令和10年 兄妹の物語 第二シーズン

なおち

  1. あらすじを書く
  2. 賢人「会社のお昼休みのシーンから再開か」
  3. 瞳「賢人が泣いてる(≧∇≦)」
  4. 美雪「お兄ちゃんの様子がおかしい( ゚Д゚)」
  5. 賢人「今日は会社は休みなのか:;(∩´﹏`∩);:」
  6. 瞳「 (*´ω`) 賢人とデートするのは初めてね」
  7. 瞳「( ゚Д゚)家電量販店って平日の朝から戦場なのね」
  8. 賢人「美雪が刺された? (;・∀・)」
  9. 美雪「令和10年の犯罪率の高さについて(。◕ˇдˇ​◕。)/」
  10. 瞳「私の名前は坂上瞳です。あなたは?」
  11. 美雪「作者を倒す」
  12. 賢人「ヤマダ電機でショッピングだ(∩´∀`)∩」
  13. 賢人「戦車はどこへ行くんだ(;゚Д゚)」
  14. 大塚家具ちゃん「行政はバツイチに冷たいわ」
  15. 瞳「令和10年の市役所ってこうなってるの……(ノД`)・゜・。」
  16. 美雪「(* ̄- ̄)マッカーサー元帥って悪い人じゃなかったのね」
  17. 美雪「市役所での戦闘……? (;^ω^)」
  18. 美雪「瞳をぶっ殺したい!!」 瞳「それはこっちのセリフよ!!」
  19. 賢人「瞳さんと深夜の修羅場……?」
  20. 美雪「賢人……そろそろこの小説終わりにしよう」
  21. かんぽ生命とは何か
  22. 美雪「かんぽ生命と私は関係ないんですけど」
  23. かんぽ生命、日本郵政はこの世に存在している価値がない
  24. 瞳「お父さんお小遣い頂戴。2兆円」 パパ「゚(゚´Д`゚)゚」 
  25. 郵便局を襲撃したらどうなるか
  26. まり・いずみ「ヒマラヤ山脈に行ったら死ぬよ」
  27. 賢人「ミウさんは反対主義者の拷問が趣味なんですか」
  28. ミウ「あなたを見ていると元気だった頃の旦那を思い出すよ」
  29. ミウ「この国はいつまで資本主義が続くの?」
  30. 瞳「( ̄▽ ̄) 美雪さん。私の旦那が帰ってこないわ」

あらすじを書く

「令和10年。財政破綻と強制労働と若い兄妹の絆の物語」
まさかの第2シーズンである。需要はあるのか。

筆者も書いていてよく分からない展開になってきたので
記憶を整理する意味でも登場人物の設定をまとめておく。

改めて主要人物(三人)を説明する。

・渋谷賢人 25歳 男  しぶや けんと
・渋谷美雪 21歳 女  しぶや みゆき
・坂上瞳  32歳 女  さかがみ ひとみ

『賢人』は、時給210円のブラック企業で働く底辺労働者だ。
小説では伝わりにくいが、ルックスは今風のイケメンである。
瞳と婚約をしたのはいいが、
紆余曲折を経て自らがシスコンであることを自覚し、
美雪と結ばれることを願っている。

大学3年生の『美雪』は、兄との同棲生活の継続を強く望んでいる。
家庭料理が得意な安定感のあるブラコンである。
父から譲渡された米国株式9000万円に加え、
自らが運用していてた米国株式1300万円を保有しており、
実は富裕層なのだ。中央大学、経済学部、経営学科に在籍。

『瞳』はかなりの美人でしかも社長令嬢。
金持ち扱いされるのを嫌い、自ら父の経営する会社で
末端労働者として働く道を選び、賢人と同じ部署に所属している。
生活費からお小遣いまで親から支給され、現金、クレカなど
個人資産の総額が軽く1000万を超える、かなりのお嬢様。

育ちの良さを感じさせる、余裕のある性格はどこへ消えたのか。
度重なる美雪からの妨害によって性格が豹変してしまった。
病的までに賢人に執着し、賢人との結婚を心から望んでいる。
市販のラノベにはなかったタイプの、新手のヤンデレである。

この三名は、埼玉県北部のとある市営団地で同居生活を送っている。
(彼らが同居生活を送るまでの展開を描くのに
 第1シーズンでは24万文字も使ってしまったのだ)

それぞれの主義主張立場の違いから、毎日が昼ドラ。
修羅場。殺し合い。気の休まる暇などない。


この物語は、上記の三名を中心に複雑奇怪に推移するのだ。
いったいどんな結果になるのか。

賢人「会社のお昼休みのシーンから再開か」

~連載形式。文章は随時加筆修正していきます~

※けんと

前回どんだけ中途半端な終わり方したんだよ。

今日は6/18日 火曜日の昼休み(12:00~12:50)
俺はいつものように会社の食堂でお弁当箱を広げた。

美雪に作ってもらったお弁当は、
瞳の指示で道端に捨てられてしまった(;´・ω・)
美雪に後でどう謝ったら許してもらえるのか。
いっそ瞳に本気で抵抗すればよかったのか。でも逆らったら銃殺刑。

俺が死んだら、美雪は悲しむだろうな(;´∀`)
たぶんあいつは自殺して俺に続くと思う。

(*^▽^*)ジー

離れた席に座った瞳が、俺をずっと見てくる。
そんなに見られたら逆に食べにくいぞ。

瞳の手作り弁当は男としてうれしいさ。
こんな美人のお姉さんに作ってもらえるなんて
俺にはもったいないくらいだ。
だが問題はそこじゃない。

あの人は美雪の弁当を生ごみ呼ばわりした。
令和10年になってから一番傷ついた言葉だぞ。

「くそっ!!」

俺はお弁当抱えたまま走り出した。
ここだと瞳がいるから腹が立って仕方ない。

職場の机で食べることにしよう。
規則違反になっちまうが、構うものか。
この時間なら誰いやしないからな。

現場に行くと2人の男性オペレーター(印刷機械)が
机に突っ伏して寝てやがる。こいつら何してんだよ。
飯食わなくていいのか。

「あれ!?」

俺の机の上には、捨てられたはずのお弁当があった。
ちゃんとお弁当包みにくるまれている。
見た目も綺麗で泥汚れなどは見られない。

「おう、その弁当なんだがよぉ」

オペの一人が俺に話しかけて来た。寝てたんじゃねえのか。

「大塚さんちのカグちゃん(キャラは前作参照)が
 ここまで届けてくれたんだ。
 なんでも、朝っぱらから道端に不自然に捨てられてるお弁当が
 あったって話でよ。その包みのデザインはおめーのだろ、シブヤ」

カグちゃん……ありがとうヽ(^o^)丿
あとでお礼を言わないと!!
それにしても俺のお弁当だってよく分かったよな!!
普段から食堂で俺の姿を見てたのか?

「残すわけにもいかねえし、二人分食うか( ゚Д゚)」

もたもたしてると他の奴らがここに戻って来ちまう。
さっきも説明したが、現場で食事をする奴は規則違反だ。
この会社の法律(会社ごとに法律がある)に違反すると
監禁、拷問、虐待、銃殺刑が適用されることになる。

今の日本では資本家連中が日本の全ての権利を独占し、
意にそぐわない国民や従業員は好き放題虐待できるのだ。

「うっぷ( ゚Д゚)さすがに食いすぎた。(;^ω^)
 味わう暇なんてなかったし、少しでも体力を回復させるために寝るか」

昨日は瞳のヒステリーにおびえて、妹に抱き締められながら
眠りについた。俺は瞳に殴られて二度吐血したこともあり、
精神的にも肉体的にも激しく消耗したが、ギャグマンガ(小説)なので
一晩寝たら治った。しかし体は良くなっても寝不足の設定だけは消えてくれない。

「ねえ。ねえったら」

誰だようるせえな。俺は寝てる時に起こされるのが一番ムカつくんだよ

「お弁当の感想を聞きに来たの。どうだった?(*^▽^*)」

うわああああ!! 瞳がいるじゃないか!! 一瞬で目が覚めたぞ!!

( ゚Д゚) すごくおいしかったよ!! 
(*^▽^*) そう。残さず食べてくれてよかった
( ゚Д゚) 瞳は料理が上手だねぇ。ま、毎日作ってもらいたいなぁ
(*^▽^*) おかしなこと言うのね。今日から毎日作るって言ったのに
( ゚Д゚) あ、あはは。そうだったね

(*^▽^*) ねえ。ところで、それなにかな
(´・ω`・) え?
(^_^メ) どうしてお弁当箱が二つもあるの?

また修羅場だ。朝起きて修羅場。通勤途中で修羅場。昼休みも修羅場。
きっと家に帰ってからも修羅場なんだろう。もう疲れた(;´・ω・)

俺は馬鹿じゃないので瞳がヒスるパターンも大体把握できた。
ここで正直に大塚家具ちゃん(別名久美子さん)が拾ってきたと言えば、
カグちゃんが銃殺刑になりかねない。俺が拾ったとした場合も論外だ。

瞳は美雪の存在を認めない。美雪が俺と結婚したがっていること、
俺にお小遣いをあげること、俺にお弁当を作ってあげること。
全てが気に入らないんだ。それは良く分かったよ。
だったら俺はこう言うね。

「俺がそんなに悪いことしたのかよ!!」

キレた。お笑い界でも通用するキレ芸である。

「あえて理由は説明しないが。俺は君と妹の作ってくれたお弁当を
 ここで食べただけだ!! 残さず食べたぞ!! 何か問題があるのか!?
 ああ!? 黙って聞いていれば朝からごちゃごちゃ細かいこと
 ばっかり言いやがっていい加減にしてくれ!! うるせえんだよ!!」

「賢人…」

「だいたい美雪のこと何度も悪く言いやがって!! 
 今朝も歩いてる時ずっと美雪の悪口言ってくれたよな!?
 肉親を悪く言われたら誰だって傷つくだろうが!! 
 美雪は俺の大切な妹なんだぞ!! 
 人の気持ちを察しろとしつこく聞いてくる割には、 
 俺がずっと我慢して聞いてたの気づかなかったのか!?」

瞳は唖然としていた。
さすがに怒鳴られることを想定してなかったのだろう。
俺がおまえさんの奴隷だと思ったら大間違いだぞ。
俺は一人の人間だ。主張したいことは、はっきり言わせてもらうね。
もう赤の他人じゃない。同棲してるんだからよ。 

「あなたはおかしなことばかり言うのね。
 私は美雪のお弁当を捨てなさいと言ったの。
 もちろん食べる必要もないわ。
 あなたは私の指示に従わなかった。それが問題なの」

「そんなクソみたいな命令に従う義務が俺にあるのか!?
 ああ!? 社長令嬢だからって調子こいてんじゃねえぞ!!
 君の指示なんて知らねえよ!! 俺にムカついたなら
 さっさと銃殺刑にでも何でもしてみろよ!! おら!!」

「銃殺刑は言いすぎたわ。本気であなたを殺すつもりはないけど、
 お仕置きは必要だと思うのよ。あなたもこれからは坂上家のファミリーに
 なるのだから、母様直伝の腹パンによる制裁を食らってもらうわ」

ブオオオン

俺は、風を切る彼女の拳を、間一髪で交わすことに成功。
しかし体のバランスを大きく崩し、
オペ陣のいるテーブルへ突っ込んだ。

ドンガラガッシャーン!! ←昭和の漫画でよく使われた擬音。

いてえΣ(゚Д゚)パソコンの画面で肩を打っちまった。
痛すぎて午後の仕事に直ちに支障が出るレベルだ。
この騒ぎを聞きつけてフロアに従業員共が集まってきやがった。
へっ。ギャラリーがいたほうがちょうどいいぜ。

「あー。みんなもこの惨状を見てくれ!!
 俺は坂上瞳に脅されて婚約を迫られてるだけなんだ!!
 今も殴られて再起不能になるところだったんだ!!
 こんな女と結婚するなんて監獄行きになるのと同じだ!!」

( ゚Д゚) (*・ω・)(*-ω-)( ヽ(^o^)丿 Σ(゚Д゚) (=゚ω゚)ノ
なんだってー。坂上さんって暴力振るうのかよ。ヤダー。社内暴力?
なんだよ痴話喧嘩かよ。違うよ修羅場じゃない? 離婚するのか?

「俺は妹の美雪のことを愛してる!! 
 だから瞳との結婚は無理なんだ!!」

シーン ( 一一)( 一一)( 一一)( 一一)( 一一)( 一一)

あれ? 反応が薄くなったな

「賢人。こっちに来なさい」

俺は階段横の人影のない所へ
連れ出され、思いっきりほっぺたをひっぱたかれた。

またしても暴力。何より怖いのが、
彼女が俺を殴ることに全く抵抗のないことだ。
俺は衝撃と恐怖のあまり(m´・ω・`)mこんな
顔になってしまう。

「あなたのせいでみんなの前で大恥かいちゃったわ。
 今すぐ私に謝ってちょうだい(#^ω^)
 そしたらさっきの演技はなかったことにしてあげるわ」

演技か( 一一) 俺の渾身のキレ芸は、
演技だと言われればそうなのかもしれない。

しかしここでひとみんにいじめられたら
ずっとこのままの状態が続くことは確実だ。

嫌なことは、はっきり嫌だと言うべきだと小学校で教わったぞ。
なんで小学校? 俺の頭は小学生レベルのなのかヽ(^o^)丿
とにかくはっきり意思表示はした方がいい。お互いのためにも。

「ひとみさん。俺は」

ぱっしいぃぃぃぃぃぃん

そこまで言ったところでまたひっぱたかれた (>_<)

二度もビンタされるのは新鮮だな。
痛む頬を女々しく手で押さえてしまう。

「ごめんなさいね。
 今賢人が寝言を言おうとしていたようだから、
 つい手が出てしまったわ」

なんだこの状況……( ゚Д゚) 
俺はただ彼女を振りたいだけなんだが、
口にしたら、ぶたれるのでどうにもならない。

トランプに関税戦争を仕掛けられたが
有効な対抗策が思いつかず、
毎月フルボッコにされてる習近平ってこんな気分なの?

「あなたは物分かりの悪い子だから
 もう一度分かりやすく言ってあげる。
 私にさっきのことを謝って頂戴。
 さあ謝って。早く謝って。今すぐ謝って頂戴」

「( TДT)ごめんなさい」

「そうよ。それでいいの。私とあなたはこれから 
 結婚するのを忘れないでね。
 長い人生で喧嘩することもあるでしょうけど、
 ちょっと喧嘩したからって関係が壊れることはないわ。
 だって私たちは偽物の関係じゃないのだから」

「うう…(;´∀`)」

「なにその顔は。不満なの?」

「こ、心が」

「なに?」

「心が持たないんです。今も殴られたショックで
 足元がふらつく。イライラして吐き気がする。
 まだ同棲を始めて三日目。
 結婚する前からこれじゃあ、絶対に離婚すると思います」

「離婚?」

俺は壁際まで追いつめられ、逆壁ドンをされた。
相手が年上とはいえ、女に壁ドンされるとは。
どんだけドMなんだよ俺(~_~;

「離婚はあり得ないわ」

「はい?」

「離婚するくらいならあなたを銃殺にして
 亡き者にしてあげる。
 ほら。こうすればあなたは私の夫のまま死ぬのよ。
 離婚するのは不可能でしょ?」

目がマジだ。昨夜、俺の妹のことを
殺す殺すと念仏を唱えていた時の顔だ。

なぜ俺にここまで執着するのか理解に苦しむ。
正直この会社でも俺の他にも若い男いるぞ。
瞳のお母様に頼んで縁談をすれば
いくらでも金持ちの男がいるだろう。腐るほどな。

「私、クリスチャンなのよ」

休日は銀のロザリオを首から下げていたから、
なんとなく察していたよ。それが何か?

「私は運命論者なのね。この世で起こる全てのことは
 天にいる神様が決めてるって信じてる。
 私は神様のご意思に従ってあなたと結婚したいと思ってるの」

「他に男を見つければ」

「いや。あなたじゃないと嫌。
 この会社であなたと知り合えたのは絶対に運命よ」

「恋愛ドラマの見すぎだよ。ごめんね。
 これ以上瞳さんと話してると疲れるよ。
 俺は今日でこの会社を辞めようと思う」

「なんですってΣ(゚Д゚)」

「もう無理」

「本気で言ってるの?」

「俺は瞳さんが嫌いだ。
 あなたと出会ったのは間違いでした。
 もう二度と俺の視界に入らないでください」

「……あなたは誰に対して
 そんな無礼な口の聞き方をしているの。
 今すぐ訂正するなら許してあげないこともないわ」

「さよなら」

「ちょっと待ちなさい。待ちなさいってば。
 渋谷賢人。待ちなさいっ!!」

俺はそのまま歩き出し、現場からお弁当箱を持ってきた。
俺がフロアに入ると全従業員が注目していたが、
もう今日で辞めるんだから関係ないよな。

こんなクソみたいな職場でも去ることに寂しさを
感じてしまう。俺は自分の机を見て、少しだけ
涙がこみ上げて来た。へっ。ペンタックに情があったのかよ。

そのまま更衣室のロッカーで私物をまとめ、
靴箱で外用の靴に履き替えると…

「賢人ぉ。よくも私を無視したわね」

スタンガンを手にした瞳が俺の前に立ちはだかった。

「この会社の規則を忘れたわけじゃないわよね?
 特別な理由もなく早退する者は尋問、拷問、
 銃殺刑が定番のコースよ」

「好きにしてくれていいよ。
 俺が死ねば美雪も自殺すると思うから、
 それで物語は終わりだ。
 はっきり言って君と夫婦になるくらいなら
 死んだほうが良いよ」

俺は精一杯の敵意を込めて瞳をにらんだ。
俺がこの美人を睨んだのは生まれて初めてのことだ。
すると彼女にも思うことがあったのか、急に態度を変えてきた。

「……賢人は色々あってちょっと疲れているのね。
 分かったわ。今日は私も言い過ぎたところもあるし、
 家に帰ってゆっくりしていいわ」

「その上から目線がもう限界だ」

「なに?」

「俺は君に支配されるのが嫌だ。君に会うのも、もう嫌だ。
 俺はこの会社だけじゃなくて団地からも出て行くよ。
 もちろん俺の愛する妹と一緒にな。止めてくれるなよ。
 俺と君が出会ったこと自体が不幸の始まりだったんだ」

俺は呆然とする瞳の横を通り過ぎようとしたが、肩をつかまれた。

「待ちなさいよ。まだ話は終わってないわ」
「そのスタンガンを使えよ。一瞬で俺を動けなくさせられるだろ」
「私がそんなことをする人に見える? これは脅しよ」

「……どっちでもいい。放してくれ」
「いやよ。あなた、本気で会社を辞めそうな顔してるじゃない」
「さかがみさん。放してください。制服が伸びちゃいますので」
「さかがみさん……? そっちがそのつもりなら絶対に離さないわ」

「僕とあなたは赤の他人ですから。さようなら」

「分かったわ。どうしても帰りたいなら、私も付いて行くわ。
 一緒に帰りましょう。今の貴方を一人にするわけにはいかないわ」

「どうして赤の他人と帰らないといけないんですか。
 今日の夜までに荷物をまとめて団地を出て行きますので」

「その他人行儀な話し方を止めなさい!!
 私に対して失礼だと思わないの!!」

「僕はすぐ怒鳴る人は大嫌いです。
 そんなに僕のことが嫌いなら一緒にいる意味ないと思いますよ。
 そういうことで、さようなら」

「ご、ごめんなさい。今のはつい声を荒げてしまったのよ。
 決してあなたのことが嫌いなわけじゃないわ」

「嫌いなんでしょう?」

「嫌いじゃないわ!! 神様に誓って言うわ。
 ねえ怒ってるの? 怒ってるんでしょう?
 顔が引きつってるわ。ちゃんと私の目を見て話して頂戴」

今までの会話を、俺たちは歩きながらしていた。
会社の駐車場を出た歩道を、腕組みしながらだ。
瞳は無理やり腕組みしてくるが、俺は顔すら彼女に向けない。
彼女は怒鳴った時も絶対に腕組したままだから笑える。

どんなカオスな喧嘩だよ。
このシーンをユーチューブにあげたら人気になるんじゃないか。
瞳は靴箱で履き替えてないから内履き(安物のサンダル)のまま
外を歩いているぞ。

「賢人くぅん(。・ω・。)ノ♡ 怒鳴っちゃってごめんね?
 銃殺刑にするのも全部嘘なの(*^▽^*)
 本当は賢人君と離れたくなくて必死だったの。
 瞳ったら悪い子だよね。賢人君に嫌われたくなくて
 必死だったから、逆に変な性格になっちゃって」

令和十年で生きる意味があるのか。
消費税率34%。物価の変動なし。労働者の95%が派遣労働者。
労働者は派遣会社に拉致され、人権をはく奪される。

国を守るために命を懸けている自衛隊の皆さんでさえ、
時給350円だ。そのくせ国会議員の平均給料は4400万だ。
ふざけんじゃねえよ。

「賢人君のほっぺた、真っ赤になっちゃったね(>_<)
 あとでお水で濡らしたタオルで冷やしてあげないとね(*^▽^*)」

「賢人くぅん。さっきから顔が怖いよぉ? (∩´∀`)∩
 まさか……本気で私のこと嫌いになったわけじゃないよねぇ?
 どうしてさっきから黙ってるのかなぁ?
 激おこなの? 激おこぷんぷん丸? (ノД`)・゜・。」

自分に対し、好意を持ってくれている女に一番やってはいけないことがある。
それは相手にしないことだ。話さない。目を合わせない。
存在を無視する。これは女を一番傷つけることになる。

「黙ってないで何か言いなさいよぉおおお!!
 あなたの態度ムカつくわ!!
 あっ……、今のは違うのよ。嫌だった? ごめんね。
 短気な女だと賢人に本気で愛想つかされちゃうものね (*^▽^*)」

俺から言いたいことは一つ。耳元で怒鳴るのをやめろ。
あとこの時期に腕組みを続けてると暑苦しいんだよ。
瞳の汗ばんだ髪の匂いが妙なフェロモンを発しているが、もう関係ない。

俺たちはこのカオスな状態のままローソンの前に差し掛かった。
のぼりに、おにぎりのセールと書いてある。
全品100円均一で買えるらしい。なにがおにぎりだ。
税率34パーだから安くねえよ。死ねよ。

「どうしてローソンをじっと見つめているの?
 ローソンで買い物でもしたいの?
 欲しいものがあるなら何でも言ってちょうだい。
 私が何でも買ってあげるわ (*^▽^*)」

いや。自殺用の道具でも売ってねえかなと思ってさ。
本気で自殺してやろうかな。

瞳の大好きなキリスト教ってのは、死んだ後に
天国で魂が再開できるそうじゃないか。
なら俺と美雪はこの世界から消えても
復活の時に再開できるんだから問題ねえな。

「自殺なんてしたらダメよ (>_<)
 どうして自殺なんて言葉を簡単に口にするの!!」

あれ、おかしいな。俺口に出してたのか。

「私の賢人は自殺なんてしないわ。
 あっ。私のせいか。ごめんねぇ (ノД`)・゜・。
 私がうざい女だから賢人は人生が嫌になっちゃったのね。
 うええええん。( ;∀;) 賢人に嫌われたくないよぉ。
 賢人がいないと生きていけないよぉ。
 ねえ私がどうしたらいいのか教えて!?」

「喉が渇いたから、ローソンでジュースでも買おうかなと。
 朝は焦ってたから水筒忘れたんだよ」

(賢人がしゃべった!!!(≧∇≦))

「あっ、そうなのね!! (((o(*゚▽゚*)o)))
 分かったわ! 私が買ってあげるからね。
 賢人が喉乾いていたのに気づいてあげられなくて
 ごめんね!! さあ、中へ入りましょう (*^▽^*)」

自動ドアを二人で通る。
平日の昼下がりに工場の制服姿の男女がべったりしてるものだから、
女性の店長さんが奇異な目で見てくる。当然だろうな。

『あーあー、マイク入ってますよねwwww
 私はこの国の内閣総理大臣でありますwwww』

なんてタイミングで首相の演説が始まっちまったんだ。

この世界では各会社、自治体その他いたるところに
大型の液晶パネルがあり、不定期で
流される首相のクソ演説が映し出されるのだ。

北の将軍様のように首相の演説をどこにいても
国民が聞けるようにとの配慮だ。
コンビニのレジの前の液晶で放送されてるんだから笑える。

この前美雪たちが新幹線に乗ってる時でさえ
首相の演説が行われていたそうだぞ。

『最近年金額が少ないとかwwww老人だけじゃなくて
 若者までデモ行進とか初めてうざいですwwww
 現実世界でも参議院で立憲民主や共産のクソどもが
 ギャーギャーわめきやがってwww仕方ねーから
 俺様が新しい法案を作ってあげましたwww』

2019年6月の現実世界では、金融中が独自に
試算した結果、老後に必要な資産は
1500から3000万ほどだった。

一言でまとめると「金のない奴は死ね」これだけだ。

そして令和10年のこの世界では、
日本政府はマクロ経済スライドを悪い方向へ発動させた。
厚労省から布告されたのは以下の内容だ。

⇒従来は年金支給開始年齢は
基礎年金90歳。厚生、共済年金が95歳だった。

これを変更し、支給開始年齢を早めてくれるらしい!!

⇒60歳から基礎年金も厚生年金も満額支給

仮に第二号被保険者(厚生)の場合、
定額で2000円(偶数月に支給)

つまり月額1000円 (゚д゚)!
その中から健康保険と介護保険等を差し引くと

手取りはたったの660円 Σ( ̄ロ ̄lll)

『これでぇ、若者の生活は一生安泰ですwwww』

若者⇒令和10年では80歳以下の人間を差す。
    80歳を超えたあたりからようやく中年、高齢者。

『660円もあれば、スーパーの半額弁当を中心に
 各種お惣菜を購入することがぁ、できますwwww
 生活費の不足した部分(実質99.99%)はぁ、
 一生会社で勤めて補填していただきますwww』

『一億総活躍社会wwww 若者も老人も輝いて
 過ごせる日本wwwwこれこそがぁwww
 我々自民党が描く、日本の未来なのでありますwwww』


これでも暴動が起きねえんだから、日本人は奴隷だよ
俺は涙が止まらないぞ。(´;ω;`)

俺は会社で一日16時間労働を強いられているが、
月の手取りは7万にも満たない。
どれだけ働いても豊かになれず、
一生会社の奴隷として過ごすのだ。

瞳「賢人が泣いてる(≧∇≦)」

※ひとみん

前話の首相の演説はまさしく最低でした。
史上最低の演説でした。

この世界の労働者は生活費が足らず、
消費者金融や銀行カードローンで
借金をして生活をしています。個々人の平均の
負債残高は2000万から6000万と言われています。
しかも金利が14%から21%。つまり一生返せません。

あの演説は、今までギリギリのところで
努力して頑張って来た労働者に死を宣告したのに等しい。

(´・ω:;.:... 賢人はORZになり、
子供のように泣いています。

やっぱり死んだほうが良いと口にしています。
気持ちは分かるけどね。私だってパパから
生活費を支給されていなかったら自殺していたと思う。

「賢人はお金の心配はしなくていいのよ」

私は彼の頬にキスしました
(*´ε`*) Σ(゚Д゚) あっ…

「生活費は今まで通り父に出してもらうわ。
 父は会社の経営者で資本家よ。
 私と結婚すればあなたも勝ち組に入れるの」

今まで私は金持ちなことを絶対に自慢したくなかった。
けど今は金持ちを武器にしてでも彼を口説かないといけない。
私の目的は彼と夫婦になること。そして夫婦関係を
一生涯継続すること。ただそれだけなの。
今の私には賢人以外の人間は視界に入らない。

「ひ、瞳と結婚すればお金に困らないのか」
「そうよ。だから自殺なんて考えなくていいの」

よしよし ヾ(・ω・`)
(*´Д`) あ…

賢人の顔、かわいい (≧∇≦)(・∀・)!!

ほらね。最後はお金よ。
生きていくのに一番必要なのは…

旦那ですか? 愛する子供ですか? 一軒家ですか?  

違いますよね。

『お金』です (∩´∀`)∩

この作品では第1シーズンから
お金の大切さを繰り返し述べてきました。

これは何も小説の設定ではなく、現実そのものです。

『金』のない奴は将来死ぬ。野垂れ死ぬ。
政府も自治体も友人知人も会社も誰も
助けてくれない。

最後は……死ぬ!!!!!ヽ(^o^)丿

「賢人は今は若いからいいけど、
 将来病気や怪我で動けなくなる時が来るわよ。
 そんな時に病院に行くお金もない状態で死にたいの?
 (*^▽^*)」

「う、うう(;´∀`) 確かにそれは困る」

「(*^▽^*) すごく苦しいでしょうね。誰も助けてくれないのに
 治療費を払うお金もないんじゃ。ご飯も自分で
 作れない。買い物にも行けない。確実に飢え死にね」

「飢え死に…」

「飢えて死ぬ。これがどれだけ悲惨か分かる?
 じわじわと、生まれてきたことを後悔しながら
 思考力を日々奪われ、腕や足も上がらず、
 毎日食べ物のことを考えながら死んでいくのよ」

「い、いやだぁ。死にたくないよぉ。
 死ぬのは怖いよぉ (>_<)」

「うふふふ。(´∀`*) ウフフフフフフ」

――でも大丈夫よ

(゚д゚)!え?

「賢人は私の夫になるんだから (´∀`*)
 私は夫を一生金銭面で支えると今この場で誓うわ (*^▽^*)」

私達は、時給210円のブラック企業勤務。
ブラック企業とは、営業利益を稼ぐために
極限まで人件費をカットするクソ企業。

その手の企業は売上金を従業員に還元しないんだから、
内部留保金を大量に保有している。特に製造業に多い。

経営が苦しい外食産業などと違い、
私の会社(ペンタック)は主要な取引先が
ファースト・リテイリングなので大儲け。
ファーストリ(略)は東証一部の時価総額ランキングでも
ベスト8に入る優良企業。業績絶好調。

私はパパから年間の生活費他を受け取っていますが、
その源泉となっているのはブラック企業の売上金の
一部なのです。

こう考えてください。
私を含めて多くの従業員が奴隷にされている一方、
パパの会社の剰余金は私に流れてくる。
つまり私は会社の経営が傾かない限りは、
一生飢えることがないのです。

前作で散々書きましたが、私は個人資産の総額が
1000万を超えていまして、毎月の給料は
使い道がないので全額貯金してます。

さらに母から毎月お小遣いを5万円もらっています。
もはや会社で働いてるふりをしているニートとも呼べます。

冷静に考えたら、私ってかなりのお金持ちだったのね。

(∩´∀`)∩ ニート、ばんじゃーい

「瞳さぁん。助けてくれぇ :;(∩´﹏`∩);:
 さっきまで冷たい態度を取ったことは謝るよ」

「そんなの全然気ににしなくていいのよ。
 私も悪かったんだから、お互い様ってことで仲直りましょう。
 それにお金のことは大丈夫だって言ってるでしょ? (。・ω・。)ノ」

「((((;゚Д゚)))) ガクガクブルブル」
「こんなに震えちゃって。かわいー (´∀`*)ウフフ」

首相の演説のおかげで私寄りの展開へ変わりました。
グッジョブ!!!!! (∩´∀`)∩

賢人は一生私に縋り付かなければ
生きていけないのです。

これにてこの物語自体に終止符を打とうと思いましたが。

「(´・ω`・) 冷静に考えると、美雪も株をたくさん
 持ってるじゃないか…」

問題はそこです。
美雪さんは外貨建ての資産とはいえ、
現物株式で1億円を超える資産を保有しています。
しかも長期投資のための高配当銘柄で無駄がない。

資産は渋谷家の父から譲渡されたものです。
説明すると一話丸ごと使うことになるので、
くわしくは前作(第1シーズン)を参照してください。

美雪さんは何もしなくても勝手に配当金が入ってきます。
外国株式は日本株より多く課税されますが、
それでも手取りで240万はくだらないでしょう。
(日本円での換算は、その時の為替レートにもよりますが)

「美雪も俺を一生守ってくれるって言ったんだ (;´・ω・)」

「賢人。こう考えてみなさい (; ・`д・´)
 この会社での雇用はどうするの?
 賢人は…まあないでしょうけど、仮に万が一
 私を振ったりしたらこの会社を首になるわ」

「首になるの? Σ(゚Д゚)」

「私とあなたの婚約は会社の規則になっているから。
 規則違反の人は銃殺刑なんだけど、最低でも首になるわ」

「首になったら転職か……」

「今は令和10年。転職はうまくいかないわよ」

「((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル」

転職したらどうなるのか。

まず派遣会社の営業に怒られる。
就業先のペンタックに迷惑を掛けたとして、
天井から宙づりにされ、
顔面が変形するまで殴打される。

転職先をあっせんするのは派遣会社の仕事。
紹介される会社はさらなるブラック。

直射日光を浴びながらの建築現場での作業。
作業員の6割は外人です。原発の作業員。
現実世界でも借金の額が多い人が優先的に配置されます。
上にあげた仕事は平均して時給400円です。

時給230円で三交代の医療介護のお仕事。
一日の労働時間は14時間を超えるため、
実質二交代なのに募集要項は三交代です。

外食店では人手不足によりワンオペが横行。
さらに食料品店、ドラッグストア、家電量販店は
お金のないお客によって毎日襲撃されています。

戦車、装甲車、突撃法による攻撃を毎日
かわしながらの接客業です。平均時給210円。
こんな仕事をやりたい人はまずいないでしょう。

賢人の登録してる派遣会社は、製造だけでなく
事務やエンジニアなど幅広い職種を保有しています。
システムエンジニアやプログラマーなら
一日の労働時間が19時間が基本です。

時給は500円とかなりの高収入ですが、
勤務を始めて14日以内に病気になる人が大半。
無理な納期に追われ、発狂してビルの屋上から
飛び降りる人が後を絶ちません。

これらの就業先に共通するのは、会社に許可なく
遅刻早退欠勤を繰り返す人は拷問の末、銃殺刑になること。

「ひとみさん。やっぱり助けて ゚(゚´Д`゚)゚。」

「ええ (´∀`*) 助けてあげるわ。
 ただし、結婚してくれたらね ( ・´ー・`)」 

「分かりました (*・ω・)(*-ω-)」

「あら嬉しい (*^▽^*)
 ようやく素直になってくれたのね」

今の会話をスマホで録音しておいたわ。
あとで会社の本部に送信すれば公式記録として残る。

勝った!!! (*´▽`*)

これで渋谷美雪に勝ったわ!!! (∩´∀`)∩

どんな方法であれ、結婚すればこっちのものヨ!!
私たちの婚姻関係をペンタックの法律化してしまえば、
賢人を私の私物にすることすら……可能 ( ・´ー・`)

もう賢人は私を振ることもできない。
私の夫でいることを拒否する権利もない。
ついに目標の第一段階を達成した!!!!

あとで彼の苗字を坂上に変えておくわ。
坂上賢人。良い響きね。偏差値が3くらい上がりそうよ。

「あ・な・た (⋈◍>◡<◍)。✧♡
 そろそろ職場に戻りましょうか。
 お昼休みが終わってから48分も経過してしまったわ」

「うん (^○^)」

問題は彼と今後も婚姻関係を継続することよ。
私は絶対に他の若者みたいに離婚しないんだから ( ・´ー・`)

美雪「お兄ちゃんの様子がおかしい( ゚Д゚)」

※みゆきちゃん

「おかえりなさい」

私は兄に対してだけ言いました。
なぜか兄と腕組して帰宅した瞳には
最大の警戒を払っています。

「ただいま帰ったわよ美雪さん ( ・´ー・`)」

そのどや顔はなんのつもり… (;・∀・)
奴は昨夜暴れまわったことから、
私の中ではお腹のすいたチンパンジーと同等の
危険生物にランクされています。

チンパンジーを舐めてはいけませんよ。
握力が500ありますから。人間の骨など軽く砕きます。

「ひとみが先にお風呂入っていいよ」
「賢人が先で良いわよ」
「じゃ、じゃあ一緒に?」
「えっ (≧∇≦)」

ちょ(#^ω^) なんなの二人の仲の良さは。
いったい会社で何があったの。

私がおにいにお昼の一言メール
(お弁当のおかずやその日の天気などを報告する)を
送った時は何も返してくれなかったけど。

それと朝イチで送られてきた茶番のメールは削除しておきました。
明らかにフェイクだと分かったけど。あえてスルーです。

「やっぱり先にご飯を食べましょう。
 美雪さん。作ってくれてありがとね (^○^)」

「ふん (^_^メ) 適当に食べてください。
 洗い物はお願いしますね」

私はこんな奴の顔すら見たくないので
自室の布団の上に横になった。
普通に考えて今夜の11時過ぎなんだよね。

こんな時間に帰宅するのがデフォなんて
お兄ちゃんの会社ブラックすぎるよ。
土日休みなのが唯一の救いだね。

『賢人ぉ。からあげ食べさせてあげるわ。
 おくち、あーんして (⋈◍>◡<◍)。✧♡』

『あーん (´ー`)』

『その顔文字だとあーんしてないわ (*^▽^*)』

『( ゚Д゚) こうかな?』

『ちょっとキモイけどいいわ。はい (*^▽^*)』

もぐもぐ…

『おいしい? °˖☆◝(⁰▿⁰)◜』

『うん。おいしいよ (∩´∀`)∩
 ひとみんが食べさせてくれたから (*´▽`*)』

『まあうれしいわ。けんとのことだいちゅきよ』
『僕も大ちゅきー』

(*´ε`*)チュッチュ 
(*´ε`*)チュッチュ
(●´Д`)ε`○)(*´Д`)ハァハァ

団地は狭いので会話が丸聞こえです。
たまに隣の家の夫婦の怒鳴り声も聞こえてきますよ。

私はふすまを全力で明け、瞳のアホに殴りかかろうとしました。

「先に言っておくわね。私と賢人は夫婦です。
 夫婦が家でイチャイチャするのは当然だし、むしろ健全です
 ( ・´ー・`) ( ・´ー・`) ( ・´ー・`)」

私は反論するより前にスマホで前回の内容を読みました。

前作でも説明しましたが、私達は
「小説に出演していることを自覚しているタイプのキャラ」
なので作品に対するつっこみや、
作者への攻撃が可能となります。

お兄ちゃんのバカ……。
会社でこのアホと結婚するって言っちゃってる (´・ω・`)
会社の法律化されちゃったら面倒だ…。

しかも瞳のヤンデレっぷりが精神病のレベル。
喜怒哀楽が激しいってレベルじゃないでしょこれ。

「瞳さんにお願いがあるんです」

「なにかしら」

「今すぐ青酸カリを飲んで自殺してください」

「はいはい。(*^▽^*) 好きなだけ吠えていなさい。
 あなたが何を言おうと何を願おうと事実は変わらないのだから。
 賢人もそう思うわよね? 私とあなたの関係は何だったかな?」

「夫婦だよ (*^▽^*)」

お兄ちゃん……

「ほら見なさい (*^▽^*) 夫婦だから顔文字も同じよ」

私は怒鳴り散らしたかったのですが、困ったことに寝不足です。
昨夜は兄に添い寝をしてもらいましたが、
瞳のヒステリーに脅えて満足に眠れませんでした。

明日は1限の授業があります。
私の英語の必修クラスは毎週水曜なのです。
大学生である以上、必修授業を落とすわけにはいきません。

私はふらふらする頭を押さえ、布団へ転がり込みました

『(。・ω・。)ノ♡ けんとくぅん。今日はいっしょににねましょう?』
『うーん ( ゚Д゚) でも、みゆきがおこるだろうから、きょうはごめんね』
『あらそうなの (⋈◍>◡<◍)。✧残念ね』
『(∩´∀`)∩ またあした、いっしょに、かいしゃにいこうね』
『そうね (^_^) 毎日かいしゃにいくのがたのしみだわ』

全部聞こえてるんだよ (-_-メ)
ひらがなが多いのが気になるけど。
兄は入浴後、ちゃんと私の布団のところへ来てくれました。

私を抱き枕のように抱いてくれて、少し暑苦しくて
目が冷めちゃったけど、そのまま寝ました。
夜はまだ涼しいからエアコンなしで寝れます。
私はエアコンの風が苦手だから、真夏でも寝る時は
エアコンをオフにしますけど。

つーか兄と私が寝たらヤンデレ瞳がぶち切れそうなんですが。
なんで認めてくれたのか理解に苦しみますね。
それとこの話の内容短くないですか。

賢人「今日は会社は休みなのか:;(∩´﹏`∩);:」

※賢人

6月19日。水曜日の早朝。

時刻は6時前。

美雪は先に家を出たようだ。
俺に毎日お弁当を作っていたのに、今日だけは作ってくれなかった。
俺がペンタックに勤めてから美雪のお弁当なしなのは初めてだ。

美雪は朝ご飯を食べた形跡もないが、
出先で何が食べるつもりなんだろうか。

「けんとくぅーん (。・ω・。)ノ♡」
「おはよ。ひとみさん (;・∀・)」
「さん、じゃなくて、ひとみでしょ? (*^▽^*)」
「ひとみ (*´ε`*)チュッチュ」

(●´Д`)ε`○) 俺たちは朝一から自然とキスをした。
喧嘩のアと仲直りしてからは以前よりも仲良しだ。

瞳さんはすっぴんでも20代と変わらぬ肌をしてるから、
朝から余裕で抱くことができるレベルだ。平日だからしないけどな。

これにて俺と瞳が結ばれたようなものだから、
そろそろこの物語を終わらせてもらってもいいかな?

『本日ペンタックはお休みです』

玄関には不審な張り紙がしてあった。
前も似たようなパターンがあったのは気のせいか。

「ペンタックがお休みってあり得るのかしら」

「この張り紙がフェイクだったら困るよね。
 無断欠勤したら拷問されちゃうから慎重に考えないと」

・フェイク

最近の政治を見ると、防衛省が秋田県への
イージス・アショアの導入に際して
山の高さを適当に測量して問題になった。
なんと調査員が現地に調査に行かず、グーグルアースで
傾斜角度を計算してしまい、しかもそれが大幅に間違っていたのだ。

総務省、厚労省を初め、もはや自民党の各省庁は
フェイクデータを作るのが仕事の一部となってしまっている。

麻生大臣は、件の年金について金融庁が独自に出した試算結果を
怪文書として受け取らなかった。2019年夏の参議院選挙が終わるまで
黙ってろとメディアの前で本音を漏らしたそうだ。
自民にとって都合の悪いデータは『フェイク』扱い。
まさに嘘つき内閣ここに極まれり。

国会での質疑は、野党による小学生レベルの揚げ足取りに終始する。
こんな低レベルの政治で国が良くなるわけがない。
この作品を読んで国会中継に興味を持った人は、
画面に投げつける用のポテチなどを用意するのをお勧めする。
絶対にイライラするから。

「現実世界の話はそれくらいにしましょう。
 私達は令和10年を生きているのだから (*^▽^*)」

「そうだね ヽ(^o^)丿」

「今パパにメールしたら本当に今日はお休みみたいよ。
 正確にはペンタック北関東工場(埼玉北部)がね (*^▽^*)」

「まじかΣ(゚Д゚)」

平日に休めるなんてラッキー!!
昨日も16時間勤務で疲れてるから一日寝て過ごすか。

「せっかくだから買い出しに行きましょう(≧∇≦)」
「買い出しって?(゚Д゚)」
「扇風機とか家電よ。あと調理器具。フライパンとか」

調理器具なら炊飯器もまな板も包丁もあるけど、
よく見るとフライパンがないな。俺たちは日曜の夜に
引っ越したばかりで日用品が不足していた。

瞳さんが気を利かせて通販で必要最低限の物を
取り寄せてくれたようだが、まだまだ足りないものがある。

「まだ開店まで時間があるわね(*^▽^*)」

家電量販店やホームセンターは10時開店だ。
俺たちは朝起きたばかりで6時過ぎだ。それまで暇だな。

「ご飯は炊いてあるから、朝ごはんを食べましょうか (*^▽^*)」
「ちょっと待って、今メールが」

美雪『お兄ちゃん。私の見てないところで
   瞳といちゃついてたら殺すから(#^ω^)』

さすが俺の妹だ。文章だけで震えが止まらなくなるぜ。

「私と話してる時にどうして余計なものを読んでいるの」

瞳は俺から携帯を取り上げ、電気ポットの中に入れてしまった。

は……? (;´・ω

ちょっと待ってくれ!!
俺は今さらっと描写したが、俺の携帯が?!!????!?!?!

電気ポットの中に入った……だと!!?!!???!?!?

電気ポットは95度で保温されている。

つまり俺のスマートフォン(アンドロイド)は、
「おしゃか」になっちまったってことなのか!!!

「食材が何もないから、おかずなしの朝ごはんになっちゃうわね (*^▽^*)」

ちょっと待ってくれ。

「退屈だからテレビでも見ながら、ってテレビもまだないのね (⋈◍>◡<◍)
 賢人はさっきから変な顔して立ち尽くしてるけど、どうかしたの?」

むしろ、あなたがどうかしましたか?
どうなってるんですか?
先ほど僕の携帯を釈迦様にしたことは全力スルーですか。
そうですか(# ゚Д゚)

210円の派遣社員にとってスマホがどんだけ貴重だと思ってるんだ。
美雪と同居する時に新しいのに変えたばかりだから、
使い始めて3か月しか経ってねえ。前使ってたのは
イヤホン端子が壊れて音が出なくなっちまったんで買い換えたんだ。

美雪は「お兄ちゃんのためだから (⋈◍>◡<◍)。✧♡」と言って
なんと一括で買ってくれたのだ。スマホって定額だと8万以上するんだぞ……

これこそ弁当を捨てられたこと以上に美雪に言い訳できねえ蛮行じゃねえか。
マジで朝からストレスやばいよ。どこの世界の女に
人様のスマホを『電気ポットへ投下』する奴がいるのよ。ギネス記録だよ。

「ご飯盛ったわよ。早く食べましょ? (*^▽^*)」
「うん」

俺は瞳と何を話したのか覚えてない。
こんなに味気のない食事は何年ぶりだろう。

歯磨きした後、トイレにこもって音もなく泣いた。
美雪との思い出を一瞬でぶち壊されてしまったことが
何より悲しかった。

ただ妹のメールを読んだだけなのに。
それだけで瞳さんにとってそこまで許せないことなのか?
俺が逆の立場だったら絶対にやらないぞ。
これから結婚する人に嫌われるようなことしてメリットあるのかよ。

「賢人のスマホ、壊れちゃったわよ (^^♪」

ほどよく熱せられ、水浸しになった俺のスマホを
瞳がお箸でつかんでいた。

「(*^▽^*) 私ったら最近ボケてるのか、不注意であなたの
 スマホを電気ポットの中に落としちゃったのよ。
 ちょうどいいから新しいのを買いに行きましょうか」

「えっと。俺はお金が」

「お金のことなら心配しないでって第三話で説明したはずよ。
 あなたの欲しい物は、今後全部私が買ってあげるわ。
 私とお揃いの携帯、スマホケースにしましょう
 (∩´∀`)∩」

瞳さんのケースってキラキラした乙女チックなのだ。
俺が持つには激しく抵抗がある……(;´・ω・)

「ごめんなさい。やっぱり正直に話すわ。
 私は賢人が妹さんとメールしてるだけでイラつくのよ。
 女のジェラシーね。ジェラシー。ジェラる。ジェラったのよ」

ジェラるってどんな日本語だよ。
最近の若者の間で流行ってるのか?
俺はテレビ見ない派だから知らんが。

「私みたいな女は、やっぱり嫌?」
「(´・ω`・)エッ?」

「(*^▽^*) 賢人って考えてることが全部顔に出てるもの。
 本当は今すぐここから逃げ出したいんでしょ?」

「そ、そんなことないよ。俺は君と結婚するって誓ったんだ。
 俺のことを一生金銭面で助けてくれるんだろ?」

「(*^▽^*) もちろんやくそくするわ。ねえ。だからね。
 仲直りしましょうよ」

「仲直りって…」

(^ε^)-☆Chu!! (●´Д`)ε`○)

歯を磨いておいてよかった。
俺は不意打ちのキスを食らった。

キスしたまではまだよかった。
瞳は悔しそうに歯を食いしばった後、
涙をぽろぽろとこぼすのだった。

「ごめんねぇ (ノД`)・゜・。 本当はあなたの携帯を
 お湯につからせるつもりなんてなかったの!! 
 でもムカついて自分で自分を抑えきれなくなっちゃうの。
 お願いだから嫌いにならないでぇ!!
 賢人のこと大好きなの、大好きだから美雪に嫉妬しちゃうのよぉ!!」

「俺の方こそごめんね。瞳を不安にばっかりさせてる俺が悪いんだ」

「賢人お願い。めんどくさい女だって思われてるのは知ってる。
 それでも嫌いにならないでええええ!!
 お願いよぉお賢人ぉおおお!! 賢人ぉおおお!!」

「ダイジョブ。嫌いにならないよ。
 瞳の俺に対する愛は十分に伝わっているから。ね?」

ムカつくけど、女としては極上の美人なんだよなぁ。
髪からいい香りがする…。
この甘ったるくて男を安心させる匂いはフェロモンなのかな。

「うわあああああああああああああああ!!
 賢人に嫌われたくないよぉおお!!」

「大丈夫。大丈夫だから」

瞳を抱きしめ、泣き止むのを待つのみだ。
言っちゃ悪いが、鼻水がすごいぞ……
30過ぎの女のマジ泣きってのも珍しい光景だ。
妹の美雪とは病み方の質が違うんだな……

「賢人。好きよ」
「俺もだよ。ヒトミ」

ようやく落ち着いたようだ。

不思議とキス以上のことをこの人は求めてこなかった。
今なら美雪がいないから、まさかと思って身構えたが、
節度はわきまえてるのだろうか。女ならさすがに
朝からそういう気持ちにはならないか。

俺たちはスマホで今日買うべき家具や家電などを
調べながら、世間話をして時間をつぶした。

9時過ぎになり、近所の森林公園を散歩してから
家電量販店へ行く流れになった。

瞳「 (*´ω`) 賢人とデートするのは初めてね」

※ひとみん

今日はペンタックがお休みで本当に感謝しているわ。
きっと普段から主へお祈りをささげてるおかげね。

団地から歩いて7分の所に大きな公園がある。
沼の周りを全集5.7キロの遊歩道が囲む。

田舎だけにそれなりに大きな公園なのだ。
埼玉県の北部は関東平野の一角で、広大な湿原がある。
今でこそ開拓が進んだけど、大昔は広大な田園と葦(あし)に
覆われていたそうよ。そのため沼がそこら中にある。

湿原と言えば、かつてソ連の中核をなしていた国に
ベラルーシがある。ベラ(白い)ルーシ(ロシア)。
別名湿原の民。ちなみにポーランドは平地の国という意。

「 (^○^) 本当に埼玉県は山がないよね。父部以外は」
「賢人君は山とか興味ある?」
「あるある。どっちかというと海に憧れる。海が見たい」
「私も海行きたい。潮風を浴びてみたいわ (*^▽^*)」

県外の読者さんには意外に思われるかもしれません。
日本にある内陸県はたったの8県。その中に埼玉も含まれています。
私達の周囲には山がないどころか、海もないのです。
したがって私たちにとって海は貴重です。
観光した時以外は見ることができませんからね。

その分、津波や土砂災害がありませんから、
日本で一番安全な場所に住んでいるとも言えますけどね。

「ひとみんとお散歩楽しいな(^○^)
 今日は曇りだから熱くないし、お散歩日和だ」

賢人君はうきうきして私と手を繋いで歩いています。
私たちって仲良し!!! ( ・´ー・`)

美雪が見たらきっと嫉妬するだろうな。ざまーみろ。
今ごろ大学で堅苦しい経営学でも学んでるんでしょうね。
何が株式投資よ。利口ぶって馬鹿みたい。
あんなのいつか大損して後悔するんでしょ。

「ひとみん。のどかわいた (^○^)」

「(*^▽^*) あらそうなの。
 あそこの自販機でジュースを買いましょうね」

賢人君は普段から歩き慣れてるのか、3キロ歩き続けても
疲れた様子がないのが意外だった。普段からジョギングと
各種筋トレをしてる私なら連続で7キロくらい歩いた頃に
少し疲れた感じるレベルだけどね。

「コカコーラでいいかしら?」
「うん (^○^)」

少し違和感が( ゚Д゚)

「賢人って炭酸水は苦手じゃなかった?
 会社では毎日水筒の水を飲んでいるようだけど」

「だってコカコーラ(米国)は、美雪の保有している銘柄だからさ (^○^)」

「ふーん (* ̄- ̄)」

はい、でましたぁ。これで何度目でしょうか。
私をイラつかせるワード『美雪』『いもうと』『株式』

なんで!? ねえ、なんで!?
私と2人っきりでデートしてる時に妹のことを口にするの!?
そのワードは禁句!! 押してはいけない核ミサイルのスイッチ!!
私の怒りは絶校長…じゃなくて最高潮に達する!!

