だった。
いかに日本陸軍が強者だったか分かる。

マ元帥「こうなったら、最後の手段だ」
韓国「へ?」

元帥閣下も戦争の長期化を恐れての判断だったのだろう。
また日本の保証占領の最中、すぐさま朝鮮戦争に
従軍したこともあり、精神的にも大きな負担を抱えていたのだろう。

元帥「北京に原爆を投下しろ!!(34発も)」
世界「えーーーーーーΣ(゚Д゚)」

この案にトルーマン大統領が激怒し、マッカーサーを指揮官の座から降ろした。
同時に本国への召還命令を受けたマッカーサーは、さすがに意気消沈としていた。

米国内では

世論「ばかやろー!! 戦局悪すぎて戦争終わらねえぞ!!
    最初は楽勝とか言ってたくせに嘘つき!!」

マスコミ「北京へ原爆投下は、米ソとの
     全面戦争に発展して第三次大戦になる。
     まさに気が狂ってる」

ニミッツ提督
「奴は目立ちたがりの口だけ野郎。戦争中も俺達海軍の
 作戦にいちいち反対し、真反対の作戦をたてやがって。大嫌いだ」

トルーマン
「私も奴がGHQの司令官になるのは初めから気に入らなかったんだ。
 議会と世論の圧力に寄ってやむなく任命しただけに過ぎん。
 ちょっと戦局が悪いからって原爆投下とか言い出すアホは首だ」

マ元帥
「ち、ここでは俺の味方はいねえようだな」
(日本にいた時は、それなりに感謝されていたんだがな)

彼はGHQの最高司令官を解任された。
その後の元帥は、米国各地を回って講演活動をした。

「老兵は死なず。ただ消え去る去るのみ」

議会でのこの発言は、多くの米国民の記憶に残ったことだろう。

マ元帥がその後、歴史の表舞台に立つことは二度となかった。
日本人の多くは、彼が最高司令官の座を首にされた事実を知らないだろう。
たぶん教科書にも載っていないと思う。


元帥が日本を去る時のエピソードである。
※Wiki

フーヴァーの忠告通り直接帰国することとしたマッカーサーは、
4月16日にリッジウェイに業務を引継いで東京国際空港へ向かったが、
その際には沿道に20万人の日本人が詰めかけ、
『毎日新聞』と『朝日新聞』はマッカーサーに感謝する文章を掲載した。

マッカーサーも感傷に浸っていたのか、
沿道の見送りを「200万人の日本人が沿道にびっしりと並んで手を振り」と
自らの回顧録に誇張して書いている

首相の吉田茂は「貴方が、我々の地から慌ただしく、
何の前触れもなく出発されるのを見て、私がどれだけ衝撃を受けたか、
どれだけ悲しんだか、貴方に告げる言葉もありません」
という別れを悲しむ手紙をマッカーサーに渡した。

4月16日には衆参両議院がマッカーサーに感謝決議文を贈呈すると決議し、
東京都議会や日本経済団体連合会も感謝文を発表している。


ダグラス・マッカーサー(スコットランドの貴族の移民)
1964年4月5日(84歳没) 最終階級はアメリカ陸軍元帥だった。
この軍人が日本国民の飢えを救い、天皇制を存続させ、
平和憲法を制定したことを忘れてはならない。

すべて国民は、文化的で最低限度の生活を営む権利を有する。

その権利は、すでに自民党によって奪われようとしている。

老後の年金問題。2000万ないと95歳までに飢え死に。
女性労働者の三割はワープア。年収200万以下。
子供の五人に一人は貧困。親の手取り月11万以下。
国家の借金1000兆越え。国民にさらなる増税を強いる。
自殺者は年間2万人以上。過労死自殺多数。

天国にいる元帥
(´-`).。oO(今ごろ日本国民は飢えずに暮らせているのかな)

もはや、この人に返す言葉もない。

美雪「市役所での戦闘……? (;^ω^)」

賢人「( ;∀;)前回のマッカーサー元帥の話に感動したぞおおおお!!」
瞳「(ノД`)・゜・。 それだけに今の日本の行政は許せないわ!!!」
美雪「(^_^メ)ほんとに今の日本は狂ってると思う」

※令和10年です。

その時であった。
70過ぎと思われる白髪のご老人(男性)が車椅子を押していた。
車椅子に乗っているのは40代の女性であり、
一見すると娘さんなのだろう。実際に娘さんだった。