「ち、ちがうんだよヒトミさん!!Σ(゚Д゚)」

私はまだ何も言ってません。
ただうつむいて震えてるだけです。
私の顔から全てを察してくれたのかな?

「俺は瞳のことが大好きだ!! 嘘じゃない!!
 ほら。これでも信じてくれないのかい?」

彼は私のおててをぎゅっと握り、きすしました 

そんなんで騙され…

「俺は誓うよ。二度と君と二人でいる時に美雪の名前を出さないって。
 俺には瞳さんだけいれば、他の女なんていらない。
 瞳だけいてくれればそれでいい。だって君は俺の妻になるんだから」

「(´∀`*)ポッ」

どうせ口から出まかせだと分かっていても、
胸が熱くなるセリフね。そこらの独身の女が、
彼の顔と声で口説かれたらイチコロでしょうね。
彼の声って楽器みたいに素敵なのよ。

彼の顔も好きだけど、声はもっと好き。

「ひとみ。好きだぁ!!( ゚Д゚)」

今度は私をぎゅっと抱きしめてくれました。

もう (´ー`)
セリフだけは男っぽいんだから。

しょうがいない。今回だけは許してあげようかな。

「おや (;・∀・)」

賢人がコカコーラを飲みながら唖然としています。

それもそのはず。この公園は芝の面積が大ききので
多目的運動場としても利用されます。
そして釣り人やバードウォッチングをしてる人など、
老人が多いのですが、様々な人がいます。

沼の中心部には、浮島弁天という名の、小さな神社みたい
のがあるんですが、そこで不審な人物たちが集会を開いていました。

『各員整列せよ。今次作戦の襲撃予定時刻は、開店と同時の
 10:00とする。作戦決行までの間に、各種装備の最終点検をせよ』

隊長の命令に部下たちが敬礼をします。

どうやら近くのお店を襲撃するために集まった、
武装戦闘集団のようです。
平日の朝から暇人ですよね。

「ひとみん(;゚Д゚)  あいつらの話を聞いたかい?
 最寄りのヤマダ電機を襲撃するつもりだ」

「山田がダメなら、ケーズ(電気)で買えばいいじゃない」

「だ、ダメだ、山田じゃないとダメなんだ。
 株主優待券があるんだ」

※ヤマダ電機の株主優待券
100株持ってるだけで年間で3000円の割引券。
2年以上保有していると5000円くらいに増える(たぶん)
燃えないゴミが多い日本株の中では、配当・優待利回りの高い優良株。
実は筆者も保有している。

「(*^▽^*)あらそうなの。賢人ったらお母さまから
 優待券をもらっていたのね。以前お母さまに
 ポートフォリオを見せていただいた時には
 ヤマダの株なんてなかったけど」

「母さんは、実はあれとは別に500万円分くらい
 優待銘柄をたくさん持っていたんだ。
 すかいらーくHDとか吉野谷とか外食ばっかりだったよ」

「(* ̄- ̄)ふ~ん。日本株が生ごみの集まりって
 言ってた割には持っているのね」

「優待銘柄を保有してるって子供たちに話すのが
 恥ずかしかったみたいだ。桐谷さん(著名な投資家)だって
 たくさん持ってるんだから、恥ずかしがらなくていいのにね」


ギリギリリr キャリキャリ、ガタタガタガタガタ どどどどど

公園の広場には、戦車と装甲車と突撃砲が集結しています。
いつもの光景だから何とも思いません。武装した市民が
戦車に給湯をしたり、内部の清掃から点検をしています。

それにしても今日は数が多いですね。
軍用車だけでざっと20を超えます。
武装集団も上が70代から、下が小学生までいます。
混成舞台ですか。

短機関銃、軽機関銃、手りゅう弾、物騒な物ばかりが
芝の上に並んでいます。

「金融庁の発表した老後の資金問題のせいだよ(;´・ω・)
 見てくれ。あんな小さな子供まで電気屋さんを
 襲撃するために武装している」

小学生低学年の女の子が、相手の戦車を一撃で
再起不能にできるパンツァー・ファウストを手にしています。
かつてナチスが使った簡易ロケットランチャーなのです。

「これから夏場で暑くなる。各家庭に設置するエアコン、
 扇風機、サーキュレーターなどの買うにしても、
 お金がないから奪うしかない。お店の方も
 それが分かっているから、お店を要塞化する」

ヤマダ電機は各店舗がお客の襲撃に備えて防備を固めています。

私達が行こうとしている、
テックランド久喜店の武装は下記のとおりです。

コンクリの塹壕陣地 ×7  重機関銃多数(弾薬1億発)
お店入り口前の地雷原 ×13  内蔵された地雷 4百超 
20から30口径の野砲 ×21   弾薬 2万発
迫撃砲  ×11   弾薬 5千発

スーパー・カスミと同じく店回りは5メートルの厚さの
コンクリで補強されており、正面以外の侵入は不可能。
お客を迎え撃つこの正面陣地は、高度に軍事化されている。

射撃訓練を受けた店員は、男女合わせて54名。
店長と副店長が中心となって客を迎え撃つ。
久喜店では、家電の他にも日用雑貨売り場も入っていますので
店員の数は多いのです。

店員の犠牲がでた時に備えて、お店の倉庫の一部は
医療施設となっています。持久戦に備えて
地下通路を利用して弾薬の補給が可能。

「(;´・ω・)令和10年の電気屋さんは地獄だね。
 子供の教育費や税金を覗いた家計の消費支出で、
 一番大きいのが家。次に車。その次が家電製品だ」

消費税率34%。物価の変動なし。
月あたりの年金支給額は、手取り660円。

これで襲撃するなというほうが無理な話ね。
お金のないはずの市民がどうやって戦車を手に入れたのかしら。

お店側も経営が大変だと思うんだけど、
迫撃砲とかどうやって買ってるのよ。
あと弾薬多すぎない?

「ひとみさん。俺はヤマダの株主優待券500円×5枚を、
 なんとかして使ってみたいんだ」

「お店で買い物するのは不可能よ。
 あそこはまもなく戦場と化すわ」

「店員の若林さんが死んじゃう(>_<)」

「若林さん?」

誰ヨ。わかばやしさんって。まさか女の名前なんじゃ…。

「男の店員さんだよ。
 俺が大学時代にお世話になった人なんだ゚(゚´Д`゚)゚」

彼はヘッドホンやウォークマンに凝っていた時に、
色々相談に乗ってもらっていたそうね。
茶髪ですごくチャラい感じの人だから、
店内のあだ名がチャラ林さん。

明るくて販売成績を上げるために嘘をつかない人だから、
安心して買い物ができたそうよ。

「別に買い物ができなくてもいいから、
 お店の様子だけを遠くから見に行こうよぉ (>_<)」

「(* ̄- ̄)何言ってるのよ。
 戦車の主砲とか飛んでくるから危ないでしょ」

「それでも気になるんだぁ (>_<)
 遠くから見てるだけでもいいからさぁ」

「しょうがないわねぇ。遠くから見るだけよ (^_^)」

「うん (^○^)」

私達は最寄りのファッションセンター・しまむらに行きました。
なぜしまむらなのか? しまむらの二階の駐車場からなら
ヤマダ電機の駐車場が一望できるからなのです。
少し長くなったので次の話に行きます。

瞳「( ゚Д゚)家電量販店って平日の朝から戦場なのね」

※ひとみん

埼玉を代表する会社といえば。

やまだうどん
しまむら

この二社くらいしか思いつきません。

「これもあるよ!!(`・ω・´)」

賢人君は、私に小さな双眼鏡を渡してくれました。

Vixen? ビクセンって読むのかしら。

「埼玉県の所沢に本社を置く天体メーカーだよ。
 天体望遠鏡のシェアが世界の23パーセントを占める。
 趣味の双眼鏡や、業務用の顕微鏡にも強いよ( ̄▽ ̄)」

「へえ。手のひらサイズなのによく見えるわね。
 戦車長の禿げた頭まではっきり見えるわ。
 あの人たちヘルメットもせずに進撃しているわ」

※実際に双眼鏡は低コスト化が極限化し、コスパは抜群。
最近の市場ではジャニオタを中心にコンサート向けの
小型双眼鏡のシェア拡大。アウトドア、旅行向けにもおすすめ。
一部の家電屋さんでも扱っています。


自動車彼歩兵部隊と化した市民は、普通に道路を横断して
お店の正面入り口に迫っていた。戦闘に関係ない
自動車たちはパニックを起こして逃げまどっている。

令和10年ではいつもの光景です。

戦車は、縦一直線に並んで、お店の正面陣地へ差し掛かりました。
そこは地雷原となっているので、
戦車のキャタピラーが吹き飛ぶことでしょう。

装甲の厚い戦車の後ろには、装甲車と突撃法が並んでいます。
まだ発砲しないので、そのまま直進するつもりなのでしょうか。

「あっ(;´∀`)」

戦車の一台が火を噴きました。
がくん、と音がして、片側のキャタピラーが外れてしまいました。
地雷を踏んだのでしょう。
むき出しになった車輪から白い煙が上がっています。

これはまずいと、戦車の上部ハッチが開いて、
中から戦車長たちがよじ登ってきます。
白髪の老人ばかりです。

「う…」 「がは……」 

彼らは頭を戦車から出した瞬間に撃ち殺されました。
まさに一瞬の出来事です。

ヤマダ側には熟練のスナイパーがいたようです。
余計な弾薬は使わずに、相手の頭だけを狙って殺す。
まさに合理的です。

ブオオオオン

ギエリギrビリぎギギギギギギgりぎいりぎちっギリギリg

動けなくなった戦車をどかすように、後続の戦車が
そのまま塹壕陣地へ突っ込んできます。
戦車を縦一直線に並べた理由は、地雷原の
一点だけ集中して突破するためのようですね。

ずどおおん 

お店側の大砲が、水平方向に発射されました。
戦車の胴体に当たって、明後日の方向へ跳ね返されました。
その弾が近くに有るビルに直撃し、大火災を起こしています。

どうやら戦車の装甲は硬く、お店の大砲では倒せないようです。

各塹壕の機関銃が一斉に火を噴きますが、戦車相手に
機関銃の球を打っても威嚇にしかなりません。
弾は全て装甲が跳ね返してしまうのです。

「あのままではお店に入られてしまうわ(=゚ω゚)」
「まだ希望はあるよ(;゚Д゚)」

勇気ある店員の一人が、火炎放射器を持って塹壕から出て来た。
そして戦車の横へ回り込み、一気に火を噴いた。

「だだぁあぁぁっぁあぁぁぁぁぁぁぁ」
「パマギーチェ!! パマギーーィ!!」

これにはたまらず、戦車の乗員が火だるまとなって戦車から出て来た。
そこへ機関銃の猛射。とどめを刺した。

一方、火炎放射器を持った店員も「う……」
後続の戦車の機銃にお腹を打たれて絶命した。

「こんなの見て何になるの。
 令和10年が地獄なのはよく伝わったわ」

「ひとみさん。俺たちは令和十年を生きている。
 この現実から目を背けてはいけないんだ」

私の未来の夫は、双眼鏡を固く握りしめている。
彼の頬を涙が伝う。双眼鏡越しでは見えないけど、
泣いているの……?

先ほどから進撃を続けている、2両目の戦車の装甲は硬い。
10は通常の大砲を食らっても装甲が跳ね返し、
迫撃砲と重機関銃も効かない。

戦車はついにお店の自動ドアの目前まで迫る。
そこには7つの塹壕陣地があるが、そのうちの一つに
戦車と後続の突撃法が狙いをつけ、一斉に大砲を発射した。

ずどおおん

粉砕されたコンクリが、宙へ跳ねた。
土嚢の土、人の右腕らしきものも、散らばった。

塹壕の弾薬庫に直撃したのか、火災が発生し黒煙が宙を覆う。

戦車は、同じように別の塹壕へも狙いをつけ、大砲を発射する。
また、粉々になった塹壕が宙へ高く飛んだ。
弾薬の煙を巻き上げ、重傷を負った店員の悲鳴があがる。
すでに息絶えた者の死体がそこへ残される。血だまりだ。

戦車に寄る突撃は、他の塹壕陣地に衝撃を与えた。
たまらず発狂した店員が、自ら外へ飛び出て、戦車のハッチを空けようと
よじ登ろうとする。手にした手りゅう弾を戦車の内部へ放り込むのだ。

そうすると、後ろにいる装甲車からはイイ的だ。
装甲車の機銃でハチの巣にされて息絶えてしまう。
その人は副店長のバッチを付けていた。
52歳で高校3年生と1年生の娘がいる、ごく普通の父親だった。

(この音を聞いてると頭がおかしくなりそう……
 小売店に比べたらペンタックはどれだけ天国だったことか。
 私達はまだまだ世間知らずだったってことなのね)

(副店長さんがついに戦死したか。
 若林さんは無事なんだろうか。
 死体には茶髪の男性の死体も含まれているようだ)

Auf die Plätze, Fertig, Los…
アフトゥング!! ロース!! ロス ロース!!!!

装甲車の後ろに隠れていた武装市民が一斉に展開した。

70過ぎの男性老人。
50代の茶髪の主婦。
小学生の女の子二人。姉妹?
スーツを着た20代の男性リーマン。
ヤマト運輸の制服を着た、あんちゃん。
この作品の作者(30代の男性)
20代のスタイル抜群の女性看護師。
アニオタの男性(萌え)
ジャニオタの中年女性(平成ジャンプ)
農家のご老人の皆さん。

今回の決起に参加した歩兵はこんなにいたのね……。
なんか福岡で見たことのある男性もいるけど気のせいかしら。

恐るべきことに、彼ら歩兵は
それぞれがパンツァー・ファウストを装備している。
片膝をつき、肩に背負ったそれを一斉に残りの塹壕陣地へ放った。

火力の一点集中。残りの塹壕は全て破壊され、
内部構造物と人体が空高く舞った。

正面陣地ががら空きになった。
そのすきに、一台の戦車が店内への侵入に成功。
ついにヤマダ電機の防衛ラインが破られたのだ。

といっても、迫撃砲と野砲舞台はいまだに健在。
そこへ歩兵部隊が、勇敢にもピストルや
包丁やスコップを片手に肉薄攻撃を仕掛ける。

超近接戦闘では迫撃砲弾や野砲は役に立ちません。
野砲部隊らは、陣地を放棄せずそのまま迎え撃った。
素手での殺し合いである。

小学生の女の子が包丁で大人の背中を刺してる。
ゲームでも見れなそうなおぞましい光景である。
70代の老人は、衰えて震える手でピストルの週準を付けている。
50代の主婦、は突撃をした瞬間に撃ちたれて床にふせている。
出血がひどいが、まだ息がある。

そのすきに戦車、装甲車、突撃砲は店内へ侵入を果たした。
店長以下、中にとどまっていた店員は形勢不利として
地下の脱出路から逃げてしまった。

これでお店を守るものは何もないのだ。
武装集団はお店の中で略奪の限りを尽くした。
戦車の中に詰めるだけの家電を詰め込み、普通に帰って行く。
駐車場からお店の正面までの陣地はまさしく戦場跡なのだ。
無数の遺棄された死体、武器や銃弾、塹壕の残骸が残されている。

店内では状況を絶望視し、拳銃で頭を撃って自殺した人もいます。
あれもいつか誰かがきれいに掃除をするのだろうか。
この無意味な戦いで散った命を誰がどうやって救ってあげられるのか。

これが令和10年。消費税率34%で物価の変動なく、賃金水準は
埼玉県の平均が250円。公的年金支給額は、第二号被保険者で月660円。

私、坂上瞳のように生まれながらにしてお金に困らない人で
なければ、お店に対し略奪をしなければ生活の糧が得られないのだ。

「娘のプレステ4をゲットしたどおお!!(´Д`)」

若いリーマン男性は、なんと幼稚園児の娘さんのために
ゲーム機を手に入れるため、この決死行に参加したとのこと。

「お義母さんのために新しいエアコンをゲットしたわ!!゚(゚´Д`゚)゚」

同居してる旦那の母の介護のため、長年勤めたパートを辞めた主婦の人だ。
壊れたエアコンを買い替えるお金の余裕がなかったそうだ。
でも設置はどうするのか

「タブレットとソニーのイヤホンをゲット(∩´∀`)∩」
「あたしは弟と一緒に遊ぶためのゲームソフト(∩´∀`)∩」

小学生の女の子二人は、奇跡的にも生き残っていました。
遊ぶためのおもちゃをママにねだったが、
「うちにはそんな余裕ないからヤマダ電機でも襲撃してきなさい」
と言われ、今回の決死行に参加したとのこと。

この二人は「まりちゃん」「いずみちゃん」と言って、このあと
この小説にわき役として登場するそうです。なんと双子だとか。

賢人「美雪が刺された? (;・∀・)」

※ けんとちゃん

俺と瞳は家電量販店での買い物を断念せざるを得なかった。
戦場跡と化した山田の他には、コジマ電気とケーズデンキもあるのだが、
どこへ行っても同じことだろう。

「家電がダメでも、日用品を買うのにホームセンターに行かないと」

瞳に言われるままにニトリへ向かう。
ニトリは業績不振が続く大塚家具と違い、
色々な意味で絶好調である。

「ずいぶんと消防車が集まっているようだけど…」

ニトリは、よく燃えていた。
俺はあの店が大好きだった。低価格帯の製品を中心に
ラインナップも豊富で店内も広さも程よく、快適に買い物ができる。

あの二階建て建物は、周囲の住宅まで巻き込んで燃えていた。
もはや一建物の火災の規模ではない。
久喜市中央部の住宅街を巻き込んだ大火災である。

店の駐車場には遺棄された武器弾薬、戦車と装甲車がある。
戦車が黒煙を上げているのが生々しい。

軍服を着た市民が大量の血を流して倒れている。
警察隊に鎮圧でもされたのだろうか。すごい数の死体である。
ガソリンと鉄の焼ける匂いと、焦げた死体の
生臭い匂いがこっちにまできて吐きそうになる。
死体の匂いって内臓が腐ってるのか知らんが、形容しがたいほどの匂いだ。

⊂⌒~⊃。Д。)⊃⊂⌒~⊃。Д。)⊃⊂⌒~⊃。Д。)⊃ プーン

しかも天気がやばい。空を見ると雲が流れてやがる。
空気も湿ってきて重く感じるし、まもなく雨が降りそうだぞ。
あの死体の山が雨で濡れるなんて想像もしたくねえ。

「なんてこと……私たちは日用品すら買えないのかしら(;゚Д゚)」

「家具が欲しいよぉ(;´・ω・) 俺達ってイスとテーブルすら
 買ってない設定だから床で食べてたんだ。ソファも欲しいよ」

「本棚も欲しいわ(;´∀`)あとクローゼットとハンガー。
 化粧台。日焼け止めクリーム」

「レースカーテンも買わないと:;(∩´﹏`∩);:
 あと夏物のシーツ。タオルケット」

冷静に考えると俺たちが欲しい物って生活必需品のほぼ全てじゃねえか。
物が不足してるってレベルじゃねえぞ!!(;´Д`)
日本はGDPの規模で世界三位のはずなのに、
日用品すら満足に買えないっておかしいだろ!!

確かに俺たちの住んでるところは埼玉の地方都市だが、
買うものに不足するほど貧しい地域じゃなかったはずだぞ!!

「ひとみん。もうすぐお昼になるよ(;´・ω・)」

「そうね。実は私お腹ペコペコなのよ(´Д`)
 普段から運動してるから代謝が良すぎて11時前からお腹がすくの」

信じられないことに、瞳さんは会社でも間食を頻繁にしているらしい。
カバンの中には常にクッキー類やチョコレート菓子が入っていて、
休み時間の度に食べているとのこと。

お昼休みも昼食後にはグミを食べているそうだ。
そもそもお昼ご飯のお弁当も30代の大人女子にしては多めだ。
(大人女子ってなんだ? でもこう呼ばないと瞳に怒られる)

ふつうこれだけ食べれば、顔にニキビができたり肥満、
高血圧などになりそうだが、前作で描いた通り、
瞳の美しさはおそらく埼玉県でもトップレベルだ。

身長は162センチらしいが、体重は40キロくらいしかないんじゃないか。

これで俺の妹に対して異常な敵意を
向けてこなければ最高だったんだが(;・∀・)

「(*´ω`)スーパーも危なそうだから、コンビニでお昼を買う?」
「(^○^)ちょうど母から渡されたクオカードもあるから、そうしようか」

実は美雪から渡されたんだが、間違っても美雪の名前は口にできん。

そして近くのコンビニ♪ファミリーマート♪へ向かうと、

「ちょ…\(^o^)/オワタ」 「おい……\(^o^)/オワタ」

コンビニのガラス越し(書籍類があるとこ)に、2台の乗用車が突っ込んでいた。
ただそれだけだ。散乱したガラスの破片が店内と駐車場に広がっている。
車の乗員はどこにもいない。そして店内に客もいない。店員も店長もいない。

コンビニに車がつっこんだ状態で放置されているカオスだった。
意味が分からん。どういう経緯でこうなった?
なぜ騒ぎになっていないんだ。警察は?

まだ炎上してないだけましだが、不気味すぎて近づけねえ。

「絶対にお店に近寄っちゃだめよ(; ・`д・´)」

「どうしてだい(;゚Д゚)」

「よくレジの裏を見てみなさい。
 何人かの男が潜んでいるわ」

「……あっ、確かに黒髪が見ええる」

「不用意に近づいてきたお客を暴行して金目の物を奪うのが目的ね。
 文字通り身ぐるみをはがされるわよ」

「ひぃ;つД`)」

「コンビニはあきらめましょう。
 今日はどこへ行っても危険よ。
 あの首相の演説の影響で市民がおかしくなっているのよ」

老後資金2000万円問題に加えて年金支給額が660円。
市民感情を逆なでし、暴徒とさせてしまったのだ。
本音でしゃべる自由民主党は恐ろしい(゚∀゚)

「俺達はこんな危険な国で生きていけるのかな(>_<)」

「ヨシヨシヾ(・ω・`)私は賢人を守ると決めたわ。
 だから安心して。今日はいったん家に帰りましょう?
 朝炊いたお米が炊飯器に残っているから、
 食べる物がないわけじゃないわ」

その時だった。

瞳が持っていたハンドバッグを、若い女が奪って逃走した。
典型的なひったくりだ。

俺と瞳はイチャイチャしていたこともあり、完全に油断していた。
都合の悪いことに女は自転車を全力で漕いでいる。

「待てえ泥棒\(゜ロ\)(/ロ゜)/」
「この野郎おおおおおおおお!!(;゚Д゚)」

瞳と俺は全力で追いかけるが、距離は広がるばかり。
追いかけても無駄だよ。そう言いたかったが、

「あのバッグにはお父さんのデビットカード(500万)が入っているの!!」

俺はさらに全力で走ったが、やはり女の背中は遠ざかるばかりだ。
だが奴の姿形は覚えたぞ。身長159センチでストレートの黒髪を
後ろでまとめて垂らしている。ずいぶんと髪の量が多いな。

アイドルマスターの我那覇響にそっくりじゃねえか。
ちなみに俺は一瞬で相手の女の身長を当ててしまう特技があるのだ。
何の役にも立ったことがないがね。

悔しくて仕方ないが、俺たちはあきらめざるを得なかった。

「ああ、私の500万が……:;(∩´﹏`∩);:
 ちくしょう。あの女。殺してやりたい」

瞳さんが泣き崩れるのを始めて見た。
父から預かったお金だけに複雑な思いなのだろう。
瞳はその場にしゃがみ込み、顔を両手で覆って子供のように大泣きをした。

「(ノД`)・゜・。うわああああああああああああああん。
 お父さん。ごめんなさーい」

「(;´・ω・)カード会社に電話して利用停止にすれば大丈夫だよ。
 落ち着いて。瞳」

「゚(゚´Д`゚)゚ でも私、盗まれちゃったのよ。
 お父さんから渡された大切なカードを!!
 私は最低の親不孝者だわ!! うわああああああああああ!!」

涙と鼻水でぐしゃぐしゃになってしまった俺の瞳。
彼女風の表現をすれば神から与えられたのであろう、
恵まれた容姿が台無しだぜ。

「:;(∩´﹏`∩);:ご、ごめんねぇ。賢人君。
 こんな私じゃ、あなたを
 守ってあげる資格なんてないわ」

「(´っ・ω・)っ 君に怪我がなかった。
 俺にはそれだけで十分だよヒトミ。
 俺達のお金が全部盗まれたわけじゃないんだから大丈夫さ」

「私のお財布に入っていた現金2万円も盗まれてしまったの!!」
 私は今日だけでどれだけ多くのお金を盗まれてしまったの!!」
 商品券も入っていたはずよ!!」

「いいじゃないか2万円くらい。ヒトミ、そろそろ落ち着こうよ。
 いったん家に帰って寝よう。寝れば気分も良くなるさ」

泣きわめく瞳を何とかなだめ、俺たちは帰路に着いた。
カード会社に連絡をしたが全く繋がらない。
おそらくだが、カード会社も
テロ集団に襲撃されている恐れがある(´・_・`)

これは瞳の精神に致命的なダメージを与えた。
相手が暗証番号を知らない限りはお金を使えないはずだが、
カードの利用停止ができないのは不安だ。

それに令和10年では国内でサイバーテロが頻発し、
個人情報の漏洩が半端ではない。

普段のラインでのやり取りですら赤の他人に筒抜け。
何も知らずにペイペイやラインペイを利用すれば、
一週間以内に詐欺集団に口座残高を全額盗まれるそうだ。

(↑2019/7月 セブンペイ利用者の口座残高が
 全額盗まれる事件が発生。しかも利用開始から
 たったの4日で。小説じゃねーのかよ)

俺と瞳が現金支払いに凝るのはそのためだ。

「おかえりー。おにい達、今日は会社休みなんだね(^_^)」

平日の13時過ぎだというのに美雪がいた。
ああ、大学三年だと授業数が少ないのか。
今日は一限から三限の授業まで受けて早めに帰って来たらしい。

「み、みゆき。実はな(;゚Д゚)」
「なに? (^_^)」
「いや……やっぱりいい;つД`)」

言えねえ。険悪状態の美雪に対して瞳の落ち度を説明するなんて。
500万の入ったカードを盗まれたなんて言ったら絶対にこいつ
調子に乗って瞳を説教する気だろ。

だが早めに言わないと。遅かれ早かれバレることだ。
家族は共同体。各人が現在までに保有しているお金も共有財産とし、
協力し合って生きていくこと。全部ヒトミお姉さんが決めたことだ。

「なによ。お兄ちゃん。気になるじゃない、早く言って(; ・`д・´)」
「まあ、その、なんだ……? ちょっとスリにあってな(;゚Д゚)」

「スリ……? お財布でも盗まれたってこと?
 普段からおにいのお財布には700円くらいしか入ってないでしょ。
 多くの現金は持ち歩かないようにしてるんだから」

「いや、俺じゃなくてね。その……ひとみが……」

瞳の泣きはらした顔を見れば一目瞭然だろう。
美女の目元が真っ赤になっている。
化粧が中途半端に落ちてしまっているが、
これでも十分に美しいんだからこの人は化物だよ。

どうして芸能界に入らなかったんだ。

「美雪さん。はっきり言うわ」
「はい」
「私は500万の入ったカードを盗まれてしまったの」
「え……」

詳しいいきさつを説明したのだが、美雪の反応は意外なものだった。

「( ´_ゝ`)フーン」

と言ったきり、興味を失ってしまった。
絶対に怒鳴り散らすと思っていたのに。

「お兄。こっちに来て一緒に通販カタログ読もうよ。
 ベルーナの通販でお惣菜がたくさん載っているのよ」

「お、おう(`・ω・´)」

本当に怒ってないのか……?
瞳は罰が悪そうに玄関に立ち尽くしてるんだが。

※ベルーナ
国内の優良株。優待銘柄。
業績、株価共に超安定。財務健全。米中摩擦等の影響も受けず、
堅実に国内の通販事業を中心に実売店舗、ホテル業、金融まで輪を広げる。

2019年度3月決算までのセグメント別売上ではEC部門、
化粧品が特に好調。化粧品はまさに生活必需品である。
世界的な景気減速を受け、東証に上場する企業のほとんどが
打撃を受ける中、安定した売り上げを誇る堅実な企業の代表例と言える。

中間、期末配当でワイン他、ホテルの割引券など選べる。
もちろん配当金(増配した)もくれる。
ヤマダと比べると配当・優待利回りは低いが、
財務安定で株価の下落がないことは最も評価できる。
なぜなら、いざ売却したい時に損益が出ないからだ。

会社の決算内容はよく分からないけど、
まず優待銘柄を持ってみたい、という人には
筆者が自信をもっておすすめする企業。
ちなみにこの会社の株主総会は、他社では例を
見ないほど穏やかであり、株主から良く愛されているが伝わる。


「ベルーナの通販カタログすげえ(゚Д゚;)!!!
 魚介類、肉類、お酒からつまみ、和菓子などの菓子類から
 カレーのレトルト食品まであらゆる食材が揃ってやがる!! 
 しかもワインの豊富さと言ったら!!」

「この会社さんってご婦人向けの洋服ってイメージだけど
 食材もすごいんだよね(∩´∀`)∩」

「しかも写真の掲載もでかい!! 印刷状態も良好!!
 文字もでかくて老人でも電話注文が簡単!!
 中高年を中心に需要が安定するも納得の理由!!」

「しかも株価が割安で10万もあれば買えるよ」

(;一_一)今気づいたが、俺たちはなんで
ベルーナの宣伝みたいなセリフをしゃべってるんだ? 
まあどうでもいいが。

「(^_^)お店が戦争している時は通販は便利だよね」

「冷凍肉やシャケの詰め合わせとかすげえ割安だぞ。
 冷蔵庫は買ってある設定だから、
 今すぐスマホでネット注文しておくか」

「私たちが買うのは豚の角煮(1キロ)と、シャケの詰め合わせと、
 タラコ明太子と、長崎ちゃんぽんと……レトルトカレー10袋と、
 お魚の缶詰の詰め合わせと……、アスパラベーコン(お弁当用)
 あと贅沢して冷凍イクラ」

けっこう買うんだな……。

「5000円以上で送料が安くなるから(^_^)」

なるほど。

「ひとみさんはどれにするの?」

(´・ω`・)えッ?

ヒトミも( ゚д゚)ポカーン としている。

「美雪さん。私は買うものを選べる立場じゃないわ」

「カードを無くしたこと気にしてるの?」

「それはそうでしょ。カード会社と連絡すらついてないのよ」

「別にいいじゃん。仮に全額不正利用されても
 授業量だったと思えば。そんなことより早く選んでよ」

そう言って瞳にぶ厚いカタログを手渡した。

瞳はカタログに目を輝かせ、頭を悩ませていた。

「紅茶が飲みたいわ。この、ダージリンのティーパック」

「はいはい(:一_一) さっそく注文しますね」

美雪の話では二日後には食材が届くらしい。
アマゾンと同じレベルで超簡単だ。

今気づいたんだが、ティーパックが届いても
保温するポットもないし、ティーポットもねえ。
あとでアマゾンで注文するべきか。

「お兄ちゃーん。家に物がなさすぎて暇だよぉー(⋈◍>◡<◍)。✧♡」

「はは。可愛い奴め(∩´∀`)∩」 
                 イチャイチャ (੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾ヾ(・ω・`)ラブラブ

「せっかく時間があるんだから映画でもみたいよねー。貞子とか」

「パソコンもないからネットフリックスも使えねえし、
 ツタヤにレンタルにも行けないだろうな。たぶん襲撃されてる」

映画といえばショッピングモールも定番だが、
一体どうなってるんだろう。久喜にはアリオがあるが、
ニトリ並みの惨事になってる可能性が高い。

ただでさえ人が密集する所だ。犯罪率の高さも
他店の比ではあるまい。考えないでおこう。

美雪「令和10年の犯罪率の高さについて(。◕ˇдˇ​◕。)/」

※みゆきさん

今さらですが、前話のタイトルはフェイクです。
私も自分が暴漢に刺されるんじゃないかとビクビクしましたが、
作者から嘘だと言われて安心しました。
あとであの人殴っておきますね。

「2人とも。今日も気持ちのいい朝よ(´・_・`)」

ひとみさんです。今日は長い髪を後ろでまとめています。
癖のない髪で羨ましい。私は梅雨時は毛先が乱れて
毎朝鏡の前で15分も格闘しているのよ。

カーテンがないので猛烈な朝陽がリビングに差し込みます。
6月でも晴の日は真夏とそう変わりません。
今6月になってたんですか。日本株も米国株も
配当金が入る時期です。日本株は優待品のラッシュですね。

「美雪さんがベルーナで頼んでくれたお惣菜のおかげで
 少しはましな食事ができるようになったわ。
 でも日用品が絶望的に不足しているのよ。
 食器棚すらないレベルよ」

問題はそこです。どうやって買ったらいいんでしょうね。
実はアマゾンと楽天で家具類を取り寄せたんですけど、
やはり宅配業者さんが道中でテロリストに襲撃されたそうです。

大阪の堺の倉庫から関東に運ぶ途中で襲撃され壊滅。
それでも懲りずに三度も注文を出したんですけど、
結局団地まで配送されることはありませんでした。

注文内容確認の画面では、ライトバンが襲撃されたため
搭乗者が殉職となっています。どんだけ危険なんですかこの国。
しかも宅配業者は時給280円。倉庫の仕分けはたったの180円。
まさに奴隷大国ですよね。

「こんな時こそ大塚家具だな」

大塚家具って…。お兄ちゃん……正気? ⊂⌒~⊃。Д。)⊃ (´ρ`)

「大塚家具も通販サイトを持ってるようだぞ。
 俺たちのリビング兼ダイニングに必要なのは家具だ。
 せめて家族三人が食卓を囲めるテーブルとイスだけでも買おう」

そして三人分のイスとテーブルを選んでみたら、
最低でも21万を超えてしまいました。ちゃんちゃん\(^o^)/
これは税抜き価格です。34%の消費税を入れると、なんと27万円成り!!
完全に\(^o^)/オワタwww

「でも買うぞ」

「け、賢人君(;゚Д゚) あなたは何を考えてるの(;''∀'')
 大塚家具は富裕層ご用達よ。私達貧乏人には縁がないわ」

貧乏人……? あんたは大金持ちだろうが!!( ゚Д゚)
私がカードの件を叱らなかったのは、あんたにとっては
5百円落としたくらいの感覚だろうって意味だよ!!

「高くても結構。支払い能力がないわけじゃない。
 これは男の意地だ。俺達はここで暮らしていくのに
 いつまでも床の上で食べてていいのか」

私たちって床の上で食べてる設定だったんだ……。
よく考えると確かにみじめかも。

Σ(゚∀゚ノ)ノキャー ナンダー (´ρ`) うわー\(゜ロ\)(/ロ゜)/ 

私たちじゃありません。お隣さんで何かあったようです。

私達は404号室。お隣は405です。

『どりゃーきさまら、借金払わんかい!! 
 何カ月滞納しとるんじゃこらぁあああ!!』

ズドオン ずどおんん

この音はバイオハザードで聞いたことがある。
ショットガンの発射音だ。

借金取り。いわるる闇金は令和10年では合法です。
違法な金利を設定してもおk。
借金を滞納する国民は殺してもおk。
ロシアの漁港へ人身売買をしてもおk。

金のない奴は死ね。
日本の各金融機関は、自民党の教えに忠実に守っているのです。

借金取りの迫力と家族の悲鳴がすごくて、
私達家族三人は、:;(∩´﹏`∩)←こんな感じで震えていました。

隣の家で起きていることなのに、まるで自分のことのように怖いです。

結果的に一家は、有り金がないので住宅にある家財をすべて
借金取りに提供して事なきを得ました。しかしこの次こそ
命を取られるか人身売買をされるのは確実。

日本では現実世界でも債務残高が2000万を超える人が
原発の作業員として派遣されています。ああいう仕事は
自分から希望して働く人は基本的に存在しませんからね。

その日の深夜、その家族は団地の屋上から飛び降り自殺しました。
40代のご夫婦と、小学生の男の子二人、生まれたばかりの娘の五名でした。
生きていくのに精いっぱいで借金の支払いができなかったのでしょう。
令和10年ではたとえ1000円でもその月の借金を払えれば、
拷問や虐待はとりあえず免除されるのです。

私はその日の朝、コンクリの上で脳みそをぶちまけている
奥さんの死体を見てから、トイレで吐きました。
何より恐ろしいのが、飛び降りた人たちって
手足を複雑骨折していて、変な方向に曲がっていることです。

(´-`).。oO 私だってお金がなければ、ああなるのね……

令和10年では、借金が払えなくて奴隷として
売り出される人は後を絶ちません。
行き先はロシアや中国、朝鮮など枚挙にいとまがない。


「おはよう美雪(^○^)」

「お兄ちゃん。おはよう(。・ω・。)ノ♡
 昨日はよく眠れた?」

「すげえよく眠れたよ。会社が休みだから
 少し体がなまり気味なくらいだ。はは(^○^)」

ペンタックでは、年金問題で不満が噴出した従業員たちが
ストを起こしているんです。目的は賃上げただ一つ。
時給210円なのに今までむしろよく我慢していたものね。

出勤を拒否した彼らを派遣会社の営業が拉致しに
行くんですけど、逆にみんなの玄関先に来た営業が
殴られているそうです。

そして徒党を組んだ派遣従業員たちが、火炎手りゅう弾や
火炎びん、アサルトライフルで武装して派遣会社のオフィスを襲撃。
すでに派遣会社の営業スタッフの半数が殺害されています。

さらにペンタック北関東工場にも武装集団が乗り込み、
会社の偉い人たちを次々に殺害して収拾がつかない状況となっています。

「俺もヒトミも無収入状態だね」
「早めに転職先を探したほうが良いかしら」
「まともな職場が日本に残ってるんだろうか」
「転職は……はっ(゚д゚)!」

瞳が急にばつの悪そうな顔になった。

ああそうか。私の兄をつなぎとめている唯一の絆が
ペンタックだった。おにいがあいつと婚約した一番の
決め手となったのは、ペンタックでの雇用の保証。

北関東工場が大規模ストとなってしまった以上、
もうその保証はない。

「ひとみ」
「けんとぉ…( ノД`)シクシク…」
「例えペンタックが燃えてしまっても、僕は君と結婚するよ」
「え(´・ω`・) でもあなたの雇用が…」

「僕も君も無職になるのは同じ条件じゃないか。
 僕は君が言ってくれた言葉を忘れないよ。
 あの時ペンタックの玄関前で、俺を一生金銭面で
 助けてくれるって誓ってくれた。うれしかったよ」

「私は父のデビットカードすら管理できないほどの無能よ…」

「そんなことはどうでもいい。
 俺は君の気持ちがうれしかったんだ。
 ほら。こっち向いて」

(●´Д`)ε`○) (*´ε`*)あっ……

「ひとみ。何度でも言うよ。俺は、君のことを、愛してる」

(≧∇≦) ←瞳はこんな顔になっています。

うれしくてたまらないでしょうね。

はいはい。この手の茶番を私の見てる前でするなと何度言ったら…

「私も賢人のこと愛してる!! この世で一番大好きぃ!!」

だいしゅきホールドを発動。
32歳の行き遅れと25歳のイケメン男子が、こうして結ばれたのでした。

ちゃんちゃん。少女漫画ならこれで次号へ続くなんだけど。

「私はまだ二人の関係を認めたわけじゃないよ」
「怖い顔でにらまないで頂戴。素敵なシーンが台無しよ」
「お兄ちゃんから離れて!! 嫌がってるじゃない」

「どこが? 美雪さんは目が腐ってるの? 
 今賢人から愛の告白をしてきたんですど。耳も腐ってる?」

「それは一時の気の迷いです。兄は雰囲気に流されやすいので」

「あっそう。好きなだけ言ってなさい。あなたの相手をするのは疲れたわ。
 さ、私と賢人は今から再就職先を探さないといけないの。社会で働いた
 こともないお子様の相手をしてる暇はないのよ。ごめんなさいね」

「カード盗まれたくせに」

「……空耳かしら。それより賢人。こっちに来」

「道端でカード奪われたドアホのくせに!! 間抜け!!」

瞳はすごい顔でにらんできて、私にコップを投げつけてきました。
冷たぁい。飲みかけの水が入ってたから上着がびしょぬれになった。
しかもこれ、瞳の飲みかけだ。私も頭に血が上った。

「瞳のクソやろぉぉぉぉ!!(:゚Д゚)」

電気ポットを投げてやった。重いので肩に痛みが…。。

「ぽぎゃあああああああああ;つД`) ⊂⌒~⊃。Д。)⊃」

お兄ちゃんに当たっちゃった。
運悪く後頭部に一撃を食らったお兄ちゃんは、
脳震盪を起こして床に転がっている。

「きゃあああ!! 私の賢人がぁ!! (;゚Д゚)」

瞳は激しく取り乱した様子で兄を介抱しています。

「賢人大丈夫?! けんとぉぉお(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾」

⊂⌒~⊃。Д。)⊃←賢人

「私の賢人をこんな目に合わせるなんて、いくら妹でも許せないわ。
 おい美雪。クソガキが。あんたには生まれてきたことを
 後悔するほどの腹パンを食らわせてやるよ」

やばい。この女、マジギレしてる。
北斗の拳を彷彿とさせる殺気を放っています。

私は身の危険を感じたので逃げ出してしまいました。
めんどくさいことになった。夜までには家に帰るつもりだけど、
このご時世で一人で外を出歩くだけで危険行為なのに。

瞳と一緒に暮らすなんてそもそも無理げーなんだよ。

瞳「私の名前は坂上瞳です。あなたは?」

※ さかがみひとみ さんじゅうにさい

令和10年ほど生きづらい時代が、かつてあったのかしら。

天下泰平の世だった江戸時代は、それはもう平和だったと聞くわ。
争いを止めて文化の花が咲き誇った江戸の文化。
文芸。音楽。書道。食文化。
当時の武士はやることがなくて、短歌を作ったり
サッカーらしきものをするのが日課のニートだったそうです。

喧嘩は江戸の華とはいったものの、戦国時代に比べれば
史上最も平和で安定していたと言われる時代。

そして戊辰戦争を経て江戸幕府崩壊。
明治維新の文明開化から日清日露戦争。
日中戦争太平洋戦争を経て、戦後の高度経済成長。
平成の大不況30年を経て、令和でも不況は継続。

一部の大企業と資本家、お金持ちの市民だけが
富を蓄え、貧乏人は一生貧乏人として地を這うことを強制されている。

現実世界でも米国下院議員のグループでも「反資本主義派」が形成され、
資本主義の有り方を見直すべきだと話し合われているそうです。
次期大統領選後に半トランプ派の民主党政権が誕生すれば、
米国を中心に何かが変わるかもしれません。

ちなみに米国マクドナルドではCEOのお給料が
末端従業員の『2040倍』だと、CNNテレビで報じられて話題になっています。
※実話です(2019/7/1)


0:30
市営団地の夜は静かなものです。
どこかのお部屋から赤ん坊の泣き声が聞こえたりもしますが、
遠くの部屋のようなのでそこまで響きません。

私は自分用の部屋でおとなしく横になっています。
美雪は、さっき玄関が空いた音がしたので帰って来たのでしょう。
足音を殺して移動し、シャワーを浴びる音が聞こえてくる。
まだ私におびえてるのかな。あの時のあいつの引きつった顔、
今思い出しても噴き出しそうになる(*^▽^*)

私は働いていないので生活のリズムが少しづつずれてきています。
いつもなら布団に付いたら即爆睡なんですが、まどろいんでいます。
スマホで確認すると、あれから30分経過していました。

『(*´Д`)ハァハァ みゆきぃ。みゆきぃ。好きだぁ』

私はばっと布団から半身を起こしました。
聞き間違えではないようです。すぐ隣の部屋から彼の声が聞こえます。
あの子達は今夜も一緒に寝てるの……? しかも好きとか言ってるし…

賢人は私と一緒に寝ようとはしません。
恥ずかしいので私からは誘えませんが、賢人は修羅場になるのを
警戒して私と夜は距離を取るのです。
本当に私のこと好きなのかな(´・ω・`)って不安になることがあります。

『(*´Д`)ハァハァ やっぱり美雪の体は最高だ……。
 瞳みたいな貧相な胸じゃ触ろうって気にもならないもんな……。
 この肉の柔らかい感触……たまんねえ。触った瞬間に
 イッちまいそうになるんだ…』

ま、まさか( ゚Д゚)二人はすでに……

『(*´Д`)ハァハァ 俺が瞳に言った言葉? そんなの口から出まかせだよ。
 あんな年増の若作り、俺の好みじゃない。顔は綺麗だけどな』

うそ……嘘だと言ってよ

『(*´Д`)ハァハァ 俺は美雪のことが生まれた時からずっと好きだった。
 お前さえいてくれれば、赤の他人なんていらないよな。
 ほら服を脱いで。お前の下着をもっとよく見せてくれ』

けんと…

『(*´Д`)ハァハァ ペンタックの雇用が継続されないなら、あんな女には
 もう利用価値はない。あとで説得して出て行ってもらおう。
 美雪の方がお金をたくさん持っているし、俺を守ってくれるのは
 分かってる。美雪さえいれば、あんな奴はもういらない』

『(*´Д`)ハァハァ あのヒステリーなところも大っ嫌いだ。
 俺が少し美雪の名前を出しただけで取り乱しやがって。
 ばっかじゃねえの。あんなんだからいい歳して独身なんだよ』

その後も賢人は何かを言っていたけど、もう何を言われても
私の耳には入りませんでした。

私は声もなく泣きました。手が震えている。くやしくて。
涙がこんなにも流れるなんて、大人になるまで知らなかった。
こんなぐしゃぐしゃになった顔、誰にも見せられない。

私は馬鹿だな。ずっと賢人に騙されていたんだ。
賢人は私の手を握って愛してるって何度も言ってくれた。

全部……全部……嘘だったんだ( ;∀;)

(´;ω;`)

天にいる神様。お父さん。お母さん。

私は今まで生きていてこんなに悔しい思いをしたのは初めてです。
できるなら、今すぐ賢人を怒鳴りに行きたい。
でもそんなことをしたら、裸で抱き合ってる兄妹の姿をみて
余計に自分がみじめになります。

壊れてしまいたい。でも壊れられない。

失恋ってこんなにも重い感情なのね。
私は恋愛なんてしたことなかった。だから失恋の重さを知らなかった。
学生時代に友達の恋バナをよく聞かされた。
みんな私を恋愛上級者と勘違いして、色々な相談をされた。
私の前で男に振られて泣きじゃくってる子もいた。

そんな時、恋愛経験豊富な坂上さんだったら、どうするんですかって
聞かれた。一晩良く寝ればすっきりするよって、適当に答えるしかなかった。

騙された私がみじめで、狂ってしまいたい。手首を切りたい。
騙されたと分かった今でさえ、賢人を心から憎むことができない。
私は嘘だったとしても彼の言葉がうれしかった。

男性に真剣な顔であんなこと言われたこと、一度もなかったから。
あの思い出まで嘘だったことにはしたくない。
こう思うのはわがままでしょうか。神様。

私は震える手で旧約聖書を手に取る。
だめだ。一行も頭に入ってこない。
音読しようとしても嗚咽しか出てこない。

親はここにはいない。誰も頼れる人はいない。

私は布団の上で両足を抱えてうずくまり、いつまでもそうしていた。
カーテンのない窓から朝陽が差し込み、室内を照らしていきます。

もうあれから4時間も経ったのか。
私は会社で出会ってからの賢人との思い出の中にいた。
思い出の中の彼は、子供っぽい顔で私に微笑んでくれた。

こんな女と今まで一緒に居てくれてありがとう。賢人。
偽物の関係だったとしても、婚約の事実は初めから
なかったとしても、それでもうれしかったよ。

運命の男性と出会えたと、舞い上がっていた頃の
愚かな自分と別れを告げるために、私は化粧すらせずに玄関へと向かった。
生理二日目だから余計に体が重い。お腹がごろごろする。もうどうでもいい。

「あ、瞳さん」

玄関先には美雪がいた。
不思議なことに彼女も目元に濃いクマが出ていた。

「今回ばかりは素直に負けを認めますよ。
 いつまでも兄とお幸せに。
 邪魔者の私は今日で消えることにしました。
 天国から二人のことを見守っていますからね」

美雪は何を考えてるのか、手にした果物ナイフを
思い切り自分の胸に差そうとしている。

私は瞬間的に体が動き、果物ナイフを手ではじいた。

カランと、行き場をなくしたナイフが玄関の床に転がった。

「お願いだから邪魔しないで。本気で死にたいの」
「どうして死にたいの?」
「兄が、最終的に貴女を選んだからです」
「( ゚Д゚)ハァ?」

「昨夜、私は兄に言われたんですよ。
 妹はうざい。うっとおしい。あいつの手料理はもう食べ飽きた。
 あんな子供より瞳の方が百倍素敵だって……」

... ( ゚Д゚)ハァ? 
...      (。´・ω・)ん?
...              (´・ω`・)エッ……?

( ˘•ω•˘ )
私はカンで分かった。彼女は勘違いをしている。

おそらく賢人君に言われたことは事実じゃない。
そして私が昨夜聞いた賢人の声も、おそらく事実じゃない。

「゚(゚´Д`゚)゚ 昨日ね、兄の独り言がリビングから聞こえたきたの……
 瞳をいつまでも抱いていたい……それには妹が邪魔だ。
 あいつがいなければ、いつでも瞳と裸で抱き合ってられるのにって……。
 明日にでも美雪を追い出してやろうって……
 良かったですねぇ瞳さん……そこまで兄に愛されてぇ。
 うえええええええん!! ;つД`)」

その時でした。玄関の先から足音が聞こえて来たので
なんとなく開けてみました。

「あっ……」

30代の男性がいました。なんとこの作品の作者です。

「し、失礼しましたっ」

彼は急いで駆け出していきました。
なんでこの団地にいるんですか。
彼も市営団地の住民だったのかしら。
それに逃げる理由が分かりません。
また私たちに攻撃されると思ったのかな。

「これは何かしら。あの男が落としていったわ」

東芝製の安いラジカセです。
老人以外で今時ラジカセなんて使う人いるんですね。
小さなスピーカーが内蔵された、モノラルラジカセです。
USB端子が刺さっていて、今すぐ再生できるようになっています。

私は何気なしに再生ボタンを押してみました。
これって単二電池で動くんですね。

『(*´Д`)ハァハァ ひとみぃ。もっとキスしてくれぇ。
 君とのキスは……病みつきになりそうだ……。
 このサラサラな髪の毛……最高だ……
 美雪よりずっと美人で、何度見ても君の顔は飽きることがない』

『(*´Д`)ハァハァ 君に俺の子供を産んで欲しいんだ。
 妊娠すれば……美雪の奴も諦めるだろ。
 だいたいな……あいつはお兄ちゃんお兄ちゃんってしつこいんだよ。
 あいつと我慢して暮らしてやってるの、いつになったら気づくんだろうな』

( ˘•ω•˘ )
なるほど。私が美雪さんの立場だったら自殺ものね。

冷静に考えれば彼はリビングで寝てるわけだから
私とそういうことをしてるわけないんだけど。

それに賢人君が人を騙すような人なわけないわ。
ごめんなさい賢人君。
誠実なあなたを一度でも疑ってしまった私を許してちょうだい。

試しにラジカセの別のトラックを再生してみると、
私が昨夜聞いた音声が流れました。

つまり私と美雪は、作者のおもちゃにされていたと。

ビキビキ(# ゚Д゚) 
              ビキビキ(#^ω^)
 ビキビキ ビキビキ (# ゚Д゚)

美雪さんにも訳を説明したら、上の顔になっていました。
阿修羅のような顔です。

「おはよう二人とも。朝から玄関先で何を……?(´・_・`)」

「おにいちゃーん:;(∩´﹏`∩);:」

美雪は兄の腕の中でわんわん泣いています。
何も知らない賢人は激しく困惑しつつ

(;^ω^) みゆき……。 怖い夢でも見たいのかい?
(⋈◍>◡<◍) ナデナデヾ(・ω・*)

本当に優しいお兄ちゃんなのね。
この人があんな暴言を吐くわけないわ。

「ひとみさん、目の下のクマがすごいけど、寝不足かい?」

私も彼の何気ない言葉を聞いた瞬間に、涙があふれてきました。
あの声が嘘だと分かってほっとした。
内に溜めこんでいた、色々な感情が爆発しそうでした。

「ひとみさん(゚д゚)!?」

嗚咽する私を心配した賢人。コアラの赤ちゃんように抱き着く
妹をなだめながら、私のことも抱きしめてくれました。

「何があったのかは聞かないよ。
 きっと二人で夜遅くまで喧嘩でもしてたんだろう。
 今は気が済むまで泣いてくれ」

:;(∩´﹏`∩);:゚((;´・ω・) (゚´Д`゚)゚
こんな感じのカオスな図ですが、これで家族三人は仲良しです。

美雪「作者を倒す」

※ しぶやみゆき にじゅういっさい だいがくさんねんせい

タイトル通りのことを実行しようと思います。
そもそもこの小説って最初から最後まで
作者に振り回されて私たちにとって
特になることが何もありません。

特に前話の茶番のせいで作者に対し猛烈な殺意を抱くに至りました。
瞳さんに相談したら、賛同してくれました。

私達は「小説に出演していることを自覚しているタイプのキャラ」なのです。
これには作者への攻撃も可とされています。

「現実世界では、もうすぐ夏の参議院選挙だなぁ(´ー`)」

お兄ちゃん。もう政治ネタはお腹いっぱいだよ。

「作者を一概に悪者扱いするのもどうかな。
 結果的に俺たち三人の絆が深ったじゃないか」

そう。私と瞳は淑女同盟を組みました。

【基本原則】
渋谷兄妹、坂上瞳は、市営団地で
生活を共にする上で立場の違いはなく、
家族として支え合って生活を送ること。

そのため、渋谷美雪と坂上瞳は、

一、賢人を独占しない
二、賢人と勝手に婚約を結ばない
三、賢人もまた、二人を平等に愛すること

お兄ちゃんのハーレムエンドに近い状態になりました。
これ、何て名前のラノベ?

その他の決め事としては、

三人が保有している全ての資産は共有財産であり、
基本的に生活に必要な資金として使う。
家計の管理は、三人が共同で話し合って決める。

作者の仕掛けた茶番で私と瞳は、賢人を失うことの
恐ろしさと愚かさを痛感し、いっそどちらかが
傷つくことのない妥協案を考えるに至りました。

そしてこれは極めて合理的であることが確認されたのです。

けんとくーん(≧∇≦)
おにいちゃーん(⋈◍>◡<◍)

こうして二人同時に抱き着いても喧嘩になりません。
瞳に対する嫉妬も驚くほど減りました。
兄に拒絶されるかもしれない恐怖に比べたら、
今の状態の方がずっとましです。

瞳と彼を奪い合ったりでもしたら、私が負ける可能性がある。
私は資産運用の経験があるのに、
負けるのがこんなにも怖くなってしまいました。
:;(∩´﹏`∩);:

賢人の私を拒絶したあの録音は、今でもトラウマです。
夢に出てきそう。 

「ちょっと聞いてくれないか」

賢人がイケメンボイスで何か言っています。

「美雪と瞳が作者を倒したいのはよくわかった。
 だけど俺には別の目標があるんだ」

「別の目標( ˘•ω•˘ )……?」 ←ひとみ

「買い物をする。これに尽きる」

私達はベルーナのネット通販でお惣菜を取り寄せて以来、
まともな買い物をできませんでした。ベルーナの通販は
なぜか普通に宅配業者が運んでくれたのですが、
前述のとおりアマゾンや楽天ではそうはいきません。

ベルーナがなぜ無事だったのかと言うと、
株主だったから特殊は補正が働いたのでしょう。
投資金額に対してそこまでリターンが得られる株
とは思えませんけど、
なぜ筆者がおすすめしてたのか謎です。

「それは違うぞ美雪」

「えっ」

「長期投資の資産運用で一番大切なのは、
 短期的なリターンじゃない。
 長期保有しても倒産しない会社。ただこれに尽きる」

つまり目先だけの配当利回りや優待品の豪華さに
欲が出て、つい買ってしまう人は愚者。
例え配当金が少なくても、長期で安心して
持っていられる株を選ぶ人が本当の賢者。

米国株ではジョンソン・エンド・ジョンソン、
ウォールマートの配当利回りなんて3%を下回っている。
素人目には決してお買い得には見えない株だけど、
パパは「絶対に売るんじゃないよ。むしろ買い増しをしなさい」
と言ってたのは、そういうことなのかな。

パパはこの二社の経営のタフさは、
米国が軍事攻撃を受けて壊滅しない限りは大丈夫だと言っていた。
なんか、すごい安心した。

「目先の利回りに踊らされて、いざ現金が必要になり、
 売る時に時価評価額が下がっていたらどうするんだ?
 損を覚悟で売るか? そしたら配当金で設けた今までの
 時間は全て無駄になるんだぞ」

本当にお兄ちゃんの言う通りなんです。
配当金投資は時間をかけてコツコツと資産を増やしていく。
その年月が、売却して損を出すことでパーになってしまうかもしれない。
だから、時価評価額が下がりにくく、経営が安定してる企業がベスト。

「やはり、VOOが最適解だろうな」

VOO=ティッカー名。 ※銘柄の出席番号みたいなもの
上はバンガードSP500ETFを差す。
令和10年の第1シーズンで既出の銘柄です。

嘘だと思う読者の人は、「VOO、チャート」で検索して
10年間のグラフを見てください。【完全に右肩上がり】です。
しかも200年前から統計を取っても右肩上がりなことを、
ジェレミー・シーゲル博士が自著で証明し、世界に衝撃を与えました。

シーゲルさんは世界で超有名な投資家です。
日本で例えると池上彰さんくらい有名です。

日本に存在するいかなる株、いかなる投資信託の商品でも
トータルリターンでVOOに勝る商品、株式は存在しません。断言してもいいです。
投資の神様ウォーレン・バフェットを初め、世界中の株式投資家から
【株式投資の最適解の一つ】とされています。

これは小説のための誇張でなく、ただの事実です。

「株の話はいいから、賢人君の目標を言ってちょうだい(*^▽^*)」

「分かったよヒトミ。てか俺のことを賢人君って呼ぶのな(・ω・)」

「くせでつい読んじゃうのよ。
 あなたも私のこと、たまにさん付けで呼ぶじゃない(*^▽^*)」

「俺もついくせでね(;´・ω・)」

「(´∀`*)ウフフ」 「あはは(^○^)」

イチャつくなよ(;一_一)
はよ話すすめて(-_-メ)

「買い物の話だったよな。俺は通販じゃなくて
 実在の店舗で買い物がしたいんだ。
 ヤマダ電機とかニトリとかウェルシアで」

私と瞳は暗い顔になってしまいました。
お店で買い物をするのは戦場に身を投じるのと同じです。

先日のヤマダ電機への襲撃事件は地方新聞で話題になったほどです。
よく訓練された戦車部隊によってお店周辺の陣地は徹底的に破壊され、
もはやお店としての機能を失ってしまいました。
従業員にも多数の死傷者が出たと聞いています。

あーあ。残念だな。近所にヤマダ電機があって助かっていたのに。

「ヤマダ電機はそんな簡単に壊れないよ」

「え(;一_一)」

「今、軍備を増強中だ」

お兄ちゃんはどこで情報を仕入れたのか、
ヤマダ電機が陣地を作り直してることを教えてくれました。
それも、前回のような強盗に備えた簡易的な陣地ではなく、
戦車一個大隊の攻撃を受けてもびくともしないほどの
要塞を作っているそうです。

・要塞
敵の攻撃に対抗できるように,
軍事技術や建築工学を応用して造られる堅固な構築物のこと
              ※ブリタニカ国際百科事典


お店なのに「要塞」

((((;゚Д゚))))ガクブル

これが令和10年クオリティです。
お金がなく武装化した市民に対抗するためには
お店を要塞化して営業をしなければならない。
まさに殺伐とした小売り事情です。


「これが詳細図だ」

兄がなぜ要塞の詳細図を持ってるの?

「若林さんの友達からもらったんだ」

戦死したチャラ男店員さん。若林さん。
彼の同僚の男性が、お兄ちゃんに横流ししたと。
軍事機密とかじゃないの。大丈夫?

ヤマダ電機テックランド久喜店における、店舗周辺の防御施設の詳細

まず店舗の倉庫を含む内部構造物を全て地下へ移動。
入り口は正面の塹壕のみとする。
駐車場は用を足さないとみなし、全面撤去した。

店の入り口から遠い順に下記の障害物を配置する。

・鉄製の障害物(高さ2メートル) 

・有刺鉄線(高圧電流付き) 

・コンクリート製のブンカー 
 (厚さ3メートル。長さ35メートルの鉄製の胸壁。
  等間隔で銃眼が開けられ、内部からお客を狙い撃ちする)

※ブンカーはドイツ語で塹壕の意。英語はバンカー。

・監視用ブンカー 
(お店周辺を監視できる背の高い援兵豪。レーダー付き)

・「トゥブルグ」型ブンカー
(戦車の砲塔を外して地面に埋め込んだもの)

・地雷原

・火砲用トーチカ 
(遠くにいる戦車を破壊するための、大口径砲)

・キューポラ
(キュートな丸い形をした塹壕のこと。
 榴弾発射機、重機関銃を内部に装備。
 複数の銃座が空いており、360度方面へ射撃可能)

総戦力
武装店員 370名      (埼玉の各支店からの応援、補充含む)
機関銃×64         弾薬3億発。短機関銃、軽機関銃を含む。
各種火砲×72         弾薬5万8千発。毒ガス弾400発を含む
地雷×6000       遠隔操作で爆発する地雷を含む。
メルカバ第3.5代戦車 22両  イスラエル製の強力な戦車
レオパルト2戦車 10両    西欧州最強のドイツ製

戦車は、地下倉庫に待機させて起き、いざとなった時に出撃する。
お客の戦車群を逆襲し、殲滅するためのものである。

特に戦車が強い。イスラエル、ドイツ製の戦車は
現代では移動可能な陸上兵器としては、
最強と称されるほどである。

お客はこれらの障害物を乗り越えなければ、
買い物をすることはできない……。

瞳「⊂⌒~⊃。Д。)⊃
  おかしいでしょこの戦力!! 前よりパワーアップしてる。
  もう電気屋さんじゃなくてドイツの軍事基地じゃない!!」

もちろん武装した強盗犯のみを対象にした迎撃措置である。
賢人らのように普通のお客の場合は、
なんらかの手段で身分証を提示すれば普通に入店できる(地下へ)

美雪「Σ(゚Д゚) 問題はそこじゃないわ。
   これだけの戦力をそろえるのにどんだけお金使ったのよ…」

賢人「どこから借り入れたのか知らないが、軍事費がざっと5000億円……。
    イスラエルとドイツから輸入した戦車が割高だったようだ。
    ここまで経費を使うんだったら店をたたんだほうが…と思ったよ」

瞳「これ、よく読んでみると、ニトリやウェルシアも地下に
  入っているみたいよ」

美雪「ヤマダ電機だけじゃなくて他のお店も入ってるの!?」

賢人「どおりで武装定員が増えてるわけだ。
   施設名称はテックランド久喜点だが、確かに他の店舗も
   入ってるみたいダゾ。小さなショッピングモールみたいなものか」

瞳「近所のアリオとモラージュは徹底的に破壊されて廃墟同然……。
  むき出しになった骨組み。露出されたお店内。
  ごろつきなど危なそうな人たちの住居となり、
  様々な化学実験や新興宗教の布教の場ともなり、
  現在はもっぱら武装した市民の武器補給庫となっているわ……」

美雪「令和10年終わり過ぎ\(^o^)/ワロタ」

賢人「さあ、お買い物に行こう」
瞳「(゚д゚)!あなた、頭は大丈夫なの?」
美雪「どうしてわざわざ戦場に(>_<)」

賢人「ぶっちゃけ俺も行きたくないんだけど、作者の命令なんだよ」
美雪「なにその理由(>_<)」
瞳「やっぱり作者を殴りたい!!(*^▽^*)」

賢人「ヤマダ電機でショッピングだ(∩´∀`)∩」

※三人称

問1 平日の昼間から会社を休み、
  ヤマダ電機に買い物に行くのはどんな気分ですか?

賢人「少し違う。会社は労働者のストで休業となったから、
   俺たちが好きで休んだわけじゃねえよ。
   買い物自体は楽しみだな。ここが令和10年じゃなければだが」

問2 前話でヤマダ電機が強固に軍事化されたことが明らかになりました。
   どうやって買い物を済ませるつもりですか?

賢人「それについても突っ込ませてもらうが、まず今日の買い物の
   目的は日用品を買うことだ。中にウェルシアとニトリが
   入ってるから何でも買えるだろ。入店方法だが、
   お店の前で身分提示をすればいいんだろ」

問3 山田は現在、お客の襲撃に備えてピリピリしています。
   武装集団は、監視用ブンカーのレーダーにより、4キロ先から
   検知され、榴弾砲による砲撃を受ける可能性があります。

賢人「スマホがあるだろ。お店に電話して害意のない普通の客だから
    入店したいって伝えればどうだ?」

美雪「ねえお兄ちゃん。(⋈◍>◡<◍)。✧♡さっきから誰とはなしてるの?」
瞳「壁に向かって独り言を言ってると変な人だと思われるわよ( ゚Д゚)」

賢人「いや、俺も何言ってたんだろうな。
   とりあえず様子を見にファッションセンター・しまむらに行くぞ」

しまむらの二階の駐車場は、広々としていて風が気持ちい。
ヤマダ電機の方角を見ると。確かに軍事化されているのがうかがえる。
しかし、想像していたのとは違った。
ナチスドイツ軍の大西洋要塞のような作りなのかと
思いきや、キューポラが5つか6つあるだけで、
件のレーダーサイトなどは見えない。

瞳「(; ・`д・´)確かに地味ね。
  お店入り口の前に少しの塹壕があるだけ。
  武装した店員さんの姿も見えないわ」

美雪「あの情報は嘘だったのかな?
    でもネットで店舗情報を調べると
    すごい軍事化されたって書いてあるけど」

賢人「ネットの情報はあてにならないものさ。
   フェイクだったって可能性もある。
ネットをうのみにした武装集団を騙すなら、
   ある意味有効かもな」

さらに不思議なことが起き、三名は驚愕するのだった。

杖を突いた70代の白髪のおじいさん。
ポロシャツから覗く手が細く、いかにもよぼよぼだ。
同じく年老いた妻がリードして、ヤマダ電機の入り口に近づいた。

瞳「いけない。不用意に近づいたら、あの二人は撃ち殺されるわ!!」
賢人「いや、まだ分からないぞ。あの二人は強盗には見えない」
美雪「でも身分証明とかしてないんじゃないの?
    なんかよく分からないのに買い物に来たって感じじゃん」

キューポラの銃眼から、重機関銃がぬっと出てきた。
罪のない老人二人に照準があう。
機関銃手が引き金を引けば、毎分1200発の連射性を
誇るドイツ製の機関銃が火を噴くのだ。

老婆「おじいさん……あの鉄製のふたの中から、銃が見えますが」
老人「なんじゃ。わしらを打とうとしてるのかい。
   わしらは客じゃ。構わず店の入り口に入ろうじゃないか」

杖を突き、お店入り口へさらにに近づく。
そこは都内の地下鉄駅の入り口のようになっている。

すると男性店員が、キューポラのふたを開けて出て来た。

店員「そこのご老体。このお店で買い物をするには身分証明と
   現金やカードの有無、また非武装であることを
   証明しなければなりません」

老人「はいはい。まず身分証だが、免許証で良いのかい?」

70代でもまだ免許所持。早く返納しろと、
老人被害のご遺族から叫び声が聞こえてきそうである。

店員「免許証は結構。現金も8万も持っているようですな。
   今日のお買い物の目的は最新式の扇風機のようですが」

老人「風が体に優しい、11枚羽のタイプを探しておるんじゃ。
    この年なもので、安物の扇風機の風は体にこたえてのう」

店員「さっそくお店にご案内を。おっと、ご婦人の身分証等の
    確認を忘れることろでした」

老婆「おっほっほ。その必要はございませんことよ」

店員「……?」

老婆「なぜなら、あなたが今ここで死ぬからです」

老婆は店員の後ろに素早く回り込み、ダガーナイフで店員の首を切った。
頸動脈から、シャワーのように音を立てて血が飛び出る。
首周りを押さえた状態の店員は、やがて大量出血で動けなくなった。
足だけがぴくぴくしている。

老人「さてと」

老人は、店員が持っていた手りゅう弾を奪い、
素早くキューポラの中へ投下。
鉄がはじける音がして、キューポラの内部で爆発。
人の短い悲鳴が漏れ、内部の通気口から土煙が立ち込める。

老婆「ほいっと」

老婆は、バッグの中に隠し持っていた手りゅう弾を、
各キューポラの中に投下していく。これは簡単なことじゃない。
キューポラは等間隔に五基も設置されていて、
互いの陣地を火線で支援できるようになっている。

つまり一つのキューポラを攻撃している最中に、
別のキューポラから射撃され、一網打尽にされるというわけだ。

老人二人は、身のこなしが異常に早く、しかもキューポラの
銃眼のない部分、すなわち死角をうまく利用し、移動を続け、
紙一重で重機関銃の連射を交わしつつ、あっという間に
五つもあったキューポラ陣地を破壊してしまった。

老人「ばあさん。塹壕の中に便利なブツがあったぞい」

背負い式の火炎放射器だった。
老人はフェイクで所持していた杖を投げ捨て、
21キロもあるそれを軽々と背負った。

老人「汚物は消毒じゃな」

さっそくお店の地下入り口へ向けて放射。
これは店にとって深刻な被害を与える。

まず、洞窟内など酸素の薄い場所へと火炎を放つと、
急激な酸素濃度の低下によって、中にいる人はぶっ倒れる。

老人は鬼で、なんと燃料が空になるまで火炎放射器の
トリガーを押し続けた。ばあさんは横で小躍りしながら見ていた。

それからしばらくお店は沈黙していた。
中から武装店員が出てくるわけでもない。
ただ、地下入り口付近で火災が発生し、恐ろしいまでの
黒煙が上がり続けているだけ。

実際の地下がどれだけ深く掘られているかは分からない。
ただ、入り口付近から火炎放射されたので内部が
悲惨な状況になっていることは簡単に想像できる。

老婆「おじいさん。そろそろ帰りましょうか」
老人「そうじゃな」

なんと。このご老体二名。
ただのストレス解消のために
ヤマダ電機を襲撃したのである。

令和10年。年金の支給額は月額660円
第何号などの各被保険者は問わず一律)

消費税率34%。物価の引き下げなし。
自民党の議員の給料の引き下げなし。
(一人当たり平均で4400万)

これでは、お店を襲撃したくなるのも分からなくはない。
だが、一番倒すべきなのは政治家であろう。店員に罪はないのだ。


ガタガタガタガタガタ ←地面が揺れる音

老人「なんじゃこの音は」 
老婆「戦車のキャタピーらの音ですか?」

地下には巧妙に偽装された、いくつもの出入り口があった。
そこから次々と戦車と兵員輸送車が出撃していく。

メルカバ、レオポルドを主力としてた戦車部隊は、
あっという間に老人二人を包囲してしまった。

戦車だけで軽く40両は超える。
さらに兵員輸送車も10台を超え、総兵力は80名。
定員は、旧ナチスドイツ並みに完全武装されていた。

老人「これはまいったのう。ネットの要塞情報は
   やはりフェイクだったのか」

老婆「これだけの戦車を日本で見ることになるとは思いませんでした。
   若い頃に英国のフォークランド紛争で見たきりですね。ほっほっほ」

老人「そろそろわしらの人生も潮時というわけか」
老婆「お先にどうぞ」
老人「うむ、では。遠慮なく」

老人はピストルでまず老婆の数多を撃ち抜き、
次に自分の数多を撃った。

あまりにも呆気ない、老人二人の死。
キューポラの内部には、殺害された武装店員たちの死体が並ぶ。

戦車の搭乗員たちは、次々に中から出てきて、
死んだ店員たちをしのんで声を上げて泣いた。

こんな日本に誰がしたのか。
貧富の差は拡大し、貧困者は増えるばかりで、
お店でまともに金銭を支払うことすらできない。

貧しいから、奪う。

現実世界の2018年末。
警察庁の統計で小売店での万引き犯の検挙率。
60歳以上が3割を超えている。

これは全国平均である。
つまり今や万引き犯の三人に一人は老人になっているのだ。

消費税率34%の令和10年。
小説に出て来たような、元気でよく訓練されたご老人ならば
品物の強奪、店員の殺害をしても不思議ではない。

自民党の国民貧困化政策の行きつく先は、サービス業の崩壊である。
金銭を使用した売買の崩壊。物は奪う。人は殺す。金は払わない。
これらを実施するためには、法律の壁を破らないといけない。

そのためには

市民の『武装化』が必要になってくる。

店員の側も自らの命とお店を守るため、同じように武装化するしかない。

ヤマダ電機テックランド久喜店は、最終的に防衛陣地の構築を
断念し、機動防御戦術に特化した。
お店の地下倉庫にいつでも出撃できる戦車を用意しておき、
敵の襲撃に備えて出撃。数に物を言わせて逆包囲をして殲滅するのだ。

ヤマダ電機の保有する戦車や輸送車の数はすごい。
自衛隊の二個戦車大隊と同程度の規模だ。

一つの大隊には、戦車二個中隊が含まれている。

中隊の編成
主力戦車   ×7
軽戦車    ×7
通信車両   ×1
大型トラック ×2
小型トラック ×2
兵員輸送車  ×4


老人たちは、形勢不利となるとあっさり自殺をした。
彼らは自宅のアパートに遺書を残しているのだが、
そこにはこう書いてあった。

『貧困と絶望の令和で生きていることが苦痛。ただの修行。
 年金が足りず、貯金もなく、一生政府と企業の奴隷。
 こんな世界なら生きてないほうが良い』

底知れない怒り。諦観。絶望。ストレスを感じさせる。

『貧困は自己責任』
自民党のこの主張は、政治家としての義務を放棄したのと同じである。
現実世界でも自分達国会議員の給料引き下げは審議すらせず、
参議院選の定員枠を6名増やすなど暴挙を続けている。

そしてストレスを貯めているのは、店員側も同様であった。

「戦車A中隊!! 貧民狩り部隊!! 
 前進を開始せよ!!」

戦車中隊が、主力の重戦車を先頭に道路を進み始めた。
日本の舗装路は、韓国のように戦車の通過を想定していないので、
重さに耐え切れず一瞬でボロボロになってしまうだろう。

小説なのでスルーするが、彼らの言う貧民とは、
過去にヤマダ電機を襲撃したお客のことである。
前回の襲撃はお店側の完敗に終わり、店内にある商品
255点、計1390万円分の商品が奪われた。

そこで自治体がヤマダ電意に復興費として7億円を提供し、
現在の武装戦力を保有するに至るのだ。
7億では足りない気もするが、あえて考えないことにする。

そして自治体は、ヤマダ電機に対し、貧しくて買い物が
できない貧民の殺害を命じた。
ヤマダ電機・戦車中隊がこれから向かうのは
貧しい人が住む公営住宅に対してであった。

前回の襲撃事件の際、小学生の女の子二人がいたと思う。
どんな名前なのかは忘れてしまったが、とにかくあの二人の
いる団地に向けて、戦車中隊は進撃を続けている。

その団地は、まずいことに賢人たちの住みかの市営団地であった。

賢人「おい(# ゚Д゚)」
美雪「なんで私たちの団地が!!」
瞳「私たちの住む場所が無くなっちゃうわ!!」

賢人「戦車はどこへ行くんだ(;゚Д゚)」

ヤマダ電機・戦車A中隊。通称貧民狩り部隊は、
賢人たちの住む市営住宅の目前まで接近した。

戦車、輸送車、兵員輸送車を含めた
この戦力が目的としているのは、

真理ちゃん 9歳
泉ちゃん  10歳

この両名の殺害である。

二人とも小さな女の子であるが、
前回のヤマダ電機襲撃の際の主戦力の一人だった。

「仰角をあげろ」

戦車長の命令だ。重戦車と軽戦車が、
3階部分の部屋を狙って主砲を高くする。

女の子二人は学校をさぼって自宅にいた。
ニンテンドースイッチで遊んでいた真理ちゃんと
泉ちゃんは、窓の外から異常な殺気を感じるので
何かと思い、ベランダから様子を眺めたら
怖い顔をした戦車の店員さんと目が合った。

「やめろおおおおおおお(; ・`д・´)!!!!!!」

貧民狩り部隊に追いついた賢人は、
この虐殺を止めさせるために、戦車部隊へと近づいた。

「なんだ、貴様は」

賢人は筋骨たくましい店員に裏拳を食らい、悶絶した。
顔面に食らったのだ。あふれ出る鼻血が止まらず、
また涙も止まらないため、視界がぼやける。

「お兄ちゃん(´・ω・)!!!」
「けんとぉぉぉ(;゚Д゚)」

ぼたぼたと、大粒の鼻血でベージュのTシャツを
真っ赤に染めた賢人を美女二人が介抱する。
瞳に渡された高そうなハンカチで鼻を押さえても
まだ血は止まらなかった。

しかたないので女二人で彼の体を離れた場所へ運び、
仰向けに寝させた。女二人がかりでも
ほどよく筋肉のついた男の体は重かった。

(ケント君って見た目よりもガタイが良いのね(´∀`*)ポッ
 見た目は引き締まってるのに筋肉がついてるのってポイント高い)

その時であった。

戦車隊の一斉射が始まり、件の303号室に主砲がぶち込まれた。

発射の轟音。303号室は白い灰を巻き上げ、ガラスが吹き飛ぶ。
粉々になった家具もベランダから落ちて来た。

「次は機関銃の一斉射。うてえ」

輸送車と戦車に設置された重機関銃が、それぞれ
200発以上の弾を打ち込んだ。これで303号室のみならず、
周囲の部屋も巻き込みながらの容赦ない攻撃である。

ハチの巣のように、市営団地の影が穴だらけになり、
割れたガラスが破片となって地に落ちてくる。

「あ、ああ……(;゚Д゚)」

瞳は、言葉もなかった。美雪も同じである。
ようやく鼻血が止まった賢人は、ゆっくりと体を起こし、
せめて女の子二人を弔ってやろうと思った。

あの二人は確かに犯罪を犯したが、すべて貧困が悪い。
令和10年の日本が一般市民を犯罪に走らせるのだ。
これは政治の責任であって、断じて子供のせいではない。

「そこにいるのはシブヤじゃない」

「カグちゃん!? カグちゃんだよね?」

「おっす。あんた、なにしてるの、こんなところで」

突然の大塚家具やさんとのエンカウント。
大塚カグヤ姫、別名久美子さん。
それらはあだ名で、筆者も含めて誰も彼女の本名を知らない。

賢人の同僚で離婚歴三回。六人の子供を持つやもめ(シングルマザー)だ。

賢人はジャイアンにいじめられ、泣きながら家に帰った後、
ドラえもんに一部始終を説明するのび太君の顔でいきさつを説明した。

「なんだ。そんなことか。そんなに心配しなくても大丈夫だよ(^○^)」
「は……?」
「マリとイズミは強い子だから、大砲を撃たれたくらいじゃ死なないよ」
「マリとイズミ……? まさかとは思うが」
「私の娘だよ」

賢人は、衝撃のあまりひっくり返りそうになった。
カグちゃんは子だくさんだから娘が二人いることは不思議ではない。

仲の良い同僚だから市営団地に住んでいることは知ってたのだが、
なんと彼女は賢人たちの下の階の住民だったのだ。

「おっ、住民たちが出て来たね。もうすぐ反撃が始まるよ(´_ゝ`)」

何が起こるんだと、賢人たちは団地の方を見た。
すると、満足して引き返していく戦車たちのケツを狙い、
団地の屋上に集結した武装住民が武器を構えているところだった。

団地の屋上に展開した武器は、下記のとおりである。

精密誘導装置付き、対戦車用ロケットランチャー×23
クルップ製 42センチ 榴弾砲 ×3
スコダ製 30、5センチ 榴弾砲 ×5 
狙撃銃 ×80

住民は、暇な老人や無職、バツイチが主力となって23名となっている。
今日は平日のため戦力が少ないのだ。

ところでこのクルップ製の42センチ方だが、
第一次大戦のドイツ軍が使用したものである。
弾薬数は700発あり、一つの弾の重さが630キロもある。

これは、大戦初期のベルギーのリエージュ要塞攻略戦に使用された。
リエージュ要塞とは、日露戦争のロシア軍の旅順要塞を
超える規模の大要塞として世界的で恐れられた。

リエージュ市を守るために、
同市を取り巻く12個の堡塁を中心とした、
環状線に展開された要塞のことである。

この要塞は、半径10キロに渡る規模である。
ちょうど、山手線より一回り大きい規模に、
各重火器、弾薬、地雷、鉄条網、地下通路が仕掛けられていた。

ドイツ軍は、この人類史上最大規模の大要塞を、
たった二日で陥落させた。ドイツ軍は上にあげた二種類の
攻城砲を使い、堡塁の天盤ごと撃破し、
内部に潜むベルギー兵を生き埋めにしたのだ。

※堡塁 ほるい
コンクリート製の、極めて強固な防御陣地。
並みの大砲ではかすり傷しか与えられない。

コンクリで固められた要塞を落とすには、
強大な砲で倒すのがベスト。
旅順要塞攻略戦で半年も苦戦した日本軍が、
巨砲を使って形勢を逆転させた教訓を
ドイツ軍がしっかりと学んだ結果である。

ドイツは、20世紀の歴史において
運用、用兵技術(作戦レベル)で最強の軍隊である。
先の要塞だが、米国、英国、フランス軍などが攻撃を仕掛けたら
陥落までに一ヵ月以上はかかったことだろう。


「うちかたよーい」 「うてええ」

団地の屋上で、クルップ製の42センチ方が発射された。

あの「リエージュ要塞」を陥落させた攻城砲である。
弾の重さは600キロを超える。
もはや、音がうるさいとか、そんな生易しい話ではない。

賢人「な、なんだこの音は((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル」
瞳「ゴロゴロって、空で雷が鳴ってる?」
美雪「空の上を蒸気機関車が通過してるみたい……」

弾が、先頭を走る重戦車に命中した。
初段から命中するのは奇跡に近い確率である。

天と地が裂けるほどの、轟音が鳴り響いた。

戦車の主砲部分である、上部構造物がまるごと持って行かれた。
主砲部分はそのまま道路先へと飛ばされた。
内部にある弾薬にも着弾し、
誘爆を起こして、上空5メートルに及ぶ火柱を発生させた。

黒煙を上げ、燃え盛る戦車の残骸。
タイヤ以外でまともな部分は残っていなかった。
戦車の中にいた人は、高温で殺されゼリー状の液体となっていた。

他の店員が、恐れをなして戦車や輸送車から降り、
少しでも安全な場所へ逃げようと走り出していた。

そこへ、狙撃銃の容赦のない攻撃が襲い掛かり、
店員はわずか3名を残して全員撃ち殺されてしまうのだった。

「あ…」賢人たちは呆然。言葉もない。

「ママー」
「今回の敵は強かったよぉ」

マリとイズミである。
年子なのだが、もはや双子といえるほど仲良しである。
長い黒髪のツインテールがマリ。
後ろで縛っているのがイズミ。

すれ違えば人が振り返るほどの美少女ではないが、
十分に可愛いらしい容姿である。
子供らしく無邪気さにあふれるところも好印象。

そして困ったことに、ここにいたいけな少女が
好きなロリコンがいたのだ。

(か、かわいい(*´Д`)ハァハァ)

説明するまでもなく渋谷賢人である。
ところで私の書く作品には必ずロリコン男性が
登場していることに気づいた。
本編と関係ないので深く考えないことにするが。

「あんたたちは無茶するわねぇ。(´ー`)
 ま、死ななければそれでいいんだけど」

まだまだママに甘えたりない年齢なのだろう。
マリとイズミは身長165センチの
カグちゃんの腕にぶら下がってキャッキャしてる。

「カグちゃん。ちょっと待ってもらっていい?」

サカガミ・瞳嬢である。会社では仲良しの同僚である。

「その子達どうやって生き延びたのよ。
 戦車の主砲が発射される直前までは部屋にいたのよね?
 時間的に考えて脱出する余裕とかなかったと思うんだけど」

「うちの子は、ちょっと特殊なのよ」

「特殊とか、もうそういうのいいから。
 ちゃんと読者の皆さんが納得できる説明してよ」

「うーん、説明すると長くなるんだけど……これでいい?」

手帳を見せてくれた。

『ネオナチス・国家防衛委員会、幼年部・陸軍特殊部隊の訓練課程修了書』

瞳(;゚Д゚)いみが、わからないのだけど? 

カグ(*´ω`) もっとわかりやすく言うと、
       娘たちは西側諸国の戦車の5割は運転することができってこと。

すさまじい訓練をされたらしい。
カグちゃんはバツ3で生活に困窮していると思うのだが、
どうやって娘に高度な訓練を受けさせたのか。

「日本はスパイ天国だから、ネオナチスのメンバーとか普通にいるのよ。
  安倍政権に支配された国家を破壊するために工作員や兵隊の
   教育訓練を無料でやってくれるのね」

なんと、カグちゃんの娘二人は学校に通ってないという。

「最近の学校はいじめとかひどいを苦に自殺することか増えてるじゃない。
 まじイジメってシャレにならないし、あんなクソみたいな
 環境で子供を育てたって意味ないかなって思ったのね」

茨城県など、各自治体には教育委員会があり、
いじめ対策に取り組んでいると声高には言うが、
実際には担任がいじめを認めない、
教育委員会、児童相談所、第三者委員会も放置する。
これらのスーパーコンボによって子供の自殺率は減ることがない。

さらに家庭での離婚、育児放棄、暴力、貧困など。
子供が育つ環境は、もはや先進国とは言えなくなりつつある。
2019年度の国会は自民党が子供の虐待防止をテーマに
発案とか審議をしていたようだが、はたしてうまくいくだろうか。

ここで筆者の意見を述べるが、ずばり学校教育とは
子供の精神的な発達のためには害悪だと思う。
理由はクラスの存在である。

クラスとは、一部の仲の良い友達と、
多くの会いたくもない連中と
毎日顔を合わせるための監獄である。

これは社会人の皆さんも同意してくれると思うが、
嫌な奴と毎日顔を合わせるのが人間にとって一番の苦痛なのである。
これは長年連れ添った夫や妻にも同じことが言える。
夫婦仲悪化の原因も、実は「時間」なのである。

「同じ人とずっと一緒にいる」
これが人間関係を悪くさせる決定的な要因なのだ。

学校は社会の縮図といわれるが、全く同意する。

40人もの人数を同じ箱に詰め込むな。
昔と違い、今の子供は片親の人が年々増加し、
朝食抜き、給食費すら払えない人もいる。
そして不景気によるストレスからさらにイジメが増加する。

親の経済力に差があり、育った環境も違う40人もの男女を
同じ部屋に揃えて、「対人トラブル」が起きないわけがない。

どこの州か忘れたが、アメリカのご家庭では、
子供を小学校に通わせずに母親が完全家庭教師となって
13歳まで教育する人が存在するらしい。
教材は日本でいう文科省当たりから取り寄せて
学校と同じ教育のレベルにするらしい。すごい発想である。

アメリカでは肌の色、宗教、移民の違いによる人種差別、
スクールカーストが相当ひどいらしい。
親たちもスクールカーストの上位にいられないことに
肩身の狭い思いをした経験から、多くの人が学校に通うことが
悪だと考えているとか。筆者が高校生の時に聞いた話だ。

また日本では教員の奴隷労働も深刻化している。
中学校では、土日も部活の指導という名目で
強制的に出勤させられ、しかも日曜手当てが、
たったの2000円という事例もあった。

さらに平日も部活の顧問をした後に残業を
済ませなければならず、長時間労働を強いられている。

NHKの発表によると、全国の自治体で働く小中学校教員の内、
精神疾患が原因で3か月以上求職したことのある教員は、
なんと55%にも及ぶそうだ。

さらにモンペ。モンスター・ペアレンツという
人類史上まれにみる低能の母親集団によって
子供の成績が上がらないことなどを全て
教員のせいにされてしまい、クレームを受け続け、
うつになる教員が増加しているのである。

民間の職場のみならず、教育の現場でも人の足を引っ張り、
人間関係を悪くするのは、おばさんなのである。
もちろん教養があり上品なご婦人もいるのは分かるが、
目立つのは口うるさいババアばかりである。
死んだほうが良いと思う。

子供とは、国家繁栄のための宝である。
国家とは人が作り出すものだ。

教育機関が腐ってしまえば、国民の平均的な
教育レベルは低下の一途をたどるばかりであり、
最悪末端労働者でさえ外人労働者に奪われることになりかねない。

そもそも20代の世帯の過半数が離婚していると
厚労省が統計を取っている。事実だろう。
各年齢別の調査結果を見ても、若年者の離婚率が最も高い。
10代の離婚率に至っては、なんと8割である。

深刻を通り越して絶望である。
やはり早期結婚は破滅への道なのだ。

明治の富国強兵は、国民の教育レベルを
高めることを第一とし、出生率を高め、
国民としての連帯意識を高めて
最終的な日新日露戦争の勝利へとつながった。

我が国の教育レベルは、清国露国と比べても高かった。
ロシア兵の捕虜は、文盲で掛け算すらできない人も少なくなかったという。

それを今の日本は、いじめの横行。自殺、DV、親の離婚。
学校教員のウツ、精神疾患。子供の列に高齢者の車が突っ込む。

ただでさえ少子高齢化の影響で一人の子供でさえ貴重なのに、
早い段階で子供を産むのは金髪茶髪のDQNばかり。
そして離婚後、育児放棄、虐待による殺害は
ニュースでパターン化している。

報道されてないで、今この瞬間も虐待されている
子供はたくさんいるのだろう。
どれだけ親に殴られ、食べ物を与えられなくても
死なない限りは報道されないのだから

まさに悪い材料しかない。
教育の視点から見ても我が国の衰退は進んでいるのは間違いない。

大塚家具ちゃん「行政はバツイチに冷たいわ」

※三人称

やもめ(離婚して独身に戻った女性)には
児童扶養手当(母子手当)が支給される。市税である。

よく間違われるのが、児童手当である。
これは民主党時代の子供手当を減額して引き継いだものである。
子供年齢に応じて支給額の増減があり、中学卒業まで支給される。

さて。児童扶養手当は、子供の人数に応じて下記になる。

1人 42,500円 (額は所得に応じて変動する)
2人 52,540円 (上に同じ。最大で1万アップすると覚えればおk)
3人以上  2人以上の場合に3,010から6,020円加算

市の給付金は、各自治体によって異なる。
上にあげた例は、主人公らの住む埼玉県久喜市の例である。
詳しい支給額が気になった読者は、ご自分の住む
自治体のホームページを調べてみてください。

日本のほとんどの自治体は、赤字である。
とはいえ、国家予算から地方交付税交付金が払われているだが…

「令和10年では年金の支給額が月660円。
 年金は国税。自治体の給付金も減ったわ」

カグちゃんはそう言う。まさか、令和10年の母子手当は…

1人 800円 (所得に関係なく一律)
2人 450円 (上に同じ)
3人以上   160円ずつ加算

Σ(゚Д゚) 賢人
Σ(゚д゚lll)美雪
Σ( ̄ロ ̄lll)ひとみ

端的に行って、行政は母子家庭に「死ね」と言っているのだ。

カグ「子供たちがプレステ4買ってほしいって言ってくるのね。
   私はお金がないからその辺の電気屋さんでも襲撃しなさいって
   言うのよ。そしたら本当に襲撃して、しかも生き延びて帰ってくるし、
   ここまでくると笑っちゃうわよね」

美雪(この人はどうやって暮らしてるのよ)

瞳(カグちゃんも私と同じ時給210円。
  臨時収入でもなければ飢え死にするわよね)

賢人「こんなこと聞くのもあれなんだけどさ、
   子供たちをどうやって食べさせてるの?」

カグ「子供の半分は実家に預かってもらっているの」

大塚かぐちゃんの実家は、鷲宮(わしのみや。ここからすぐ近く。
行政区画では久喜市の一部になっている)に古くから続く農家らしい。

8000坪を超えるほどの農地を保有する、明治の豪農として
栄えたご家庭であり、カグの両親が小さな子供たち
(3歳、5歳、6歳の三人)の面倒を見てくれている。

現在家具が同団地で暮らしているのは、
マリ・イズミと高校生の長男(17歳)の三人。
カグちゃんの収入だけでは厳しい。

長男(高校三年生)は部活をせず
飲食店でアルバイトをして母を助けてくれている。
さらに両親から野菜やお米など現物の仕送りがある。

市営団地は家賃が格安。さらに娘たちが
近所のお店から品物を強奪して家計を助けてくれている。
カグちゃん家の白物家電の8割は強盗によって得たものである。
つまりお金を払っていないのだ。

瞳「さらっと強奪とか襲撃とか言ってるけど、
  この小説って犯罪を助長しているような……(>_<)」

令和10年まで現在のデフレが続けば、強盗が日常化するのは
あり得ない話ではないと筆者は思っている。
さすがに軍事兵器は使われないと思うが。

オレオレ詐欺、先日のセンブンアイのキャッシュレス詐欺
(2019/7/4 900人の顧客から5500万の現金が盗まれた)
などは、強盗に比べれば可愛いものだ。

なぜなら、この作品にみられるように軍事攻撃によって
民間人の死傷者が出ていないからだ。
お金は盗まれるけど五体不満足にはなっていない。
健康な体こそ最高の資本である。

読者の皆さんも、休みの日は運動をする時間を作って
令和の大不況に備えてもらいたいものだ。
日本人の長寿化は政府とメディアに散々指摘されているが、
健康でいられる寿命、健康寿命は、
お金と健康な肉体によってのみ維持されることを忘れないでほしい。

瞳「カグちゃんはご両親が助けてくれて良かったね(*^▽^*)
  もっとぎりぎりの生活をしてるのかと思った」

カグ「私はまだましな方でしょうね。
    会社でも他のバツイチの子達は過酷だよ。
    週明けの月曜日に髪の毛の半分が白髪になって
    出勤してくる子とかいるじゃん(;・∀・)」

賢人「うーむ(-_-;)確かに女性の貧困問題は深刻だよな」

公営住宅に離婚組の女性、貧しい老人が
多数住んでいるのはどこの地域も同じである。
団地内の各家庭でランドセルや教科書の
使いまわしも普通に行われている。

今や20代から64歳までの一人暮らしの女性の
3人に1人が貧困の状態にあるという。
現実世界では参議院選挙が開始されているのだが、
山本太郎のれいわ新撰組の統計では、7人に1人の子供が貧困だそうだ。
もっと多いのではないかと思った。NHKでは5人に1人としている。

(カグちゃんってやっぱり美人なんだな)

賢人は口にせず、ひそかにそう思った。
今日は7月の初めの週。梅雨明けしてない関東の天気は
すっきりしない空模様で、湿度はあるが気温はまだまだ上がらない。

カグちゃんはこの時期になるとさすがに
マスクを外してるので顔をさらしている。
シャープな目鼻立ちで賢人好みの美人の顔だった。

実年齢は42歳。生活に疲れた感はあるが、
まだまだ女としての魅力は感じられる。
結婚を三回もしていた、という事実はまさに
女優か芸能人並みなのだが、ブスな女なら
そもそも三度も結婚できる器量がない。

ここで賢人は、自分の周りに美人ばかりが
集まっている不思議な現象に気が付いた。

まり「おにーちゃんたち、だれ?(^○^)」
いずみ「ママと一緒の会社の人?(^○^)」

賢人「可愛いお嬢さんたち。初めまして。
   カグさんの同僚の渋谷賢人と言います(`・ω・´)」

銀行時代を思い出してイケメンボイスで言う賢人。
いかにも品があって少しだけうさんくさい、
金融機関勤めの人特有の雰囲気である。

まり「おにーちゃん、イケメーンヽ(^o^)丿」

いずみ「声低くてかっこいい(∩´∀`)∩
     声優さんみたーい。
     ねえねえ、彼女とかいるのぉ?」

賢人は、後ろからにらんでくる瞳と妹に恐れをなし、
速やかに話題を変えることにした。

賢人「お兄さんは子供だから恋愛のことは分からないなぁ。
   それより二人は休みの日はどんなことして遊んでるの?」

(´-`).。oO(やべ。この子達は学校通ってないから
       毎日が休みじゃねえか)

いずみ「市役所で遊ぶのぉ(´-`*)」
まり「市役所は大人がたくさんいて楽しいよぉ(^ω^)」

賢人「へ、へえ(´ρ`)」

賢人(´-`).。oO(むしろ役所なんて頼まれても行きたくねえんだけど)
瞳(´-`).。oO(子供の遊び場ってイオンとかじゃないの?)
美雪(´-`).。oO(モールは全部壊滅してるでしょ。気づけやアホ瞳)
瞳(´-`).。oO(なんやとわれ、こら。ぶち殺されたインカ帝国)
賢人(´-`).。oO(やめろよ二人とも。つーかこの状態でよく会話できるな)

いずみ「今から遊びに行こう!!(*''▽'')」
まり「以降以降!!(´-`*)」
いずみ「変換ちゃうで( ˘ω˘ )」
まり「あかんわぁ。行こう←こうやな( ̄▽ ̄)」

そして久喜市役所へ。

賢人「カグちゃんは行かないの?」

カグ「会社が休みだから家でやりたいことあるのよ。
   むしろあんたらが子供の相手してくれると助かる。
   帰りに卵買って来てね」

賢人「お、おう」

瞳「令和10年の市役所ってこうなってるの……(ノД`)・゜・。」

自民党独裁。野党の解党。
元野党党員の銃殺もしくは国外追放。

そして地方自治体は自民党政府の奴隷。
県民、市民は自治体の奴隷。
奴隷がまた奴隷を管理する、
恐るべき社会が令和の日本である。

奴隷は、生まれながらにして奴隷。
主人(国家)に逆らうことはできない。

長らくそう思われていたが、多くの貧しい国民は
政府に従ったふりをしつつ、ひそかに軍事兵器を
外国から取り寄せ、暇な時間に軍事訓練をして、
着々と国家転覆の機会をうかがっていた。

市営団地から市役所まで、歩いて15分かかる。
賢人を一目で気に入ったカグちゃんの娘たちは、
子供らしい無邪気さで彼と手を繋ぎながら歩いた。

相手が子供でなければ両手に花といった状態なのだが、
この男はロリコンなので十分に満足していた。

「おにーちゃん」

とマリちゃんに言われると、心が温かくなる。
年下の可愛い女の子にお兄ちゃんと呼ばれるのが好きなのだろう。
妹居以外の女性にお兄ちゃんと呼ばれるは初めてだ。
そのため高揚していた。

賢人は、二人の頭を撫でたくなる衝動を必死でこらえていた。
なぜなら、血のつながったブラコンの美雪が
猛獣並みの殺気を放っていたからである。

「あのおばさん、怖いね(゜o゜)」
「さっきから、うちらのことにらんでるよね(・´з`・)」

(おばさん…?)