「わしらはもう思い残すこともないからの」
「ううっ……お父さん、迷惑ばっかりかけてごめんね」
「いいんじゃ。余計なことは何も考えることはない。
  あとは神のいる国へ旅立つだけなのだから」

二人は何を考えているのか、青酸カリのあるテーブルへ
迷いなく近づいていく。そして老人が青酸カリを手にしたところで
瞳がこらえきれず、タッコーを食らわせた。

※タッコー 米語でタックルを意味する。英語ではタックル

「ぶはぁ(ノД`)」 ←1メートル吹き飛んだ老人

ひとみちゃん
「|д゚) ご、ごめんなさい(m´・ω・`)m
 でもあなたが自殺しそうな感じだったのでつい」

娘さん「どうして邪魔をするのよ!!」

ひとみん「だ、だってΣ(゚Д゚)」

娘さん「私たちは今日ここで死ぬって決めたのよ!!
     行政様が青酸カリプラス銃殺って
     素晴らしいサービスをしてくれるんだからね」

なんのことかと賢人が真摯な態度で事情を聴いた。

娘さんは、自動車を運転中の事故によって
激しい打撲により半身不随になってしまった。

13年も務めていた事務の仕事を止めざる得ず、退職したが
令和10年では退職金もなく貯金もなく、補助金などの
公的支援も得られず、家系は絶望的な状況になった。

そこで高齢の父が深夜の警備員の仕事をして
わずかな収入を得ていたのだが、70過ぎの体には
大きな負担である。金に困っているストレスから
精神的に不安定になり、睡眠不足から勤務の継続が
厳しくなってきた。

令和10年では高齢者の働く場所は売るほどあるのだが、
土木建築、交通誘導員、施設警備員、庭の剪定業者など
肉体を酷使する仕事ばかりである。
それなのに時給の相場は180円と、全く割に合わない。

娘さん「このチケットがあると楽に死なせてくれるのよ」

賢人「これは……」

・安楽死・チケット

令和10年では幅広く市民の間に浸透しているチケットである。
本来であれば、生活保護の申請を拒まれた生活苦の市民は、
青酸カリを飲んで自殺するのだが、食道を焼かれて5分にも及ぶ
苦しみに耐えなければならない。

この5分間は、文字通り地獄である。
断末魔の叫びをあげること必至である。
そこで、市役所の職員が、対象者が青酸カリを飲んだと同時に
頭を拳銃で撃ってくれるサービスなのだ。これなら即死出来る。

だったら初めから銃殺にしろよと言われそうだが、
役所は国の命令で自殺者には必ず青酸カリを飲ませること、となっていた。
詳細は筆者にもわからない。

瞳「(>_<)と、とにかく死ぬのはダメよ!!」
娘さん「あんたに止める資格があるの?」
瞳「だめなものはダメよ!!」
老人「何と言われようと、わしらは死ぬぞ」

老人が躊躇なく青酸カリの紙コップへ手を伸ばそうとした。
ひとみんのタックルが発動し、老人を吹き飛ばす。
懲りずにまた老人が紙コップへ手を伸ばすと、吹き飛ばされる。

そんなやり取りを4回も繰り返すと、
老人はポロシャツを引き裂いて泣き叫んだ。

「あんたはまだ20代だから、わしらがどれだけこの国に絶望し、
 どれだけ考えた末に自殺にたどり着いたか、わからんのだろう!!」

ひとみん(≧∇≦).o00(私ったら20代って言われちゃった☆)
けんと( ゚Д゚).oo0 (若作りってレベルじゃねーぞ!!)

「この国ではアントワンット、じゃなくて金がない奴は死ぬんじゃぁああ!!
  金こそが日本国で生きる手段、金こそがこの国で生きる資格そのもの!!
  金がない奴は人権を奪われ、生きる手段を失い、最後は死ぬ運命になる!!」

美雪Σ(゚Д゚).o0(なんでアントワンットって言ったの…)
賢人('Д').o0(マリー・アントワネットのことか)