美雪は大学三年生21歳。賢人の会社にお邪魔した際は
ちょっとしたアイドル扱いをされたものだ。
そもそも21歳という年齢を考えると、女として
最も美しく輝いている年齢であろう。

にもかかわらず、この小学生の女の子二人に
兄を独占されただけでなく、

『おばさん』

と呼ばれてしまった。

これでキレるな、というほうが無理だ。

美雪は、口の聞き方が成ってない子供たちに対し
制裁を加えるために、一歩踏み出そうとした。
尋常でない殺意に、訓練された子供たちは臨戦態勢を取ろうとしたが、

「子供を虐待するのはやめなさいよ、おばさん」

瞳に言われてしまう。

「そーだそ-だ。お姉さんの言う通りだ( ̄▽ ̄)」
「ぼうりょく、はんたーい(・´з`・)」

美雪の怒りのボルテージがさらに上がった。

今のが聞き間違えでなければ、子供たちは
瞳のことを「お姉さん」と呼んだ。
今さら確認するまでもなく、瞳の年齢は32歳で
まもなく33歳の誕生日を迎えようとしている。
(8月が誕生月)

美雪より11歳も年が上の瞳が「お姉さん」
現役大学生の自分は「おばさん」

確かに、初対面の人に20代の半ばに間違えられることも
ある。最近急に老け込んできたのか。
兄の生活の面倒を見ているからかもしれない。
株の運用で頭を使っていることも影響しているのか。

確かに普通に考えれば女子大生で株価、為替、金利を
意識して生活をしてる人などまずいないだろう。

「おねーさん、ちょうびじんさん(゜-゜)」
「優しそうだし、きれーでうらやましー(゜-゜)」

「(´∀`*)ウフフ。ありがとう。可愛い妖精さん達。
 私の名前は坂上瞳よ。あなた達のお母さまとは
 会社で仲良くさせていただいているわ」

美雪はこの日の屈辱を一生忘れることがなかった。
瞳との容姿の違いは、第1シーズンでも明らかになり
屈辱に耐えたものだが、今回は子供に判定されてしまった。

前とは違う。前は大学時代のミスコンテストでの
結果の有無だったが、無邪気さの残る子供に
おばさん扱いされたのは、その場で気を失うほどのショックだった。

「へー!! おねーさんは、賢人さんの婚約者なんだぁ( `ー´)ノ」
「うらやましいなぁ。賢人兄ちゃんイケメンだし、
 お姉さんも美人。美男美女カップルだぁ(´っ・ω・)っ」

賢人|д゚)..₀o0(あんまり褒めると美雪が怒るからやめてくれ)

瞳「(´∀`*)ウフフ 素直でかわいい子達ねぇ。気に入ったわ。
  あとでお姉さんがゲームソフトを買ってあげるわね」

 ほんとにー? °˖☆◝(⁰▿⁰)◜☆˖° 
やったー(∩´∀`)∩ 


一行は、ついに市役所についてしまった。

賢人「これが市役所( ゚Д゚)……?」
瞳「Σ(゚д゚lll)軍事基地の間違えよね?」

ここは埼玉県の久喜市である。
埼玉北部の地方都市なのだが、全国の自治体でも特に
反自民党的な分子が多い市とされていた。

そのため、この市の行政機関の最高機関である市役所は、
反乱分子の鎮圧、また自民党的な思想を植え付けるために
従来の市役所の施設を大幅に改装するに至った。

改装に伴い、大いに参考としたのは、次の施設である。

・ヴォルフス・シャンツェ 
  Wolfsschanze

通称・オオカミの巣

Wikiから引用する。

(Wolfsschanze) とは、第二次世界大戦で東部戦線のドイツ国防軍の
作戦行動を指導するため、アドルフ・ヒトラーが設けた指揮所である。

建設された場所は、東プロイセン州のラステンブルク(現:ポーランド領ケントシン)の
東約8kmの森林の中である。ラステンブルク周辺は東プロイセン時代から
屈指の景勝地で、現在はポーランド・マズーリ湖沼地帯として知られる。

この施設には居住棟、厚生棟(食堂・娯楽室・映画館など)
管理棟がおよそ40棟、コンクリート製の大型掩蔽壕(ブンカー)が7棟、
小型のものが40棟があった。

ブンカーのコンクリートの厚さは『6mから8m』に達していた。
この他、鉄道引込線と航空機着陸場が2ヵ所があった。

周囲は50mから150mの幅の地雷原に囲まれ、有刺鉄線は10kmに達し、
面積は周囲の森林地帯を含め8平方kmに及んだ。
警備する将兵は1944年時点で約2000名に達した。


美雪「ちょΣ( ̄ロ ̄lll)ガーン
   うちの市役所ってこうなってんの!?」

賢人「(゚Д゚;)有刺鉄線がこんなに……しかも近づけば地雷原……?」


市役所周辺には兵隊も職員の人も立っていない。
したがって、近寄ろうとすれば出来る。

しかし。

市役所に近づけば、死ぬ。
死なないにしても、ただでは済まない。

それは本能で分かった。

ここは日本国の一部だが、もはや日本ではない。
令和の10年。令和でも平成の大不況を引き継ぎ、
自民党による圧政が布かれた日本では貧困化が加速し、
ついに抵抗する市民を軍事力で圧する。

瞳は女の子にしては珍しく、中学の頃より世界史をよく勉強していた。
日本は先の太平洋線の敗戦後、GHQのマッカーサー元帥の指導の元、
基本的人権を尊重し、軍国化を否定する憲法を作ったはずだ。

だがこれはどうだ?

市の行政の中心部が高度に軍事化され、
市民を毎日のように痛めつけてるのは間違いない。

人権は? 
人として最低限度の文化的な生活を営む権利は?
自民党独裁化の日本では、そんなものない。

そもそも年金支給額が将来的に減らされることは
現実世界でも確定しているし、いざ体にガタがきて
働けなくなった人に対する補償など何もない。

この市役所の防御施設は、もはや市民の自由など
まったく許さないと言っているのと同義。

『生活保護の申請をしに行くと職員に撃ち殺されるのよね』

同僚のバツイチが言っていたことを思い出し、涙さえ流しそうになる。
年金も、母子手当すら満足に払えない国と自治体が、生活保護など
払ってくれるわけがないのだ。
生保申請却下⇒自殺もしくはホームレス化は現実世界でも発生している。

まり「(^○^)あのしせつの、なかにはねー」
いずみ「(゜-゜) かそうば、があるんだよぉ」

賢人「(; ・`д・´)火葬場……?」
瞳「(;´∀`)葬儀屋でもないのに……?」

まり「(´ρ`)ねんきんの支給額が、すくなすぎて不満をいうひと とか、
   せいかつがくるしくて、せいほを しんせいするひととか
   に ぎょうせい様が、さーびすをしてくれるの」

美雪(-。-).₀o0 (なんでこの子達は赤ちゃんみたいなしゃべり方なの)

瞳「サービスってまさか、銃殺とか? ((((;゚Д゚))))」
いずみ「(´ρ`)んーんー。ちがうよぉ」

賢人「じゃあ日本国が大好きな拷問かい?(;゚Д゚)」
まり「ちーがーうYO☆ (´っ・ω・)っ あれだよあれ」

鉄条網の外側(つまり賢人たちの側)には、不自然な長机が
用意されていた。その机の上には、
「生活に困った人は、ご自由にお取りください」と書いてある。

置いてあるのは、いくつもの紙コップだった。
ふたがしてある。美雪が恐る恐る手に取ってみると、
中に入っているのは「青酸カリ」だった。

瞳「いやぁぁああああ(>_<) 青酸カリ!!!((((;゚Д゚))))」
賢人「うわああ(# ゚Д゚) なんでこんなものが市役所にあるんだよ!!!!」

・正式名称 シアン化カリウム(KCN)

下は沖縄戦の例。某HPから勝手に引用。

病院壕からの移動の時、
自力歩行不可な兵士たちは青酸カリウムによって「処置」された。

 化学に精通した友人に色々尋ねてみた所、
   「おそらく彼らは相当苦しんで死んだはず」
との答えが返ってきた。

 南風原を例に挙げてみると、青酸カリはミルクに混ぜて配られたようだ。
ここでは仮に、ミルクの量は全員100mlだったとして話を進めている。

証言の中に「ひどく苦くて――という記述があるが、
ミルクを苦くするのに必要な量は100mg前後。
致死量は250mg。死ぬには到れない量だ。

(正確に何g入っていたかは分からない)

 青酸カリを飲むと、まず食道にヤケドをおい、大量の血を吐く。

それから体内に吸収され、血液中のヘモグロビンと強く引き合い、
酸素を取り込めなくする。窒息させるのだ。

摂取後5分で死に至るが、その間、

『指と胸が血だらけになるくらいに胸を
 かきむしりながらうめき声を上げる』という。

仮に運よく助かっても脳にダメージを与えるために後遺症も残る。
致死量でない量を飲んだのに多くの兵士が死んだのは、
彼らの極度な衰弱を意味している。


美雪「ちょっとあんた達、これはいったいどういうことなの!!」
いずみ「うげー(´ρ`) 胸ぐらつかまないでよぉ」
まり「(。-_-。) 私たちじゃなくて、せいふの指示でじちたいが、やってるんだよぉ」


2019年7月の参院選において。
マクロ経済スライドの発動によって年金の支給額が
平均で7%減ることは政府与党が認めた。
基礎年金だけの世帯に至っては、6万5千円から4万円まで削減らしい。
(筆者がNHKの日曜討論で聞いた)

金融庁の審議会でも年金減額予想が伝えられたが、
総務省、厚生労働省、経済産業省も同様の見解であり、
経産省の見積もりでは、老後不足する資金は最大で3750万と最大だ。

つまり我が国の国家機関である各省庁が、
「金のない老人は死ぬ」と宣言しているのだ。


美雪「市民に青酸カリを無料サービスで配る国がどこにあるのよ!!
   これは毒物で飲んだら苦しんで苦しんでから死んじゃうのよ!!」

まり「(´ρ`)だーかーら、私たちはしらないよぉ」

いずみ「(゜o゜)むかしは日本軍が沖縄の人にやってたんでしょお?
    いまの日本人にもおんなじことを、してるだけじゃないのぉ」

瞳「いやああああ!! 令和十年ではお金のない人は青酸カリを
  飲んで死ななければならないの!!」

賢人「うおおおおおおおお!! これが人間のやることかよ!!」

令和10年の日本では、人権が失われていた。

なぜ、こんな日本になってしまったのか。
政治の責任は、その政党を選んでしまった国民の責任である。
そもそもの発端として、日本の平和憲法は
どのようにして作られたのか、次の話で詳しく解説したい。

美雪「(* ̄- ̄)マッカーサー元帥って悪い人じゃなかったのね」

GHQ=連合国軍最高司令部。そのトップはアメリカ合衆国である。

マ元帥= マッカーサー元帥の略称である。
     当時の朝日新聞を初め、メディアの文体ではよく使われてた。

すなわち、わが日本国を五年間にわたり保証占領したGHQについてこれから説明する。

1945年8月15日。大日本帝国はついに連合国軍に無条件降伏をした。ポツダム宣言
 同年9月8日。サンフランシスコ平和条約・締結。これが正式な降伏宣言である。
  
世界中の国は、9月8日が日本国による侵略戦争終結日と考え、
社会科の教科書にもそのように記載している。
これは日本国民にはあまり知られていない事実である。

マ元帥「うーっす。俺は支配者として日本国に降り立ったぞ。
    思えばここまでくるのに長い道のりだった」

開戦当初、日本軍によるフィリピンのコレヒドール要塞占領。
当時同等にいたマ元帥は、オーストリアにまで逃げ込んでから
態勢を立て直し、紆余曲折を経て日本の軍事力を撃破した。

ここまでくるのに三年半もかかった。
「俺は再び戻ってくる」英語で宣言した言葉通り、
対にフィリピンを陥落させ、硫黄島、沖縄も占領した。

沖縄戦の被害はすさまじかった。
米国海軍は1400隻の艦艇、20万人の陸戦戦力を投入した。

わずか3か月余りの戦いで、
艦艇360隻の損傷(若干の沈没も含む)と陸海含めて兵力8万名の死傷者が出た。
その後、日本国本土に侵攻したら少なくとも「100万人」以上の死傷者が出ると
警告され、米軍も米政府も震えあがっていた。

二発の原子爆弾の投下。
ソ連の対日参戦によって満州緒戦にいる関東軍の壊滅。

この二つの要因によって日本国の全ての希望は絶たれ、ついに戦いに敗れる。
神武天皇が即位してから2600余年。
一度も対外戦争で負けたことのない不滅の神国は、敗北を知る。

マ元帥「これから日本を保証占領して戦争の出来ねえ国にすんぞ!!
    とりあえずれの執務室を用意しろ!!」

※マッカーサーの執務室。Wikiより引用

第一生命館は、皇居を見下ろす地上8階建てのビルであり、
天皇の上に君臨して日本を支配するマッカーサー総司令官の
地位をよく現わしていた。

しかし、マッカーサーが執務室として選んだ部屋は
さほど広くもなく、位置的に皇居を眺めることもできず、
階下は食堂であり騒がしい音が響いていた。

マッカーサーの幕僚らの方が広くて眺めもいい快適な
部屋を使用していたが、マッカーサーがわざわざ部下より質素な
執務室としようと考えたのは、強大な権力を有しているが、
それを脱ぎ捨てれば飾り気のない武骨な軍人であるということを
示そうという意図があったためである。

しかし、実際にはマッカーサーの幕僚らにより第一生命には
「一番よい部屋を」という要望がなされ、
マッカーサーの執務室として準備さたのは第一生命の社長室。

壁はすべてアメリカ産のくるみの木、床はナラ・カシ・桜・
コクタンなどの寄木細工でできたテューダー朝風の
非常に凝った造りとなっており、第一生命館最高の部屋であった。


マ元帥「日本国の憲法を作り直さねえとなぁ」

マッカーサーには大統領ハリー・S・トルーマンから
『米国史上空前の全権』が与えられていた。

天皇と日本政府の統治権はマッカーサーに隷属しており、
その権力を思う通りに行使できる。我々と日本の関係は
条件付きのものではなく、無条件降伏に基づいている。

マッカーサーの権力は最高であり、
日本側に何の疑念も抱かせてはならぬ。日本の支配は、
満足すべき結果が得られれば、日本政府を通じて行われるべきである。

もし必要であれば、直接行動してもよい。
出した命令は武力行使も含め必要と思う方法で実施せよ。

連合国最高司令官政治顧問団特別補佐役としてマッカーサーを補佐していた
ウィリアム・ジョセフ・シーボルドは「物凄い権力だった。アメリカ史上、
一人の手にこれほど巨大で絶対的な権力が握られた例はなかった」と評した


部下「元帥閣下。昭和天皇がお話ししたいって言ってますけど」

マ元帥「んだよ。あんな奴と話したくねけど、しょうがねえ。
    あっちからくるように伝えろ」

元帥(´-`).。oO(日本人民を奴隷化していた嫌な奴なんだろ。
         どうせ自分のことが神とか思ってるクソ野郎だ。
         カミカゼ隊員の命は、自分の髪の毛一本より軽いとか言ってたそうだ)

そして昭和の天皇陛下が元帥の元へ足を運ぶ。
元帥は当時無礼にも出迎えすらしなかったが、
当時の米国の感情を考えれば当然とも言えた。

天皇陛下
「元帥様。私の命はささげます。私を好きなように処刑してくださって結構です。
 その代わりどうか、残された日本国の民を救ってあげてください」

マ元帥
「な!?Σ(゚Д゚) おまえ、何言ってんだ」

天皇陛下
「お願いします。お願いします。敗戦直後の日本では飢餓が発生しています。
 私は殺してくださって結構です。どうか日本国民を飢えさせないでください」

マ元帥
「(;´・ω・)お、おい。土下座までするなよ!!
 俺は確かに国連軍の最高権力者だが王族じゃねえんだ。
 そもそも、おめえは政府の戦争指導には関わってないんだろうが」

大日本帝国憲法下でも天皇陛下には政治に関与する権利がなかった。
真珠湾奇襲攻撃、満州事変のいずれにも天皇陛下に権限はなく、
御前会議にて事後報告を聞かされただけだった。
そしてそれはマ元帥もよく知っていた。

その後、11回にわたる会談が行われた。
のちにマ元帥は、昭和天皇陛下のことを「最高の紳士」とまで称し、
二度とバカにすることはなかったという。

マ元帥
(´-`).。oO(日本国にとって天皇は柱だ。この人を中心に日本の島国は
        一致団結して戦っていた。この人を失ったら日本国を
        支える柱がなくなってしまう。やはり天皇制は必要だ)

マ元帥「会談が終わったから記念写真でも撮ろうぜ(∩´∀`)∩」
陛下「わかりました」
マ元帥「あ…俺は陛下のこと嫌いじゃないからよ。記念に撮るだけだからな?」
陛下「は、はい」(優しい方でよかった(^o^))

マッカーサーの思いとは裏腹に、
この二人のツーショットは、日本国民に一生モノの傷を残した。

読者諸兄らも教科書やテレビで見たことがあるだろう。
軍服姿のリラックスした元帥と、
直立不動の正装した陛下が並んで映っているのである。

マ元帥は、両手を腰に当て、気取った様子はない。
一方の陛下は、敗戦側の気負いもあり、緊張した面持ちだ。

新聞に掲載されたこの写真を見て国民は、

「これからは、元帥閣下が日本の最高指導者となるのだ……」
「私たちはアメリカに負たんだ…」
「天皇陛下より偉い方が、この世にいたのだよ」
「陛下のお姿が、あまりにも哀れじゃないか……」

マ元帥「おい朝日新聞社!!」

朝日「ひぃい!! なんでございますか元帥様!!」

マ元帥「なんでこの写真を新聞に載せやがったんだ!!
    日本国民が俺を天皇より偉いと勘違いしてるじゃねえか!!」

朝日「な、何か問題があるのですか。マ元帥様は日本国の支配者でなはいですか」

マ元帥「この馬鹿野郎が!!」

朝日「うわああああ!!」←腰を抜かした。

マ元帥「俺は天皇より偉くなった覚えはねえぞ!!
     今は大統領の命令で5年間日本を保証占領して
     まともな国に戻してあげてるだけだ!!」

マ元帥「天皇もこの報道を知ってショックを受けてるんじゃねえのか!!
    彼にも謝れよ!! なんでおまえらはそんな報道しか出来ねえんだ!!」

朝日「申し訳ありません!! 責任者をあとで切腹か銃殺刑にしておきます」

マ元帥「そんな野蛮なことをしなくていい!! 
    そういう日本の悪い風習をなくすために俺が憲法を変えてやるんだよ!!
    もうどっか行けよおまえ」

朝日「すみませーん」ダッシュで逃げる

翌日。

マ元帥「グッモーニン。どいつもこいつもアホばっかりで疲れるぜ。
    おいコックさぁ」

コック「は、はい」

マ元帥「今日の朝食はスクランブルエッグが食べたいぜ」

コック「ただ今調理してまいります」

その後、数時間してもコックは戻ってこなかった。
昼の三時に差し掛かろうという時であった。

コック「(>_<)はぁはぁ……遅れてしまって申し訳ありません。
    スクランブルエッグをご用意しました」

マ元帥「いやいや。どういうジョークだよ。
    俺自身もうスクランブルエッグなんてどうでもいいわ。
    なんでこんな時間までかかったの?」

コック「実は、東京は焼け野原となってお店もやっておりません。
    そのため部下と一緒に地方まで出かけて、たった一つの
    新鮮な卵をわけてもらいました。そのため時間がかかってしまったのです」

コックは、マ元帥に食材がないと報告するのが怖くて、
何時間もかけて卵を探してきたのだと言う。
日本国民の生真面目さと、戦後日本の貧しさを物語るエピソードである。

マ元帥「そ、そうか…。ご苦労だった。行ってよし。
    おめーの作ってくれた
    スクランブルエッグは美味しくいただくぜ」

コック「は、はい」(叱られなかった…? 日本人なら怒鳴るのに)

コック「今は食事時ではありませんし、お口に合わなければ
    残してくださって結構です」

マ元帥「たぶん残さねーから安心しろよ」
     (貴重な卵を残せるわけねえだろ…( ˘ω˘ ))

そして別の日。

マ元帥「おいMPども!! 進駐軍の兵隊どもよ!!」

MP=アメリカの憲兵

兵隊たち「なんすかぁ元帥?」

マ元帥「おめーら、今日の昼飯持ってんだろ」

兵隊「レーションっすね。
   缶詰とかたくさん持ってますけど、それが何か?」

マ元帥「今日はお前ら昼飯抜きだ」

兵隊「へ!?」

マ元帥「そこに軍用トラック(ジープ)がある。
    トラックが満杯になるまで缶詰など食料を満載にしろ。
    そしてそれを庶民共に配ってやれ」

兵隊A「俺達の昼飯を日本人なんかにあげちゃうんですか!?」
兵隊B「あんな奴ら、勝手に飢え死にすればいいのにー」
兵隊C「俺も弟が日本軍に殺されたから恨んでますよ正直」
兵隊D「ジャップはその辺の石ころでも食ってればいいんだww」

マ元帥「うるせえ!! いいから配ってやれ!!
    いま日本は貧しくて闇市で満州から持ってきた
    人肉まんじゅうが売られてるほどなんだぞ!!」

兵隊「ちぇ……」 トラックへ缶詰を満載する。

運転手「じゃ、行ってきまーす」

マ元帥「ちゃんと市民たちに配ってやれよ?
    くまなく市内を回てやれよ?」

運転手「ちーっす。わーってますよ。元帥の命令ですからね」

(´-`).。oO(この国の貧しさは俺が想像していた以上だった。
       どうすればこの国が一日でも早く復興するのか)

国民A「マッカーサー様、ご飯を分けてくださってありがとうございます」
国民B「おかげさまで幼い娘にお肉を食べさせてあげることができました」
国民C「ありがとうございます。ありがとうございます」
子供「チョコレートって甘くておいしい(^^♪」
 
ペコペコ m(__)m  m(__)m  m(__)m m(__)m <m(__)m>

マ元帥「ふ、ふん。兵隊どもがダイエットしたいから
    食料を配ってたんじゃねえの?
    それと俺に頭を下げなくていいよ…」


そして極東国際軍事裁判が開かれる。

戦勝国側による、日本国の軍事犯罪者を裁くための国際司法裁判である。
まさに人類史上空前の規模の裁判であった。

各国から派遣された判事を見ると規模の大きさがよく伝わる。
※Wiki

裁判官・判事
ウィリアム・ウェッブ(オーストラリア連邦派遣)
- 裁判長。連邦最高裁判所判事。

マイロン・C・クレマー少将(アメリカ合衆国派遣)
- 陸軍省法務総監。ジョン・パトリック・ヒギンズから交代。

ウィリアム・パトリック
(グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国派遣)
- スコットランド刑事上級裁判所判事

イワン・M・ザリヤノフ少将(ソビエト社会主義共和国連邦派遣)
- 最高裁判所判事。陸大法学部長- 法廷の公用語である英語を使用できなかった。

アンリー・ベルナール(フランス共和国派遣)
- 軍事法廷主席検事 - 法廷公用語である英語を十分使用できなかった。
後述のパール判事やレーリンク判事とは別の考え方で7人の死刑に反対した。

梅汝璈(中華民国派遣) - 立法院委員長代理。
シカゴ大学・ロー・スクール法務博士取得者だが、法曹経験はなかった。

ベルト・レーリンク(オランダ王国派遣)
- ユトレヒト司法裁判所判事。
自らの個別意見書の発表は、パールが「反対意見」を
公表すると主張した副産物であったとした。

エドワード・スチュワート・マクドゥガル(カナダ派遣)
- ケベック州裁判所判事。

エリマ・ハーベー・ノースクロフト(ニュージーランド派遣)
- 最高裁判所判事。

ラダ・ビノード・パール(インド派遣)
- カルカッタ高等裁判所判事。
東京裁判では平和に対する罪と人道に対する罪とが
事後法にあたるとして全員無罪を主張。

デルフィン・ハラニーリャ(フィリピン派遣)
- 司法長官。最高裁判所判事。日本の戦争責任追及の急先鋒で、被告全員の死刑を主張。
日本軍の捕虜としてバターン死の行進を経験。
弁護側は被害者側による客観性の欠如を理由に忌避を申し立てたが、却下された。


これらはすべて日本国と交戦状態にあった国である。
日本は先の大戦でこれだけ多くの国と戦っていたのだ。

アジアの島国が、たった一国で、日中戦争を含めて
実に7年間もこれほどの国々と戦争が継続できた、
という事実に筆者は震えるばかりだ。

日本軍による外国人捕虜の強制収容所送り、
虐待、強制労働、拷問は、戦争期間中に絶えず行われていた。
日本によって被害を受けた国は白人国家だけでも
米英蘭仏、NZ、豪州、ソ連と多岐にわたる。

インド・ソ連を覗いたほぼ全ての国が、天皇の死刑を要求。

ニュージーランド「天皇はしねえ!! 侵略戦争の罪を全部背負え!!」
オーストラリア「逆さはり付けにして、じわじわと殺せ!!」
英国世論「悪魔のヒロヒトは絞首刑がふさわしい!! 人間の屑だ!!」

マ元帥「うるせえだまれ!! 
    おめーら日本の歴史も天皇の人柄も知らねえくせに、
    勝手なことこと言うんじゃねえ!!」

中国「天皇死刑!! クズは死ね!! 天皇死刑はやくー!」

マ元帥「天皇が処刑されたら日本人が怒って内乱が発生するぞ!!
     日本国の復興が遅れても良いのか!!」

中国・イギリス「そんなの知るか!! 死ねー!!」
NZ・豪州「死ね死ねー!! ヒロヒト。早く死ねー!!」

マ元帥「ええい、てめえら黙れ黙れ!!
    天皇の死刑反対は、うちの大統領も賛成してくれてるんだ!!
    天皇がいねえと日本国民は生きる希望を失っちまうんだよ!!
    俺は断固お前らに反対するからな!!」

ここでGHQ最高司令官の権限を利用し、天皇の死刑要求を撤回した。
A級、B級戦犯などは予定通り裁かれたが、昭和の天皇陛下の命は彼が救ったのだ。


・平和憲法の制定
大日本帝国を基に作成。
第一条が天皇から始まるのはそのためだ。

当時の政府与党が作成した草案を、元帥たちが
ダメ出しをして、現在の形に作らせた。

マ元帥が重視したのは三原則だった。
「天皇を元首とする、戦争の放棄、封建制度の廃止」だ。

基本的人権の尊重もこの時に作られた。
すべて国民は、健康的で文化的な最低限度の生活を
営む権利を有する。また拷問の禁止も含まれていた。

そして神風特攻隊のような悲劇が生まれないために、
軍部による独裁が二度とおこなわれないようにしてくれた。

マ元帥「ま、こんなもんだろ。
    そろそろ5年経つから保証占領終わりにすんぞ」

吉田茂「ははっ。これにて日本国は主権を回復しますね。
    さっそく私が内閣を作ります」

・朝鮮戦争勃発。

今の北朝鮮軍と韓国軍の血みどろの戦い。

米陸軍、海兵隊は朝鮮に上陸。韓国とともに進撃。一気に押す。
困った北朝鮮軍は、なんと中国軍の無尽蔵の兵力の供給を受け、
逆にアメリカ・韓国側は大ピンチ。

マ元帥「俺も韓国に上陸して直接指揮を執ってくるぞ」
吉田「はっ。左様ですか。無敵の元帥閣下が行けば楽勝ですな」

マ元帥「じゃあな。日本のみんな。ちょっと朝鮮まで行ってくるぜ」

朝日新聞「マ元帥閣下!! ついに日本の港を出港!! 
     その勇姿に国民は惚れ惚れする!!」

国民A「おきをつけてー(^○^)」
国民B「いってらっしゃいませー(^○^)」
国民C「元帥はかっこいいな。朝鮮軍なんてイチコロだ!!」
子供「元帥のおかげで生まれて初めてチョコや
   チーズを食べれたよ!! 頑張ってね!!」

その後。

マ元帥「だめだ……中国軍の兵力が多すぎて倒しきれねえ」
韓国「そろそろ戦争するの疲れてきたぞ…」

中国軍「米兵は簡単に倒せるぞ。日本軍より根性もないし弱いぞ」
密かに参戦していたソ連兵「うんうん」
スターリン「みんな頑張れ!! 米兵なんて日本に比べたら弱いぞ!!」

※実話。なぜか中ソの間では、日本軍の方が米兵より強いことが常識となっていた。
嘘だと思って筆者がイギリスの文献まで調べたのだが、本当だった。
いかに日本陸軍が強者だったか分かる。

マ元帥「こうなったら、最後の手段だ」
韓国「へ?」

元帥閣下も戦争の長期化を恐れての判断だったのだろう。
また日本の保証占領の最中、すぐさま朝鮮戦争に
従軍したこともあり、精神的にも大きな負担を抱えていたのだろう。

元帥「北京に原爆を投下しろ!!(34発も)」
世界「えーーーーーーΣ(゚Д゚)」

この案にトルーマン大統領が激怒し、マッカーサーを指揮官の座から降ろした。
同時に本国への召還命令を受けたマッカーサーは、さすがに意気消沈としていた。

米国内では

世論「ばかやろー!! 戦局悪すぎて戦争終わらねえぞ!!
    最初は楽勝とか言ってたくせに嘘つき!!」

マスコミ「北京へ原爆投下は、米ソとの
     全面戦争に発展して第三次大戦になる。
     まさに気が狂ってる」

ニミッツ提督
「奴は目立ちたがりの口だけ野郎。戦争中も俺達海軍の
 作戦にいちいち反対し、真反対の作戦をたてやがって。大嫌いだ」

トルーマン
「私も奴がGHQの司令官になるのは初めから気に入らなかったんだ。
 議会と世論の圧力に寄ってやむなく任命しただけに過ぎん。
 ちょっと戦局が悪いからって原爆投下とか言い出すアホは首だ」

マ元帥
「ち、ここでは俺の味方はいねえようだな」
(日本にいた時は、それなりに感謝されていたんだがな)

彼はGHQの最高司令官を解任された。
その後の元帥は、米国各地を回って講演活動をした。

「老兵は死なず。ただ消え去る去るのみ」

議会でのこの発言は、多くの米国民の記憶に残ったことだろう。

マ元帥がその後、歴史の表舞台に立つことは二度となかった。
日本人の多くは、彼が最高司令官の座を首にされた事実を知らないだろう。
たぶん教科書にも載っていないと思う。


元帥が日本を去る時のエピソードである。
※Wiki

フーヴァーの忠告通り直接帰国することとしたマッカーサーは、
4月16日にリッジウェイに業務を引継いで東京国際空港へ向かったが、
その際には沿道に20万人の日本人が詰めかけ、
『毎日新聞』と『朝日新聞』はマッカーサーに感謝する文章を掲載した。

マッカーサーも感傷に浸っていたのか、
沿道の見送りを「200万人の日本人が沿道にびっしりと並んで手を振り」と
自らの回顧録に誇張して書いている

首相の吉田茂は「貴方が、我々の地から慌ただしく、
何の前触れもなく出発されるのを見て、私がどれだけ衝撃を受けたか、
どれだけ悲しんだか、貴方に告げる言葉もありません」
という別れを悲しむ手紙をマッカーサーに渡した。

4月16日には衆参両議院がマッカーサーに感謝決議文を贈呈すると決議し、
東京都議会や日本経済団体連合会も感謝文を発表している。


ダグラス・マッカーサー(スコットランドの貴族の移民)
1964年4月5日(84歳没) 最終階級はアメリカ陸軍元帥だった。
この軍人が日本国民の飢えを救い、天皇制を存続させ、
平和憲法を制定したことを忘れてはならない。

すべて国民は、文化的で最低限度の生活を営む権利を有する。

その権利は、すでに自民党によって奪われようとしている。

老後の年金問題。2000万ないと95歳までに飢え死に。
女性労働者の三割はワープア。年収200万以下。
子供の五人に一人は貧困。親の手取り月11万以下。
国家の借金1000兆越え。国民にさらなる増税を強いる。
自殺者は年間2万人以上。過労死自殺多数。

天国にいる元帥
(´-`).。oO(今ごろ日本国民は飢えずに暮らせているのかな)

もはや、この人に返す言葉もない。

美雪「市役所での戦闘……? (;^ω^)」

賢人「( ;∀;)前回のマッカーサー元帥の話に感動したぞおおおお!!」
瞳「(ノД`)・゜・。 それだけに今の日本の行政は許せないわ!!!」
美雪「(^_^メ)ほんとに今の日本は狂ってると思う」

※令和10年です。

その時であった。
70過ぎと思われる白髪のご老人(男性)が車椅子を押していた。
車椅子に乗っているのは40代の女性であり、
一見すると娘さんなのだろう。実際に娘さんだった。

「わしらはもう思い残すこともないからの」
「ううっ……お父さん、迷惑ばっかりかけてごめんね」
「いいんじゃ。余計なことは何も考えることはない。
  あとは神のいる国へ旅立つだけなのだから」

二人は何を考えているのか、青酸カリのあるテーブルへ
迷いなく近づいていく。そして老人が青酸カリを手にしたところで
瞳がこらえきれず、タッコーを食らわせた。

※タッコー 米語でタックルを意味する。英語ではタックル

「ぶはぁ(ノД`)」 ←1メートル吹き飛んだ老人

ひとみちゃん
「|д゚) ご、ごめんなさい(m´・ω・`)m
 でもあなたが自殺しそうな感じだったのでつい」

娘さん「どうして邪魔をするのよ!!」

ひとみん「だ、だってΣ(゚Д゚)」

娘さん「私たちは今日ここで死ぬって決めたのよ!!
     行政様が青酸カリ・プラス銃殺って
     素晴らしいサービスをしてくれるんだからね」

なんのことかと賢人が真摯な態度で事情を聴いた。

娘さんは、自動車を運転中の事故によって
激しい打撲により半身不随になってしまった。

13年も務めていた事務の仕事を止めざる得ず、退職したが
令和10年では退職金もなく貯金もなく、補助金などの
公的支援も得られず、家系は絶望的な状況になった。

そこで高齢の父が深夜の警備員の仕事をして
わずかな収入を得ていたのだが、70過ぎの体には
大きな負担である。金に困っているストレスから
精神的に不安定になり、睡眠不足から勤務の継続が
厳しくなってきた。

令和10年では高齢者の働く場所は売るほどあるのだが、
土木建築、交通誘導員、施設警備員、庭の剪定業者など
肉体を酷使する仕事ばかりである。
それなのに時給の相場は180円と、全く割に合わない。

娘さん「このチケットがあると楽に死なせてくれるのよ」

賢人「これは……」

・安楽死・チケット

令和10年では幅広く市民の間に浸透しているチケットである。
本来であれば、生活保護の申請を拒まれた生活苦の市民は、
青酸カリを飲んで自殺するのだが、食道を焼かれて5分にも及ぶ
苦しみに耐えなければならない。

この5分間は、文字通り地獄である。
断末魔の叫びをあげること必至である。
そこで、市役所の職員が、対象者が青酸カリを飲んだと同時に
頭を拳銃で撃ってくれるサービスなのだ。これなら即死出来る。

だったら初めから銃殺にしろよと言われそうだが、
役所は国の命令で自殺者には必ず青酸カリを飲ませること、となっていた。
詳細は筆者にもわからない。

瞳「(>_<)と、とにかく死ぬのはダメよ!!」
娘さん「あんたに止める資格があるの?」
瞳「だめなものはダメよ!!」
老人「何と言われようと、わしらは死ぬぞ」

老人が躊躇なく青酸カリの紙コップへ手を伸ばそうとした。
ひとみんのタックルが発動し、老人を吹き飛ばす。
懲りずにまた老人が紙コップへ手を伸ばすと、吹き飛ばされる。

そんなやり取りを4回も繰り返すと、
老人はポロシャツを引き裂いて泣き叫んだ。

「あんたはまだ20代だから、わしらがどれだけこの国に絶望し、
 どれだけ考えた末に自殺にたどり着いたか、わからんのだろう!!」

ひとみん(≧∇≦).o00(私ったら20代って言われちゃった☆)
けんと( ゚Д゚).oo0 (若作りってレベルじゃねーぞ!!)

「この国ではアントワンット、じゃなくて金がない奴は死ぬんじゃぁああ!!
  金こそが日本国で生きる手段、金こそがこの国で生きる資格そのもの!!
  金がない奴は人権を奪われ、生きる手段を失い、最後は死ぬ運命になる!!」

美雪Σ(゚Д゚).o0(なんでアントワンットって言ったの…)
賢人('Д').o0(マリー・アントワネットのことか)

瞳「辛いのは分かりました。
  あともう少し頑張って生きてみませんか?
  自民党の一党独裁が終われば
  貧しい人への搾取も終わるかもしれませんよ」

老人「すでに野党は一掃されとるがな」

娘さん「若い人は政治のことなんて知らないんでしょ。
    自民党以外の政党がないのに、どうやったら独裁が終わるのよ」

瞳(言われてみればそうだった……)

賢人(しかも自民党独裁って現実世界も同じだ。
   実質野党が存在している意味ねえ)

※政府与党案は、最終的に参議院で強行採決されるので
立法府に提出された99%の法案は、自民党の思い通りに可決してきました。
つまりほぼ確実に、というか絶対的にこの国は自民党の一党独裁なのです。

野党がいくら吠えても経団連(自民のスポンサー)に
有利な社会になって最終的に一億総奴隷化するかもしれません。
ある意味この小説は、未来の可能性の一つを表してると言えるでしょう。

瞳「目の前で死のうとしている人がいるのに、
  黙って見ていろって言うんですか」

老人「その通りだ。黙って見てなさい」

娘さん「あんた、血色がいいし、品があるけど
    もしかしてお嬢様? だったら金頂戴」

瞳「わ、私は派遣の底辺労働者です…」

娘「ほんとに? 髪質が良いから高そうなシャンプー使ってそうだけど。
  だったらそこの夫婦でいいや。お金ちょうだい」

賢人「夫婦って('Д')」
美雪「私たちのことですか(≧∇≦)」

娘「2000万くれたら自殺するのやめてあげる」
賢人「( ゚Д゚)」ニセン……
美雪「(;^ω^) お兄ちゃん。話にならないから帰ろう」

瞳「わ、わかったわ!!」

賢人('Д')な… 美雪Σ(゚Д゚)え

瞳「2000万あげれば自殺するのをやめてくれるのね?」
娘「え、本当にくれ…」
賢人「何言ってるんだよヒトミさん!!」
老人「さあさあ、金があるならさっさとくれ!!」
美雪「瞳は若返りの化粧水によって年を誤魔化してるけど、実はブスです」

瞳「いいわよ。ただし、私じゃなくて美雪さんがね」
美雪「ん(;´・ω・)……?」

瞳「(*^▽^*) 美雪さんは米国株をたくさん持ってるでしょ。
  例のETFを一部売却してこの人たちに分けてあげて」

美雪「(^_^メ) ぶちころされたいんか、こら。
    父の生前の形見の、大切な大切な株を簡単に売却できるかボケ。
    ママからも人生をかけた超長期投資を勧められてるんやぞ」

瞳「(*^▽^*)マッカーサー元帥は、貧しい人たちにも
  兵隊さんの食料を分け与えていたわ」

美雪「(;^ω^) 連合国軍の最高司令官と私を同列に語るな。
    私だって生活が懸かってるんだから
    一市民のために大金払えるわけないでしょJK」

瞳「(*^▽^*)それより美雪さん、
   話の途中で私のことブスとか言ってたのは気のせいかしら?」

美雪「気のせいじゃないと思うよ。
   だって、あんただって私のことブスってバカにしてたじゃん。
   忘れたとは言わせないよ。このバアア。行き遅れの年増女が!!」

瞳(# ゚Д゚)ダダダダダッ  美雪(^_^メ)きなさい。こら

二人はつかみ合いの喧嘩になり、
床の上をゴロゴロ転げまわっていた。

その茶番はまさに致命的というほかない。

老人と中年の娘さんは、何を思ったのか、
正面ゲート前の監視カメラに向かって中指を立て、
「安倍政権くたばれ」
「自民党一党独裁は北朝鮮のキム政権と変わらない」
と暴言を吐いた。

その次の瞬間だった。

二発の銃声が鳴り響き、二人の頭に風穴を開けたのだった。
糸の切れた操り人形のように、ひざをかくんと折り、前向きに倒れた。

死んだのだ。

ついさっきまで元気に話していた二人が、今は息をしていない。
どくどくと、貫通した頭部から血だまりが広がっていく。
死んだ人の血はどす黒い色をしているのだ。

瞳(´・ω`・)エッ?
美雪( ゚Д゚)ハァ?

もはや、キャッツ・ファイトなどしてる場合ではなかった。

あの二人は安倍政権の悪口を行っただけである。
決して青酸カリを飲んだわけではない。

そもそも、どこから銃弾が飛んできたのか。
無機質にしか見えないコンクリートの壁のどこかに
銃眼が空いているのか。それとも屋上にスナイパーが潜んでいるのか。

賢人「に、逃げろ。ここにいたら俺たちも殺されるぞ!!」
瞳「あなた達も逃げるわよ。真理ちゃん。泉ちゃん!!」
美雪「あの2人ならとっくに帰ったわよ」
瞳「いつの間に!?」
美雪「たぶん一話前辺りで」

いきなりの銃声が。賢人の足元に一発の銃弾が振って来た。

賢人「う……うわぁ……。俺も狙われてる……?」
瞳「賢人、逃げるわよ。さあ、早く!!」
賢人「だ、だめだ。何者かの強い殺気を感じて足が動けない」
美雪「お兄ちゃん、しっかりして!! 瞳も一緒に彼を運んで!!」
瞳「まかせて(^○^)」

足が恐怖でお釈迦になってしまった賢人を、力持ちの
女二人がずるずる引きずってその場から退散することに成功。

令和10年。埼玉県にて。不用意に市役所に近づき、
自殺志願者の市民と接触するだけで反逆者候補になってしまう。
この日本には人権などなく、市民に生きる権利などなく、
中世の封建社会以下のただの奴隷大国となってしまった。

これが日本国の真の姿である。

この国の本質は、一億総奴隷社会である。

クレオパトラが生きたプトレマイオス朝のエジプト奴隷王朝。
日本国・奴隷王朝である。

美雪「瞳をぶっ殺したい!!」 瞳「それはこっちのセリフよ!!」

帰宅後の夕飯の時間である。

今日もベルーナで仕入れた冷凍肉を自然解凍して食べる。
最近市内では停電が頻発しており、
電気が使えないので電子レンジはただの箱。
蛍光灯も使えないため食卓には二本のろうそくが立てられている。

このろうそくとてお店で買ったわけではない。
行政サービスとして市民に配給されたものだ。
賢人らの団地では各家庭に10本が支給された。

チャッカマンは贅沢品なのでマッチで火をつける。
困ったことにマッチを満足に使える人が
いなかったので、一本の火をつけるだけで大いに苦労した。

ご飯は、朝炊いた分が残っていたので助かったが、
三人分には足りない量だ。賢人は女たちに遠慮し、
瞳は賢人に遠慮し、美雪も彼に遠慮した。

そして瞳が、美雪はデブだからご飯を抜いたほうが良いと主張し、
美雪は瞳がおばさんだからご飯抜きでカロリー制限すべきだと言い返し、
いつもの口論が始まった。

瞳「前から思ってたんだけど、美雪さんのお腹周り大丈夫?
  ちょっと肉付きが良いのを通り越して小太り。いえデブよね。
  あなたって胸が大きいけどお腹も出てるのは気のせいかしら」

美雪「お兄ちゃんは、がりがりの女より
   ふくよかな人の方が素敵だって言ってましたけど」

瞳「いやいや。何言ってるのかしら。デブとふくよかは違うのよ。
  参考までに体重計に乗ってみたら?
  おそらく女子大生の平均より重いはずよ。
  お菓子の食べ過ぎで顔にニキビも出来てるじゃない」

美雪「なんだと!! あんたみたいな厚化粧に言われたくないよ!!」

瞳「私はナチュラルメイクだって何度言ったら理解できるの?
  あなたみたいに化粧に時間かけないし、化粧をしても
   ほとんどすっぴんと変わらないって賢人も言ってたわよ。
   ね? けんと (*^▽^*)」

賢人「う、うん (>_<)」

美雪「お兄ちゃんからもこのおばさんを叱ってあげてよ。
   最近事あるごとに私に喧嘩売ってきてマジうざすぎ。
   これだからお年寄りと暮らすのはストレスたまるよ」

賢人「は、はは (>_<) まあまあ ( ゚Д゚)」

瞳 (# ゚Д゚)ギャーギャー 美雪(#^ω^)ワーワー

賢人(何気ない口喧嘩に思えるが、二人の殺気がすごい。
    胃が痛くて飯が食えねえ……ヽ(^o^)丿
    しかもたまに俺に同意を求められるから
    聞いてないふりをしてもだめだ)

ここまではいい。
だが今日の喧嘩はいつもと少し違った。

瞳「あの人(前話参照)たちが死んだのは美雪さんのせいよ!!」
美雪「 ( ゚Д゚)ハァ?」

瞳「あなたが嘘でもいいからお金をあげるって言ってしまえばよかったのよ。
  そうすれば、あの人たちはあの日は気を取り直して帰ったと思うわ」

美雪「瞳さんって頭悪いんですか?
   すぐばれる嘘をついたところで実際にお金をあげないんだから
   最後は同じ運命ですよ」

瞳「たとえ一時の希望でも良かったのよ。
  人間は明日への希望があれば生きていけるわ!!
  だって希望のない人生なんてただの苦痛よ。
  そんなの生きているって言えないわ。
  愛がなければ生きている意味はない。愛は希望なのよ!!」

美雪「 (;゚Д゚)何言ってんのこいつ…」

賢人(いまのは聖パウロのコリントの信者への手紙だと思うぞ…
   ひとみんってたまに新約聖書の引用をするんだよね。
   ガチのキリシタンってやつだ……。
   その辺の女より神々しい美しさがあるのは宗教も影響しているのかな)

賢人も聖書に少しは詳しくなった。

瞳にしつこくすすめられて、聖書を読むようになったのだ。
本物の聖書は重い。あまりの文章量の多さに圧倒されたが、
簡略版の聖書も渡されたのでそっちを読ませてもらった。

いちページごとに絵が付いていおり具体的だ。
賢人は、読みだしたらすっと頭に入ったのでびっくりした。
(ドレの旧約、新約聖書シリーズ。初心者向け)

瞳「私はね美雪さん。あなたの自分勝手で自分中心に
  物事が回ると信じている、幼稚な発想や考え方がムカつくわ」

美雪「あんたこそ人のこと言えるんか、こら。
   今までうちの兄の前で何回ヒスッたか数えてみいや」

瞳「あなたには信仰心がないからダメなのよ (; ・`д・´) 」

美雪「しんこ……はい? ( ゚д゚)」

瞳「やはり人間はお金や政治のことばかり考えて
  生きても幸せにはなれない。
  神の道(ロード)を歩むことはできないのよ。
  いい? 信仰心がない人は、盲目の状態で
  道を歩いているのと同じだと主・イエスが…」

美雪「(;一_一) あーちょっと待ってもらっていいですか。
   いきなり我が家で宗教勧誘するのとか
   すごく迷惑なんで、よそのお宅でやってもらっていいですか?」

瞳「でも、本当に大切なことをあなたに教えてるのよ!!
  愚かで無知なあなたのためにね!!」

美雪「うざ ('Д') 瞳さんって本当に変わり者って感じ。
   何が神よ。神なんているわけないじゃん。だって誰も見たこともないし。
   その聖書ってのも誰かが考えて書いただけでしょ」

瞳「はぁ……( ˘ω˘ ) やっぱりこの子はすでに手遅れね。
  目で見た者しか信じない。典型的な日本人の発想だわ。かわいそう」

美雪「おい (^_^メ) 喧嘩売ってんのか。その顔やめえや」

賢人「俺は瞳さんの言ってることはなんとなく伝わっているよ。
   確かにお金お金ってこの小説はお金のことばかり
   話してて俗社会のことしか考えてない。たぶん作者は馬鹿なんだろう」

美雪「私はお金の知識を得るのはむしろ正しいことだと思う。
   だってお金がなくてどうやって幸せになるのよ。
   信仰心でお腹が膨れるならいいけど」

瞳「死んだ後の世界にまで、お金を積んでおくことはできないのよ!!」

美雪「 (´・ω`・)エッ?」

瞳「美雪さん、あなたは現世では億単位の資産を保有しているわね。
   でも死んだ後もそのお金を持っていけるのかしら?
   違うわよね」

美雪「は? 死後の世界って何? そんなもん存在すんの?
   死んだら無に変えるだけでしょ」

瞳「あー、もうだめね。この子。
   どうしてこんな子に育っちゃったのかしら」

美雪「こら。いまなんて…」

賢人「はいはい喧嘩しない。ヒトミさん。
    俺の妹は無神論者だから神様とか一切信じないんだよ
    もちろん仏教も神道も信じてない。幽霊の存在もね」

美雪「ちょっと待って。幽霊って?」

賢人「いるだろ幽霊」

瞳「うん。いるわね」

美雪「 ( ゚д゚)」

この団地にも普通に死んだ女や老人の霊が夜うろついており、
賢人や瞳は何度も外の通路や階段などで目撃している。

先日飛び降り自殺した隣の部屋の奥さんと旦那の例は、
ベランダの外で無表情で宙に浮いていたという。
瞳に至っては霊感が特に強く、子供の幽霊と会話する直前まで至ったらしい。

美雪「((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
   いやぁぁぁあああああぁぁぁぁぁぁぁあぁあぁ
   この団地から出ていくぅぅぅぅぅ!!」

賢人「別に実害があるわけじゃないから大丈夫だと思うぞ」

美雪「いやいやいや。幽霊がわんさかいるってだけで
   普通に考えてアウトでしょ!! ほんまにあかんわ!!
   この団地が安いのってやっぱ理由があったんや!!」

瞳「あなたは信仰心がないからすぐ取り乱すのよ」

美雪「信仰心と関係あるの!?」

瞳「正確には心持ちね。聖書では目に見えない者の力、精霊の存在、
  主の奇跡を見ずして信じられる者が幸いだとされているわ。
  神様に愛される人ってそう言う人のことを指すのよ」

美雪「宗教勧誘やかましいわ!! そんな能書き垂れとる場合と
   ちゃうやろが!! 自分なに普通に話すすめとんねん!!」

賢人「分かった分かった。そろそろ落ち着こうか」

美雪「これが落ち着いてられるかい!!
   自分の住みかで幽霊がでとんや!!
   大問題を通り越して直ちに転居を考えないといけないレベルやぁ!!」

瞳「幽霊ごときでガタガタ言わないで頂戴」

美雪「ガタガタ言うわ!! むしろ瞳が冷静過ぎやろ!!」

賢人「だから、悪さをする霊じゃないんだって」

その後、美雪は深夜までギャーギャー騒いだが、
実害がない幽霊じゃないことで納得し、ようやく収まって寝た。

どのみち美雪は霊感が弱いので目には見えないのだ。

ちなみに筆者も幽霊はとある職場で何度か見たことがある。
私の後ろを14歳くらいの、着物を着てタビを履いた少女が
タッタッタッと走り去っていった。その時は寒気よりも
可愛い女の子っぽいオーラを感じて不思議な気分だった。

だが恐ろしかったのは、『足音』『床を蹴る感触』を
確実に感じたことだ。影だけが、私の後ろを去って行った。
しかもその影は無色透明で、朝日を浴びて七色に輝いていたように見えた。

他にトイレから定期的に出てくる初老の男性なのだが、
『黒い残像』なのである。
会社では社長の亡くなった親の霊だとされていて、
会社の経営が心配で我々を見守ってくれているらしい。
これは筆者の見間違えでなく、従業員の6割の人の目撃証言がある。

その職場は、霊感の強さは関係なくほとんどの人が
見えてしまうほど霊の力が強いのであろう。
私はその会社に勤める前までは幽霊を見たことがなかった。

書いている間にまた怖くなってしまったので
デノンのミニコンポで音楽でも流すことにしよう。


美雪が兄と一緒に寝たいと言うので、いつも通り寝たのだが、
賢人は妹が寝静まったのを見計らってそっと布団から出た。

賢人 (>_<)。o00 ねてるのかな……?

瞳の部屋の扉を小さく開け、中を覗く賢人。
瞳は布団にうつぶせになって聖書を読んでいた。

部屋は真っ暗だ。どこで買ったのか、電気スタンドの明かりを
頼りに真剣なまなざしで神の書を読んでいる。

瞳 Σ(゚Д゚)..o00 ケント君?

驚いたのは瞳も同じだった。
賢人は夜這いに来たことは一度も無い。
実は瞳の側としては、いつでも来ておkだったのだが、
女の恥じらいがあるので自分からは言い出せないでいた。

だからこの時も、瞳は賢人がそこにいることを気づいていながら
聖書に目を落とすふりをすることにした。だが、すでに婚約を
結んでいるのに何を今さらと思い直し、自分から声をかけた。

「そこにいるのは賢人ね。こんな時間にどうしたの?」
「君に会いに来たんだ」

ついに来たのかと、瞳は身構えるよりもうれしい気持ちが勝った。
今日は生理が終わって2日目であり、一般的には安全日である。
実は薬局でこっそり買っておいたコンドームもある。

瞳は超絶美人なのになんと処女だったのだが
結婚するまで純潔を守ったのは信仰心の強さの証であると
むしろ誇っているほどだった。

「賢人。いいわよ」
「え?」

瞳の時間が一瞬止まる。
彼がなぜ呆けたのか、にわかには理解しがたかった。

「私はいいわよって言ったの」
「なにが?」

分かっているくせに、
女の側から言わせるつもりなのかと、瞳は少し苛立った。

そのまま待っていても、彼が何も言いだそうとしないので
やけになってしまった。瞳は聖書を投げ捨て、布団から
勢いよく起き上がって賢人の頬をつかみ、キスをした。

「な、なんでいきなりキスしたの?」

瞳は、はげしく混乱した。

賢人と瞳は、すでに婚約を結んでおり、同居をしている。
互いの母の同意は得ている。そして今日の場合は
賢人がついに夜這いをしに来たと考えるのが妥当だろう。

筆者から見ても瞳に非はない。
ではいったい何が間違っているのだろうか…。

「俺は聖書の内容が難しくてよく分からないから
 瞳に解説してもらおうと思ったんだけど」

「あなたって人は……どこまで……人の気持ちに鈍感なのよおおお!!」

坂上瞳。今年の夏で33歳の誕生日を迎える彼女は、ついに切れた。
深夜の1時半のことであった。

「どんだけ女心が分からないのよ!!
 もう怒ったわ!! 妹とだけは添い寝する癖に
 私のとこには全然来てくれないのは、私のことを結局は
 女として見てないってことなんでしょうが!!」

「添い寝? ああ、そういうこと。
 だって俺達まだ結婚してないんだし、
 そういうのはまだ早いんじゃないのかなぁ」

この男はすでに枯れているのか……?