瞳「辛いのは分かりました。
  あともう少し頑張って生きてみませんか?
  自民党の一党独裁が終われば
  貧しい人への搾取も終わるかもしれませんよ」

老人「すでに野党は一掃されとるがな」
娘さん「若い人は政治のことなんて知らないんでしょ。
    自民党以外の政党がないのに、どうやったら独裁が終わるのよ」

瞳(そうだった……)
賢人(しかも自民党独裁って現実世界も同じだ。
   実質野党が存在している意味ねえ)

瞳「目の前で死のうとしている人がいるのに、
  黙って見ていろって言うんですか」

老人「その通りだ。黙って見てなさい」

娘さん「あんた、血色がいいし、品があるけど
    もしかしてお嬢様? だったら金頂戴」

瞳「わ、私は派遣の底辺労働者です…」

娘「ほんとに? どうみても金持ちっぽいオーラを出してるけどね。
  だったらそこの夫婦でいいや。お金ちょうだい」

賢人「夫婦って('Д')」
美雪「私たちのことですか(≧∇≦)」

娘「2000万くれたら自殺するのやめてあげる」
賢人「( ゚Д゚)」ニセン……
美雪「(;^ω^) お兄ちゃん。話にならないから帰ろう」

瞳「わ、わかったわ!!」

賢人('Д') 美雪Σ(゚Д゚)

瞳「2000万あげれば自殺するのをやめてくれるのね?」
娘「え、本当にくれ…」
賢人「何言ってるんだよヒトミさん!!」
老人「さあさあ、金があるならさっさとくれ!!」
美雪「瞳は若返りの化粧水によって年を誤魔化してるけど、実はブスです」

瞳「いいわよ。ただし、私じゃなくて美雪さんがね」
美雪「ん(;´・ω・)……?」

瞳「(*^▽^*) 美雪さんは米国株をたくさん持ってるでしょ。
  例のETFを一部売却してこの人たちに分けてあげて」

美雪「(^_^メ) ぶちころされたいんか、こら。
    父の生前の形見の、大切な大切な株を
    簡単に売却できるかボケ。
    ママからも人生をかけた超長期投資を勧められてるんやぞ」

瞳「(*^▽^*)マッカーサー元帥は、貧しい人たちにも
  兵隊さんの食料を分け与えていたわ」

美雪「(;^ω^) 連合国軍最・高司令官と私を同列に語るな。
    私だって生活が懸かってるんだから
    一市民のために大金払えるわけないでしょJK」

瞳「(*^▽^*)それより美雪さん、
   話の途中で私のことブスとか
   言ってたのは気のせいかしら?」

美雪「気のせいじゃないと思うよ。
   この行き遅れの年増女が!!」

瞳(# ゚Д゚)ダダダダダッ  美雪(^_^メ)きなさい。こら

二人はつかみ合いの喧嘩になり、
床の上をゴロゴロ転げまわっていた。

その茶番はまさに致命的というほかない。

老人と中年の娘さんは、何を思ったのか、
正面ゲート前の監視カメラに向かって中指を立て、
「安倍政権くたばれ」
「自民党一党独裁は北朝鮮のキム政権と変わらない」
と暴言を吐いた。

その次の瞬間だった。

二発の銃声が鳴り響き、二人の頭に風穴を開けたのだった。
糸の切れた操り人形のように、ひざをかくんと折り、前向きに倒れた。

死んだのだ。

ついさっきまで元気に話していた二人が、今は息をしていない。
どくどくと、貫通した頭部から血だまりが広がっていく。
死んだ人の血はどす黒い色をしているのだ。

瞳(´・ω`・)エッ?
美雪( ゚Д゚)ハァ?

もはや、キャッツ・ファイトなどしてる場合ではない。

あの二人は安倍政権の悪口を行っただけである。
決して青酸カリを飲んだわけではない。

そもそも、どこから銃弾が飛んできたのか。
無機質にしか見えないコンクリートの壁のどこかに
銃眼が空いているのか。それとも屋上にスナイパーが潜んでいるのか。

賢人「に、逃げろ。ここにいたら俺たちも殺されるぞ!!」
瞳「あなた達も逃げるわよ。真理ちゃん。泉ちゃん!!」
美雪「あの2人ならとっくに帰ったわよ」
瞳「いつの間に!?」
美雪「たぶん一話前辺りで」

いきなりの銃声が。賢人の足元に一発の銃弾が振って来た。

賢人「う……うわぁ……。俺も狙われてる……?」
瞳「賢人、逃げるわよ。さあ、早く!!」
賢人「だ、だめだ。何者かの強い殺気を感じて足が動けない」
美雪「お兄ちゃん、しっかりして!! 瞳も一緒に彼を運んで!!」
瞳「まかせて(^○^)」

足が恐怖でお釈迦になってしまった賢人を、力持ちの
女二人がずるずる引きずってその場から退散することに成功。

令和10年。埼玉県にて。不用意に市役所に近づき、
自殺志願者の市民と接触するだけで反逆者候補になってしまう。
この日本には人権などなく、市民に生きる権利などなく、
中世の封建社会以下のただの奴隷大国となってしまった。

これが日本国の真の姿である。
この国の本質は、一億総奴隷社会である。
クレオパトラが生きたプトレマイオス朝のエジプト奴隷王朝。
日本国奴隷王朝である。

美雪「瞳をぶっ殺したい!!」 瞳「それはこっちのセリフよ!!」

帰宅後の夕飯の時間である。

今日もベルーナで仕入れた冷凍肉を自然解凍して食べる。
最近市内では停電が頻発しており、
電気が使えないので電子レンジはただの箱。
蛍光灯も使えないので、食卓には二本のろうそくが立てられている。

このろうそくとてお店で買ったわけではない。
行政サービスとして市民に配給されたものだ。
賢人らの団地では各家庭に10本が支給された。

チャッカマンは贅沢品なのでマッチで火をつける。
困ったことにヒトミら三人でマッチを満足に使える人が
いなかったので、一本の火をつけるだけで大いに苦労した。

ご飯は、朝炊いた分が残っていたので助かったが、
三人分には足りない量だ。賢人は女たちに遠慮し、
瞳は賢人に遠慮し、美雪も彼に遠慮した。

そして瞳が美雪はデブだからご飯を抜いたほうが良いと主張し、
美雪は瞳がおばさんだからご飯抜きでカロリー制限すべきだと言い返し、
いつもの口論が始まった。

瞳(# ゚Д゚)ギャーギャー 美雪(#^ω^)ワーワー

ここまではいい。
賢人とて見慣れた光景であり。微笑ましくすらある。
だが今日の喧嘩はいつもと少し違った。

瞳「あの人(前話参照)たちが死んだのは美雪さんのせいよ!!」
美雪「( ゚Д゚)ハァ?」

瞳「あなたが嘘でもいいからお金をあげるって言ってしまえばよかったのよ。
  そうすれば、あの人たちはあの日は気を取り直して帰ったと思うわ」

美雪「瞳さんって頭悪いんですか?
   すぐばれる嘘をついたところで実際にお金を上げないんだから
   最後は同じ運命ですよ」

瞳「たとえ一時の希望でも良かったのよ。
  少しでも人間は明日への希望があれば生きていけるわ!!
  だって希望のない人生なんてただの苦痛よ。
  そんなの生きているって言えないわ。
  愛がなければ生きている意味はない。愛は希望なのよ!!」

美雪「(;゚Д゚)何言ってんのこいつ…」

賢人(ひとみんってたまに新約聖書の引用をするんだよね。
   いまのは聖パウロのコリントの信者への手紙かな…)

賢人も聖書に少しは詳しくなった。
瞳にしつこくすすめられて、聖書を読むようになったのだ。
あまりの文章量の多さに圧倒されたが、簡略盤の聖書を
渡されてそっちを読ませてもらった。
一ページごとに絵付きですっと頭に入ったのでびっくりした。
(ドレの旧約、新約聖書シリーズ)

瞳「私はね。美雪さん。あなたの自分勝手で自分中心に
  物事が回ると信じている、幼稚な発想や考え方がムカつくの」

美雪「あんたこそ、うちの兄の前で何回ヒスッたか数えてみろよ」

瞳「」

令和10年 兄妹の物語(略~ の続き

令和10年 兄妹の物語(略~ の続き

「令和10年。財政破綻と強制労働と若い兄妹の絆の物語」の続き (パート2) 単純に前作が長く続きすぎたので新しく書いただけである。 特に意味はないのだが。 令和10年は自民党の一党独裁が続き、物価の変動なしに消費税率34%。 埼玉県の最低賃金は170円まで減少。お金のない労働者たちは 平均で2000万円の借金をするか、近所のスーパーを襲撃するなどして 生計を立てている、この世の地獄である。

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更新日
登録日 2019-06-22

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