草食系男子が増えたと言われて久しいが、
こんなタイプの男性が今のスタンダードなのだろうか。
筆者の常識では男性が女性と付き合いたい理由の
大半はそっち目的だと思うのだが……。

「賢人おおおおおお!!」
「はぃぃい!? Σ(゚Д゚)」

「あなたって一体なんなのよおおおおお!!
 私が悪いの? 私の体に魅力がないから悪いの!?
 それとも私が30過ぎの女だからなの!?
 体が細いからダメなの? あなたが望むなら
 運動を止めて妹みたいに太ろうか?」

「 (´・_・`)  体型は関係ないって。
  瞳さんは美人ですごく俺の好みだよ。
  何度も言ってるだろ」

「じゃあ、なんでぇ!? どうして妹とは一緒に
 寝てるのに私とは寝てくれないの!?」

「妹と寝てるのはノーカンだよ。寝たうちに入らない。
 だってただの妹じゃないか」

「その年で添い寝とか、言っちゃ悪いけど
 セックスしてるとしか思えないのよ!!」

「胸やおしりを触るだけで最後までヤッてるわけじゃないって。
 それに小さい頃からたまに一緒の布団で寝てたからその延長だよ」

「そんなのいいから。もうはっきり言ってくれる?
 あなたは私に興味ないのね? つまり、そういうことなのよね?」

「興味なかったら婚約してないって。瞳のことは好きだよ」

「うそうそ。そんなのうそ。嘘だああ!! もうだまされないんだから!!
 賢人は私のことなんてなんとも思ってなかったのよ!!」

「あのさぁ(´・ω・`) そんなに瞳さんは俺に手を出してほしいのかい?」

「 うっ ('Д')……そ、そうよ悪い!? 
  だって私とあなたはこれから夫婦になるのよ!? 
   夫婦なら夜の生活があるのは当たり前じゃない!! 
  そ、そもそもセックスレスは離婚しやすいって言われているのよ!!」

「そっか。じゃあ、おやすみなさい (=゚ω゚)ノ」

「ちょっと待ちなさい (; ・`д・´) なに勝手に部屋に帰ろうとしてるの。
 今の流れのどこでおやすみの挨拶をするタイミングがあったの」

「話が長くなりそうだったから」

「あなたねえ……(-_-メ) ふざけないでよ(; ・`д・´)!!
 私は真剣に話をしてるのよ!!!」

「前も言ったけど瞳さんのヒスは苦手だから 
 相手にしないことに決めたんだ。じゃあ、おやす…」

「逃がさないわよ卑怯者!!」

「なにするんだ。やめろー」

瞳のすごい握力で腕を握られてしまい、
「あぎゃー(´ρ`)」賢人は麻酔銃で撃たれた
チンパンジーの顔をして脱力した。

瞳は恐るべき怪力で片手で賢人を布団の上に寝かせ、
その上に自分がまたがった。女が優位になった大勢である。

賢人はなんとか彼女のマウントを外そうと必死に
あがくが、瞳は体重をかけているのでどうやっても
逃れることはできない。瞳は早朝ジョギングで足腰も鍛えられているのだ。

賢人はまさか女に貞操を奪われることに屈辱を感じていたが、
彼の胸にぽつぽつと零れ落ちるのは、瞳の涙であった。

「け、賢人には……もう裏切られることないんだって
 安心してたけど……もうだめなの……?
 私のこと女として見てないってことなでしょ。
 私の性格がこんなだから、いけないんだよね……」

「待ってくれ。文章量が…」

賢人「瞳さんと深夜の修羅場……?」

「じゃあ話数が変わったので俺は失礼するよ」

瞳はイライラに耐え切れず、またしても彼をぶってしまうのだった。

パッシイイイイン

(>_<) 賢人は、叩かれた頬を押さえ、6秒間堪えてから

「これで気が済んだかい?」

瞳の顔を見ずに早足で扉を開けて去ろうとしたのだが

シュッ

残像すら残すほどの見事な足払いを食らってしまい、激しく転倒した。
転んだ時に左手をついてしまった。手首に鈍い痛みが
するのでねんざしてしまったかもしれない。

彼にとってはどちらでもよかった。
一刻も早く愛する美雪の元へ戻り、明日になったら
愚痴でも聞いてもらおうかと思っていた。

「ごめんなさい。今のは……違うのよ!!」

何が違うのか。
言い訳なんて聞きたくなかった。
今日の瞳はヒスを発動しているのは間違いない。

(ヒステリーの相手をしたら負けだ)

賢人は、実は瞳に性的魅力など全く感じていなかった。
繰り返すが、賢人から見て瞳は綺麗な顔立ちで好みである。
スタイルは細身だが、適度に筋肉質でウエストが引き締まっていて
これはこれで十分に魅力的である。

だが、なぜ彼は婚約者にまで選んだ瞳嬢に対し
劣情を抱かないのだろうか。これは、瞳のみならず
多くの人にとって疑問に思うことであろう。

「もう隠してもしょうがないから正直に話すわ。
 私はずっと賢人に相手にされなくて寂しかったの!!
 だって賢人ったら妹とは毎日一緒に寝てるのに
 婚約者の私のところには一度も来てくれなかったじゃない」

「ね……? 賢人なら私の気持ち分かってくれるでしょ?
 賢人は自分から私の婚約者になるって言ってくれたのに、
 もしかして私のこと興味ない……って思ったら不安で。
 私胸もないしこの年だから女として見られてないのかなって」

『女として見られていない』

と彼女と言ったが、これはある意味事実であった。

瞳は賢人の婚約者であり、現在表面上は仲良くし同居している。
それは事実だ。だが賢人の心の根っこにある部分は、
根本的に彼女とは異なっているのだ。

(冷静になって考えてみれば、瞳さんと同棲しているのは
 母さんの命令によるものだ。それに俺が婚約を認めたのだって
 お金と会社の雇用が関係しているからだ)

賢人には実は冷たい部分があった。
彼が初めて勤めた会社は地方銀行であり、金融機関だった。
メガバンなど大手の金融機関と違い、地方銀行は
昔ながらの貸出金業務で利ザヤを稼ぐ時代遅れの組織である。

長く続いた平成不況を経て、令和でも続く大不況。
この大不況が自分たちが死ぬまで続くことを予想していた。

長期金利の低迷。企業の倒産数の増加。
企業向けの出資が滞る昨今において、個人向けの
お金の貸し出し(闇金)を積極的に行っている。

現実世界では某スルガ銀行が個人向けの住宅ローンの不正融資、
かんぽ生命が老人を中心に2万人の顧客に
元本割れする金融商品の販売をしていたことが明らかになっている。
こららは、もはや金融機関と称するべきではなく、
地上に存在する価値のない『生ごみ』とするのが妥当であろう。

貸出金業務とは、
右のポケット(Aさん)から仲介(銀行)を通して左のポケット(Bさん)へと
貸し出しを行い、返ってくるまでに金利や手数料を通じて利益が発生する。
(Bさんは個人もしくは法人を例にする)

もっとも企業相手に貸し出すには手形や社債など種類は雑多だ。
また銀行は国債の買い手にもなっている。

貸したお金が返済されるまで時間がかかる。
相手の将来の返済能力にもよる。
そのため金融とは『信用』によって成り立っている。常識である。

賢人から見て瞳は
『信用』
に値しなかった。

彼は寝る前などに色々と将来のことを考えてみた。
賢人は考え事に長い時間をかけるのが特徴で、
決まって入浴中と就寝前としていた。

美雪が隣で寝息を立てていても、飽きずに彼女の前髪を
いじりながら1時間も考えていることもある。

美雪のことは好きだ。
血のつながりがあるし。幼いころから同じ家に住み、
多忙な母に代わって一緒に買い物や料理など
家事全般をこなしてきた歴史と安心がある。

端的に言って将来一緒にいるべきなのは
美雪なのだと理性で理解していた。

自分中心の発想が多く、わがままを言うが、
女とはそういう生き物だと割り切っている。
典型的なA型の奥さん気質。几帳面な性格で綺麗好き。
自分の衣食住の世話を進んでやってくれるのはありがたい。

実は会社のお弁当を欠かさず作ってくれるのに心から感謝していた。
家計を切り詰めつつも、栄養バランスはきっちり考えてくれている。

彼女が自分なりに一生懸命勉強して米国株式での資産運用をしているのも
ポイントが高かった。賢人は自分が馬鹿ではない自覚はあったから、
伴侶となる女性にもそれなりの知性を求めている。
美雪の勉強熱心で読書が好きなところも大好きだった。

一方で瞳はどうだ?

今年の四月から勤め始めた会社で知り合ったばかり。
その付き合いはまだ半年にも満たない。
期間で考えると美雪とは比較にならない。

彼女もA型で質素倹約な生活を好むのは美雪同様。
家事全般もこなせるようだ。
社長令嬢のため育ちの良さが随所に見られ、
当分金にも困らないのだろう。それはいい。

賢人は彼女のヒスを警戒して口には出さないものの、
妹の手作り弁当を道端に捨てるよう指示されたこと、
スマホを電気ポットに投下されたことを根に持っていた。

彼が瞳のように昔のことを蒸し返さないのは、男性脳だからだ。
男性脳は過去の辛い思いではぐっとこらえて過去のフォルダにしまい込む。
賢人タイプの一見するとおとなしい男ほど、
実は怒りの感情が激しく一生根に持つのだ。

妹は本気でキレたらなぜか自殺未遂の練習を始めてしまうが、
賢人の私物に危害を加えたことはない。また物も大切にする子である。

そして第二シーズン冒頭での瞳のヒステリーは最低だった。
賢人は瞳にビンタされた回数を正確に覚えていた。今夜で4回目だった。

賢人は暴力を嫌うし、学生時代も男同士でほとんど喧嘩もしたことがない。
結婚する前からビンタしてくる相手との結婚など、誰が考えたって難しいだろう。

瞳はお金持ちで、社長令嬢で、体が細くて顔がとても綺麗だ。

だが、それだけだ。

根本的にこの人と長い関係を築くのは不可能だと判断していた。
したがって瞳に夜這いするなど論外なのだ。

「さっきから黙ってるけど、怒ってるのかなぁ……?(;´∀`)
 顔こわいよ……? おーい、賢人君。
 作者が仕掛けたドックリじゃないのよね?
 私と目を合わせてお話をしましょうね……?」

瞳は賢人に腕組みし、前と同じように媚びを売ってくる。
めんどくさくて笑ってしまいそうにすらなった。
こうなると知っていたら誰が瞳の部屋などお邪魔するものか。

「私は賢人のこと信じてるわ。
 賢人は優しいから、つまんないことで喧嘩しても
 最後は私の元へ帰って来てくれるものね」

だから、つい言ってしまった。

「めんどくせえ」

「えっ…(゜o゜)」

賢人は、しまったと思って口を塞ぎたくなった。

彼はネットでヒステリー対策のブログや体験談を
3時間もかけて熟読した経験から、ヒス女性を
絶対に拒絶してはいけないことを知っていた。

特に奥さんに多いのが、家事育児に忙しくて
ストレスと孤独を感じ、旦那に頑張りを認めてもらいたい、
家事を手伝ってほしい、『不足した愛情』を補ってほしい
という、根本的な要求に寄る情緒不安定現象なのだ。

「わ、私ってうざいの……?」

瞳は、彼に構って欲しかった。
性的な意味でも彼と繋がっていたかった。
プラトニックな感情の行きつく先として、もう一つの繋がりが欲しかったのだ。

「ごめん。今のは何でもない」

「私ははっきり聞いちゃったわ。気をつかわなくて……。いいのよ。
 この際だからぶっちゃけてよ。私のこと、うざいと思ってるんでしょ」

「なんでもないって言ってるだろ!! 忘れてくれ!!」

「ダメダメ!! ちゃんと言って!!」

「いいよ。言ったらまた喧嘩になるだろ!!」

「もうなってるわよ!! 言いたいことあるなら、
 はっきり言いなさいよ。あなただって男の子なんでしょ!!
 ほらほら。遠慮せずに私のどこがうざいのか言ってみなさいよ!!」

「そういう、しつこいところが嫌なんだよ!!
 嫌われてる自覚があるんだったら、
 もっと俺から距離を取ってくれよ!!」 

「賢人……」

組んでいた腕を乱暴に振りほどかれてしまった。
瞳は無性に悲しくなり、泣きそうになった。

「賢人。ごめんね。お願いだから嫌いにならないでよ」

そっと彼の手に触れようとしたら

「やめてくれよ」

はたかれてしまう。

今賢人がやったことは? 

『明確なる拒絶』

おそらくもっとも瞳を刺激する行為だ。

賢人は逆にやり過ぎたかと思った。
瞳はショックで目の焦点が合っていないのだ。
実は瞳は立ち眩みと戦っているだけなのだが、
賢人は瞳がまたヒスってビンタしてくると思ったため、歯を食いしばる。

「あ、あはは……。賢人の本音ってこんなにも冷たかったんだ。
 私みたいな女じゃ誰だって嫌になるよね。私も実は賢人にビンタした後
 冷静になってどうして…あんなことしたんだろって自己嫌悪になるの」

「ビンタのことは気にしてないからいいよ」(うそ)

「賢人が怒ってる理由は良く分かるわ。
 賢人は妹違って不平不満を口にしてくれないから、
 何が不満なのかが今まで理解できなかったの。
 もっとちゃんと話し合って、この問題を解決しましょう。
 私は賢人君と仲直りしたいと思ってる」

「それより遅い時間だから寝たい。
 話はまた明日になったら聞くから」

彼が感情のこもらぬ瞳で言うものだから、瞳はゾッとしてしまった。
ここで彼を怒らせたら本気で嫌われてしまう。
恐怖心は瞳の側にもあったのだ。

「(>_<) そっ……そうね。おやすみなさ……」

扉に手をかけた彼の腕を、強く握ってしまう。

「待ちなさい。あなたはどこで誰と寝るつもりだったの?」
「……一人でリビングで」
「嘘ね。どうせいつものように妹と一緒に寝るつもりだったんでしょ」
「……妹と寝たら悪い?」
「悪いわ。だって私とあなたの関係はこんや…」
「あっそう!! もう今夜はやめよう。とにかくおやすみ!!」

賢人は去ろうとするが、またしても瞳に呼び止められた。

「ちょっと待ちなさいよおおおお!!
 まだ話は終わってないのよ!!」

深夜のかなきり声である。
人いは体を鍛えてるのでまさに体育会系のノリだった。
賢人は背中からこの声を受けてしまったので、
全身の毛が逆立つほどの恐怖を感じた。

「やっぱりあなたを行かせるわけにはいかないわ。
 兄と妹が同じ布団で寝るなんて不健全よ。変よ。
 この変態!! ロリコン!! 近親相関!! 
 賢人は今夜ここで寝なさい!!」

「ギャーギャーうるせえな。
 なんで俺が興味のない女と一緒に寝ないといけないんだ」

「へ?(;゚Д゚)」

「瞳さんは勘違いしているようだから言わせてもらうよ。
 婚約ってのは法的には一定の拘束力があるが、
 解消することはもちろん可能だ。
 現に俺たちは籍は入れてない」

「待って待って。何勝手に話を進めてるのよ!!
 この団地で三人で一緒に暮らすようにって
 あなたのお母様に言われたのよね?」

「一緒に暮らすってだけで結婚しろとは言われてないよ。
 夜一緒に寝ろとも言われてない。そこは本人たちの自由だよ」

「賢人は私と一緒にいるのが……そんなに……嫌なの……?」

「そうとは言ってない。今まで通り三人で暮らせばいいじゃないか。
 ただし、瞳さんと大人の関係になるのは無理だってこと。
 今は結婚のことも考えてない」

「……あはは。面白い冗談ね。
 そうやって私をからかっているのね。
 だって前言ってたのと内容が全然違うじゃない。
 矛盾してるなんてもんじゃないわ。
 う、うそよね。ドッキリなんでしょ?」

賢人は沈黙で肯定した。

「会社で誓ってくれたのを忘れたとは言わせない。
 私と婚約するって訊いたら、はいって…。
 まさか今さらあの約束をなかったことにするつもりなの……?」

賢人は、視線を床に落としたまま黙っている。
それでは肯定したのと同じだ。
彼が答えないことに瞳の怒りがますます
強まっていつものアレが発動してしまうのだった。

「私があなたのことをお金と雇用の面で一生守ってあげるって
 言ったら、あなたは泣いて喜んでいたじゃない!!
 瞳さん、助けてくれ。今までのことは謝るよって!!
 あれを嘘だったってことにする気なの!?
 そんなの絶対に認めないわよぉおおおお!!」

「あれからよく考えたら、気が分かったんだ」

「ダメダメ。そんなのダメ。絶対に認めないわ!!
 賢人って嘘つきなのね!! こんなに嘘つく人だって
 知らなかったわ!! 人を騙して最低だと思わないの!!
 男なら一度した約束はきちんと守りなさいよ!!」

「……(~_~;)」

「何よその顔は!! (´゚д゚`)
 ねえだったら教えてよ。私のどこがダメだったの?
 どこが気に入らないの? 早く言ってよ。すぐ治すから!!」

(そーゆー態度だよ(。-∀-) しつけー。早く疲れて寝てくれよ)

と言いたかったが、さすがにこらえる。

「あなたのこと一生守ってあげるって誓ったのに。
 お金も雇用も守ってあげるだけじゃ足らないの!?
 私はこんなにもあなたのこと愛してるのに。
 私の愛があなたに届かない。不思議よね。
 一体何が不満なの? 何が気に入らないの!!」

「妹みたいに胸がないから!? 株式投資をしてないから!?
 それとも顔が悪いの? 私が30過ぎだからダメなの?
 賢人君はロリコンだから若い子の方がいいのか!!」

(俺はロリコンなのか…)

「それもそうか。賢人君はロリコンだから女子高生とか
 好きそうだものね。この前カグちゃんの娘たちにも
 デレデレしていた…」

「なんで俺が女子高生好きになってるんだよ!!」

「ひっ(>_<)」

「そうやって人をレッテル張りして中傷するのが不愉快なんだよ!!
 いつ俺が女子高生好きだと言った? 妹と仲良しだと
 勝手にロリコン扱いかよ。ああそうか。なら
 好きなだけロリコンって呼べばいいじゃないか。
 君はそうやって俺をバカにするのが好きなんだろうが!!」

「分かった……分かったから怒鳴るのをやめて頂戴。
 私は二度と賢人君をロリコン呼ばわりしないと誓うわ…」

「瞳さん。前も言ったが、いい加減他の男を見つけろよ。
 君が俺のことをどう思ってようと、これ以上関係が
 進展することはないよ。俺が君の部屋に夜這いをしなかった
 時点である程度は察してほしかったんだけどな」

賢人は、また瞳のヒスが加速すると思ってこれ以上は
何も言わないことにした。すると瞳の瞳から大粒の涙が
こぼれおち、床を濡らしていく。

今は怒りの感情じゃなくて哀しみの感情に支配されているようだ。
賢人はころころ変わる彼女の情緒に呆れてしまい、少しだけ恐怖した。

「うぅ……(ノД`)・゜・。 もう、どうしようもないの……?
 賢人はそんなにも妹のことが好きだから、
 私のことなんてどうでもよくなっちゃったのね……。
 いやだぁ(ノД`)・゜・。
 賢人と二度と会えなくなるなんて嫌だよぉおお」

(俺が妹好きなのは事実だが、ただ単にモテないから
 他に女が見つからなかったからこうなっただけだ。
 仮に美雪に好きな男子ができたら喜んで
 応援してあげたいくらいなんだけどな)

「うわあああああ、神様ああああ!!
 私も賢人君の妹として生まれてきたら彼から愛されたのに!!
 これが私の運命なんですかぁあ!!
 最初から決められていたのですかああ!!」

瞳は泣き崩れた。
賢人の足元にすがって子供のように大泣きしている。

「けんとおおお!! けんとぉぉおぉおお!!
 うわあああああん!!」

とても32の女には見えないほどの精神的な幼稚さであり、
やはり賢人から軽蔑されてしまう。

( ノД`)シクシク…

賢人は認めたくなかったが、ボロボロ泣いている
彼女の瞳がこの上なく美しく感じられてしまった。

長い前髪が、まつげにかかり、
高い声で(つд⊂)うわああん と泣いている。
母親に怒られた時は歩道の上で
こうやって女の子座りをしていた。

『涙は女の武器』というが、男性によっては
むしろ逆効果でドン引きされる場合とドキッとする場合がある。

運の良いことに、今の賢人にとっては後者であった。

(この人……こんなに俺のこと好きなのかよ……)

執着心が強く、喜怒哀楽の強い潜在的なヒス女。
賢人から見て瞳の評価はそんなものだった。

(つд⊂) エーン と泣きづつける瞳が目の毒だと思い、
さっさと立ち去ろうとして実際に扉を閉めたまでは良かった。

(つд⊂) エーン、エーン

(くそっ……)

拳を握りしめる。扉の向こうでは今も瞳は大泣きしているのだ。
どんな経緯であろうと女を泣かせると男は罰が悪くなるのである。
これは女性を守ってあげたくなる男性の本能なのだろうか。

賢人は今度は扉を蹴破るように開けた。

「おいっ、ひとみ!! 深夜なのにうるさいんだよ!!
 いい加減泣き止まないか!! 妹が起きちゃうだろうが!!」

「……(ノД`)・゜・ いやぁぁぁぁぁああぁああああ!!
 賢人君に嫌われたら生きていけないよぉおおおおお!!」

「おまえはっ、そんなに俺のことが好きなのかっ」

「( ノД`)シクシク… 好きなんてもんじゃないです。愛してるんです。
 私を分かってくれるのは賢人君しかいないんです!!」

タックルするような勢いで、彼の胸へ抱き着いてきた瞳。
いつもの髪の毛の優しい香りが賢人の鼻孔をくすぐった。

「お、おい……」
「お願いよぉ賢人君。なんでもするから嫌いにならないでぇ」
「なんでも?」

「ええ。お金が欲しかったら私のお金を全部あげるわ。
 他に欲しいものがあったら何でも言ってくれて構わない」

「金はいいよ。それより」

賢人は瞳の顔を乱暴につかみ、くちびるを思いっきり近づけた。
それは賢人の側からする初めてのキスだった。

「(。・ω・。)ノ♡ 賢人君っ……どうして?」

「いやだった? なら二度としないけど」

「いやだなんて、全然そんなことないわ!! 
 むしろうれしくて、びっくりしちゃったのよ」

瞳は目元が赤くはれていて、嗚咽が激しくてろれつが回っていない。

「かわいかったから」
「えっ (゚Д゚)」
「泣いている瞳の顔が、かわいかったから」

今回ばかりは建前やジョークの類でないのは明らかだった。
だから瞳はうれしくて心が宙に浮く気分になってしまった。

「今度は私からするね」

瞳が少し背伸びして彼と顔の高さを合わせた。
彼は嫌がらなかったどころか、瞳の肩を
優しく抱いてくれている。

(賢人に拒絶されてない……)

瞳はとっさに彼の手を握り、自分の胸を触らせた。
小さいとはいえ、それなりのふくらみがあるはずだった。
これにはさすがの絶食系男子の賢人にも一定の効果があった。

妹以外の女性の体を触るのが初めてであり、新鮮だったのだ。
賢人は瞳の胸から目を離すことができず、
彼の吐息がだんだんと荒くなっていく。

そして賢人の方から瞳を床に押し倒してしまった。
すぐ近くに布団があるのだが、贅沢が言える立場ではない。
彼と結ばれるのだったら、どこでもいいのだ。

「ひとみ。すきだ」

長くキスをして舌を絡める。
彼の吸いつくようなキスは途中で息が苦しくなるが瞳は我慢した。

賢人が瞳のキャミに手を伸ばし、脱がせる。
寝る前なのでブラは着けてなかった。
賢人が欲望丸出しの顔で乳首に吸い付こうとしたとその時だった。

「2人とも、そこで何をしてるの……?」

鬼(ミユキ)が、扉の前で仁王立ちをしていた。

これが昼ドラやラノベで散々使いまわされた展開である。
主人公とヒロインが良い展開になると第三者が邪魔しに来て修羅場。

「見てわからないの? 
 私と賢人は夫婦だから夜の営みをしていたのよ。
 子供は自分の部屋に戻って寝てなさい」

「それ以上何か言ったら本気でぶち殺しますよ?
 あなたと話すことは特にありませんから、
 私は兄を連れて自分の部屋に戻りますね。
 それではごきげんよう。おやすみなさい」

「Σ(゚Д゚)おい美雪、腕を引っ張るなよぉ。腕が折れるううう!!」

今度は妹がヒスる番だった。
瞳の部屋の外で美雪の怒鳴り声が響き渡る。

『お兄ちゃんのバカ!! 私に隠れて何してたの!!』
『お兄ちゃんの服からあのメス豚の匂いがする!!』
『うわああああああ!! あの行き遅れのババアめ!! 
  賢人を誘惑しやがって!! 殺してやるうう!!』

7分後。静かな夜が戻った。

美雪の指示で賢人の着ていた服はすべて洗濯に出されたため、
洗濯機が回る「ぐおーん、ぐおーん」という音がやたらと響く。
賢人はファブリーズの連射によって全身を洗浄されてしまった。

美雪「賢人……そろそろこの小説終わりにしよう」

美雪は冷え性なのだが、暑がりの賢人に配慮して
エアコンの除湿を強めに設定した。

深夜の3時である。
瞳と賢人は実に一時間近くも茶の番をしていたのだ。

美雪は清潔なシーツの上に寝そべり。賢人も隣に来るように言った。
いつもの添い寝である。美雪のまくらは彼の腕である。
賢人はペンタックがストで休みの間に、趣味の筋トレ(腕立て伏せ)を
増やしたのでいつもよりも筋肉の量が増している。痩せマッチョである。

「お布団かけよ?」 「おう」

厚手の掛布団をかける。どう見ても夫婦や恋人同士のやり取りだが、
これでもこの二人の関係は兄弟なのである。無理があるだろう。

「お兄ちゃん。もう怒らないからさっきのこと初めから全部話して」
「分かったよ」

賢人は説明するよりも前話を読んでくれた方が早いと判断し。
スマホを手渡した。美雪は前半の文章を読んでは笑い、
中盤の「賢人は瞳を女として意識してない」で爆笑し、
終盤の賢人のラブシーンで歯ぎしりした。

「さっきは怒鳴っちゃってごめんね(。・ω・。)ノ♡
 やっぱり賢人は何も悪くないってことが分かった。
 私のこと愛してくれてるってことも伝わったよ。
 (⋈◍>◡<◍)。✧♡」

「(;゚Д゚)」

「お兄ちゃんは私のこと愛してるんだよね?」

「(;´∀`)」

「お兄ちゃん?」

「(;^ω^)」

「どうして顔文字だけで何も答えてくれないの?」

これが昼ドラやラノベならさっさと次の展開に行くのだろうが、
賢人の心境は穏やかではない。瞳の胸を触ってる時に
邪魔をされてしまったのだ。レースで例えると
スタートダッシュと同時にエンストしてしまい、消化不良なのである。

(もう瞳のことしか頭にない。瞳と最後までやりたい)

賢人は瞳をメスとして意識してしまったので、
今すぐ彼女の部屋に突撃したくて仕方なかった。

美雪は賢人のアソコが不自然に戦闘状態になっていることを
確認し、大いに焦った。女のカンで兄の脳内が
瞳お姉さんで占められているのを悟ってしまう。

(胸なら私の方が…)

美雪は急いでブラを外して、賢人に胸を見せつけた。

(*´Д`)ハァハァ 
やはりでかい。瞳とは比べ物にならない。
賢人はたまらず妹の胸に顔を押し付けた。

妹とはいえ、年下の女の子の胸に吸い付くのは不思議な気持ちだった。
今までいたずら半分で触っていたこの子の胸だが、顔を近づけるのは
初めてだったので大いに興奮した。しかも形が良くて弾力がある。

女性の身体の柔らかさは男性にはない要素だから
男性側は誰だって興奮してしまうのだ。多くの男性がガリガリより
ふくよかな女性を好むのは、安産性の他に触り心地もあるのだ。

「 (*´Д`)ハァハァ 美雪の胸、大きいぞ」
「賢人ぉ……舌がくすぐったくて声が出ちゃうよぉ」
「ちゅ (*´ε`*)チュッチュ」
「あ……ん……んっ……賢人ぉ……」
(これ以上本格的に描写してしまうと、ただの官能小説になるので控える)

(でもなんか違うんだよなぁ_( _´ω`)_)

賢人はそう思った。
つい先ほどの瞳は人間とは思えないほど美しかった。

あのサラサラな髪の毛の手触り、ふんわりとした匂いをまとう。
白くて血色の良い肌。日ごろの運動の成果で本当に肌がきめ細かく若い。
さらに不思議とすっぴんだとエロさが増すのだ。
もうヒステリーなんてどうでもいい。

たとえ胸は小さくても。
賢人が今一番味わってみたいのはあっちの胸だった。

「ちょっとトイレに」

賢人は美雪のことなど放置して部屋を出て行ってしまった。

「賢人、どこに行くのぉ!!」

美雪が追ってこれないように、締めたドアノブを怪力でへし折ってしまった。
直すのに最低でも10分はかかるだろう。
10分もあれば十分だった。

瞳の部屋に直行するが、脱ぎ捨てた服があるだけで誰もいない。

何があったのかと廊下を走ると、トイレの前にいた。
瞳は裸のまま体育座りをしてシクシク泣いていた。

「;つД`) やっぱり最後は妹に取られちゃうんだ……。
 もういいよ。生きてるの疲れた。どうせ私なんて
 生きてても価値ないし、いっそ死のう……」

「勝手に死なれたら困るよ」

「えっΣ(゚Д゚) けんとくん……?」

「俺の許可なく勝手に死ぬなんて許さないぞ。
 俺はさっきの続きをするために戻って来たんだ」

賢人は瞳をお姫様抱っこし、部屋に連れ戻した。
今度はちゃんと布団の上に押し倒し、また熱いキスを始めた。

「賢人くぅん(^ε^) もっとちょーだい」

「ああ、いくらでもキスしてやるよ。
 おまえは俺のものだからな、ひとみ
 (`・ω・´)←イケメン」

瞳の両手首をしっかり握り、抵抗できないように押し倒した。
そんなことしなくても瞳は抵抗する気などいないのが。

『お兄ちゃぁあああん お兄ちゃ嗚呼あああああああああん!!』

廊下から悲鳴に近い怒声が響いている。
壊れたドアノブの扉を暴力的に叩きまくっており、
もはや道路工事並みの騒音であった。

これでは雰囲気がぶち壊しだが、もうどうでもよかった。

賢人は瞳の胸に乱暴に吸い付き、乳首を吸い上げた。
瞳は彼の体の下で体をよじり、体が熱くなって
色っぽい息を吐くのだった。

賢人はいよいよ辛抱たまらなくなって、
すべての服を一瞬で脱ぎ捨ててしまうのだった。

「瞳。覚悟はできてるんだよね?」

「もちろんよ。あの妹に私たちの関係を見せつけてやりましょう」

事後。

およそ8分程度の時間だったが、二人には十分な時間だった。
さっさと終わらせて満足したのは賢人だけ。瞳は痛いだけでただ怖かった。
とにかく事は終わった。

互いに初めての経験だった。まさに初夜と呼ぶにふさわしい。

疲れて瞳の隣で果てている彼を、扉をぶち壊した妹の美雪が発見し、
もはや人語とは思えない声で発狂した。

「sかおdじゃおしdじゃおいjださでょあしでゃおいsだsplまwldfd」

裸で汗ばんだ二人。独特の匂い。そしてシーツを染める処女の鮮血。
美雪の脳は現実を受け入れることを拒否し、ついに気絶してしまう。

賢人と瞳は交代でお風呂でシャワーを浴びてから一緒の部屋で寝た。
妹の美雪は彼女の布団まで運んであげた。白目をむいて泡を吹いているので
精神的に相当にまずい状態なのは間違いない。

こんなカオスで彼ら三人は次の朝を迎えたのだった。

今日もペンタックは休みである。
賢人と瞳は早起きなので5時半と同時に目覚まし(スマホ)が鳴り、
洗顔や身支度を始める。賢人は昨夜、獣の本能のままに瞳の体を
乱暴に扱ったことを猛省していた。

「(´∀`*)ウフフ 私なら大丈夫よ。家事は普通にできるわ」

「( ゚Д゚) でも歩き方が痛そうな感じだよ。
 朝の支度は俺がするから君はベッドで休んでいて」

なおも無理をしそうな瞳に賢人はキスをして黙らせた。
昨夜の喧嘩が嘘のような仲の良さである。

賢人にとって心配事がもう一つある。

(ミユキはどうなった……?)

部屋に行く。いない。

その代わりに書置きが置いてあった。

『私はブスなのでお兄ちゃんに選んでもらえませんでした。
 新婚夫婦がいるのに私がいるとお邪魔でしょうから、
 自分から出て行くことにしました。さようなら』

賢人が泣きながら瞳にこの紙を見せると

(やったああああああぁぁああああ!!
 私の完全勝利!!!!)

と喜びたい瞳。かろうじて残った自制心を発揮させ、

「一時的な現実逃避じゃないかしら。
 あの子だって子供じゃないんだから、
 たぶんすぐ戻ってくると思うわよ」

「今回はめずらしく自殺未遂じゃなくて家出だよ。
 どこに行ったのか心配だ。令和10年は
 どこも治安が悪いから変な事件に巻き込まれてなければいいが」

「あとで私も一緒に探しに行くわ。 
 でも今は体の調子が……ね?」

「Σ(゚Д゚) あ、ああ。そうだったね。
 もちろん瞳さんはここで休んでいてくれ。
 俺が一人で探しに行ってくるから」

「だめ」

「(。´・ω・)ん?」

「賢人に一緒に居てほしいの。お願い。私と一緒に居て?」

精一杯ぶりっこして言ったつもりだった。
はたして彼に通用するか不安だったが、

「ひとみー(*´ε`*)チュッチュ」

効果抜群だった。
昨夜の一件で賢人は瞳にメロメロなのである。
きっと理性が溶けてしまったのだろう。

二人は布団の上でもつれ合い、たまに体制を入れ替えながら
2分以上もキスを繰り返した。

「ひとみ、好きだ」
「私もよ」
「そろそろ満足したかな? 
 俺はそろそろ美雪を探しに」

「喉乾いた」
「え」
「喉描いたからお水持って来てくれる?」

賢人は15秒でコップに水を入れて戻って来た。

「なにしてるんだ?」

瞳は長い髪の毛を、サイドでまとめて肩の上に降ろしていた。
美雪がよくする髪型だ。

美雪は髪型をいじるのが好きで、曜日によって
結び目の高いポニーにしたり、ストレートで降ろしたりしていた。

「お、お兄ちゃん(>_<)」
「へ?」
「今日から私が妹役もやります。
 私は坂上瞳であなたの妹でもあります」

賢人はショックのあまりコップを床に落としてしまった。

「そろそろこの小説のパターンに気づいてきたの。
 賢人が美雪を探しに行ったら、たぶんそっちで
 フラグが立って私がないがしろにされる」

「だから俺の気を引くために、妹役をやると?」

「お願い。私を捨てないでください」

賢人は相手にしてられなくなったので、
やはり妹を探しに行こうと思った。

「待ちなさいよおおおおおおお!!」

怒声。部屋のガラスが割れるんじゃないかと思うほどの高い声である。
この声を聞くと賢人は漏らしそうになってしまう。

「私は昨日の一件で体を動かすのが辛いのよ。
 賢人は私のために私のお世話を一日してくれないかしら」

「美雪を一日も放置したら事件に巻き込まれる可能性が…」

「昨日私に乱暴したって、パパにばらすわよ」

「う……」(合意したはずなのに…)

「男だったらちゃんと責任取って」

「うーむ。それを言われると辛いが」

「私は何も難しいことは言ってないわ。
 私と一緒にここで過ごしてくれればいいのよ」

(十分に無理難題だよ。まじで美雪どうしてるんだろ。
 ああ心配だ心配だ。なんで俺は昨夜あんなことを)

「お腹がすいたわ。朝ごはんを作ってちょうだい」

「あ……なに? ごめん。聞いてなかった」

「あ・さ・ご・は・んを作ってって言ったの。
 おかずはいらないから、ご飯を持って来てくれるだけで良いわ」

(さっきから瞳さんの口元が二ヤついてるのが気のせいか?)

賢人はご飯を用意する振りをして、扉の前で待っていた。
瞳にばれないようにこっそり扉を開けて中の様子を見ていると。

「あはははははは!! ざまーみろ妹の分際で。でしゃばりやがって!!
 あいつがいないってだけで、こんなにも晴れやかな気分になるのね!!
 死ね死ね!! さっさと自殺しちゃえ!!
 二度とこの家に戻ってこれないように不幸のラインを送ってあげるわ!!」

「瞳さん。ずいぶん元気そうじゃないか」

「Σ(゚Д゚)」

「俺の大切な妹のことを死ねって言ってたのは気のせいかな?
 前も言ったと思うけど、俺の妹を悪く言うのは完全NG。
 もちろん分かってて言ったんだよね?」

瞳は言い訳するのは不可能だと判断し、
何を思ったのか逆ギレしてしまうのだった。

「だってあなたの妹ムカつくんだもの!!
 私が何か間違えたこと言った!? 
 残念でした。これが私の本性なのよ!!
 誰だって恋敵が一緒の家に住んでいたら不愉快でしょう!?
 そして恋敵が消えたら喜ぶ。人間として当然の感情よ!!
 女にとって恋愛は戦争なのよ!!」

「淑女同盟は……」

「ああ、そんあものもあったわね。でも今は全く関係ないわ!! 
 一切記憶にございません!!私は賢人と婚約して
 幸せになるのが目的なんだから、あんな嫉妬深い小姑なんか
 いなくて当然。むしろ存在している意味がないわ!!」

「瞳さん。君には失望した」

エヴァのマダオのセリフを吐いた賢人。
瞳の素直さに怒りよりも感動すら覚えるほどだった。

確かに彼女の言い分は良く分かるのだが、
賢人にとって血を分け合った、たった一人の妹を
悪く言われると、どうしても怒りがこみ上げてくるのだ。

「ごめんなさい。もう美雪さんにたくさんメール送っちゃったわ。
 朝からあなたのお兄さんとHしてますって。嘘だけど
 あの子なら信じるわよ。あと電車のホームに飛び降りて
 死になさいって。あっ。でもホームだと人に迷惑が…」

パッシーン

賢人は、少し制裁を加えるくらいの気持ちだった。
ぶたれた瞳は、まさか彼にビンタされるなんて思ってなかったので
衝撃のあまり震えた。

「今の俺は君のことを心から嫌いにはなれないんだ。
 だから、今言ったことは訂正してくれ。
 メールでも美雪に謝ってくれ。そうしたら仲直りしてあげるから」

「う……うう」

「(。´・ω・)ん?」

「(つд⊂)エーン うわあああん!! 賢人君がぶったぁ!!」

突然大泣きをした瞳。
賢人は彼女の口元に注目し、(・∀・)ニヤニヤしてるのに気づく。

「嘘泣きはやめてくれるかな」
「……テヘペロ。ばれた?」

賢人はもう一度瞳をビンタした。
今度は手加減しなかったので、それなりの音が響いた。

賢人は瞳のことはどうでもよくなったので駆けだした。

「お願いよ!!(ノД`)・゜・。 待ってえええええ!!」

実は嘘泣きでも瞳の泣き顔は男としてぐっとキテしまう。
思わず昨夜の続きをしてしまいたくなるのだが、今はそれどころではない。
華麗に無視である。

そして玄関の外には、素知らぬ顔をした美雪ちゃんがいるのであった。

賢人「えΣ(゚Д゚) おまえ、なんでここに!?」
美雪「お兄ちゃんが来るのをずっと待ってたんだよ(^▽^)」
賢人「ずっとここにいたのか!? 家出したって書置きはなんだったの!?」
美雪「はい。ただいまの賢人議員からのご質問ですが、それはすなわち、」

――ただのフェイクニュースです。

そのような事実は、一切ございません。
残念ながら記憶にございません。

「それじゃあ。お兄ちゃん。そろそろ行こうか」

美雪は涼しい顔をしており、動揺した様子はない。
賢人はこれだけ長い間一緒に過ごした実の妹でも、
ついに彼女の考えていることを理解しかねて警戒さえした。

「……どこにだ? 言っておくが市役所は嫌だぞ」
「行き先なんて待ってるじゃん」

――かんぽ生命の本社だよ

(なぜ、かんぽ生命……?)

令和10年。兄妹の絆の物語。ついに新展開を迎える!!!!
瞬間、心重ねて!!

かんぽ生命とは何か

令和元年 7月の末。
金融庁の調査により、かんぽ生命による保険詐欺の
犠牲者が、少なくとも16万件はくだらないことが発覚。

販売を行ったのは、郵便局(日本郵政)である
執筆時点で被保険者3000万人の保険内容の確認を行っているそうだ。
実に国民の4人に1人が被保険者だったことに筆者は驚愕する。

今から書く内容は筆者の日記帳に過ぎない。
本当につまらないので暇な人だけ読んで欲しい。

★★ ★★


ぼく「かんぽ生命がバカやったんだって。ひでーよな金融機関は」
母「ほんとうねぇヽ(^o^)」
ぼく「母さんも郵便局の満期保険がもうすぐおりるんだよね」
母「(^○^)そうねぇ。令和3年までの契約になってるわ」
ぼく「ん? 郵便局…」
母「私の保険は、かんぽ生命よ(^○^)」
ぼく「そんなバナナ\(^o^)/」


なんと、私の母がかんぽ生命の貯蓄型保険に加入していたのである。
いわゆる入院保障を厚くするための典型的なゴミ保険である。
金額は100万円。10年満期の保険だから、10年国債を買ったのと同じである。
金利はご存知の通りゴミカスだ。

母はすでに県民共済(JA)の掛け捨て型に加入しており、
その他公的保険(医療費三割負担)(高額療養費制度)が存在するのに、
実質3重の保険に加入していたことになる。無駄な費用ここに極まれり。

そこまではいい。

問題はここだ。

ぼく「かんぽ生命は勝手に顧客の保険内容を変更しているんだぞ!!」
母「そーらしーわねー(^ω^) でもぉ。私の保険はたぶん大丈夫よぉ(^^♪」

独身時代は都市銀に10年も務めていた経験から
金融機関の裏側も知ってるんだろうに、
なぜ根拠のない自信を持っているのか。大いに謎である。

この保険金の元本は、私の母のお金ではない。
私の祖母が10年前に亡くなり、かんぽ生命の保険がおりたときに
母が代理で受け取り、そのまま10年の更新をしたのだ。

つまり実質ご先祖様のお金といえる。責任重大である。

僕の姉「大問題やぞ!!」

姉も、吠えた。

姉「母さんの入ってる保険ってかんぽ生命やったの!? 
  なんでもっと早く言わなかったんや!!」

母「郵便局で販売してる保険と言ったらかんぽ。
  これは昭和の常識よぉ(∩´∀`)∩」

姉「そんなん平成育ちの私らは知らんわ!!」
ぼく「俺もしらねえよ。てか、まじでやばいだろ」


かんぽ生命は、顧客の保険内容を、割高の保険に勝手に切り替えたり、
保険期間を勝手に10年延長、無保険期間を最大で4か月も作ってしまうなど、
戦後の日本が未だかつて経験したことのない悪事を続けていた。

悪事を始めたのは5年前。つまり2103の時点で
こっそり保険内容を書き換えが行われていたのだ。

その他の保険会社は、顧客に外貨建ての保険を勧めている。
外貨とは、国際通貨として劣悪な(信用度が最も低い)
リラ(トルコ)ランド(南アフリカ共和国)のものである。

まず、契約手数料。外国為替取引手数料、運用手数料その他だけで
8万から9万も取られる恐れがあるとのこと。外国為替の
恐ろしさはこの小説の第一シーズンで伝えたが、
あれは米ドルに対しての恐ろしさであって、

ランドやリラは、当該政府の債務不履行のリスクが極めて高い
レベルの『世界有数の危険通貨』に対するFXなのである。
当然満期までの間に為替差損が、元本にもよるが、数十万から百万単位で発生する。

・リスクマネジメント

我が家のマネジメントは、たとえ可能性の低い事案でも常に最悪の事態を想定する。

仮に母の保険が、円建てでなく外貨建てで、仮にリラ建ての10年保険に
変えられていたとする。2013年の外国為替で100万円分のリラに両替、
現在までに保有していたとしたら、地方議会選挙でエルドアン大統領が
苦戦を強いられ、またEUから負債の債務不履行のリスクが指摘され、
リラの金利が急上昇していることが報じられている昨今では非常にまずい。

母「なによぉ。この通貨は( ゚Д゚)ハァ?
  外貨建ては困るわぁ(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾いますぐ解約して頂戴( ˘ω˘ )」

かんぽ「わかりました」

中途解約手数料が発生(通常手数料。外国為替取引手数料(リラから円への両替のこと))

さらにその時のリラ・エン相場によって金額が決まる。これが差金決済である。
仮に母の100万が、70万に代わっててもおかしくない。そのうえで手数料も取られるのである。

身近な実例といて、姉の友達の旦那さんは理系の技術者なのだが、
外貨の恐ろしさを理解できずに、証券マンの勧められるままに
USドル建ての保険に入ってしまった。当時1ドル114円と今に比べて大変に
円安であり、プロの投資家連中でさえ両替(TTB)を控える時期である。

彼の保険元本はなんと400万。
参考までに、執筆時点では円相場が1ドル106円65銭まで円高になってしまった。
今ごろ彼の資産はかなり減っていることであろう。

なぜここまで円高なのか。端的に言ってトランプ相場である。
(2019年の9月に対中・第四次・追加関税発動の声明が報じられた)

ドナルド・トランプが中国いじめを継続する限り、
世界の市場関係者に動揺が走り、株やUSドルを売って
安全資産としての円とスイスフランが買われる流れは止まらないのだ。


夕食の時に親父殿に報告をすると、

親父殿「100万の保険が、最悪半分無くなってるかもしれない? 
    あーそれは大変だな(∩´∀`)∩」

ぼく「もっと騒がないの?」

親父殿「正直うちがいくら金持ってるのか知らねえし、
    保険とか難しくて内容が分かりずらいんだよな(;´∀`)」

姉「親父。お気楽すぎてワロタ(;^ω^)」

親父殿「お金のことはお母さんに任せてある。
    まあ君達(子供達)も大人だから、母さんを手伝ってあげてくれ」

ぼく「聞いてくれ。保険が外貨建てに変えられている可能性だってあるんだぞ!!」

親父殿「外貨建て? なんだそりゃ」

姉「かくかくしかじか_( _´ω`)_」

親父殿「( ゚Д゚)おー。それはまずいなぁ。最近の保険会社はどうなってんだよ。
    俺が若い時のかんぽ生命はそんなんじゃなかったんだぞ。
    嘘じゃねえんだろうな? 今でも信じられねえな」

親父殿は不思議な人で、お金に対して執着心がないのである。
なにせ家の総資産額すら興味がなく、実際に知らないらしい。
気の毒なのでこの前こっそり教えたのだが、すぐに忘れてしまったそうだ。

親父殿「うちの家は無駄遣いしねえのが美徳だな」

ぼく(おやじどの……)

定年退職して何年も経つが、家が貧乏だと思っているようで
本当にお金を使わない。

親父殿「普段から俺の財布には1500円しか入ってねえぞ」

床屋に行ったり、スーパーの買い物を頼まれた時、
音楽の友の会?にお出かけする時だけ母からわずかなお小遣いをもらう。
親父殿の財布の中身が3千円を超えるのは、旅行に行く時くらいである。

独身時代から溜めたお金も全部妻に渡してしまい、
自分の預金口座の暗証番号すらすっかり忘れ、
銀行名すら良く分かってない。
ついに人生の最終盤に差し掛かっても
妻に全てのお金を渡してしまって満足している。

筆者の母のお金の管理は完璧で、例の保険以外に全くスキがない。
確かに夫からしたら賢い妻に管理を任せるのは合理的ともいえるが、それにしても……

親父殿「楽器は新品で買うのは高いから、中古で十分だな」

ハードオフで初心者用のエレキギター、
エレクトリックピアノを揃え、それで満足している。

自分の趣味など、お金を掛けるべきではない。それは贅沢だ。
それなのに子供の学費は将来への投資だと考えてて、
子供二人を私立の4年制大学に入れてくれた。奨学金ではない。

2歳違いの子供なので在学期間が二年も重なり、
『家計を万力で締め付けるかの如く』圧迫した。
私立大は半年ごとに50万の学費を振り込むのである。
それが二人だと100万になる。

母「私立大学の学費シャレにならないわ。
  結婚後初めて貯金を切り崩しての生活が始まったわ。
  さすがにちょっと苦しくなってきたわね(;'∀')」

ぼく(まじでやべーぞ)

それを見かねた、当時生きていた祖母も
私の学費の一部を負担してくれた。感謝の言葉もない。

大学3年の時。

親父殿「おい息子よ」
ぼく「なんだい?」

親父「母さんに聞いたんだがな、我が家でおまえさんが
   一番お金を使ってないことが判明した。
   そんなんじゃ人生詰まんねえだろ。
   お小遣いが欲しかったら母さんに言っていいぞ」

私の同級生は過半数が奨学金だった。
仲の良い友達も奨学金で大学時近くにアパートを借りて生活していた。
私は親に学費を出してもらえるだけでありがたいのである。
高校も大変に優雅な私立だったのだ。無駄遣いなどできるわけがない。

私は大学に通う電車の中でも親への感謝の気持ちを忘れずにいた。
そうしたら質素を通り越してケチになってしまった。

買い物といったら、立川駅北口のモノレール駅に隣接している
紀伊国屋書店で買う漫画とラノベだけだった。
あとPCが壊れた時は買い換えてもらった。そのくらいだ。

本は大学の図書館で読み漁り、質素倹約を続けた。
およそ学生らしくない性格だっただろう。
だが私は生きているだけで幸せなのである。

小さい頃は……

「おかーさん(´ρ`) おもちゃ買ってぇ」
「はいはい。(^○^) あれが欲しいのね?」

こんな感じでほぼ無制限におもちゃを買ってもらえたので、その反動だろう。
高校の時にいかに自分が今までの人生で無駄なお金を使っていたのか悟り、猛省した。

母は結婚後は銀行から離れ、近所の電子系の工場でパートして働いていた。
母曰く「工場の仕事は頭の容量を2割だけ使えば勤まるから楽ねぇ(^○^)」
と言っていた……。

頭の容量の2割って……。

夫の給料を生活費に、自分の給料はなんと全額子供のおもちゃ代のための
費用として計算し、それでも着実に貯金を増やしていったのだ……。

親父殿「子供におもちゃ買い過ぎじゃねえのか…?」
母「全然大丈夫よぉ(^○^)」
祖母「子供に甘すぎじゃ。もっとお金を大切にしろ」
母「だから問題ないんだって(*´ω`)」

本当に大丈夫だったのだから笑える。

我が家の歴史は古く、400年も同じ場所に住んでいる。
先祖代々から受け継いだ広大な農地と畑があるので
食費の部分は相当に節約できる。管理費を差し引いても
一年間食べる米は、ほぼ無料なのだ。農地は4400坪ほどだ。
野菜も基本は自家栽培だ。

さらに住宅は、祖父の代で農地の半分を売却して
捻出したお金で一括で購入。住居費がないのだ。
まさに令和10年の渋谷家の設定のモトネタとなっている。
住居費がタダなのは学園生活の高野家でも既出の設定だ。

祖母「絶対にローンを組むな。金融機関に金利を払うな。
   質素倹約に貯蓄に励め。貧乏な人にお金を渡しても
   あてにされるだけだから絶対にあげるな」

我が家の家訓にもなっている祖母の言葉である。

ささやかだが、生前の祖父祖母の年金と軍事恩給もあった。
そのうえで母は、自分の給料は子供の無駄遣いのための
お金として考えて問題ないと判断したのだ。

私は自分が宇宙一の大馬鹿なのだと正しく理解し、
今後二度とお金の無駄遣いをしないと先祖と神に誓った。

高校、大学時代に親戚一同からもらえるお年玉を貯金し、
生活費として使ってほしいと頼んで母に渡したものだ。
そうしたら、最近になって1円も使ってないことが判明した。
私の郵貯の口座に26万も入っていて、さすがに驚愕した。

母「だって生活に必要なかったんだもん(^○^)」

なんと……。

社会人になってから母にわずかな生活費を入れていたのだが、

母「(∩´∀`)∩
  あなたからもらったお金は生活に必要ないから、
  JAの積み立て年金口座に入れておいたわよ」

なんと……。

「JA個人年金保険」変動金利型。満期は被保険者が60歳。
25歳から月1万ずつ積み立てて累計440万まで溜まる。
60歳から5年の間、月8万おりる口座に入れてくれたらしい。

母「政府がマクロ経済スライドとか発動してるし、
  年金支給開始年齢の段階的な引き上げをしてるんだから
  子供ちゃんたちが老人になった時の不足分(60~65歳)
  を補填してあげるのよぉ(*´▽`*)」

感謝……!! 圧倒的、感謝……!!(カイジ)

母が10年来不要と判断した現金は保険などの金融商品に変えられるのだ。

というか私の差し出したお金は生活に必要なかったのか。

母「子供ちゃん達が大学を出てからは嘘みたいに生活が楽になったわねえ。
  (((o(*゚▽゚*)o)))」

ふたを開けてみると、結婚後ずっと右肩上がりで上昇していた貯蓄額が、
大学在学期間中だけ減っていく。つまり家計収支が初めて赤字になって驚いただけ。
そもそも総額がそれなりにある上に、祖母からの援助もあり、まだまだ余裕があった。

母「もし妹か弟がいるとしても、あと一人くらいなら大学に出せるわよ」

なんと……。

母「次の問題は老後の生活ね。
  (∩´∀`)∩ 政府にしっかりと年金を払ってもらいたいわ」

母は年金に関しては菅政権の公約がウソ(60歳から最低でも7万支給)
だったことにさすがにプチ切れし、(^_^メ)←こんな感じ。
二度と自民党以外に投票しないことにしている。

私の母は大変におっとりした性格で品があり、若い時から親戚の男性から
大人気だったのだ。細かい気配りは得意でお金の使い方は完璧なのだ。

偉大すら通り越した祖父、祖母の代から受け継いだ資産を
この人は一部のスキもなく管理してくれたのだ!!

感謝……!! ただ感謝……!! そしてご先祖様に土下座する……!!


親父殿「令和元年になっても日本の経済はやばいらしいなぁ。
    東証一部企業で首になった人たち、かわいそうだよな。
    俺は世間に迷惑を掛けずに、ご隠居生活を送れればそれで十分だ(´_ゝ`)」

姉「ふーん。爺は死ぬまでケチなんだね。
  ま、あたしらにお金が残るからいいけどさ」

ご自身が死ぬまで質素で良いのだろうか。
気の毒が過ぎるので、私の給料からお小遣いとして4万を差し出したことがある。

親父殿「新品のギターでも買えだって? 
    おっ、通販で良いのが売ってるな。
    たまには無駄遣いしてみるか(∩´∀`)∩」

『サウンド・ハウス』楽器通販最大手でエレキを一本注文した。
それだけである。こんなので親孝行になるのか。
もっと高いのを買ってあげればよかったか。

親父殿「これの上のランクのギターだと8万とか10万もしちまうよ( ゚Д゚)
     そんな高いのは俺みたいな貧乏人には不釣り合いだ。
     やめろやめろ。俺に渡す金があったら食料品にでも回してくれ」

それ以降は何度お小遣いをあげようとしても、
受け取ろうとしてくれないのでこっちが諦めた。

休日に近所のとりせん(北関東にあるスーパーで私のお気に入り)で
出来合いの総菜やお弁当を買ってきてあげると

親父殿「おお。これはご馳走だ(∩´∀`)∩」
と言って美味しそうに食べるのだった。
350円のお弁当がご馳走なのだろうか…( ノД`)シクシク…

別の日。あれは今年の梅雨時だったろうか。

親父殿「俺のレコーダーの容量がいっぱいになっちまった」
ぼく「え?」

楽器の演奏を記録するための、手のひらサイズのICレコーダーだ。
ソニー製。SDカードの容量が8ギガでいっぱいになってしまったようだ。
一度録音した音は消したくないとのことで、追加でSDカードが
欲しいとのこと。

私は姉から渡されたビッグカメラ(コジマ電気の親会社)の
優待券を握りしめ、光の速さでSDカードを買ってきた。

焦り過ぎたせいで財布を玄関に忘れてしまい、
途中で気づいて家にすぐ戻った。
コジマ電気で売っている中で一番容量の有る36ギガを選ぶ。

親父殿「優待券を使っても3千円もしたのかよ。わりいなぁ」

私が数年前のデノンのオーディオ(ミニコンポ。セットで4万)と
ヤマハのサブウーファーを(計6万5千円)
買った時に言われたことがある。

親父殿「こんな高いの買ったら、おまえお金なくなっちまっただろ。
    お金が必要なら、あとでお母さんにもらいなさい」

確かにデフレ下の日本で4万は高価かもしれないが、
私のお小遣いの範囲で買ったのである。

なんでこの程度の買い物をしただけで
お金がなくなったと思われるのか。実に不思議な発想をされる方である。

母「(*'▽')あなた。本当にお金を使わないのねぇ」
親父殿「まあな。俺は今の状況に満足してるからよ(´っ・ω・)っ」

母「定年退職した人は高いオーディオとか買うのよ。
  あなたの音楽部屋にある、そのおもちゃで本当に満足なのかしら(゜-゜)」

なんと、親父殿の音楽室には、私が高校生の時に買ってもらった
ミニコンポのスピーカーがある。本体(レシーバーが)が壊れたので
スピーカー部だけを父に渡したのだが、なんとスピーカーだけは
未だに現役なのだった。

学生が買うレベルの製品である。
これではおもちゃと言われても仕方ない。

親父殿「壊れない限りは使うつもりだぞ!! ( ・´ー・`)」
母「あはは。まあうちのお金は助かるけど(;・∀・)」

私は母とこっそりと話し合い、オンキヨー製で定評のある製品、
フルセットで22万円のオーディオセットを父にプレゼントする計画を立てた。
オンキヨーは人の声の帯域(中高音域)の再生に定評がある。
親父殿が好む演歌や歌謡曲も素晴らしい音で鳴らすことであろう。

夕食時に提案すると、

「そんな高いのいらねえよ(>_<) いいからやめろ。マジでいらねえから」

一瞬で終わる。

普段から質素倹約を心掛け、無駄遣いはせず、
自分の退職金も使い道がないと言って
妻に全額あげてしまったお方である。

退職金は4年かけて我が家の屋敷全体のリフォーム代として
母が綺麗に使い切った。庭が広いと管理も大変なのである。

親父殿は、離れで楽器の練習、夕方には畑仕事を
するなどして体を鍛え、優雅なご隠居生活を送ってらっしゃる。
決して稼ぎの良い方ではなかったが、子供たちには十分なお金を残してくれた。

2014年。

姉「へいマミー。現金を持ってても低金利で増えないし、
  そもそも銀行が信用できないから銀行預金するのが苦痛。
  てわけで株式投資を始めるから☆」

母「えー(;゚Д゚)」

姉「始めるから。キラ☆彡」

母「(´・ω・)株式投資は高度なのよぉ。ちゃんとできるの?
  お金が減っても大丈夫なように安全資産でやるのよ」

姉「うん」

なんと姉は今まで溜めた銀行預金を全額株式投資に回し
アベノミクス相場で180万以上の資産を増やすことに成功した。
今では個人資産額の80%をドル建ての株でNY証券取引所に置いている。

我が家の有価証券の6割を一人で保有してる。
現金預金大嫌いの女性投資家である。

姉「あんたも投資やれよ」
ぼく「え……」

そんなこんなで私も始めたのだ。
私は現金をため込んでドヤ顔するだけで十分だったのだが、
実際に投資をやってみると毎日相場が変動して刺激的であり、
世の中の味方が変わって面白い。

姉「雑誌に載っている銘柄を買っておいたらお金が増えた―!!」

母「あら、すごいわねー(*^▽^*) 1年間で税引き後144万も入ったのね」

※アベノミクス相場の2017年はボーナス・ステージです。
つまりド素人が投資しても8割儲かる、戦後稀に見る強気相場でした。

ぼく「俺も少額だが始めて見たぞ。おおっ。見てくれ。
    半年かけて積み立てしたんだ。
    俺の日本株と米国株は合計で135万円の価値があるぞ!!」

母「ぷぷっ( ̄m ̄〃)!」

ぼく「え?」

母「たかが百万くらいで投資してるって言えるのぉ?
  息子ちゃんたら可愛いー ( ̄m ̄〃)クスクス」

ぼく「いや、今デフレで不景気だし、100万も投資するなんて
   十分大事だと思うんだが。最初はすげえ勇気いったぞ」

母「株式投資は最低でも2000万くらい安全資産のある人が
  やるべきなのに……投資元本がたかが百万ちょっとじゃねえ……。
  銀行の投資窓口にくる人は億とか普通に持っていたわよ」

ぼく「ぐぬぬ……まだ貯金があるから、もう少し投資元本を増やしてるよ」

母「がんばってねー(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾」

---

姉「NISA(非課税枠のこと)の範囲を増やしたいから、
  株式投資するためのお小遣い頂戴」

母「今さらお小遣いって。いくらほしいのよ」

姉「100万」

母「ひゃくまん!?Σ(゚Д゚)」

姉「私の口座じゃなくてマミーの証券口座を開くの。
  運用は私がやるからお金だけ入れてくれればおk」

その後、さすがにもめた。

母は一か月かけても首を縦に振ってくれなかったのだが、
株主優待銘柄で相場の変動がほとんどないものを買うだけだと
説得され、ついにお金を渡してくれた。

母「最悪100万程度なら全額損しても我慢してあげるわよ( ˘ω˘ )
   現物取引なら資産額がゼロになることは、まずありえないけどね」

姉「ご安心ください。信用取引、先物取引、FXは一切やりません。
  投機はカスです。株の現物取引のみです」

株主優待は6月や12月に自宅に送られてくる。
姉は吉野家の優待券などを母に渡すのだが、あんまり満足していなかった。

母「外食はあんまり興味ないけど、銀行預金のゴミみたいな金利よりは
  よっぽどましね。わずかだけど配当金も入るから株式投資も面白いわね。
  それより旅行に行きたいんだけどなー」

姉「家族旅行はもちろん計画するから任せて」

それから時は過ぎ。2019年。

姉「米国株の銘柄が増えすぎて把握できない\(^o^)/」

銘柄だけで25前後。給料を全額株に回していることもあり、
投資元本もそれなりの額になった。
日本人ネットブロガーにして米国株投資家の、
『バフェット太郎』を師として配当金・再配当投資をしているのだ。

太郎氏は近年まれにみる賢者で長期の資産運用家である。
個人資産総額はすでに6000万を超えるらしい。
興味のある人はぜひ彼のブログや本を読んで欲しい。

姉は10銘柄程度に絞れとの常識を守らず、
リスク分散のために25以上の銘柄を買いまくっている。

日本株だけでも一時期30銘柄もあった。個人で投資する分としては
銘柄をむやみに分散させすぎて訳が分からなくなっている。

筆者が財務分析の手伝いをしようとしたら、さすがに企業数が
多すぎて骨が折れる。しかも外国の企業は色々と複雑だ。
金でも貰わないと簡易版の決算書類でさえ
読む気になれないほどである。

姉「母の口座、あんたが管理してくれると助かる」

ぼく「お、おう」

姉「もう二年近く管理してないから(>_<)」

ぼく「そんなに長い間放置してたのかよ:;(∩´﹏`∩);:」

そういうわけで母の口座をお借りした。
親のお金である。もっと言えば先祖のお金である。責任は重大だ。

投資元本が100万だったのを、どんな魔法を使ったのか
姉がさらに50万も増やして150万に。一時期180万まで
相場が上がったのだが、トランプ相場で年明けから大幅な下落。

資産総額140万程度の評価となっていたと思う。
銘柄は、いかにもマネー雑誌を見て買ったような
不動産銘柄が多い。財務分析をしたら長期で見て
資金繰りが苦しそうな、投資不適格株ばかりで唖然とした。

ただちに25万もの損を計上しながら総額60万近い不動産銘柄などを売り払い、
ドコモ、キャノン、伊藤忠などの優良銘柄に切りかえる作戦を立てる。

私が購入を検討した銘柄は8社もあり、日本を代表する
大型株が多く、最低購入単位(100株)で15万から32万円もするのだ。

(たとえばドコモは株主優待でなく配当金を年に1万2千円
 も払ってくれる素晴らしい企業だ)

そうなると

ぼく「(;・∀・) 金(買い付け余力)が足りねえ」

私の溜めたお金は、数年かけて自分の証券口座に積み立てる予定なので余裕がない。
しかし、配当金投資をするためには、今年度の下げ相場で
安値で買い付けを行わないともったいない。
そもそも株を買わないと年2回の配当金が入らないから機会損失だ。

ぼく「母さん。配当金投資をするのにポートフォリオの整理が必要だ。
   できれば50万ほど貸してくれると助かるよ…」

母「どの会社の株を買うか決めてるのぉ?」

ぼく「決算書をよく読んで選んだ、長期保有して
   問題がない大型株ばかりだ。もう小型株へは投資しない。
   優待品じゃなくて配当金が入ってくる銘柄をだね……」

母「うんうん。よく考えてるのね。お金出してもいーわよ」

ぼく「いいの!?」

母「どうせ現金預金しても増えることがないから(・´з`・)
   それと優待はいらないわ。だって用途が限られるじゃない。
    決まったお店でしか使えないでしょ。
    クオカードをもらっても、そもそもコンビニに寄らないのよ」

ぼく「そうそう。だからこそ配当金投資だよね」

母「うんうん(*・ω・)(*-ω-)(*・ω・)(*-ω-)
  現金でもらったほうが助かるわね」


そして現在も株の運用をしている。震えながら。

長期の配当金投資だから、
相場の変動に一喜一憂するのは無意味だと頭では分かってはいても、
トランプの第四次追加関税の発動、
増税前の不安心理により日経平均が底知らずに下がっていく。

私の口座の資産評価額が変わるのは構わない。
どうせ私が稼いだお金だからだ。

なぜ私が母の口座を管理しているのか今でも理由がよくわからないが、
こっちの証券口座の時価評価額が減っていくと、なんだか
ご先祖様から受け継いだ資産の一部を無駄にしている気がして、
土下座したい気分になる。


母「今年は50万あげたわね。来年はさらに100万積み立てられるからね」

ぼく「え……」

母「10年の満期保険がね、二年以内に166万円おりるわ」

ぼく「なんだってー」

郵貯(かんぽ生命)に100万
JAの保険が     66万

となっているらしい。これらは我が家の生活に向こう
10年以上必要ないお金なので全額投資に回せるのだ。
これぞ生活に支障のない範囲での投資である。

郵貯の貯蓄型保険は、祖母から受け継いだお金であり
まさに先祖のお金である。

かんぽ生命に100万置いてる。

これが、問題なのである。


----------------------------

話が冒頭に戻る。簡保の件である。

平日は会社勤務の私を覗き、
母と姉が郵便局を襲撃するつもりで保険内容の確認に行くと、

郵便局の担当者(バカ)
「ええー。保険内容を解約したいんですかぁ(>_<)
 どうしてですかぁ。満期まで1年6か月もあるじゃないですかぁ;つД`) 」

女の担当だったようだが、このような話し方だったらしい。
あれほどの大惨事が報じられていながら、なんだこの口調は。
筆者が直接聞いていたら、ぶん殴っていたかもしれない。

担当者(偏差値27)
「だーかーら。お母さまの保険内容はご覧の契約になってます(⋈◍>◡<◍)。✧♡
 ほら。契約内容に変更ないでしょ? うふふ。お客さまったら
 せっかちさん☆ なんだからぁ(*´ω`)」

姉(ぶっころしてえ。腹パン食らわせてえ……(^_^メ))

担当者(小学校卒業程度の学力)
「保険内容は医療報酬がこんなに充実してるんですよぉ(≧∇≦)
 どうですぅ。すごいでしょぉ。高齢の方なら
  どんな人でも納得しちゃうような、素晴らしい特約がたぁくさん!!」

姉 「(;゚Д゚) だめやこのアホ。一方的に保険内容を説明するばかりで
  お客の要望なんか聞いちゃおらんわ。金融窓口ってどんだけ腐った組織なん」

母「(~_~メ) 金融機関は信用によって成り立っているのに。
  自分から信用を失うんじゃ本末転倒ねぇ。しかも勧誘が必死過ぎ。
  バブルの頃はこんなに頼み込まなくてもお客はすんなり契約してくれたからね」

姉「昭和のバブルはお客が騙されてどんだけ無駄な契約してたの!!」

母「そういう時代だったから、仕方ないわね」


契約内容の簡易書類をもらった。
仮に中途解約をしても100万と9千円が戻ってくるので元本割れはしてないことが判明。
ありがたいことに? 日本円で戻ってくるのだ。

帰宅後

姉「すでに手数料が9万円も引かれとるがな!!
  やっぱり保険会社は詐欺やクソや!! ぶっころしたるわ!!」

ぼく「生保はクソ!! 販売委託を受けた郵政もくそ!!
   過剰なノルマでお客の要望を無視して無理やり売りつけた!!」

姉「契約は即解約!! 中途解約待ったなし!!(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾」

母「この保険は、満期まで保有するわよ(゜-゜)」

姉「Σ( ̄ロ ̄lll) なにー?」 
ぼく「Σ( ̄ロ ̄lll) なぜに?」

母「金融庁の是正勧告を受けた直後だし、郵便局の社長が
  謝罪会見をしたばかりだから、あと一年半は大丈夫でしょう」

満期だと109万円になって戻ってくるらしいのだが……。
筆者は日本の全ての金融機関が信用できない。
郵便局もかんぽ生命も大嫌いである。

実際に悪さをしたのはかんぽ生命なので
郵便局の非は少なくなる。そう思えるかもしれないが、それは違う。

販売を任されたのは郵便局であり、実際に顧客と
顔を合わせて販売したのは、上に書いたような低能な担当者らである。
過剰な営業ノルマによって、保険内容が不適当な顧客に
対しても無理やり売りつけた。これが詐欺の入り口である。

そもそも無理やり売らなければ詐欺も発生しない。
民法を適用しても十二分に郵便局にも責任が有ると判断されるだろう。

我が家の簡保の保険は、もともとは祖母のお金である。
かんぽ生命と郵便局は、私のご先祖様のお金に
『元本割れのリスク』を生じさせた。

これは、我が家の先祖様に対して戦争を仕掛けたと
同等の蛮行であり、断じて容認することができない。

したがって私はこのやり場のない怒りを鎮めるために、
次の話で郵便局とかんぽ生命に対し、軍事攻撃を仕掛けることにした。

美雪「かんぽ生命と私は関係ないんですけど」

かんぽ生命 本社所在地 日本 〒 100-8798 東京都 千代田区 大手町二丁目3番1号

かんぽの保険、営業ノルマ廃止へ 不適切販売受け (2019/7/28)
日本郵政グループは、かんぽ生命の保険を委託販売する日本郵便の
営業ノルマについて、廃止する方針を固めた。

当面は不適切な販売で損失を被った顧客対応を ...


一時的な是正措置など、日本の企業には意味がない。
高橋まつりさんが過労自殺した電通を例にとっても、
彼女が亡くなる6年前にも同じように労組などに是正勧告を
受けていたが、当然のごとく約束を破って違法労働を繰り返している。

他にも東芝に代表される粉飾決算。
各自動車会社による、無資格者による最終検査によるリコール問題。
レオパレス21、大東建築による施工不良問題。

どれをとっても『陰険』につきる。

日本の会社とは、「外面」だけ良くして「陰で」悪さをする。

これに尽きる!!!

日本人の体質というか、悪徳さは企業経営に全て出ている。
もちろんすべての会社が悪いとは言わないが、日本人は
表立って反論できない代わりに陰口を言う人が多い。
これが経営の体質にまで出てしまっている。

前回の話でも述べたが、かんぽが不正を始めたのは『2013年』からだとしている。
これは金融庁が操作の対象を広めたから明らかになったのであり、
さらに10年さかのぼっても不正な事例が発見されるかもしれない。


かんぽ
「我々かんぽ生命はぁ、養老保険を主な収入源としておりますがぁ、
 お客んさんから預かったお金は、私たちのお小遣いです!!
 我々が手数料を取るために、皆様のお金が、高額な保険内容に
 切り替えられたり、また勝手に期間が延長されても我慢してください!!」

老人「あのぉ。わしの10年保険を解約したいんじゃが…」

かんぽ(窓口担当は郵政)
「お客様の保険期間はぁ、さらに10年間延長となっておりまーすwwww
  残念でしたwwww中途解約なら違約金として8万円頂きまーすwwwwぐふふwww」

老人「うちは、ばあさんがボケてしまって、デイサービスを頼んでいる。
   年金だけの生活には限界がある(>_<)
   かんぽさんを信じて預けた400万を返してくれんかのう」

郵政
「あなたの生活なんて、そんなの知りませんよwwww
  もともとお客さんがご自分の意志で
  預けたんじゃないですかぁwww
  解約したいなら違約金をさっさと払ってねwwww」

老人「くそぉお!! こんな不正が許されていいのか!!」

老人2「わしのお金は勝手にオーストラリア・ドル建て保険に
    変えられていたぞ……
    為替相場で30万も損しているようだが…」

かんぽ「今おろしたら為替差損が発生しまーすwwww
     だからー。もうちょっと円安になるまで気長に(5年くらい)
     待っててねーwwwww!!」

老人「外国の通過に変えられてるのか……保険会社は
   我々が信じて預けたお金をそこまでするのか」

老人2「それでも解約するぞ!!」

かんぽ「おぉっとwwww解約するには外国為替手数料その他が発生しまーすwww
    全部で16万円ですよwwwお客さん、払えるんすかwwww」

老人2「くっ……年金は偶数月に払われる仕組みだ。今月はちときついぞ。
    家に帰ってから、ばあさんになんと説明したらいいのか」

※かんぽが外国為替詐欺をしているかは不確かですが、
やっててもおかしくないので書いておきました。
というか実際やってるでしょ。たぶん。


郵政「今月も販売ノルマ達成!! 歩合制で俺の給料がっぽりだぜwww」

かんぽ「あー、お客を騙して手に入れたお金で飲む酒はうまいぜwwww」

安倍首相「国民から預かった年金や税金はぁ、我々自民党のお小遣いですwwww」

↑不思議な一致。


経営理念
いつでもそばにいる。どこにいても支える。
すべての人生を、守り続けたい。

経営方針
かんぽ生命保険は、お客さまから選ばれる真に日本一の保険会社を目指します。

1. お客さま『一人ひとりの人生によりそい』、
  分かりやすい商品と質の高いサービスを提供します。

2. お客さまにより良いサービスを提供するため、
 『お客さまと接する社員』が力を発揮する態勢を整備します。

3. 社員一人ひとりが成長でき、明るく生き生きと活躍できる環境をつくります。

4. コーポレート・ガバナンスの確立による健全な経営を行い、
  常に新しい価値を創造することで、持続的な成長を生み出します。

5. 健康促進、環境保護、地域と社会の発展に積極的に貢献します。
6. すべてのステークホルダーと密接なコミュニケーションを図ります。


かんぽ「我々の経営理念(゜o゜)はぁ、全部嘘でーっすwwwwwm9(^Д^)プギャー
     客のことなんてなんとも思ってませーんwwwww
     だまされた人、ちょりーっすwwwww(・´з`・)」

金融庁の調査結果によると、
過去五年までさかのぼり、騙された人(契約)が少なくとも18万5千件あることが発覚。

賢人「これはひどい……。しかもこの会社上場してるぞ…」
美雪「うそΣ(゚Д゚) ほんとだ……。
   ママが日本株は生ごみばかりと言ってたのも納得の理由」

2019年/8/2 (15:00) の終値。

かんぽ生命保険 7181 : 保険  東証1部 10年来安値更新

始値 (9:00) 1,756 円
高値 (9:07) 1,761 円
安値 (14:10) 1,730 円

(※東京証券取引所は、平日の9時から15時で閉じてしまうのです。
  休みの日の取引は基本的にできません)

こんな生ごみ(株)を誰が買うのか。
株券でなくまさに不良債権。今後も改善の見込みはないだろう。
信じて買っていた人はどうしたらいいのか。
7月中に株価が300円も下落した。来週も株価の急落が続くであろう。

(あとで調べたら、親会社の郵政が実質的な国有企業だった。
 なんと国が保有している株の割合が多いのだ。
 どちらにせよ、はよくたばれ)

ママ『日本株はカスばかり。
    こんなゴミを買うくらいならその辺の石ころでも拾えよ』

そして東京証券取引所にはかんぽのような生ごみ株が
ごろごろしてる。マネー雑誌を読んでも『生ごみ株』が
おすすめ株として紹介されて目を疑う。筆者はとても買う気にはなれない。

例えばメガバンクの三菱UFJ、セブン銀行、日産、不動産関係など。
業界の動向と決算書類を読めれば、未来がないのは小学生にもわかる。

あんな雑誌を信じて買う読者は本物のド素人だけであろう。

日産に至っては第一四半期の決算内容が、営業利益、純利益が
前年比およそマイナス95%である。今期は減益……!! などという
次元ではなく、もはや東証の歴史に残るレベルの芸術的なバカである。

日産はでかい会社だからまだ生きているが、
仮に剰余金(体力)がない会社なら即倒産である。

カルロス・ゴーン氏から全ての人権をはく奪し、銃殺刑にした後、
直ちにその辺の河原にでもミンチにした死体を撒くべきであろう。
日産の全ての労働者は、真面目に働いているのにこの馬鹿のせいで
大量に解雇されてしまうのである。全世界で1万4千人規模の解雇発表である。

私もいち投資家として、このようなアホをする会社の
体制を許すことはできない。ゴーンには人権など必要ない。タンスにごん。

美雪「でもヤマト運輸みたいに政府に怒られた会社って
   今後は経営体質が改善していくんじゃないの?」

賢人「そう思うのも無理はない。だがちょっと甘いな」

美雪「どうして?」

賢人「そもそも金融機関の不正が始まったのは、日銀の買いオペ(規制緩和)が
   始まってからだよ。つまり中央銀行が長期金利を意図的にゼロに引き下げた。
   金融機関は、今まで通りの営業だと利ザヤが稼げない状況を作られてしまった」

美雪「あっ、なるほど。つまり今後インフレになって金利が
   上昇することがない限り、金融機関は通常業務でお金が稼げない」

賢人「その通り。郵政は過酷な営業ノルマを廃止すると言った。それじゃ
   販売手数料が稼げない。利益が無くなる。つまり、遅かれ早かれ
   日本郵政とかんぽが再び悪事に手を染めるのは確実だ。間違いない」

美雪「つまり今回の金融庁からの営業是正勧告は、
   次の不正をするまでのお休み期間に過ぎないってことなのね」

これは、件の京アニ事件、小学生のバス停での連続殺傷事件にも共通する。
犯人に共通するのは40代から50代の金のない無職である。
彼らに適切な職業と生活に必要な自己資金があれば、
犯罪に走ることはなかったことだろう。

確かに犯人のやったことは社会悪だが、その社会悪を作り出したのも
また社会であり、全ての原因は社会と帰結するのが正論である。
無論彼らがサイコパスであり、殺人事態を好む異常者だった場合は
その限りではないが。不景気・令和が殺人を助長していることは
誰にも否定できないだろう。

美雪「ねえお兄ちゃん。今後の日本って物価と賃金が上昇して
   インフレになる可能性ってあるの?」

賢人「黒田総裁が金利引き上げの条件を示している、
   インフレ・ターゲット(物価上昇率2.0%)なんだけど、
   向こう10年先まで達成できそうにないぞ……。
   そもそも人口少子化で財政赤字がGDPの2.5倍。
   不足した労働者を外国人に頼っている時点でかなりアウトだろう……」

美雪「しかも電気ガス、乳製品など物価の底上げをしても
   会社のお給料と年金の手取り額がどんどん減っている…」

賢人「公務員の皆さんもおよそ半分が非正規の職員(有期雇用)だそうだ……」

美雪「ええっ。公務員の人もアルバイトみたいな契約があるんだ!?」

賢人「女の人の公務員は過半数が有期雇用で給料が安いって話だ……。
   そして消費増税で10%になる。なのに実質給料は下がっている」

美雪「安倍晋三が薦めているキャッシュレスに寄る、ポイント還元は…」

セブンペイ、サービス開始後4日目で顧客の全ての口座残高が
盗まれてしまった。9月末までにサービスの廃止を決定。
たった4日のポイント還元制度だった。

詐欺は、もはや日本の病気となりつつある。

日本列島を取り巻くように、次々に発生している。

私は、読者諸兄らに強く警告しておく。
『掛け捨て型の保険以外』には絶対に契約しないこと。
貯蓄型のように保険会社に一定のお金を置いていたら、
満期までに必ず不正に利用され、手数料を取られまくり大きく元本割れする。

JAの掛け捨て型保険は、多くのFPが薦めており、筆者も加入しています。
安い割に保障内容が厚いからです。月2500円からで入院保障もついてます。
もちろんJAも必ずしも信用できませんが、無保険でいるのも
リスクが発生しますから仕方ありません。

参考までに現金預金が1000万程度ある人は、
民間保険に加入する意味は、ほぼありません。
そのまま現金預金残高を維持し、
何か不幸があっても現金でニコニコ払いをしましょう。
保険非加入の分だけ貯蓄高が増えていくので計算上は問題ないはずです。

・保険会社は準強盗的、詐欺集団。契約を交わしたら泥棒にお金を預けるのと同じです。
 保険の勧誘員を街中や会社で話しかけられたら、『怒鳴って威嚇する』
 『手渡された書類をその場で破る』『腹パンする』
  などして追い払いましょう。同情の余地はありません

賢人「ぶん殴るのはやり過ぎだと思うが」

美雪「そんなことしたら暴行罪で自分が警察のお世話になっちゃうじゃん。
   しかも勧誘員ってほとんどおばさんだよ(;一_一)」

賢人「おほん( ˘ω˘ )
   話を戻すが、長期金利が上昇することは今後まずありえない。
   よって保険会社はこれからも悪事を働くのは必然だろ」

美雪「普通預金の金利が0.001%。バブルの頃の600分の一くらい。
    仮にちょっと利上げしても意味ないよね。少なくとも
    今の100倍まで金利を上げてようやく1パーセント

賢人「そう考えると、NTTドコモや三菱ケミカルの
配当利回りが5%前後ってすげえよな。
    預金金利が5パーなのと同じ効果だからな」

美雪「お金って銀行なんかに預けても一円も増えないよね」

大好きなお金の話をしているところ、少し離れた場所から
歩いてきた二人の女子が。二人の良く知っている女の子だ。
一見ごく普通の女の子に見えるのだが、妙な迫力と言うか違和感がある。

まり「お兄ちゃんたちー、おっす」
いずみ「ひっさしぶりー」

賢人「Σ(゚Д゚)カグちゃんのちの娘さんじゃないか」
美雪「なんの脈略もなく表れたわね」

まり「(´へωへ`*)
    今日はお兄ちゃんたちにお願いがあって来たのー」

賢人「どんなお願いだい(;^ω^) 
    可愛いお嬢さんの言うことなら、なんでも聞いてあげるよ」

いずみ「°˖☆◝(⁰▿⁰)◜☆˖° わーい、優しいイケメンさん。だーい好き」
まり「お兄ちゃん、すきー(´ρ`)」

美雪(ガキども、うざ。それとお兄ちゃん……(-_-メ))

まり「(^ω^)ちょっとかんぽ生命を襲撃したいんだけど☆彡」
いずみ「手伝ってくれない? ( ̄▽ ̄)」

賢人(;゚Д゚) 美雪(;゚Д゚)


令和10年……まさかの……急展開!?

かんぽ生命、日本郵政はこの世に存在している価値がない

[いずみ]と[まり]が提案したのは、かんぽ生命の撃破である。

できればかんぽ生命の本社ビルを襲撃したいのだが、本社が東京にあり遠方だ。
そもそも日本郵政がかんぽの親会社であり、販売をしていた。

私は保険会社のような『クズ』組織に興味ないので詳しくは知らないが、
郵政が親会社と言うことは、かんぽの全株式を取得しているのであろう。
したがってかんぽ生命の撃破のために日本郵政を撃破するのもまた必然と考える。

goo国語辞典
撃破 とは
[名](スル)攻撃して敵をうちやぶること。うち負かすこと。「各個撃破する」

主人公らの住む場所は埼玉県北部の地方都市、久喜市である。
らき☆すたで有名な鷲宮神社が近くに有る。

2019年の夏の高校野球埼玉予選で徳栄と激戦を演じた、
春日部共栄高校もこの近くである。
2017年夏を制覇した花崎徳栄高校もお隣の加須市にある。
ちなみにらき☆すたのキャラクターは春日部共栄高校に通っているという設定だ。
また春日部はクレヨンしんちゃんの舞台としても超有名だ。

まり「久喜郵便局を襲撃したいよぉーヾ(≧▽≦)ノ」
いずみ「(o(*゚▽゚*)o) うん。したいんだけどー」

美雪「その前にちょっと聞かせてくれる。あなた達は小学生なのに
   かんぽ、じゃなくて郵便局を襲う理由があるの?
   まさか保険の書き換えでもされたわけじゃないでしょうに」

賢人「親のカグちゃんは保険には入ってないって言ってたけどな」

まり「私たちのおじーちゃんが、入ってたの」
いずみ「しかもぉ。二重払いさせられてたのぉ。3年9か月も」

賢人「二重払い?! Σ(゚Д゚)」
美雪「てことは二つの保険に入らされてたってこと……?Σ(゚Д゚)」

※保険の二重払い

保険の満期更新時に二重払いの保険に契約変更されていたのだ。
無論、顧客に内緒でこっそりと。卑劣ここに極まれり。
この被害にあった人が全国で18万人(件)近くいるとのこと。

これは保険会社ならどこも平気でやっていることで珍しくはないのだが、
改めて考えてみると、令和の不景気で苦しんでいる国民に対する虐待であり
人権侵害に他らならない。もし私が内閣総理大臣だったら、かんぽ生命と郵政の
本社に対して空爆の許可を航空自衛隊に出すところだ。

なぜなら、保険会社とは存在そのものが悪であり、
今後も営業を続ければ無数の被害者が出ることは明らかだからだ。

そこで勤務している全ての従業員にも因果関係があると判断し、
程度に応じた処罰を下す。
執行役、取締役その他役員どもは立場上重罪人であり、
北朝鮮にでも人身売買として差し出し、
代わりに不幸にも拉致された拉致被害者の皆さんを
返してもらった方がよほど国のためになると思う。

繰り返しますが、自民党の主張する景気の回復期とは全く嘘で、
日本はすでに国家の衰退期に突入しており、この流れを
止めてくれる救世主イエスのような存在はないのです。

今後も日本では120年くらい低金利が続くと思われるので
『生命保険会社はこれからもずっと、おそらく半永久的に悪さを続けます』

一時的な是正勧告、営業改善命令など、必ず忘れます。
いたずらっ子は、永遠にいたずらを続けます。
その対象が、あなたの預けたお金なのかもしれないのです。
これだけは、私が声を大にしてみなさんに伝えておきます。

賢人「小泉政権の時代に郵便局が民営化されたわけだが」
美雪「噂で聞いたことあるけど、郵便局って令和元年に
   不正報道されてから急激に軍備を許可したって…」

かんぽ・郵政
「顧客から一度預かったお金は、一生返しませんwwww
 金の半分は営業利益に。もう半分は私たちのお小遣いとして使ってまーすwwww
 やーい。日本国民のみんな。ばーかばーかwwwww
 返してほしかったら各支店を攻撃して奪い返してねwwww」

自分で書いていてマウスを握りつぶしたくなるほどの内容だが、
まさに盗人猛々しい。自信満々である。
久喜・郵便局の軍事力は次のとおりである。

歩兵(狙撃兵)  1,910,361
戦車       5,128
自走砲      2,391
航空機      2,792~3549
迫撃砲、大砲等  25,003

これは、1943年のクルスクの大戦車戦の際に展開された、
ソビエト連邦軍の全戦力である。
第二次大戦で行われた全ての作戦の中で最も多くの戦車が
展開されたとして、世界戦史では超有名な規模だ。

つまりソ連軍が、あのドイツ陸軍の主戦力を撃破するのに
要した戦力と同等。久喜郵便局はこれだけの軍事力を維持し、
顧客から奪った保険金を守り、営業を続けようとしているのだ。

令和10年の設定なのに全ての武装が
第二次大戦仕様なのが摩訶不思議だが、スルーしてほしい。

いずみ「ちょっと戦力が多いよねーヽ(^o^)丿」

美雪「いやいや(;´・ω・)」
賢人「戦力って……(;゚Д゚)歩兵が190万を超えてるのは気のせいか?」
美雪「(^○^)戦車が5千両……? 郵便局ってそんなに敷地広かったかな……?」

まり「攻略するのにちょっと手間取りそうだよねー(^○^)」
美雪「手間取るどこか、ほぼ不可能じゃない!!(>_<)」

・作者からの指令。
登場人物たち全員で力を合わせて久喜郵便局を破壊しなさい。

賢人「冗談じゃねえぞ。こんな戦力相手にどうやって戦うんだよ。
   俺たちに死ねって言うのか!!」

まり「あの戦力には、ドイツ軍でも勝てなかったんだよねー」
いずみ「ドイツを倒したってことは地上最強の軍隊だよねー」

過去。令和元年の不正事件から、かんぽ生命被害者の会が結束。
全国各地で集会を開き、お金を取り戻すために
軍事攻撃を仕掛けることで一致。訓練された部隊を組織した。

久喜の被害者の会は、現在までに7度に及ぶ襲撃を郵便局に仕掛けたが、
いずれも撃退され、戦車部隊による総反撃を食らい壊滅。

この敗北によって生じた死傷者は

死者   47.556
負傷者  56.432
再起不能 8021(PTSD:戦闘後スレレス性障害)

埼玉県北部の地方都市。
久喜市程度の軍事力では日本の金融機関を倒すには軍事力が決定的に不足していた。

美雪「う……こわ((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
   もう不正とかどうでもいいよ(>_<)
   契約して騙された人がお気の毒ってことで関わりたくない!!」

賢人(死傷者の数が久喜市の人口より多い?)

いずみ「でも、がんばれば、なんとかなるっしょ」

美雪(この子達の無駄なポジティブさは、いったいなんなの!!)

賢人「待てよ。俺にいい考えがある」


ありがとうございましたー

ファミマから、浅黒い肌の32歳の男が出て来た。
彼はどや顔で買い物袋を手にしている。
どうやらカロリーメイトのチーズ味を買ったようだ。
割高と分かっていながら、あえてコンビニで買い物。

理由は一つ。彼の保有している日本株の一つである伊藤忠商事。
完全子会社にユニー・ファミマHDが含まれており、前期(期末)決算では
最も伸びしろ(利益)の多い事業だったことが明らかになったのだ。

賢人「おい」
作者「え?」

作者はいきなり顔面を殴られ、激しくのけぞった。
筋トレや自宅の農作業の手伝いで、
それなりに足腰を鍛えているので転ぶことはなかった。

賢人「この作品では俺たちは小説に出演していることを
   自覚している。作者を攻撃することも可能となっている」

作者「ま、待て。話を聞いてくれ!!」

賢人「うるせえ!!」

賢人は戦争に参加したくなかったから必死だった。
足払いで作者を転ばせてから馬乗りになり、夢中で殴りまくっている。
それに妹の美雪も加わり、もはや乱闘に近い状態にあった。

瞳「ちょっと。なにしてるの!!」

ここで登場。うるわしき瞳嬢である。
さっそく彼女視点で物語を勧めましょう。

-------------------------------------------------------

※ひとみん

少し時間を戻しますね。私は今朝、団地を飛び出していった賢人君を
追いかけたかったんですが、昨夜が…あれだったので
具合が良くないので部屋でじっとしていました。

ぴろーん

LINEが鳴ったので賢人君かな?と思って開いたんですけど

・かんぽ生命被害者の会久喜支部・結束。
 五体満足で軍事訓練に耐えうるものは全員集合。
 
 令和10年8月某日を持って久喜郵便局を襲撃し、
 同施設を徹底的に破壊し、また同局の従業員を抹殺し、
 二度と営業活動ができない状態にせしめる。
 
瞳「ええー。従業員を抹殺……((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
   販売担当の人もノルマで脅されてただけなのにかわいそう……。
  てゆーか、どうして私のスマホにラインが来たんだろう…」

このラインは、久喜市ネットワークから送られているのである。
実は自治体によって久喜市の全ての住民の個人情報は駄々洩れなのだが、
今回は一斉に軍事攻撃を仕掛けるための通知に利用された。

久喜市ネットワークとは、お金に困った市民を集めて軍事組織を作り、
最終的に国家転覆を狙う革命集団のことである。

瞳「私も……簡保の被保険者だったのね……」

別のラインが送られてきて、私にも襲撃に参加する理由があるとされた。
私にも保険者番号があることが判明したのです。
お父さんが娘のことを心配して、瞳名義の貯蓄型保険に加入していた。

額は200万。私のお金はとっくに
外貨(ルーブル・ロシア共和国)建ての保険に変えられていた。

スマホで為替レートを確認すると、不思議なことにプラス30万の評価益が出ていた。 
為替はこのように増えることもあるのでなんともいえません。
でも簡保が勝手に変更した保険なので満期が令和99年となってるんだけど…。

つまり私が128歳くらいにならないと引き出せない。
それ以前で引き出すとしたら解約手数料その他が発生し、16万円分捕られる。

かんぽ「お客さんの支払った保険料はぁ、私たちのお小遣いですから、
    万が一入院とかしても保険金は下りない仕組みになってまーすwwww
    残念でしたwwww」

安倍首相「国民からお預かりした年金はぁ。私たちのお小遣いでーすww
     みんなの支給額が下がっても私たちの給料と議員年金は
     一円も下がりませんwww残念でしたーwwww」

↑不思議な一致。

(年金に至っては所得代替率がまもなく50%を切ろうとしている。
 実質払うだけ無駄になりつつあるが、それでも払うしかない。
 例え低額でも、年金なしで老後の生活は絶対に成り立たないからだ)

瞳「何よこの内容は……(^_^メ) 確かに軍事攻撃を仕掛けたくなる。
  でもお金を失っただけで命までは取られてないのよ。
  こういうのもあれだけど、私の家は少しだけお金に余裕があるから、
   200万くらいなら全額元本割れしたと思って忘れれば……」

私だって、くやしくないわけがない。
よく考えたらお父さんが、私が病気になった時のために心配して
入ってくれた大切な保険なのだ。親の愛の結晶と言っても良いでしょう。

お父さんの栄一は、それだけ私のことを心から愛していた。
愛しすぎたせいで。私が別の男に奪われるのも嫌がっていた。
私が一生独身でも一生守り抜くつもりで、すでに相続税対策まで検討していたとか…。

美しい瞳ちゃん(# ゚Д゚)(やっぱり許せないわ……)

瞳「それにしても……保険会社で勤めてる人も郵貯の人も、こんな商売をして
   痛む心はないのかしら。人を騙してまで自分のお給料に変えたって、
   そのお金で食べたご飯は美味しいの? 人の心はないの? 良心の呵責は?」

※たぶんありません。だから勤まるんでしょう。
 筆者だったら入社後3日以内に転職活動を始めてばっくれます。

大塚かぐちゃん
「よーっす。ひとみ(^○^)お邪魔するよ」

瞳「カグちゃん……? いきなり入ってきたら強盗と思ったわ」

かぐ「ごめんごめん。ちょっと急用だったから直接押しかけちゃったんだ」

カグちゃんは、郵便局撃破のために戦闘員の勧誘を行っていたのだ。
カグちゃんの服には目立つバッチが付けてあった。

瞳「かんぽ生命から国民を守る党?」

あの有名なNHKから国民を守る党(N国)のパクリみたいだけど。
かん党(略)は、かんぽ生命に限らず全ての悪徳保険会社から
国民を守るために組織された軍事組織らしいです。

「党」という名がついているが国から認められてはおらず、
実質市民団体にすぎないが、結党以来、多くの寄付金が集まり、
その規模は着実に大きくなっている。

家具「瞳の家は金持ちだから寄付金を頂きたいのよ。
   色んな金持ちの人から金を集めて軍事力を大きくしたいの」

瞳「ちょっと待ってよ。いきなりそんなこと言われても頭がついていかないよ。
  軍事力って、どのくらい持ってるのよ」

家具「そうだねぇ……ちょっとスマホで調べるから待ってて。
   えーっと。最新の情報だと、爆撃機が2500機」

瞳「爆撃機が、にせんごひゃく!?」

家具「陸軍部隊が侵攻する前の準備砲撃代わりに使うのよ。
    でもこれだけじゃ郵便局を攻略するのに、ちょっと足りないわよね」

瞳「……むしろこれでも攻略できない郵便局って(;゚Д゚)」

家具「リアル世界が広島の原爆投下日だから軍事ネタは自粛したいわね」

瞳「でも書かないと物語が進まないよ」

家具「歩兵部隊は、先月(7月)から着々と集結してきている。
   少なく見積もっても現状180万人は集まってきているね」

瞳「そんなに!! 180万って久喜市の人口の32倍くらいの規模だけど
  そんなに人が入り切るのかしら。とにかく兵力だけなら郵便局と同等ね!!」

家具「(-。-)y-゜゜゜でもこっちは老人が中心で戦闘の素人ばかりだよ。
   老人が多いのは、老齢保険が売り上げの中心だったから仕方ないんだけどね。
   郵便局側は働き盛りの30代から40代がメイン。
   しかもお客の金を返したくない一心でよく訓練されている」

瞳「つまり普通にやったら勝ち目がないってことね(; ・`д・´)」

家具「かん党は、適切な訓練を施すためにドイツから軍事顧問を呼ぶことにした。
   あと戦車も大量に購入して大規模訓練をするのにもお金が必要だ。
    戦車部隊を動かすには燃料も弾も必要だ」

瞳「で、お金はどのくらい必要なの?」

家具「2兆円」

瞳「(´・ω`・)エッ?」

家具「だから、2兆円」

瞳「2・ちょう・えんΣ(゚д゚lll)ガーン」

かんぽ生命から国民を守る党は、生半可な軍事力では
郵便局を攻略するのに不十分だと判断し、最終的には330万を
超える兵力に5千両の戦車、5千両の自走砲を加えた陸軍を組織することを決定。

家具「2兆円あれば、戦闘のプロである郵便局を倒すことができる。
   その勢いでかんぽ生命と日本郵政の本社にも襲撃を駆けよう。
   きっと久喜が陥落した時点で勝ち目がないとみて
   本社の奴らも降伏するはずだ」

※参考までに 久喜郵便局の軍事力だけでアジア周辺の小国を超越しています。
地方都市の郵便局が大規模な軍事力を持ってること自体が
あり得ないことだとは思いますが、小説の設定なのでスルーしてください。

瞳「なんだか。壮大な作戦のようね。久喜郵便局を破壊すれば、
  かんぽ生命にお金を奪われた全ての国民を救うことができる(;・∀・)」

家具「そう。金融機関が悪さを続ける悪の連鎖をここで断ち切るんだ。
   社会科の教科書に載るくらいの、一大事業をこれからやってみようってんだ。
   私達は軍事力を行使するが、正義は私達にある」

瞳「ぶっちゃけ、『かんぽ生命から国民を守る党』って実際に
  結党されたら高齢層から支持率得られそうよね。
  現実世界の2019年末に予定されている次の衆院選にデビューしたらどうかしら」

(`・ω・´)お、おう。  (´ー`)あれ?

(;・∀・)(なあひとみ。れいわ新撰組……ってすげーよな)
( ゚Д゚)(え? う、うん)

家具「瞳には無理を承知でお願いしているんだ。
    あんたのお父さんならたぶん個人資産で10兆円くらいは
    持ってるはずだよ。なんなら会社の株式でも売却して
    一部を現金化してくれるだけでもいいんだ」

瞳(株を売却……(; ・`д・´))

瞳「任せて。なんとかしてみるわ」

家具「おおっ(*^▽^*) 本当かい瞳。ありがとうよ。
   良い返事を期待しているよ。持つべきものは良き友。良き同僚だね」


私は帰宅後、急いで美雪さんの米国株式をすべて売却しようとしましたが、
肝心のパスワードが分かりません。

何か紙にでもメモしてるのかと思い、
美雪さんの部屋をガサ入れしてたたら、
ちょうど美雪が帰って来て大喧嘩になってしまいました。

「私の株を売却してかん党の運営資金にしたい…?(^_^メ)
 ふざけんじゃねえ。寝言は寝てから言えよ!! 
 この年増の行き遅れバアサンが!!」

怒り狂った美雪さんが、空の花瓶を手に鬼の形相で追いかけてくるので
私は必死に任げました。なんて迫力。
お金のことがかかってると人間必死です。

私は美雪が1千億近い株を持ってることが不愉快なので
どうせなら一気に現金化して党に寄付しようと思ったのです。

そもそもこんな大学生の小娘が9000万円分のドル建て資産を
持ってるなんて非現実的ですよね。無駄にお金を持ってるから
賢人君が魅了され、妹ラブの演技しているだけなんですよきっと。

世の中やっぱりお金ですね。

「おい年増の厚化粧。てめえの親父が金腐るほど持ってんだろ!!
  てめえのクソおやじに頼むのが筋だろうが!! ああ!!」

これが女の口調なのだから驚きです。なんて品性のなさ。
品性はお金で買えないとはよく言ったものだわ。

「(;´・ω・)仕方ないわね。これから賢人を連れて私に父に会いにくわ」
「え?(´・ω`・) 俺も一緒に行くの?」

そして次の話へ。

瞳「お父さんお小遣い頂戴。2兆円」 パパ「゚(゚´Д`゚)゚」 

ひとみのお父さんの会社は博多湾に浮かぶ空母。
第一シーズンで遊びに行ったのはいい思い出である。

私と賢人君は新幹線に揺られて日本の南端を目指していました。

「ひとみん。本気でお父さんから2兆円を借りるつもりなのかい?」

「借りると言うより、もらう。かしら? 
  私がパパにお小遣いをおねだりするのは
  中学三年の秋以来だと思う。きっと認めてくれるはずよ」

「そういう問題なのか(;´・ω・)」

令和10年ではお金のない国民によって略奪暴行が日常的に行われている。
お金が無くなれば人の心は悪へ染まり、簡単に犯罪を犯すようになる。

令和元年の10月に行われた消費増税のおかげで日本のGDP成長率は
名目、実質ともに下落して日本は景気後退期に入った。

2019年9月。トランプが中国へ向けて第四次追加関税を発動。
これによって中国からの全ての品目に関税がかけられることとなりました。
日本は製造業を中心に原材料の仕入れ、製品の輸出など
中国へ依存していますから、当然大打撃を受けます。


日本株は海外の投資家によってどんどん売られ、
日経平均株価は一気に下落。ニューヨーク市場の主要指数の大幅下落。
豪ドルが売られる。安全資産の円とスイスフランの買いが入る。
さらにムニューシン財務長官が狙うドル安への誘導。

一気に円高へ。対ドルはもちろんユーロに対しても円高。

トヨタ自動車。第二四半期の売り上げを下方修正。
想定レートを1ドル106円へ。
日産は108円。日立製作所は108円から110円に。

それによって生じる損害。
トヨタ自動車が営業利益で600億。
日産自動車が200億。日立製作所が25億。

東証を代表する自動車メーカーと電機メーカーの発表。
当然、これらは日本の輸出を支え、日本の経常黒字化に
貢献する大企業であり、その他の企業にも与える影響大。

ひとみん
「円高が日本に与える損害は、すさまじいです(>_<)
 第一四半期と比べて、たった相場が4~5円
 変動するだけでここまで減るんですかぁ(;゚Д゚)」

「ひとみんって経済の専門家だったの?(´ー`)」
「渡された台本を読んでるだけに決まってるでしょ(*^▽^*)」

ひとみん
「この状態でも、須賀官房長官は、日本の景気を支える、
 ファンダメンタルズには問題がないと言い張っている。
 問題があり過ぎて困るぅ(>_<)」

京大の経済学の某教授は、増税後、長期で見て
日本が後進国へと転落する可能性を指摘した。
増税が日本に与える深刻な影響は、多くの経済専門家、
ほぼすべてのエコノミストが似たような主張をしています。

経済学者で増税に賛成の人は基本的に存在しないそうです。

ひとみん
「我が国のGDP(550兆だったかな?)の内訳の
 6割が個人消費によって支えられています。
 つまり増税後の消費の落ち込みはそのまま
 経済成長率の下落に直結します」

賢人
「毎月勤労統計も嘘だったもんな。各種保険料が引き上げられて
 国民の実質賃金は下がった。先月の厚労省の部会でも
 全国の賃上げは平均で時給23円しか上がらないことが決定した。
 つまり増税しても賃上げなし。国民をいじめてるだけだ」

ある人は言った。増税後は、買い物=ただの罰ゲーム。

日本政府の債務残高(借金)は、1100兆を超えています。
したがって増税しなければ借金が払えない。
しかし、増税したら国民生活が破壊される。
前に進んでも地獄。戻っても地獄。どうにもならない。\(^o^)/オワタ。

しかも少子高齢化に歯止めがかからず、50代以降で統計を
取っている生涯未婚率は、25%を超え、増加傾向にある。
国家の歳入は、人口が増えない限り絶対に増えません。
付け焼刃で外人奴隷を年間3万人連れてきても意味ありません。

\(^o^)/オワタ

ひとみん
「日本国は、間違いなくほぼ確実に、誰がどう考えても
 景気の後退期であり、国家の衰退期であり。
 最悪後進国へ転落するほどの危機に直面しています」

賢人
「これが困ったことに全世界的に、なんだよな」

・ドイツ、2019年。第二四半期の鉱工業生産指数を下方修正。
 前月比のマイナス0.5%。アナリストの予想を超える。

ドイツ「俺んとこの製造業、いい加減やべー(>_<)
     一応うちが欧州トップの経済力を誇るのに…」

・NZ(ニュージーランド)中央銀行。政策金利を50bp引き下げ。
・インド・中央銀行。政策金利を35bp引き下げ

インド「景気悪いよねー」NZ「そうだねー」

米国FRBのパウエル議長君。米公開市場委員会にて。
「トランプのチャイナいじめのせいで景気悪りーんだけどwww
 仕入れ原価の高騰によって実質的に消費増税したのと同じだ。
 国内の消費者物価にモロ影響出てるわ。
 予防策として俺らも金利引き下げとくわwwww」

なんと、米国が10年ぶりに金利を引き下げたのだ。
全世界の市場関係者に衝撃走る。
これとトランプの第四弾追加関税(Twitterにて)が
引き金になって日経平均株価が大幅に下落した。

トランプ大統領のTwitterは、もはやFOMC(米国公開市場委員会)
すら超えるインパクトを全世界の市場に与えているのが事実なのである。

韓国「うちの中銀も、日本と喧嘩してるから経済全体に多大な影響出んのねwww
   つーわけで金利引き下げとくわ。
   実はうちの経済も、まじでやべーんだけどwwww」

英国の首相のジョンソン。
「ごり押しでEU離脱させてもらうわwwww
  合意泣き離脱でもおkwww近隣諸国に与える影響なんて知らねえよwww
   これぞ今流行りの自国一国主義wwwwちょりーっすwww」

ドイツ・フランス・その他
「英国があほすぎてwww経済・為替・金融・貿易wwww
 うちらの経済に与える影響大wwww」


総括。2019年は盛大なるリセッション(景気後退期)

日本「増税して\(^o^)/オワタ」
米国「金利引き下げとトランプの暴走wwwオワタ/(^o^)\」
欧州「英国の暴走とトランプ相場で、全体的に\(^o^)/オワタ」
中国「トランプのいじめで\(^o^)/オワタ」

安倍政権「日本は戦後最長の経済成長期に入っています(>_<)
     増税しても問題ありません!!」

↑これぞ世界の流れに逆らう、大本営発表にすぎない。
第二次大戦から一ミリも進化してない化石。まさに世界に冠たる馬鹿内閣。
世界の流れを正確に読めない者は、絶対に生き残れない。

第2四半期の決算内容によっては、またしても
東証一部企業での『大規模リストラ』が強行され、
数千人規模の正社員の方がその対象となることでしょう。

すでに2019第1四半期までに6000名近いエリート社員が
首になっている国のどこが豊かなのでしょうか。

特に2019年8月から9月に掛けてがやばい。
この時期は、どの国のどの株式を購入しても下落が止まらないでしょう。
また機関投資家によって債権が買われている。
そのため債券価格がむやみに上昇して利回りが下落し、債券を
買うのもためらわれる。こういう時に金地金を持っている人は得をします。


安倍政権「日本の貧乏人が買い物をしなくても外国人が買うからおkww」

外国人の買い物にも消費税率10%
そもそも白人国家の欧米でも景気後退の懸念大。
彼らのお給料や雇用が不安定になるのに。
日本での観光費となる元手が減ることは確実。

そもそもインバウンド消費の大半がアジア系。
国は中国・韓国・台湾。
中韓は深刻な不景気。
やはり外国人頼みの消費など長期的な継続は難しい。
安倍政権はアホである。

安倍政権「増税後はキャッシュレスで還元すればおkwww」

セブンペイは、すでに失敗。破たんした。
多くの国民の現金信仰が増した結果になった。
筆者はキャッシュレスのセキュリティが不安で
様子を見ようと思っていたが、案の定の結果となって笑った。

税金まで投入してのキャッシュレス化だっただけに残念だ。
政府与党でなく、安倍しんぞう独自の案と言われるキャッシュレス決済は
ご覧の通りのありさまであり、その辺にいる頭の良い小学生のほうが
まともな経済政策を考えるのはでないか。

ここまで読んでもらえばお分かりかと思うが、
増税後に日本の景気が良くなる可能性はない。

オレオレ詐欺、かんぽに代表される生保の詐欺、キャッシュレス詐欺、
その他あらゆる手段での詐欺が横行するでしょう。
また殺人などの直接的な犯罪も激化することでしょう。

賢人「そして令和10年は消費税率34%」
ひとみん「不景気なんてレベルじゃないわ。もはや恐慌よ」
賢人「なのに君は」
ひとみん「お父さんに」
賢人「2兆円を」
ひとみん「もらいにいく(お小遣いとして)」

ここで2兆円の価値について考えてみたい。

令和10年の物価は、令和元年とほぼ同等である。
20年続いたデフレの影響で物価は極限まで下がり、
実質賃金も下落し、そのくせ税金だけはこの上なく高い。

この状況では、現金の価値は究極的に高い。
バブルの好景気と比べて、札束の価値は、
銅から金へと変わったと考えればよい。

一万円札を手に百円ショップに行けば、
大量の買い物袋で車のトランクがいっぱいになるだろう。

そのうえで、瞳は2兆円のお小遣いを父に要求するのだ。

今さら指摘するまでもなく 
『お小遣い』
の次元ではない。

まず単位が兆を超えている。

野村総研の資料では億を超える資産を持つと富裕層とされるが、
兆となれば個人の資産額のレベルを超えて国家予算とか、
上場企業の自己資本(株主資本)のレベルである。

もちろん小さな規模の会社では数百億しかもってないところもある。
(大塚家具ちゃん……)

筆者が保有している、もしくは保有する予定の銘柄で言うと、

・NTTドコモ
・キャノン
・伊藤忠商事
・デンソー
・ブリジストン

このクラスは、利益剰余金(余ってる現金)だけで2~4兆円は持っている。
当然これらの会社は東証の中でトップのレベルである。
いわゆる大型株で、購入するには最低購入単位(100株)
でおよそ20万から50万円も必要だ。
その代わり、その辺の生ごみ株とは経営の盤石さに大いに差がある。

キャノン、デンソー、ブリジストンなど強力な製造業は、
現在トランプ相場と英国のバカ騒ぎによって株価が下落し、
リング際でボコボコにされているが、まだまだ立っていられるボクサーなのである。

キャノンは通期の予想で全世界規模の売り上げに多大な影響が生じ、
営業利益が前期比マイナス20%を見込んでいる。通期なので今年度ずっとだ。
さらに円高が輸出での売り上げを殺してしまう。

これは、その辺のザコ企業ならワンツーからのボディへのフック、
スキだらけの顔面へ右ストレートを食らわされたに等しい状況だが、

まだまだ倒れない。

なぜか。ドラクエで例えるとヒットポイントが高いからだ。
ドラクエのラスボスを倒すのに何ターンを費やしたか思い出してほしい。
殴られても倒れさえしなければ、敵をやっつける方法を頭で考える余裕がある。
この余裕が、経営の改善につながるのだ。

例えば大塚家具は前期決算で営業CFがマイナス50億くらい(単位は忘れた)
短期借入金13億円。これを返すのに固定資産を同額分売り払うと言う暴挙に出る。
こうなると10年以内に倒産する可能性が大であり、執筆時点で株価は200円台である。
ここまでくると深刻で、もはや経営の改善の見込みはないだろう。

ライバルのニトリHDの薄利多売がデフレにマッチしており、
高級家具を富裕層に売りつける大塚家具。
昭和の時代はそれでよかったのかもしれないが、
令和の時代では衰退の一途をたどるのみである。

大塚家具はともかくとして、株の相場とは面白い。
一時的に下落局面が続いても長期で保有していれば
必ず上昇局面がやって来るものだ。

それがたとえ東京五輪終了後だとしても、
「株価のグラフは、下がった後は反発する」逆もまたしかり。
株価がずっと横ばいなのは、あり得ないのだ。

賢人のママならこう言うだろう。

ママ「キヤノンの株価が急落してるぞ(-。-)y-゜買い時だな」

長期投資(配当金投資)の基本である。

バカ⇒株価が急落したら、あわてて売ってしまう。
賢者⇒鼻歌を歌いながら、買い増しする。

さてそろそろ話を進めよう。賢人夫妻は空母にたどり着いた。

賢人「お父さん。娘さんを僕に下さい」
瞳のお父さん「なにぃいいいいいいいいいいい!!??」

賢人はぶっ飛ばされ、鼻血が宙を舞った。
ちなみに上のセリフは筆者の用意した台本を読んだだけだ。
決して彼の言葉ではない。

父「貴様は突然現れて何を言っとるんだぁああああ!!」

瞳「落ち着いてお父さん。本当はそんなこと言いに来たんじゃないの」

父「ではなにか? おまえは父の前で賢人という婚約者を連れてきて
   他に言いたいことがあると!?」

今日の父は不機嫌だった。トランプ相場のせいで会社の経営が
かなりヤバくなってきているのだ。今のところ長期での見通しが立たないらしい。
(ペンタックは東南アジア諸国に多数の工場を持っているため、
 為替など外国の政治の影響を受けやすい)


瞳「お小遣いが欲しいの」

おや。と父は思った。
瞳の目がいつになく真剣だったからだ。

父「……瞳が私にお小遣いをねだるのは中学の時以来か。
  そんなにお金に困ってるのか? いや待てよ。
  まさかそこの男に貢ぐつもりじゃ…」

瞳「そんなんじゃないの!! 
  私は、とある目的のためにお金が欲しいの!!」

父「早く要点を言いなさい!!」

瞳「結論だけ言うね。2兆円を頂戴!!」

北朝鮮の保有する単距離弾道ミサイルが
頭上に振って来たのかと思った。

父、栄一は、自分の目の中に入れても痛くないと思っていた娘に
まさか2兆円を要求されるとは思ってらず、激しい立ち眩みに襲われた。

父「……私の聞き間違えでは、ないのだな?」

瞳「(>_<)うん」

父「お小遣いを2兆円……? それはお小遣いといえるのか。
  大企業の長期借入金の次元だが……。2百万の間違いじゃないのか……?
  お前はいったい、なんのために2兆円を使うつもりなのか……」

瞳は、かんぽと郵政の悪事を説明した。
お父さんが加入した瞳用の保険(400万だったかな?自分で書いたのに忘れた)
もロシアの通過・ルーブルに変えられてることを説明した。

父「今日の為替レートで損益は出てないが、満期が令和99年とは信じられん。
  書き間違えではないのだな? 事実上、一生涯解約できない保険というわけか。
   (´_ゝ`)ふむ。 (´Д`) あー、うむ。確かにお前の言う通り、
   これ以上ないほど悪質な保険内容である。
    むしろこれは保険の契約とは言えんだろう」

――だが、その程度の金額がどうした?

父はそう続け、瞳をあ然とさせた。
鼻血を止めるために仰向けになっていた賢人の耳にも入り、
瞳と同じように驚いていた。

父「反対する理由を今から述べる。まず、保険の金額が小額だ。
  400万が事実上凍結されたからと言って、それが何か問題なのか?
  凍結されてる間、瞳は資産の貸し手の側だ。保険は加入している状態と考えられる。
  それで保障内容が得られるなら、瞳が病気し入院した場合も安心だ。
  もっとも悪徳保険会社だから保障(保険金)などないんだろうが。
  その場合は私が現金で補填すればいいだけの話だ」

※保険金 保険会社が我々に払う
 保険料 我々が保険会社に払う

瞳「( ゚Д゚)」 賢人「(;´∀`)」

父「次に、仮に2兆円も出資したとなれば、瞳は『かんぽ生命から国民を守る党』
  の幹部クラスの席が与えられるだろう。かん党は、完全な軍事組織だ。
  娘がそのような危険な組織と関わりを持つなど断固容認できん」

瞳 (´Д`) 賢人 (;・∀・)

瞳はこんな時なのに、お父さんから渡された大切なデビットカードを
スラれてしまったことを思い出し、素直にそのことを伝えてしまった。

父「額は500万か。カード会社に連絡した時にはすでに全額引き下ろされていたと」

瞳「(´;ω;`) ごめんなさい……本当にごめんなさい m(__)m」

父「顔を上げなさい。瞳」

瞳「はい」

父「おまえが怪我したわけじゃないんだから、
   そんな細かいことを気にしなくていい」

瞳「ゆ、許してくれるのΣ(゚Д゚)?」

父「もともとお前が生活に困らないように与えたお金なんだよ。
   言うなればお守り変わりだ。そのお守りが、結果的に
   盗まれただけでお前を救ったようなものだ。
   だからお守りとしての効果は十分に果たしたな」

父の言うことも一理ある。令和10年では略奪暴行は
日常茶飯事であり、いつどこにいても死ぬ可能性がある。

それにしても、

賢人(さっきから小金って言ってるけど、今の時代で
   400万500万稼ぐのがどんだけ大変だと思ってるんだよ ( ゚Д゚)
   やっぱり貧乏人とは価値観が違うのか)

父「そういうことだから、2兆円のことは諦めなさい。
  お小遣いが欲しいなら、いつもより多めに700万ほど
  用意してあげるから少しの間待ってなさい」

瞳「はい…(>_<) 」

瞳 (。´・ω・)。o00 またお小遣い貰えるんだ……

父「金の話はこれで終わりだ。それより問題はそこの男だな」

賢人「(゚Д゚)えっ」

父「おい貴様。なにやら私の娘と結婚したがっているようだが、
  貴様のようなどこの馬の骨とも分からぬ奴を
  やすやすと結婚させると思っているのか?」

賢人(うっ……(;゚Д゚) すっげえ威圧感。
   やっぱ本物の経営者は迫力が違うぜ。だけど好都合だ)

賢人「だってさ瞳さん (゜-゜)」

瞳「は? ( ゚Д゚)」

賢人「お父様もこう言ってるんだから。
   俺たちの婚約は、やっぱりなかったことにしよう」

瞳「!? ??????? (∩´∀`)∩」

賢人「ちゃんちゃーん。
   これにて渋谷賢人と坂上瞳は完全なる赤の他人となりました」

瞳「( ゚Д゚)」

賢人「おーい。瞳さんどした。聞いてるの?」

(;゚Д゚)  う、うぅ……
            (´Д⊂ヽ  うっ……!!
     (ノД`)・゜・。 うわぁ……

うわーーーーーん  !!!! ( ;∀;)

瞳はやけくそになって甲板から海へ飛び降りようとした。

父は半狂乱になって瞳を羽交い絞めにし、思いとどまらせた。

(´Д⊂ヽ うああああああああん

      。・゚・(ノД`)・゚・。 うわあああああああああああああああ

(つд⊂) エーン エーン!!

父「な。なんだこれは。瞳はどうしてしまったのだ…!!」

賢人「説明するのが手間なので俺のスマホを読んでください」

数話前の話を読んでもらったら、父はあまりの衝撃に
頭が付いて行かず、二回も気を失ったが、すぐに起き上がって
続きを読んだ。さらに吐血までしながらも、頑張って最後まで読んだ。

賢人「ごはっ」

そして賢人に拳を振るった。これで今日二度目の鼻血である。

父「遺憾ながら認めざるをえまい。
   瞳がそこの馬の骨に完全にほれ込んでいることを」

。・゚・(ノД`)・゚・。 うわあああああああああ 賢人が私を裏切ったのよ 神様あああ!!

父「私の愛娘が幼児退行までしてしまうとは、そこまで愛が深いのか。深谷ネギ。
   しかし、簡単に婚約を認めるわけにはいかんぞ。なぜならこの男は」

――完全なるシスコンではないか。

そう。渋谷賢人は実の妹と結婚しても問題ないレベルで
愛し合っているのだ。すでに出来上がった関係に
首を突っ込んだに等しい『ひとみん』には、普通に考えて勝ち目がない。

父(私の娘の初めてを、この男が奪っていたのか(-_-メ))

その点ではひとみんが有利だった。
ひとみは深刻なレベルで貧乳だが、そんな胸でも
肌が白いからなのか、賢人は愛していた。

今や瞳の乳首は彼の物となったのである。
「ひとみ。愛してる」などと行為の最中に何度も口にした。

それなのに…

「やっぱり俺とは別れてくれ」

男なんてこんなものである。
瞳嬢が甲板から飛び降り自殺しようと思うのも無理はない。

そもそも物語の冒頭の「娘さんを僕に下さい」と完全に矛盾している。
初めから婚約を解消の方向へ持って行くための、賢人のさくりゃ…

賢人「俺は悪くねえんだ!! 
    だって冒頭のセリフを考えたのは作者じゃないか!!」

父「早く瞳が泣き止むようにしてあげなさい!!
  瞳が涙の長し過ぎで鼻炎になってしまうかもしれない!!」

賢人「ど、どうすればいいですか!!」

父「抱きしめて得意の口説き文句でも言えばいいだろう。
   この最低のペテン師が。今だけは見逃してやる。さあ急げ」

賢人は、甲板で女の子座りしているひとみんをダッシュで抱き締めに行った。
彼の腕の硬い感触、ぬくもりを感じると、
瞳はさっきまでのあれが嘘のように落ち着いてしまう。

よしよし ヾ(・ω・`)
           (*´▽`*)あっ…。

(・ω・`) ごめんね。ひとみん。さっき言ったのは全部嘘だからね。
(*´▽`*) えっ本当? なら私と結婚してくれるのよね?
(>_<)  そ、それは……
(*^▽^*) ……なぁに?

賢人は返答に困った。

瞳のことは性欲に負けて犯してしまった(同意はあったろうが…)が、
やはり冷静になって考えてみると結婚相手としては考えられない。
性格の件は前話?と同様の見解だが、この娘を溺愛するパパが問題だ。
経営者なので世間一般の父親とは色々な面で違うのだが、
賢人は一目見た時からこの父親が好きになれなかった。

もっと言うと瞳の母親も好きになれそうにない。
娘の教育に腹パンをする人など完全なる危険人物である。

賢人がひとみんと結婚したら、互いの資産に絶望的な差があるため、
坂上家の一員となるしかないのだが、そうなったら当然
この両親とも関わりを持つことになる。

賢人は、それだけはごめんだった。

(*^▽^*)「けんとくーん? どうして黙ってるのかなぁ?」

瞳の怒りのボルテージが、みるみるうちに上がっていく。
瞳は散々泣いた後は切れる傾向にあることも経験的に知っている。

特に賢人が質問に答えない、瞳と視線を合わせない時はひどい。

(くそっ)

挙句、気が狂ってしまったのか。

賢人は彼女の父親を殴ってしまった。

「ぐふ!? (;゚Д゚)」

これはかなりの破壊力があった。
賢人はそんなに意識したつもりはなかったのだが、
修羅場ということもあり、いつもより力がこもっていた。

(この男は、強い)

この一撃は、どういうわけか父親を屈服させることに成功したのだった。
坂上栄一は、自分より戦闘力の高い相手を尊重する不思議な特性があった。

もしかしたら、この男ほどの戦闘力があれば、
自分の娘を幸せにすることができるのかもしれない。

栄一は、12メートルほど吹き飛んだ場所から起き上がる。
咳払いをして賢人と愛娘の前に戻って来た。

「瞳に2兆円を与える」

それだけではない。

「渋谷賢人との結婚を認める。
 ただし、渋谷美雪との関係を整理してからだ」

渋谷美雪。瞳の恋愛を邪魔する最大の障害であると当時に、
賢人にとってかけがえのない存在である。大切な肉親である。
とにもかくにも渋谷美雪との関係の整理とは。
この作品が仮にあと700話続いたとしても不可能だろう。

「分かったかね?」

父の発言に対し、瞳は愛想笑いし、賢人は聞こえないふりをした。
とにかく、よく分からない展開で目的の2兆円を手に入れることに成功した。

郵便局を襲撃したらどうなるか

『かんぽ生命から国民を守る党』は、
瞳から手に入れた2兆円を有効に活用した結果、
なんと時空を超えてヒトラーのドイツ軍の精鋭部隊を
現代に償還することに成功した。

時は第二次世界大戦。
対ソビエト連邦侵攻作戦
「バルバロッサ作戦」のために用意された戦力である。

•北方軍集団(ヴィルヘルム・フォン・レープ元帥)
  第18軍、第4装甲集団、第16軍

•中央軍集団(フェードア・フォン・ボック元帥)
   第3装甲集団、第9軍、第4軍、第2装甲集団

•南方軍集団(ゲルト・フォン・ルントシュテット元帥)
  第1装甲集団、第11軍、第6軍、第17軍、ルーマニア2個軍

ドイツ語のアルファベートで
A(あー)、B(べー)、C(つぇー)
を頭文字にした、三つの軍集団とも呼ばれた。

高度に訓練されたドイツ兵が約300万。
戦車5000両、航空機が7000機、各種火砲4万門(たぶん)である。

それに加えて、枢軸国諸国の兵力

ルーマニア王国、
ハンガリー王国、
フィンランド、
スロバキア共和国、
クロアチア独立国
イタリア王国

の計100万を加え、総勢400万とした。

この戦力が目的としたのは、『ソビエト連邦の撃破』
『ソビエトの全野戦軍の撃破』である。

野戦軍とは、ソ連が保有する移動可能な全ての兵力を差す。

wikiより
開戦後三週間でドイツ軍はバルト、白ロシア、ウクライナの過半を占領し、500Km進撃した。
赤軍の被害は甚大であり、7月30日までに兵士65万人、航空機3468機、砲12000門、
物資集積所200箇所を喪失した[83]。軍需物資を前線に集中していた影響で
国内に蓄えられた物資のうち52%が失われ、前線の将兵は弾薬や燃料の欠乏に苦しむことになる。


久喜郵便局は、武装した職員が主な戦力なのに対して、
かん党が呼び出したのは、本物のドイツ軍であり、
あのフランスやイギリスでも歯が立たないほどの、
正真正銘の戦闘のプロ。欧州で最強の戦闘集団である。


久喜郵便局
「まいりました。降伏します⊂⌒~⊃。Д。)⊃」

久喜郵便局は、顧客から不正に預かっていたお金、
総額4億円分を返却すると申し出た。
かん党は、これに応じた。

美雪「 (;゚Д゚)ちょっと待ってもらっていい?
   なんでドイツ軍が現代によみがえってるの」

瞳「お金の力で何とかしました (*^▽^*)」

美雪「金でどうにかなるか!!」

賢人「まじでちょっと冷静に考えさせてもらったいいか?
   これってソ連の1200キロに渡る国境線を超えて侵略するための兵力のようだが…。
    まずこれだけの膨大な兵力が久喜市に集まるって、いくら
    小説でも不可能だろ。久喜市の人口って10万もないんじゃないの?」

瞳「久喜市は意外と広いのよ。
  公園とか使えばなんとか入りきるでしょ」

美雪「アホか!! (;´∀`)」

瞳「なによ!! Σ(゚Д゚)」


冷戦時に米英の軍首脳が、ソ連侵攻のために
ドイツ軍のバルバロッサ作戦を模倣した作戦を考えたが、
実現不可能だと判断し、最終的に断念するに至った。

まずソ連は国土が広く人口も多い。その他インフラ設備の不備、
過酷な気候条件など侵攻する側には相当に不利な条件である。

第二次大戦後の戦勝国側である米英は戦慄した。
米英が仮に1000万を超える兵力を有したとしても、
ソ連を滅ぼすことなど不可能だったのだから。
(核兵器の有無を考慮せずとも)

それほどドイツ軍が立案し、実行した対ソ侵攻作戦は
良く計算されており、合理的であることが明らかになった。

ドイツ軍が編み出した、航空機の爆撃と戦車の突撃を組み合わせた電撃戦。
敵側に防御したり考える暇を与えない。
現地指揮官による即断即決によって、戦場で発生する
あらゆる事態を速やかに解決していく。
ドイツの強さの源は、「速さ(臨機応変)」にあった。

いちいち上司の指示を仰がないと判断ができない日本の
サラリーマンとは対照的である。

末端に至るまで兵隊の士気が高く、教育水準も高く、訓練は行き届いている。
ドイツ将兵はまさに戦闘のプロ。ドイツに比べれば他の欧州軍はアマチュアである。

そして米英を中心とした連合軍は、地球人類で
ソビエト連邦のような巨人相手にあれほどの
大侵攻作戦を実施できたのは、後にも先にも
ドイツのみだという結論に至った。

ちなみにソ連軍が、ドイツのA・B・C軍集団を最終的に撃破するまでに
およそ2000万はくだらない損害を出しているのだから、
ドイツの戦闘力の高さに震えるばかりである。

ヒトラー「我らアーリア人種は世界の第一となるべき人種なのである!!」

↑事実だから困る。過去作、午後2時55分~でも述べているが、
ミサイルや原爆も、そもそもドイツ系ユダヤ人が開発したものであり、
戦闘だけでなく理系の分野でも世界のトップである。

あとクラシック音楽の本場もドイツであり、
自動車、医学、歯科学、工学、光学なども有名だ。
筆者の趣味の分野でも、ヘッドホンメーカーも世界一はドイツ(ゼンハイザー)
双眼鏡メーカーもドイツ(カール・ツァイス)が最強。
他にも探せばたくさんあるだろう。


美雪「さっきからドイツ軍、ドイツ軍ってうるさいんじゃ!! 
   そもそもかんぽ生命とドイツ軍のどこに関連性があるんや!!
   もう小説の体を成しとらんわ!!
   はよ台本書き直さんかい、瞳のドアホが!!」

瞳「ドアホって……関東でアホって言葉使う人めずらしいわね。
  前から思ってたけど、美雪さんって関西(近畿地方)で生まれ育ったの?」

賢人「いや美雪は生まれた時から埼玉県育ちだよ。
   美雪は中二の時、関ジャニが好きだったんだよね」

美雪「うん。木曜のラジオとかよく聞いてたから、
   自然と喋れるようになったの」

瞳「えー意外ね(>_<) ジャニオタだった時期があったの?」

賢人「ジャニオタって程じゃないよ。
    友達に勧められてちょっとCDとかDVDを集めてみたんだよな?」

美雪「でもすぐ飽きちゃったけどね。お兄ちゃん離れをするためにって
   頑張ったんだけど。やっぱり駄目でした。
   だってアイドルなんてただの憧れ。話したり付き合えるわけもないじゃん。
   私のことを一番よく分かってくれるのは、お兄ちゃんだけなの (⋈◍>◡<◍)。✧♡」

美雪(´っ・ω・)っギュッ 賢人(;´∀`) お、おい、ヒトミさんの前でダキツクナ…

瞳「さっすが生粋のブラザー・コンプレックス。昔からひどい病気だったのね。
   今からでも遅くないからジャニオタ・デビューでもしたらどう?」

美雪「やかまいしいわ (^_^メ)」

賢人「おーい、ひとみん」

瞳「なーに (;・∀・)?」

賢人「美雪のブラコンをバカにするなよ!!」

瞳 (´Д`)!??  美雪 Σ(・□・;)?

賢人「聞いてるのか? なに驚いた顔してるんだ。
   俺は瞳のブラコンをバカにするなって言ったんだ!!
   …間違えた。瞳じゃなくて美雪だった」

瞳 .o0 (>_<)私がブラコンなんてありえないわ。私の兄はクソよ。

賢人「美雪がブラコンで悪いか? 美雪がブラコンってことで
   瞳さんに何か迷惑かけたか!? ……かけてないだろうが!!
   いっつも俺の美雪をバカにしやがって!!」

瞳「あ、あの (;゚Д゚)」(思いっきり迷惑かけてますよね!!?)

賢人「もう君とは付き合ってられない!!
   これで何もかも終わりだ!!」

賢人は、瞳にきつめのビンタをした。

パシーン(>_<)

すると瞳嬢は、

(´Д⊂ヽ うっ……うう……いたいよぉ……

( ;∀;) うっ……ううっ……どーしてぶたれたの…

:;(∩´﹏`∩);: ぐっ……ぐすっ……

(ノД`)・゜・。びえええええん。賢人が私をぶったああああ

例によってこうなった(推定年齢、三歳)

美雪は、積年の恨みを込めて瞳のお尻を蹴飛ばしてやった。

ひとみちゃん( ;∀;) ぶわあああああああああああああああああ
      いだいよおおおお!!

美雪(;´∀`) ふふ。いい気味ね

美雪(´-`).。oO さすがにお兄の言ってること矛盾してるよ。
         どう考えても私のブラコンのせいで瞳の縁談を
         破談にさせていたのに、瞳に何か迷惑かけたかって……


(^ω^) 
  もう何もかも めんどくせえ ← 準備運動を始めた賢人。
 

美雪「お兄ちゃん。どこ行くの!! 私も行くよ!!」

賢人「ええい。おまえは着いてくるな!! これは男の戦いなんだ!!」


賢人は、スプリンターのごとく駆けだした。

美雪 (੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾ おにいちゃーん!!!!!

……速い。

美雪は兄を見失わないよう必死に駆けるが、全く追いつけない。
男女の差があるにしても異常なスピードである。
賢人の脚力は、もはや人類すら超越し、チーターと同等かと思われた。

1分もしないうちに彼の背中すら見えなくなってしまう。
美雪はさすがにチーターと追い駆けっこをする気にならず、諦めた。

25歳にしては落ち着いており、ペンタックの奴隷労働にも耐え、
どんな時でも美雪の味方をしてきたはずの優しい彼がなぜ……?

美雪(着いてくるなって言われた……(>_<)ズキン)

それにしても、男の戦いとは、どういう意味なのだろうか。

事件の後に彼が語ったことは、こうである。

「男には、女の相手をするのに疲れる時がある」
「そんな時は一人になりたい。どこか遠くへ行きたい」
「あるいは、全く別の女の子と仲良くなりたい」

よくわからない理由である。

--------------------------------------------------
チャプター25.5 美雪「お兄ちゃんが、家出した!?」
----------------------------------------------------

その日、家に帰ると賢人はいない。

渋谷美雪と坂上瞳は、初めて彼のいない団地での生活を余儀なくされたのだ。

美雪「あれだけ探したのに見つからなかった……」

兄は今ごろ、どうしているのだろうか。
夜には必ず妹の自分のところへ戻ってくるはずなのに。
もう夜の7時半を過ぎた。夕飯時のはずだ。

美雪(お兄ちゃんの小銭入れには740円しか入ってないのに。
   どこでご飯を済ませるつもりなんだろう。
   今夜どこで寝るつもりなんだろう……)

警察に行方不明者の捜索願を出すために電話したが、繋がらない。
久喜市の警察署は、強盗の度重なる襲撃を受け壊滅していたのだ。
つまりこの市はもはや無法状態なのである。

最悪、兄がどこかで死んだ可能性すらあるのだ。

瞳「そのうち戻ってくるでしょ (;´・ω・)」

瞳は楽観。意外にも。

瞳「私達が悪いのよ。私達が彼を精神的に追い詰めてたんでしょ。
  逆の立場になって考えてみたら自業自得かもしれないわ。
  私彼に何度もビンタしちゃった。割と本気で
  嫌な女だって思われてる自覚はあるもの」

美雪は彼を心配している旨のラインメールを
80件ほど送っていたのだが、つい先ほど返信が来た。

『うるせー。ほっとけ』

これだけだった。顔文字もなしである。

(^_^メ) お兄ちゃんの馬鹿。
人がこんだけ心配してるのに (ノД`)・゜・。

怒りと悲しみ、やるせなさ。
ギュッと握った拳の上に、涙がこぼれ落ちる。

瞳「けんとぉ。(*´ε`*)チュッチュ」

瞳は自分のスマホに繰り返しキスしている。
一番イケメンに見える角度の彼の写真
(待ち受け。しかも隠し撮り)に対してである。

瞳「賢人さみしいよぉ。(*´ε`*)チュッチュ
  でも今は写真だけで我慢してあげる。
  気持ちが落ち着いたら、またいつでも戻って来てね
  (*´ε`*)チュッチュ」

美雪(キモッ。でも言うと喧嘩になるからやめとこ)


彼女たちは知る由もなかったが…

賢人は青信号を確認しないで歩道を渡ろうとした結果、
真横から走ってくるトラックにひかれてしまった。

ぽぎゃああ  ⊂⌒~⊃。Д。)⊃

現場から37メートル吹き飛んだあと、激しく吐血。
救急車で病院へ運ばれた。
彼は吹き飛ぶ際に肋骨の骨がバキバキ折れる音を確かに聞いた。

そもそも37メートル吹き飛ぶほどの物理的圧力が
加わった時点で怪我を通り越して即死だろうが、
小説なので細かいことは気にしない。

賢人「お、俺は……死ぬのか……」

見知らぬ、天井。
病院のベッドで点滴を受けていた賢人。
術後は全身がミイラのように包帯だらけかと思いきや、
意外にも外傷なく。むしろ普段通りだった。
体を動かしても、あえぐほどの激痛が襲ってこない。

変わっているのは病院服を着ていること、
左の腕に点滴注射がされていることだった。
キャスターに設置された点滴袋には渋谷賢人とマジックで書かれている。

マリ「おにーちゃん (∩´∀`)∩」
イズミ「お見舞いに来たよー (´ρ`)」

賢人「き、君たち。どうしてここに…」

(∩´∀`)∩ おかーさんに賢人お兄ちゃんを探せって言われたの
(^○^) 美雪おばさんが心配してるんだって言ってたよぉ

賢人(ミユキの奴、カグちゃんに捜査依頼をしていたのか。
   余計なことしやがって。この流れだと俺は…)

賢人「俺を団地に連れ戻すつもりかい?」

ヽ(^o^)丿 そんなことしないよぉ
(∩´∀`)∩ お兄ちゃんは 一人になりたいんでしょお?

賢人「(>_<) そ、そうだ。俺は結婚とか婚約とか、
   ああいうのに疲れたんだよ!!
   正直かんぽ生命のこともどうでもいい!!」

(`・ω・´) じゃあしらばく(・´з`・) 私達と一緒にあそぼー

賢人 Σ(゚Д゚)えっ

ちなみに彼が収容されているのは千葉県松戸市の総合病院である。
賢人は必死で走るあまり、埼玉県を超えてはるばる千葉県に来ていたのだ。
そして松戸市役所前の交差点でトラックにひかれてしまい、現在に至る。

賢人「遊ぶって……ごめんね。
   お兄さんはちょっと旅に出たい気分なんだよね」

(゜-゜) 私たちはお兄ちゃんといると楽しいよぉ
(*´ω`) どこへでも付いて行くよぉ

賢人(か、かわいい(*´Д`)ハァハァ)

同僚の娘だとはわかっいる。しかし、瞳や美雪など
大人の女のいざこざに巻き込まれてストレスを
ため込んでいた彼にとっては天使に違いない。

犯罪だと分かっていながらも、
どこか遠くの場所へ連れ去ってしまいたくなる。

賢人「じゃ、じゃあ。ちょっと遠出しようか」

(=゚ω゚)ノどこへー?

賢人「ヒマラヤ山脈」

Σ(゚Д゚)?! Σ(゚Д゚)?!

令和10年。まさかの海外旅行編!??

まり・いずみ「ヒマラヤ山脈に行ったら死ぬよ」

・ブリタニカ国際大百科事典

ヒマラヤ山脈
ヒマラヤさんみゃく
Himalaya Range

インドと中国のチベット高原の間に西から東に走る山脈。
山名はサンスクリット語の himaālaya(雪のすみか)を意味し,
中国では喜馬拉雅の字をあてる。

西はインダス川から東はブラマプトラ川にいたる全長約 2500km,
南北の幅は 200~400kmの山地。
世界の最高峰エベレストをはじめ多くの 7000m級,8000m級の高峰を含む。

ヒマラヤに挑む前に色々と問題があった。まず賢人は金がない。
小銭入れに740円しか入っていないことは前述した。

さらに外国に行ったことがないのでパスポートを持っていない。
いずみとまりも同様だ。加えて彼女ら二人は未成年であり、
親の同意なしに連れ出すことは難しい。

最も重大な問題は、賢人に登山の経験が無いことだ。
登山には足腰を中心とした体力の他には、
山の過酷な気候条件を乗り切るための知恵と経験が必要である。

タイトルで説明した通り、山を舐めている者は死ぬ。

本格的な登山となると、16キロ~20キロ近いザックに
テント、食材、医療品を含めた各種道具を満載して登ることになる。

ヒマラヤはチベット高原であり、まず空気が薄い。そして寒い。
平地を歩くだけでもフラフラするほど過酷なのに登山とは、笑止千万である。

(∩´∀`)∩ おにーちゃんは、おバカさんなんだね

賢人「う、うるせー。ヒマラヤは冗談に決まってるだろ」

(^○^)それより、どーするのー? お兄ちゃんが早く行き先を
   決めてくれないと、明日にでも美雪のおばさんが、やってきちゃうよ

(#^ω^).oo0(さっきからミユキをおばさんって呼ぶなよ)

(;゚Д゚) な? どうしてだい? 美雪に俺の居場所をばらしたのかい?

(^○^) ちーがうよ。お兄ちゃんのスマホが
    位置情報を勝手に送信してるんだよぉ

( ˘ω˘ ) 美雪さんがお兄ちゃんのスマホに
     スパイウェアを仕込んでるから、位置がバレちゃうんだよ

(スマホのマップ機能かよ!! くそ、めんどくせーことになった!!)

決して美雪のことは嫌ってない。むしろ愛してる。
でも今は会いたくなかった。
賢人は、むしゃくしゃしたのでスマホを捨てようかと思ったが、
不思議なことにすでに電源が切られている。何度押しても電源が入らない。

(´-`).。oO そういえば…

10話くらい前に、瞳によって電気ポットに投下されて
お釈迦になったことを思い出した。

賢人「よく考えたら俺のスマホ壊れてるじゃん!!」

(∩´∀`)∩ そーなのー?
(=゚ω゚)ノ なら位置はバレてないねー

(;゚Д゚) だとしても時間の問題だよ。美雪の執念はすさまじいんだぞ。
      どんな手を使っても俺の居場所を探し出すことだろう。

ここから逃げよう。と賢人は言う。

逃げる。

文字にするとたったの三文字。
その意味は思ったよりも深い。

逃げてどうにかなるのか。
最愛の妹を含む女二人を、あの団地に残して。
そんな身勝手が許されるのか。
いや許されるのだろう。

賢人は今日まで美雪と瞳の執着とよく戦ってきた。
逃げたいと思ったことは一度や二度ではない。
結果的に彼は女によくモテた。それも不特定多数の女性からではなく
身近にいる特定の女性からよくモテた。ちょっと異常だった。

(坂上嬢ほどの美人が、なんであんな奴に…)

社内でこう思う男性従業員はたくさんいた。
実は鬼軍曹の主任も同じように思っていた。

困ったことに賢人自身も同様の認識であり、
年齢はともかくルックス、金、生まれの違い。どう考えても釣り合わない。
実際賢人の容姿は端麗な方なのだが、自己評価は低かった。
どのみち渋谷兄妹のルックスでは瞳の美しさに遠く及ばないのは事実だが。


(´っ・ω・)っ おにーちゃん、どーするのぉ?
(・ω・)ノ ゆーじゅーふだーん。早く行き先決めてよー。


賢人はアリストテレスの顔で考えた。
一分経った。ついに行き先が思いつかず、

――君たちに任せるよ。

(^_^) ←の顔で言った。
   ただの笑顔でなく諦観も混じっていた。

小学生の女の子が遊びに行きたいところ、ここはちょうど千葉県なので
ディズニーやら幕張メッセなど楽しそうな場所はたくさんある。
JRで都内に行くのもいいだろう。都会の人込みなら妹の追跡も容易ではないはずだ。


「強制収容所を見に行きたい」

( ゚Д゚)……????

聞き間違えに違いない。そう思いたかった。


「マリも強制収容所がいいよぉ☆」

⊂⌒~⊃。Д。)⊃ ???

なるほど。この子達は市役所に遊びに行くのが趣味な子供達だ。
人が死んだり青酸カリを飲んでいるところを見ても動揺しないほどの。

令和10年。強制収容所はすでに日本各地にあり、反自民党的な分子は
ことごとく収容され、民間企業以上の奴隷労働を強いられている。

カグちゃんの娘さんは普通の子ではないことを賢人は知っている。
だから可能な限り自然に返した。

――どこの強制収容所がいいの?

「あの有名な栃木県のぉ」

思わず気を失いたくなる。

栃木といえば北関東。埼玉県の隣の県である。
栃木県の南部には、フラワーパーク、7福伸の神様(神社)、
足利学校など様々な観光地で有名な足利市(あしかがし)がある。

その足利氏とは、日本国の行政区画から独立しており、
実質日本にして日本にあらずと、多くの国民に恐れられている場所である。

足利市の行政を報道しに行ったマスコミたちは、直ちに身柄を拘束され、
強制収容所へ送られ、現在までに70人の報道関係者が強制労働させられている。
さらに足利市に隣接する、隣近所の市町村からも反革命分子を見つけては
強制連行しているとの噂である。

『ソビエト社会主義』

足利市の行政は資本主義を採用していない。
ソ連を再現した共産主義体制が敷かれていて、
市の行政に反対する者は、反革命主義者とみなされ、
容赦なく強制収容所にぶち込まれる。

国際スパイ組織・第三インターナショナル。別名コミンテルン。
その本部は足利市にある。
全世界から熱烈な革命的意思を持つ共産主義者が集まっているのだ。

住民らは自らをソ連人と呼び、日本人とは呼ばない。
そんな呼び方をする奴は反革命分子だ。

『栃木県の足利市はぁ……www
 ちょっと危険そうなので放置しますねwwww』

自民党独裁のトップ。アベ首相でさえ手を出すのをためらわれるほどである。
経団連の奴隷。企業の利益のために
全国民を虐待することを是正とする自民党が、共産主義の
自治体を容認するなど、異例の事態といえる。

現在の足利市の軍事力は、陸軍兵力が予備役含めて500万。
これは現実世界の韓国陸軍と同等の兵力であり、
軍事強国ひしめく極東地域の中でもトップクラスである。

※予備役
徴兵経験者は、普段は日常生活(仕事)を送っていて、
緊急時に召集されて兵隊になる。緊急用の戦力と覚えればよろしい。

戦車などの機甲戦力は削減が薦められ、現在は5000両ほどだが、
その分ミサイルに力を入れている。足利市が東京に向けて
照準している短距離ミサイルは、最低でも2000基と言われているから、
北朝鮮が保有する短距離ミサイルのほぼ2倍の規模である。

もっとも恐ろしいのは、自動報復装置の存在である。
これは、自衛隊などの軍隊に攻撃を受けた場合、コンピュータが
自動的に危機を判断し、足利市の全てのミサイル基地から無差別に
ミサイルが発射されるシステムである。

このシステムはかつてソ連のモスクワにも存在し、
アメリカ本土を三度焼き尽くすほどの
核ミサイルが発射されるようになっていた。

「足利に言ったら死ぬぞ」

賢人は真顔で言う。

ヾ(≧▽≦)ノ ちょっと遊びに行くだけだから大丈夫だよ
(∩´∀`)∩ 知り合いのおねーさんがいるから 会いに行きたいのー

賢人は死ぬのが怖い以上に、自分が強制収容所送りに
される可能性を悟り、ついにパニックを起こした。
死ぬより恐ろしいことは、永遠に痛めつけられることである。

手足をジタバタさせて散々駄々をこね、マリとイズミをあきれさせたのだが。

『早く行きなさい』

作者からの指令によって無理やり行かされることになってしまった。


-------------------------------------------------------------

彼らは栃木県の佐野市に入ってから、市の境の山沿いに掛けて
明らかに不自然なバリケードがそびえ立っていることに気づいた。
賢人のレンタカーのハンドルを握る手に力が入る。

検問所が見えた。
武装したソビエト人が二人立っている。
男性と女性の兵隊のようだ。
目がギョロっとしていて、髪の色は金髪だ。
背は日本人よりずっと高くて、軍服越しにも細身なのがわかる。

「そこのクルマ。トマレ」

賢人は、震えて声も出せない。
古い友人に会うためだと説明しろと。後部座席の
マリとイズミに言われるが、いざ本物のソ連人の男女を
目の前にすると恐怖で気が狂いそうになる。

「びィ- ヤーポニィエース。だぁ?」
「は、はい。僕は日本人です」
「えーた、ザリイェース、サビぃエツキ、スタァーンチカ。にーシェぼォー」
「????」

さすがに露語を続けられると何も分からない。
賢人はスマホで調べた簡単な挨拶しか分からない。

「うぃ かむ ひあ とぅ しー みう たかのぉ」
「わっと?」

真理が、何か言っている。

「みう いず あわ おぅるど ふれんど。
 うぃ りりぃ わんと とぅ しぃ はぁ」

下手くそな発音だが、英語のようだ。

真理が、スマホで大人の女性とツーショットで映っている写真を見せると、
急に敬礼をするのだった。しかも最敬礼である。

「ミウ閣下のお知り合いの方でしたか!!
 そうとも知らず大変に失礼なことをしてしまいました!!」

(^○^) 私たちは気にしてないよー 
(´∀`) ねー

「ミウ様は現在学園の本部におられるはずです。
 よろしければ直接ご案内いたしましょうか?」

相手は小学生の女の子だと言うのに、この口調。
何よりびっくりなのが、ソビエト人と思われた二人が
日本語がペラペラなことだ。変なアクセントもない。

(^○^)案内はいらないよ。住所だけ教えてー
(´∀`) お兄ちゃんのナビで行けるからねー

「はっ、左様でございますか。お嬢様方!!
 直ちに検問所のゲートを開放。
 お嬢様方の車は狙撃の対象から外すように
 兵に指示を出しておきます」

実は二名のソビエト人は、金髪に染めただけの日本人の男女だった。
ソ陸軍の軍服を着こなしてロシア語を話すとそれらしくみえただけのことだった。

ちなみに不審な車が国境(県境や市境)のゲートを通過した場合、
まず運転手が狙撃される。それでも死ななかった場合、対戦車用
ロケットランチャーが発射される。

それでもダメな場合、攻撃用のヘリ、精密爆撃機、短距離弾道ミサイルの
準で攻撃を受けることになる。はたしてそこまで必要なのか。
普通に考えてロケランを食らった時点で終わりだと思う。


(*'▽')   おにーちゃん。早くナビに住所入れて
(´っ・ω・)っ お、おう。めんどくせえから郵便番号を入力だ
ヾ(≧▽≦)ノ  わー。でたぁー


〒326-0004 栃木県足利市樺崎町1723

足利インターを降りてすぐのところは、山のふともの小さな町と
なっていて、八幡宮がある。由緒正しき神社なのだろう。
面積は決して広くない。いかにも田舎にありそうな神社だ。
大きな一本杉が特徴であある。某エロゲ原作のアニメが
放送された時に、舞台となったこの町がちょっと有名になった。

足利市には7福伸の名の通り有名な7つの神社があるが、その一角がここである。

そして恐るべきことに、この神社のすぐそばに件の「学園」が存在した。


Σ(゚Д゚) この巨大な軍事施設が、学園……なのか?

過去作。学園生活シリーズに登場した「学園」である。
学内で共産主義革命が起きる前は、法人経営なので
学校法人○○学園と言った名前が存在した。

しかし共産主義者にとって法人が経営することが
資本家による富の独占と映るので、学園に付属する部分の名前を廃止した。
よってこの学校の名前は「学園」なのである。

「貴様らはダレだ」

校舎の前には、20を下らない警備兵が立っていて、賢人らへ
銃を向けていた。真理ちゃんが検問所で渡された入園許可書を
見せると、またしても警備兵らはひれ伏し、直ちに学園内部へ案内された。

門の前は巨大なバリケード。そこを通過すると、
学園内を囲うように大きな4つの監視塔が目に入る。
監視塔には重機関銃と巨大な大砲、サーチライト、レーダーが設置されている。

A、B、Cの三つの棟が渡り廊下によって繋がっている。
上空から見ると、各校舎がコの字になって連結している。

なぜか英国風の緑が豊かな庭園。ギリシア風の彫刻のある噴水。
庭園内をぐるりと回れる、アーチを描く美しい遊歩道。
中庭に入ってみると、そこにも素晴らしい四季折々の花が咲く
花壇が合って、お昼休みに学園内を散歩するだけで、
ちょっとした観光気分に浸れるほどだ。

お花とセットで裸婦を中心としたブロンズの彫刻が、
いたるところに並んでいる。一見しただけで
この学校の経営者が美を愛する人なのだと分かる。

校門の延長線上にはB棟がある。
B棟の玄関の前で、いかつい警備兵の中心に一人の女性が立っていた。

年は、賢人より少し上だろうか。
背丈は157センチ。気取った様子はないが、
目鼻立ちは整っており、遠くからでも存在感がある。

フレンチスリーブ・デザインのチェックのベージュ柄ワンピースを着ていた。
ハイウエストで腰が程よく引き締まっている。
決して足が長い方ではないが、よく似合っていた。
動きやすそうなカジュアルタイプのサンダルを履いている。

「初めまして」

その目つきには不思議な威圧感があり、近寄りがたい。
両手を膝の前で合わせ、客人をもてなす態度をしているのだが、

(>_<)。o00 なんかこの人、怖いぞ

賢人はこの人のうわさを聞いたことがあった。
実質栃木県の行政をすべて支配し、その頂点に君臨する女性。

元々はクラスで目立たない少女だった。
人より変わったところと言えば、帰国子女で英語がペラペラなことくらい。
彼女はクラスカーストでは、女子のモテない方のグループに属していた。
それなのに生まれ持った美しさから男子によく話しかけられたので、
中学では同級生の女子の嫉妬に苦しめられた。

やがて紆余曲折を経てこの学園で筆頭のボリシェビキとなり、
卒業後も学園に君臨し続け、現在では校長の地位にいる女性。

「私の名前は名乗らなくてもたぶん知っているよね?
 学園の見学希望だって聞いてるから、
 私が直接案内してあげる。こっちへ来て」

高野ミウだった。令和10年。年は27になるから、賢人の二個上だ。

「( ˘•ω•˘ ) ママー。あの人たちだれー」
「お客さんよ。良い子にしてないとだめよ?」

ミウのスカートの裾をつまむ、小さな男の子がいた。
聞いてみるとミウの息子だと言う。年は2歳。
まだまだ幼児言葉が抜けず愛嬌がある。
息子の愛嬌のある垂れ目は、少なくとも目元は母親には似てなかった。
顔の輪郭部分は母にそっくりでほっそりしている。

「あそこの監視棟はね」

ミウは、息子と手を繋ぎながら、国家予算並みの費用が
かかった監視塔の説明をしている。監視棟一つ立てるのに
自衛隊の戦闘機が14機も買えるという。

6角形で高さが6メートルを超える、コンクリート製の棟だが、
むしろ要塞と呼んだ方がふさわしい。イスラームのミナレットを
モデルにデザインされており、厳かで美しくすらある。

高性能レーダーをはじめ最新式の迎撃装置が満載されており、
ある程度の空爆やミサイル攻撃にも対処できる、
陸上型迎撃システムなのである。

(∩´∀`)∩ わー。学園の軍事施設。始めて見た―。かっこいー
(*‘ω‘ *) 写メ取りたーい

「真理ちゃんと泉ちゃんだっけ? 
 残念ながら学園内は撮影禁止になっているのね。
 銃殺刑になってもいいなら写真撮ってもいいけど」

(ノД`)・゜・。 ごめんなさーい
((((;゚Д゚)))) ガクガクブルブル ひえー

「なーんてね。ジョークです。大切なお客様を銃殺するわけないでしょ」

ミウの周りを警備している兵隊の数、軽く40を超える。
皇族の方並みの護衛である。
ところでここまでの会話で気づいた方もいるかもしれないが

賢人('Д')(マリとイズミってミウさんの友達じゃなかったの?)

そう。ミウとこの二人は初対面だった。
件の警備兵に嘘をついて学園に入ってしまったのだ。

ミウも、もちろん分かったうえで見学許可を出している。
部下から不審な車がいると報告を受けた時、
子供がぐずって言うことを聞かない時だった

『(ノД`)・゜・。うわーン。ママー。
 僕もテレビで見たユニバに行ってみたいよー』

『ダメよ。外の世界は危険がいっぱいなのよ。
 あなたは物心がつく年齢になるまで
 学園の中で生活をしなさい』

モニター越しに賢人のレンタカー(プリウス)を
見た時は、直ちに銃殺の指示を出そうと思っていたのだが、
なぜだか気分が乗らなくて、彼女らの嘘をそのまま通してしまった。

(新しいおもちゃが、自分からやってきたと思えば)

ミウは、賢人、イズミ、真理の三人を薬づけにして
子供用のおもちゃにしようと企んでいた。
子供がわがままを言う時は、拷問用のおもちゃを
あたえてストレスを解消させる。これが、高野ミウが
思いついた究極の子育ての方法だった。

賢人「ミウさんは反対主義者の拷問が趣味なんですか」

この作品は、クロスオーバーを意識して書いたわけではないのだが、
書いてるうちになぜかこうなってしまった。それだけ私にとって
学園生活は思い入れがあり、名残惜しい作品なのだろう。
要はまだまだ書き足りないのだ。

令和10年は、資本主義の行き着く先にある貧困の極限化。地獄を描いた。
学園快活は共産主義の地獄を描いた。双方は政治思想的に真反対だが
行きつく先は地獄、という共通点を持っている。

結局我々の生まれた日本は必ず衰退するのだ。
今後、資本主義の壁を打ち破るような
奇跡の方法でも見つからない限りは、
多くの国民が老後に飢え死にしてもおかしくない。

「よいしょ。よいしょ」

女子生徒二人が、一輪車に満載した肥料を運んでいる。
八月の炎天下の元、大汗をかきながらの作業だ。
首から撒いたスポーツタオルで汗をぬぐう。

ここは中庭。彼女らは花壇の手入れをしているのだ。
長く伸ばされたホースが地面の上に転がっている。
先端にはシャワーヘッドがついている。
その近くにはジョウロも置いてある。

ミウ一行が近づくのが見えると、生徒達は作業を中断して敬礼をする。

「同士閣下!! お疲れ様です」
「ミウ様!! 本日も良いお天気でございます!!」

「ごきげんよう同士。今日も日差しが強いね。
 熱中症に気を付けて、適度に休憩を入れながら作業をしなさい」

「はっ!!」
「分かりました。同士閣下っ!!」

令和10年の会社とはまた違うな、と賢人は思った。
女の子たちは顔が思いっきり引きつっている。
言葉では言い表せないほどの、圧倒的な地位の違い。ミウに対する畏怖が
良く伝わってくる。この学園ではミウの存在は、まさに神様に等しいのだ。

ぴろりーん♪

(やべっ)

賢人のラインが鳴ってしまった。
部外者が学内を見学中に携帯を鳴らしてしまうのは
ミウに対し失礼かと思い、緊張したが

「携帯、見なくていいの?」

と言われたので、画面を開く。
美雪からのラインだった。

『強力な電波妨害でお兄ちゃんの居場所わかんない(~_~)
 今どこにいるの? 早く帰って来てヨ。
 お兄がいないと瞳のアホがやばいんだよ。
 あのアホそろそろ死んでくれないかな』

送られた写真には、変わり果てた姿の瞳が映っていた。

瞳は自分の部屋の壁のいたるところに賢人の写真を張り付けており、
その一枚一枚に愛おしそうにキスしていた。

瞳(*´ε`*)チュッチュ  賢人ぉ。早く帰って来てね

しかもキャミにパンツだけの格好である。
男性目線からしたら色気十分なのだが、
やってることが常軌を逸している。

(*´ε`*)チュッチュ

美雪の話によると、夜も同じことをしているらしい。
賢人に襲われた時のことを思い出して自分を慰めているとのこと。
声が美雪の部屋まで漏れているのにおかまいなし。
清楚で可憐な瞳嬢はどこへ消えてしまったのか。

お風呂場も無駄に長くて、賢人の名前を切なそうな声で
呼び続けているらしい。美雪は瞳がキモすぎて
文句を言う気にもならず、ひたすら距離を取るに至る。
賢人が家出してまだ2日目なのだが、すでに末期である。

写真は、スマホで隠し撮りしたのを
キヤノン製プリンターで拡大印刷したもので、無駄に高画質である。

賢人(うわぁ(;゚Д゚) どうしちゃったんだよこの人……。
   ますます帰りたくねえ。むしろヒスってないだけましなのか)

すると瞳からのメールが送られてきた。
どうせろくでもない内容に決まってる。
無視しようと思えばできる。
だが開かないと、あとで何を言われるか……

しぶしぶ開くしかなかった。(シブヤだけに)

『やっぱりあの時、殺しておけばよかった』

(;゚Д゚)!???

『美雪の馬鹿が家出した時のこと、覚えてる?
 賢人が朝から美雪を探しに行こうって言うから
 私が必死に止めたじゃない。なのに。賢人は
 私に冷たくして結局は美雪の元へ行ってしまった』

『すごく、くやしくって。賢人と心も体も繋がったと思ったら、
 最後は裏切られて。パパにも認めてもらえたのに今度は
 賢人が家出しちゃって。今は完全に行方不明。
 ねえ今どこにいるの? せめて場所だけでも教えてよ』

それから愛のポエムが送られてきた。
瞳は自分のことを捨て犬やうさぎに例えて、
いかに不幸な身分なのかを語る。よく読んでみると
中々深い文章であり、瞳にはそっちの才能があるのかもしれなかった。

賢人は自分が見学中なことを思い出し、
スマホの電源を切ろうとして気づいた。

(あれ? 俺の携帯って壊れてたんじゃ……)

細かいことは気にしたら負けだ。

「君は、面白い彼女さんがいるんだね」

「Σ(゚Д゚)あ。こ、これはその……」

メールに夢中だったのでミウが画面を
のぞき込んでいることに気づかなかった。

「君の彼女、寂しがってるみたいだよ。
 電話してあげなくていいの?」

「……(>_<) お、俺は瞳、あっ、俺の婚約者?というか
 友達って感じで…名前が瞳って人なんですけど。
 俺はこの人の相手をするのが疲れちゃったんです。
 だからちょっと距離を置きたくて、社会勉強のために
 この学園の見学を希望したんです」

ミウは、一瞬だけ鷹のように鋭い視線で賢人を射抜いてから

「へえ」

と言った。

今の会話で賢人が女たらしで逃避癖があることを見抜いていた。
そしてそれが、愛する太盛と全く同じ癖であることも。

「そのヒトミさんを、君は拒絶しちゃってるんだ?」
「は、はい」
「そんなことされたら、女の子は傷つくと思うなぁ」

―おまえは、誰だ? おまえは俺の知っている高野ミウじゃない。
―ミウは変わったな。
―断るよ。だって高野さんは……赤の他人だろう?

記憶の奥底へ沈み込んでいたミウの記憶が蘇る。
現在の旦那は堀太盛。現在は高野家に婿入りしたので高野太盛となっているが、
結婚する前の彼にひどいことを言われたのだ。いまから10年前に。

結婚を機に二人の仲は劇的に改善し、太盛も栃木県を
代表するボリシェビキへと成長してくれたのだが、
昔の記憶までは取り消すことはできない、

「(>_<)俺だって、たくさん傷つきましたよ。
 たくさん顔をぶたれ、怒鳴られ、
 2兆円の借金を背負わされたりしたんですから」

―ねえ太盛君? お願いだから私の話を聞いて
―私は太盛君を救うために必死で、クラスを敵に回してまで
―それなのにマリーを取るの?

「女はみんな勝手な奴ばかりです。みんな自分中心で
 俺の気持ちなんて全然考えてくれない。
 俺だってたまには一人になりたいときくらいあります。
 ミウさんはそう思いませんか?」

「全然そう思わないんだけど」

「えΣ(゚Д゚」

「私ね、あなたの話を聞いていたらムカムカしてきちゃって。
 だって自分勝手なのは、あなたの方じゃない。
 どうして素直に女の子の気持ちを受けて止めてあげないのかな」

ミウの顔から微笑は消えていて、賢人を差すような視線で見ていた。

「あ、あの(>_<)」
 
「この怒りをどこにぶつければいいんだろうね。
 あー。なんだか賢人君のこと拷問したくなっちゃった」

つーっと、賢人の顔に汗がしたたり落ちる。
真夏なのに血の気が引いてしまい、寒いくらいだ。

返答に困り果て、かといって黙っているのも印象が悪い。
適当にごまかすしかない。

「は、はは。僕とミウさんはまだ知り合ったばかりじゃないですか。
 いきなり拷問だなんて。そんなジョークを言われるとは思いませんでしたよ」

するとミウは、賢人でなく息子に話しかけていた。

「ジュニア。ジュニアはこのお兄さんを
 おもちゃにして遊びたくない?」

「(*'▽')うん。お兄さんを僕のおもちゃにしたーい
 遊んで遊んでー(・ω・)ノ」

子供の名前は太盛jr。フルネームは高野太盛・ジュニアと言う。
摩訶不思議な名前である。
摩訶不思議アドベンチャーとは、初代ドラゴンゴールのOPのことである。
それはどうでもいいが、英国育ちのミウにしては米国っぽい名前の付け方だ。

「(*'▽')僕の新しいおもちゃー、早くチョーだーい」

ミウは幼子を抱っこし、頬に優しくキスをした。
男の子はくすぐったそうにしていた。
母性のあるミウの横顔の美しさは、見慣れた学園関係者でさえ
虜にするほどの魅力があった。

長いまつ毛の下に愛らしい瞳が覗く。
茶色に染めた髪は、肩から下に掛けてウェーブがかかっている。

ふんわりとした、大人の女子といった雰囲気。
子を産んでからも体形が崩れておらず、
ほとんど学生時代と変わっていない。

胸はさほどではないが、腰にはくびれがある。

賢人は、その美しさの裏に隠れた凶器を知ることになる。

「(*'▽')ママー。おもちゃー」

「はいはい。今あげるからね」

「だってさ。賢人君」

――なにが? そう言いたい衝動を必死にこらえる。

子供の『おもちゃ』にされるとは何か。
普通の世界に生きている人間からしたら、意味不明である。


これはソ連時代からよく行われていたことであった。
ソビエト内務人民委員部は、民主主義の国での内務省に当たる組織である。

秘密警察を含む、国内の警察組織のトップが彼らなのである。
内務人民委員部の長官を務めた人物で有名人といえば、

・ニコライ・エジェフ
・ラブレンチー・ベリヤ

世界史に名だたる銃殺、拷問マニアである。
言い方を変えると神聖キチガイである。
気になった人にはWikiで調べてほしいくらいだ。

反対主義者と思われる人物と、その周辺人物まで
まとめて逮捕し、拷問し、最後は銃殺刑にする。
ソビエトはユーラシアにまたがる広大な国土を誇り、
総人口が3億人にも達するのだが、上の二人だけで
7000万人はくだらないソ連人が粛清されたのではないだろうか(たぶん)

ソヴィエトでは、司法権、立法権、行政権はソビエト(評議会)に集約される。
じつは政治局、書記局による権力分化もあるにはあったのだが、
最終的には一つにまとめられた(スターリンの陰謀により書記局の方が強くなった)

これがいわゆる独裁政権である。
今の安倍政権も独裁という点では何ら変わりはない。
政治の内容が多少違うだけである。

日本国では司法はともかく、立法権と行政権は
今後も末永く自民党によって独占されるであろう恐るべき国家である。

「ジュニアはどんなことして遊びたいのかな?」
「うーんとね。バッドマンごっこやってほしい!!(*'▽')」

バッドマンごっことは。
まず賢人にダークナイトのコスプレをしてもらう。
そして校舎の屋上からバンジージャンプ(ロープはギリギリ)
をしてもらい、生死の境をさまよっている時に、
子供がロケットランチャーで撃ち殺すというものだ。

拷問ではなく虐殺の類であった。

「(*'▽')殺しちゃってもいいんだよね?」
「(^^♪ 代わりならいくらでもいるから、好きにしていいよ」

他のプランもあった。
裸になった賢人の全身に蝋(ろう)を塗りたくり、マッチ棒で点火させる。
火だるまになり、半狂乱で校庭を走り回る賢人を銃で撃って殺すというものだ。
できるだけ苦しんでから死ぬように、まず足から撃って、次に腕、腹、頭と狙っていく。

ミウはこう言う。

ユニバ―サル・スタジオ・ジャパンよりも大迫力のアトラクションが、
学園にはある。ディズニーすら超え、大きな遊園地のジェットコースターをも
超える、本物の感動と興奮。それは……

「人の断末魔。かな」

ミウが語る。

「人間って面白いんだよ。どんな不利な状況になって、絶対に生き残れないって
 分かっていても助けを求めるし、ソ連では禁止されている神様の名前を
 叫んだりする。生き残った人を恨む人もいる。ふふ。何より楽しいのがね」

――私を恨みのこもった目で見てくる、あの瞬間だよ。

ミウの陰口を言ったことがばれて、連行された女子がいた。
全部で4名だった。ミウは。4人に短剣を渡して、体育館の舞台の上で
殺し合いをしろと命じた。生き延びた者は釈放すると嘘をついて。

女たちは殺し合を初め、最初の二人はあっけなく刺殺された。
残された二人は力が互角だったため、互いに致命傷を負うが、
中々決着がつかない。やがて片方が、こんなことしても無意味だと
泣きわめき、ミウに頭を撃ちぬいてもらうことを提案した。

ミウは当然断り、自分の命令に従わなかった罰として、
二人を地下の拷問部屋のベッドに寝かせた。

一人は、生きたまま腹を裂き、ウインナーのように連結された
腸を限界まで引っ張り出し、天井からつるすのだった。
恐怖。失禁。絶叫。血の匂い。吐き気を催す内蔵の匂い。
死んでいるはずなのに。死にたいのに。
腸が天井まで吊るされてもまだ意識があるこの世の地獄だった。

もう一人は、その拷問が終わった後にどうしようかとミウは考えたが、
気まぐれな彼女はこれと取った拷問方法が思いつかず、
その場に放置しまま帰ってしまった。

(助かった……?)

そうではなかった。彼女はベッドに四肢をベルトで固定された状態だ。
ミウが去った後、背の高い男の看守が何人もやってきて、
代わる代わる彼女の貞操を奪っていくのだった。
一人や二人ではない。おそらく夜の間までに40人の相手をしたかもしれない。

看守達とて学園の規則を破れば粛清される身である。
女の囚人をいたぶるのが嗜好の趣味となっていたのだ。

膣の中が血と精液であふれ、腰が上がらぬほど使いまわされたのち、
夜明け前に舌を噛んで死のうかと考えた。
すると待ってましたとばかりにミウが地下へ戻ってきて、

「すっかり忘れてたよ。放置しちゃってごめんね?」

ミウの手にリードが握られている。
非常に飢えた大型犬を二匹連れていたのだ。

ミウがリードを離すと、大型犬は生きたまま彼女に食らいつくのだった。
食い荒らされた内臓が床に落ち、血しぶきがあがる。
首を噛まれた時に一番の悲鳴が上がった。

賢人は、ここまでの内容をしっかり聞くように命じられていた。
噴水には円形の石段がある。美しい石段に並んで座り
残酷な内容を聞かされた賢人は:;(∩´﹏`∩);: ←こうなるしかなかった。

「賢人君は拷問されるの、いや?」

もう、震えるだけで返事さえできない。

「私はあなたに直接恨みがあるわけじゃないから、助けてあげても
 いいんだよ。今すぐ瞳さんって人と仲直してあげたら許してあげる。
 写真の中の瞳さん、かいわそうだよね?
 この子を見てると昔の私を思い出すの。
 私の旦那、学生時代は彼氏だったんだけど、
 彼に会えなかった時は写真を大切に持っていてね、それで…」

「あ…あ…はい」

賢人には突っ込む余裕がなかったが、
ミウは瞳を年下だと思っているようだ。
若作りにしても程がある。

「私の活躍はナツキ会長や生徒会にも認められ、副会長に地位にぼりつめたの。
 思い出したくもないけど太盛君にはカナって仲の良い女がいてね、
 私は優しいから拷問しなかったけど、私以外の女だったら
 普通は殺してるところだよね? ね、そうでしょ?」

「…はい」

「そうそう。邪魔をしてくる女と言ったらアナスタシアもいたな。
 相性がナージャっていって、胸がでかいコーカサス系のハーフ女。
 あいつは特にムカついたから、あいつの兄と一緒に地下の大きな釜の中で
 生きたままゆでてやったの。五右衛門風呂の拷問って知ってる?
 石川五右衛門が殺される時に使われたやつなんだけど、お湯の代わりに
 油を入れて、下から火でたっぷりあぶってあげるの」

「は、はい。聞いたことはあります」

「賢人君にもやってあげようか?」

「(´Д⊂ヽた、高野ミウ様。それだけはご勘弁を(ノД`)・゜・。」

「うそうそ。賢人君にはそんなことしないよ」

「:;(∩´﹏`∩);:ほ、ほんとうですか」

「うん。だってあなたのおびえた顔、
 学生の時の旦那にそっくりで可愛いんだもん」

ミウの口角が上がった。ゆがんだ笑みだが、
それでも美形のミウなのである程度は整って見える。

「(>_<) ママ。さっきからお兄さんと
 話してばっかり―。僕と遊んでよー」

「ママは今大切なお話をしているの。
 しばらくそこで良い子にしてなさい」

「(>_<)やだやだー。お兄さんをおもちゃにして遊ぶー」

「お兄さんをおもちゃにするのは冗談だったの」

「えー(・´з`・) ママの嘘つきー」

「真理ちゃんと泉ちゃんがいるから、少し遊んでもらいなさい」

しばらくセリフがなかったので存在を忘れていたが、
マリとイズミのこの場にいたのだ。
ちなみにミウの護衛の人も40余名いる。

小説は文字だけのメディアなのだ。
セリフがないと誰がここにいるのか把握できない。
しかも「」でしゃべらせると状況描写もせねばらなず、正直めんどくさい。

そのため台本形式
まり「」いずみ「」
で表記するのは合理的だと思う。

「ヽ(^o^)丿おねーちゃーんたち。あーそーぼ」

まりΣ(゚Д゚)ガチで
いずみ(;^ω^)やべー

ミウの息子は無邪気にもウージー(小型機関銃)を
片手に追いかけっこを始めた。
水鉄砲を撃つ感覚でトリガーを押している。

家具の娘たちはよく訓練されているのでうまく逃げ回っている。
負うつの小学生だったら流れ弾に当たって即死に違いない。


ぎゃーぎゃー わーわー

「ところで、賢人君」
「はいっ」
「年はいくつなの? 私と同じくらいだと思うけど」
「25です(>_<)」
「あっ、じゃあ二個下なんだ(*^▽^*)」

(;´・ω・)。o0 げっ、笑顔がひとみんにそっくりじゃねえか。
この人も瞳に負けないくらいの美人だ。
ミウさんは栃木県代表の美女なんだろうか。

「(*^▽^*) 私ね。今まで年下の男の子とおしゃべりしたことなかったかも。
 なんだか新鮮。それに初めて話す人とは思えないほどすらすら話せる。ふしぎー」

「ぼくも みうさん とは 幼馴染のお姉さんと久しぶりに話してる気分ですよ。
 みうさんってお綺麗ですし、こんなきれいな人と結婚できる旦那さんがうやましいな」

「あらやだ。綺麗だなんて言われたの久しぶりなんだけど(⋈◍>◡<◍)。✧♡
 昔は旦那も良く褒めてくれたのよ。髪型変えたり新しい服を着た時も
 必ず褒めてくれたのぉ。まっ、私もそんなにルックスは悪くない方だと思ってるのよ」

「悪くないどころか、栃木県代表レベルの美女ですよ。
 僕の瞳は大学時代にミスコンに選ばれたことがあるんですが、
 ミウさんは出場のご経験とかは?」

「やだやだ。そんあのあるわけないでしょー!!
 私なんかがでたらお客さんに笑われちゃうよぉ。
 そもそも代表候補に選ばれないでしょ(´ー`)」

「へえ。美人の自覚がないタイプの方なんですか。
 僕から見てミウさんはすごく綺麗だし美人だと思いますよ」

(;´・ω・)。o0 自分を美人と思ってないところも瞳に被るとは……。
       この人たちは良い意味で鏡で自分の顔を見たことないんだろうか。

もう(*'▽') 賢人君ったら(≧∇≦) 口がうまいのねぇ(^○^)
 
ミウは、ばしんばしんと、賢人の背中を叩いて
足をふらふらさせている。しかも声もでかい。賢人は知る由もなったが、
ミウが座った状態で足を上下させるのは最高に気分が良い証拠である。

賢人は困ったことに女性を口説くのがうまい男だった。
決して仕事ができるタイプではないが、
ホストみたいな能力が自然と備わっていた。

 ミウ(なんでこんなにうれしくなっちゃうんだろ(*'▽')

賢人は女性を褒める時に真顔で言うので
無駄に説得力がある。低くてよく通る声もポイントが高い。
瞳を口説くときもこの手法を自然と使い、
今では賢人依存症にまですることに成功した。
まさにモテ男である。

ミウは、自分が全国紙(主に週刊誌)で共産主義の
美女として紹介されていることを知っている。
27歳の美人校長先生としてBBC日本支部のインタビューにも答えたこともある。

学生時代は全く美人の自覚がなく、
ライバルのマリーやエリカに激しく嫉妬していたが、
今になると自分の正しい価値に気づき始めて来たのだ。

だから誉め言葉は素直に受け取る。

「賢人君。よかったら本部で夕飯でも食べてくぅ?」

「は……よろしいんですか。僕はただの見学者なのですが」

(どうでもいいが、この人って既婚者なんだよな……)

「気にしなくていいのよ!!
 真理ちゃんと泉ちゃんもうちのジュニアとすっかり
 仲良しになってくれたし!!」

太盛ジュニアは、ウージーが一瞬で弾切れになって大泣きしていた。
マリとイズミはなとかしてこの敷地から脱走する方法を考えていたが、
やがて不可能だと悟り、ジュニアが泣き止むまであやしてあげていた。

「本部には空き部屋があるからしばらく泊って行っても良いよ!!」
「は、はぁ。ミウ様がそうおっしゃるのでしたら」

賢人はラインの着信音を消していたが、みゆきから 
ガンガンメールが送られてきてるのは画面越しに確認していた。
美雪は女のカンで賢人がまずい状況なのを悟っているのだろう。

冷静に考えたらまずいのかもしれない。
ここは中庭。校内の生徒からも丸見えだろう。
ミウは子持ちの女性である。
人妻を口説いているとでも噂されるかもしれない。

「あの(>_<)」
「ん?(^○^)どしたの深刻な顔して」

「僕がミウさんのことあんまり仲良くすると
 旦那さんに嫉妬されちゃうかなって。あはは」

「へ……(;一_一)?」

ミウは、鳩が豆鉄砲を食らった顔をして黙り、賢人を狼狽させた。
彼女が口を開くまでのたったの5秒間が辛かった。
仮に地雷を踏んだとしたら拷問されるのは確実。

「あははははっは。あっははは。あはははは。あはっははははは」

爆笑。

「あははははっはははははは!! あはははははは!!
 面白過ぎて笑い転げそう!! なになに今何て言ったの!!!
 りぴーとぃっと プリーズ マイ・ディアマン!! haa!?
 私の旦那が嫉妬?!??? あははははっははははは!! 
 嫉妬なんてするわけないじゃん!!!!!」

ミウは文字通り笑い転げた。
すると髪の毛とワンピースが泥汚れになってしまう。

「ミウ様っ!!」 「ミウ様のお顔が!!!」

護衛のソビエト人たちが、ウエットティッシュでミウの顔をぬぐう。
学園のイカれた女神を怪我した原因である賢人を一斉に睨む。
シャリシャリ出てきてミウと仲良しになってるのも気に入らなかった。

(´-`).。oO やべー。殺される。

「あー、面白かったあ!! あっ、ごめんね。一人で爆笑しちゃって。
 賢人には私の旦那が今どうなってるのか伝えてなかったよね!!」

ミウは護衛に指示し、ミウの旦那である高野太盛を連れてこさせた。

護衛の一人がそーっと車椅子を押して現れた。

「⊂⌒~⊃。Д。)⊃」

↑車椅子に乗った太盛。なんと廃人となっていた。

Д゚;) なに、これれえええええええええええええ!?

私はくどい文書を書くのを嫌う。
太盛の状態を文章化するよりも
「レーニン。最後」でぐぐってもらった方が早いと思う。
まさにこんな感じなのである。

口は開きっぱなし、体の左半分がマヒ。首も横に曲がっている。
目が宙を向いている。かつての天才の面影はそこにはない。

レーニンはストレスと消耗で脳の病気になり、三回くらい倒れた。

彼が最初に倒れた時は、すごい国際情勢だった。
(前身はロシア帝国)ソ連は第一次大戦から離脱し建国。
生まれたばかりの国なので国内政治に専念したい時期だった。

(連合国、各国による)シベリア干渉、対ポ戦争が発生。

※ぽ。ぽーらんどのこと
 う。うくらいな
 露 ろしあ

建国後さっそく外国との戦争。
それに加えて内戦も始まった。

シベリアのコルチャク軍
バイカルのセミョーノフ軍
ウクライナのデニーキン軍

等が、レーニンとトロツキーが作ったソビエト赤軍を
滅ぼすために三方からモスクワを目指して侵攻していた。

今の日本で例えると、安倍政権を倒すために
愛知県、山形県、奈良県あたりからそれぞれ
まったく別の反乱軍(たぶん80万)が東京へ向けて進行しているのだ。

さらに外国軍として中国、韓国、朝鮮、印度、露の
内政干渉軍(革命の阻止を目的)総勢16万が日本国内にすでに侵入している。
これに対ポ戦争を加えると、韓国陸軍の主力40万が大阪辺りに
出現して、陸自と血まみれの死闘をしている状況だ。

ロシア史上まれにみるほどの危機的な状況であり、
明日にでも国家が破滅してもおかしくなかった。
(これに比べたら日本のデフレなど可愛いものである)

だがレーニン達ボリシェビキは天才の集まりだった。

国防人民委員のレフ・トロツキーの活躍もあって
最終的にこれらの撃退に成功するが、
いずれも紙一重の結果であり、ソビエトは建国してから
このような事態に何度も直面していた。

最低でも三回から四回は滅亡の危機に陥っていたといっていい。

 ソビエト連邦建国の父。
地球人類を資本家の搾取から救うため、世界で初めての
社会主義国家を建国した、天才革命家のウラジーミル・イリイチ・レーニン。
初代人民委員会議・議長の

「⊂⌒~⊃。Д。)⊃」 晩年のお姿がこれである。

ストレスがたまった、などという次元ではない。

上の例に続いてやばかったのが、WW2の対ドイツ戦。
当初はドイツ一国だけの軍事力でもソ連軍を全滅させるほどの勢いがあり、
実際に開戦後一か月で地獄のモスクワ攻防戦が生起したほどだ。

あの世界最強のドイツ軍が国境線1400キロに渡り
侵攻を開始しており、すでにソ連軍の主力が200万近く撃破されており、
ウクライナ、ポーランド、ベラルーシが敵の手に落ちている。

スターリン 「:;(∩´﹏`∩);: ドイツ強すぎワロタ」

開戦後、パニックを起こしたスターリンは、執務室に2週間も引きこもって
一切の戦争指導を放棄した。2週間後に部下が様子を見に行ったら、
ストレスと消耗で体重が10キロくらい減っていたそうだ。

仮にドイツ軍がモスクワを陥落させていたら
自殺していたかもしれない。こちらもストレスなどと言う次元ではなかった。
国家破滅の危機が訪れているのである。


太盛「⊂⌒~⊃。Д。)⊃」

彼の場合は精神的ストレスと消耗のためだ。

レーニン、スターリンと似たような理由なのだが、
彼は別に国家の最高指導者だったわけではない。
戦争指導の経験もない。では、なぜこうなってしまったのか。

旧姓。堀太盛。過去作『孤島生活』『モンゴルへの逃避』の主人公だった人物だ。
『学園生活シリーズ』では主人公ミウの恋人役として登場し、
共産主義に振り回され右往左往。はっきり言って最低の人生を送っていた。

今作ではわき役として登場した彼は、なんと高野ミウの夫になっていたのだ。
彼らが結婚していたことに筆者も驚きだ。

結婚後、苗字が高野に代わった太盛は、
狂暴で、疑い深く、圧倒的な権力を持ち、
拷問が趣味の妻との夫婦生活を送ることになったのだ。

考えても見てほしい。

ミウの趣味は「反対主義者の拷問」である。
世界中を広く見渡しても
このような妻はまず存在しないだろう。

太盛がミウを憎んでいたのは言うまでもない。
月末の金曜日に学園地下の拷問ショーに強制参加させられたのが一番こたえた。
ミウの命令で罪のない生徒と教員を実際に拷問したのだ。
罪悪感が半端ではない。

夕飯に出された豚肉は、皿の上で吐き出してしまうほどだった。
赤ワインも人の血液にしか見えず、遠慮すると言ったらまた妻と口論になる。
ストレスで食事がとれないと顔がやつれ、肌が荒れ、思考力が奪われていく。

夜の生活も地獄だった。ミウが美人だが拷問狂なので台無しだ。
当然女として意識はできない。人の皮をかぶった悪魔に男のモノが
立つわけもなく、しなびたアサガオにみたいになってしまう。

ミウの手入れされた美しい髪の毛、きめ細かくて艶のある
肌に触れても、何も感じない。ミウは不満を言う。
レスになると妻との仲が犬猿になり、最悪拷問されるかもしれない。
そう思うと恐怖からますます立たなくなる。

この夫婦がまともに行為ができたのは最初の一週間だけだった。
運用それで妊娠できたから子宝には恵まれたのだが。

「拷問のショックでこうなってしまったんだ」

苦しい言い訳だが、ミウはしぶしぶ聞いてくれた。
とりあえず愛する太盛に寄り添った状態で
朝を迎えれば、ある程度は満足するらしい。

太盛はミウに気を使って、学園の仕事の補佐をしていた。
執事のようにミウのスケジュールを把握して
お付きの人となるだけの仕事である。

とにかくミウと一緒にいる時間を増やす。職場でも
家(住まいは学園本部)でもミウは太盛といるのを好む。
ミウを寂しがらせたら、学内の粛清が拡大するので大変だ。

美味しくもないご飯でもおいしい、と言い、笑い、
朝になったらおはよう。夜はおやすみなさい。
ミウの話はどんなにつまらなくて興味のあるふりをする。

ミウはどちらかというと口数の少ない少女だったが、
結婚後多弁になり、帰宅後、仕事の愚痴を
飽きずに2時間も話すこともめずらしくない。

共産主義権力のトップになると栃木県の行政だけでなく
国際機関との関わりも増え、多くの話題は外交と軍事だ。

ミウは新聞の電子版を欠かさず読んでいて、
英国生まれなのでロイターの英語版を読んでいた。

「Surprise news ever!! its all from the same man
 US president guddem tranp !!」

「The U.S. imports goods from China totaling
  $539.5 billion and the U.S. trade deficit stood at
  $419.2 billion in 2018, according to the Office of the U.S.」

トランプ氏の対中追加関税を言っているのだ。
太盛の妻はたまに日本語を話しているつもりで英語を
話してしまう癖があった。

「You see that? semaru. the world market says
the end of capitalism has begun.
 ohh sorry.it was a tittle of famous book.」

(太盛君も分かる? 国際市場が資本主義の終焉を
 予期しているようなものなんだよ。あっ、資本主義の
 終焉って言葉は私じゃなくて本のタイトルなんだけど…)

本人には自覚がないのだから、このクセは治らないのだ。
英語で話されても太盛は聞き取れない。
日常会話ならギリギリ分かるが、今回は外交の話だ。
よって時間の無駄以外のなにものでもない。

太盛は自らの男性機能が失われつつあるのが、
次第に怖くなってきて、
夜こっそりベッドから抜け出しすことがあった。

トイレにこもり、スマホでアダルトサイトを観覧していたのだ。 
(*´Д`)ハァハァ

見ず知らずの女たちの裸には普通に興奮できた。
例え一度も話したこともないAV女優でも、
男性は視覚情報で性的興奮を覚えるから欲情できるのだ。
プラトニックな恋愛の延長に性交渉を求める女性とは対照的だ。

(*´Д`)ハァハァ
やはり自分は若い男であり、決して不能者ではないのだ。
(*´Д`)ハァハァ 太盛はトイレに30分こもってから十分に満足し
廊下に出ると、笑顔の妻が腕組して待っていた。

(^-^)トイレにこもってナニをしていたの?
(;^ω^) 起きて…たのかい…

ミウは動画の中の女にさえ嫉妬し、太盛から
ネットを閲覧する権利をはく奪してしまう。
スマホもパソコンも取り合あげられ、代わりに
幼児用の絵本を手渡された。なぜ絵本…?

そんな生活を続けると
彼の精神をすごい勢いで消耗させ、それが蓄積していくうちに

「⊂⌒~⊃。Д。)⊃」 結婚後半年でこうなってしまった。

ミウが何度話しかけても返事をしない。
自分で食事もとれないので点滴に頼り、
筋肉が加速度的に衰え、骨も軟弱になる。

実年齢24歳の時に
肉体年齢82歳の老人と診断された彼は、
まさに生きる屍と称するにふさわしい。

さすがのミウでさえ太盛への興味を失ってしまった。
正直いつ寿命を迎えてくれても良いくらいだった。

太盛jr「ママー(∩´∀`)∩ おなかすいたー」

一方、子宝には恵まれた。

太盛によく似て、おっとりしたたぬき顔の愛息子。
ぷっくりした唇。くりくりして愛らしい瞳。
女装すれば一瞬で女の子に変身できるほど、女っぽい顔

息子にしては珍しく父親によく似ていた。

ミウが慈愛に満ちた瞳で彼を見つめ、頭を撫でてあげた。

よしよしヾ(・ω・`) あとでおやつ食べましょうね。
えへへ(*´σ`) 

「さて賢人君。さっきの話の続きだけど、私に旦那はいません」

「な、なるほど。こんな言い方をしたらお気に触る
 かもしれませんが、ミウさんは未亡人ということに……?」

「うん。自分ではバツイチだと思っているよ」

「なぁあんだ……なら初めから全然気にしなくて良かったんですね!!」

「そうそう。私たちって初対面の割には仲良しじゃん!?
 きっと気が合うんだよ」

「たしかに。俺達って愛称良いのかもしれませんね!!」

「うん! (*^▽^*) もう敬語は使わなくていいからね」

「はい?」

「だから、敬語。私は親しい人に敬語を使われるの嫌なの。
 あと名前もミウでいいから。さんはつけないでくれる?」

「年上の方なのに、いいんですか? ……じゃなくていいの?」

「いいんだよ!!(*^▽^*)」

「分かったよ!! ミウ!!(∩´∀`)∩」

「賢人は話が分かる子だね!!(^○^)」

賢人はしばらく学園本部へ泊まらせてもらうことになった。
そしてこれが、全ての惨劇の幕開けになるとも知らず。

ミウ「あなたを見ていると元気だった頃の旦那を思い出すよ」

学園本部は、本校舎とは別に作られた小規模な建物である。
執務室と会議室の他には、学園の支配者が寝泊まりする宿舎がある。
学園の生徒会長と副会長、その副官らの部屋が与えられている。
ミウも現役の学生時代は本部の私室の利用をしていた。

本部の横に、新たに校長用の宿舎が用意されていた。
広さは1LDK。内装はマンションの一室によく似ている。
ミウは中学時時代にロンドンから日本に引っ越してきて、
ずっと足利市のマンションで暮らしていたから、その名残だろう。

外観は偽装のため、あえてプレハブの小屋にしている。
建築現場にでもひっそり建っていそうな粗末な小屋だ。

とても権力者の住みかには見えないが
内装は高級な木材が使用されており快適な住まいだ。

ミウはこの部屋の外観と内装のギャップを気に入っており、

「私の小屋」と呼んでいる。

ミウはB型だが、家事におおざっぱではなくA型女性の気質に近い。
掃除には特にうるさく、部下に命じて
誇りひとつ落ちてない状態を維持させている。

ミウは息子の太盛Jrと共にここで過ごしている。
ミウは学生時代は嫌いだった料理も進んでやるようになった。
部下に任せておくと食材の管理に不安があると
文句を言いながらやってるうちに、かなりの早さで上達していった。

旦那は、いてもいなくても同じなので学園の医務室で
24時間面倒を見てもらっている。現在も植物人間で回復の見込みはない。
                     ⊂⌒~⊃。Д。)⊃ ←旦那

小屋には地下の拷問部屋がある。ミウのとっておきの部屋である。
仕事で疲れた時、休みの暇な時に囚人を痛めつけて遊ぶのだ。

ミウは息子の太盛jrを本部で預かってもらって、今夜は賢人と
二人きりで過ごすつもりだった。完全にお遊び(浮気)モードである。

17:30。その日はたまたま金曜日だった。

「賢人君はコーヒーと紅茶どっちが好き?」
「紅茶です!!(^○^)家では毎日紅茶を飲んでます」
「あらそう。よかった。私も紅茶派なのよ」

賢人が紅茶派と言ったのは、真っ赤な嘘である。
賢人は営業職の経験から英国育ちの
ミウの好みを悟り、機嫌を取ったまでのこと。

わざわざ高い茶葉で淹れてくれたアイスティーをいただく。

「外部の人をこの部屋に招待するのは初めてだよ。
 光栄に思ってね?」

「ありがとう。ミウ。ここはステキな部屋なんだね」

つい敬語を使いそうになるが、賢人は耐えた。

リビングは八畳間で十分に広々としていた。
金色の額縁がついた風景画が2点。高いのだろうと賢人は思った。
ホワイトカラーで背の高い本棚には文庫サイズの本がぎっしり。
政治経済外交など専門分野ばかりで、見るだけで頭が痛くなりそうだった。

四つ足タイプで背の低い衣装ダンス。引き出し付きのハイテーブル。
それに椅子も、デザインと色が統一されていて気品がある。

(センスの良い家具だ……あの木目。どう見ても安物とは違うよなぁ。
 さすが権力者の私室。その辺のホムセンじゃ売ってない製品に違いない)

彼の頭に浮かんだのは、同僚の大塚カグちゃんだった。

「もし間違ってたらごめんなさい。
 あれは大塚家具のローチェストじゃないですか?」

「ぴんぽーん!!!(^^)! すごーい!! 
 見ただけで分かっちゃうのぉ!?」

大塚家具の製品は、華美にならないようシンプルで落ち着いた
デザインを大切にしている。色はブラウン、ベージュが多い。
取っ手の部分が金属、『使い込まれた感のあるシャビ―の塗装』など
アンティーク調のデザインが特徴なのだ。

※材質:マホガニー材(突板)・サペリ材(柾目突板)。
マホガニーギター好きには有名な木材である。
コンコンと叩くと硬さが分かる。
ずっしりと重みがあり耐久性が高く、木目が美しい。

しかし、上で例に挙げたチェストは税込みで5万。
素材を考えたら安く仕上げているとは思うが、
庶民感覚で考えたら間違いなく贅沢品である。

だからミウは一番安いのを買ったのだが、
ネットでは28万の製品まで売られている。
高級品は不景気では当然売れない。

大塚家具の経営は相当にまずい。執筆時点で最新の決算短信を読んだが、
経常利益、純利益、営業CF、フリーCFが全てマイナスである。
前期比と比べても悪化の一途をたどっており、相当にまずい状態だ。

ドラクエで例えると、MPゼロの状態でホイミも使えず、そのくせ
無駄にHPだけが高い状態で洞窟にもぐりこんで困っている状態だ。

参考までに大塚家具ちゃんの株価が200円台なので、2万円もあれば誰でも買える。
法律上は100株持つだけで議決権を有し、
大塚家具の所有者(株主)の一員になれるのだ。
(日本株は最低購入数が100株と決めらている。
 ミニマム投資?などの例外もあるが。)

このままずるずる行ってしまうと
10年以内に倒産する可能性が高いのだが、
剰余金がかなりあるのでまだ数年は死なないだろう。

いかにも英国人好みの、
欧州直輸入のアンティークデザインの家具。
ミウのお気に入りだった。
高級品は顧客のアフターフォローもしっかりしているのも特徴だ。

「賢人君、知ってる? 英国では家具でも家でも古いものが好まれるんだよ」
「Σ(゚Д゚) そうなんですか。欧州の人たちは新しいものが好きなのかと」
「ドイツとかはそうかもしれないけど、英は違うんだよ」

例えば、祖父の代からずっと住み続けている家があるとする。
日本では新築住宅は玄関を開けた瞬間から、価値が下落し、
ローンを払い終わる頃にはゴミ同然の資産価値しかないが、英では違う。

築年数が古い家ほど、世間では評価される。
日本は1976年ごろから厚生労働省の命令で、
住宅建築メーカーはわざと木材に粗悪な合板を織り交ぜて建築している。
そのため耐用年数がローンと同じ35年になるように設定されているという。
つまり買い替え需要を促進するために「ごみ」を作り続けているのだ。

老後の資産形成を視野に入れたうえで、
金融で考えると賃貸が一軒家に勝ることは常識だが、
その理由の一つがこれである。

日本の一軒家は、言うなれば結婚後にぶくぶく太り、
どんどん醜くなっていく奥さんと似たようなものだ。

英の住宅では真面目に建築するのが普通なので
耐用年数が80年ほどあっても珍しくないそうだ。
また地震がほとんどない国なので古い住宅にも安心して住める。

そのため転居をするために住宅を売買しても
長年住んだからと言って資産価値が下落しないから
差額で儲けられる。

これはイングランドのとある貴族の例だが、
築90年過ぎの家の売却を申し出たところ、多数の応募があり、
落札された価格が2000万を超えたという例もある。

ビクトリア時代の暖炉、その時代を髣髴とさせる豪華な手すり等。
その時代の特徴が至る所に残っていた。
そういった年代を感じる特徴を好むイギリス人は多いので、
自然と古い家は価値が上がるのだ。

「すごいですね(>_<)さすが英国人は歴史を大切にする民族って感じです」

「英国は本当に歴史大好きな国なんだよ(^○^)。私も大好き。 
 英国はエリザベス陛下を国家元首にした立憲君主制、
 議会制民主主義の国だけど、今の日本も天皇がいて同じ
 制度を取ってるでしょ。あれ、英国のパクリだからね」

「パクリだったんですか!?Σ(゚Д゚)」

「うん。英国は日本の100年前に議会制民主主義を作っていたよ。
 日本の参議院って戦前では貴族院って名前で、
 今でも参議院は上院の扱いになってるわけだけど、
 あれも英国のパクリなんだよ」

「全然知りませんでしたΣ(゚Д゚)」

(※ 今でも参議院を下院と勘違いする人多数。
 なぜ法案が参院を通過しないと可決に至らないかを考えてほしい)

「あと日本海軍も。薩摩藩の偉い人がどんどん英国に留学して
 イングランドの海軍学校で学んで、日本に知識を持ち帰った。
 日本海軍は英国式の戦術で日清日露戦争で勝ったわけだけど、
 そもそも英国から軍艦を買っていたんだよ」

※連合艦隊の旗艦・戦艦三笠(みかさ)を建造したのは英国のヴィッカース社です。

「すごいですね!! 俺は歴史はさっぱりなので驚きました(>_<)」

「日本海軍では、偉い人は英国式の英語を話すのが基本だったの。
 学校教育でも英国式だよ。今の文科省が作ってる教科書には
 イギリス英語式のカタカナ発音がふられているのね。
 だって明治時代に英国英語を学んだ偉い人が書いた教科書が
 元になっているんだもん」

こんな例を出すと分かりやすい

Get out of here. 出て行きなさい。

英語では ゲッt アゥt オブ ヒア と各単語にアクセントを発音する。
語末の子音の「T」は日本語にない音(単体の子音。空気音)なのでそう表記した。

米では、ゲラウ・ロブ・ヒぁぁぁ。
と言った流れるリズムで発音し、音は醜く明瞭ではない。
リエゾン(前後の単語の音がつながる。仏語では基本)しまくり、
しかも筆者が特に気にくわないのが、語末のHereである。

ヒア と語尾をしかっかり止めて発音すればいいのに、 
だいぶ濁って ひぁぁぁー↓ となる。
まるで酔っ払いの発音である。

ドイツ語(東部標準語)でも全く同じ単語があるのだが、
綺麗にヒアと発音し英国と変わらない。
やはり米国で生まれた英語は、欧州の言語と根本が違うのだ。

実は欧州、中東、アフリカ大陸では英国式の英語を学ぶのが基本。
極東アジアの我々は米国式の英語だが、これは世界的にみて少数派である。
世界の標準英語とは、BBCもしくはクイーンズ・イングリッシュと言われる。

「今日聞いた話で一番衝撃を受けました。
 じゃあ教科書通りの発音で間違いないんですね(;^ω^)
 学校の先生はカタカナの振りが間違ってるから
 そのまま発音するなって言ってましたけど」

「変にカタカナを意識するよりもアクセントを付けたほうが良いと思うよ。 
 専門用語でストレス・アクセントって言って、
 音を口の中で吐き出す感じにして勢いを付けるんだよ」

「へ、へえ(>_<)」

「あ、ごめんね。(゜-゜)
 こんなマニアックな知識興味ないよね」

「いえいえ(>_<) すごく貴重な話を聞かせてもらってますよ。
 ミウさんって話の仕方がうまくて頭にすんなり
 説明が入ってきますよ!!」

「ありがとー。そう言ってくれるとこっちもうれしいよ(⋈◍>◡<◍)。✧♡」

(さすが学園の最高責任者。言語にも歴史にも詳しいぞ。
 美雪は金融以外はさっぱりだが、この人は全然違う)

ミウは大学進学後も読書中毒な生活を続け、文系に必要とされる知識は
乾いたスポンジに水をしみこませるかの如く、どんどん吸収していった。

ソ連を初め、先進各国の歴史。政治・経済・法律・軍事・社会学。
友人ボリシェギキのナツキの影響で芸術の分野にも興味を持ち、
クラシック音楽の他に絵画もこよなく愛するようになった。

「ミウさん。英国と言えば最近ジョンソンが首相になりました。
 (令和10年じゃなく現実世界で)」

「あ、そうそう。あの男目つき悪いよね。
 あいつ外務大臣だったのにいつの間に首相に任命されたのって感じだよ。
 ほんと最近の保守党は終わってるわ。奴は昔はロンドン市長だったのね。
 それでね、その時代からマスコミからは良く注目されて…」

賢人は、ミウがまさか英国議会のことまで知っているのかと思ったら、
本当に知っていた。メイ首相が退任する前に、下院で否決された
7つのEU離脱案の詳細まで知っているほどだった。

賢人は、英国は保守党と労働党しかないから
分かりやすいと思っていたら、日本と同じように支持率皆無の
小党が乱立していることも教えてもらった。
たまたまニュースで報道されているのが労働保守の二大政党なのだと。

「離脱交渉がどん底まで難航しているのに、メイは英国人特有の
 ジョンブル根性で最後まで離脱を完了させようと頑張っていた。
 条件付きの離脱なんて欧州に無視されているから無駄なのに。
 でも英国人は約束を守るのが美徳だから意地になっちゃんだろうね」

さらに欧州議会選のこと、欧州中央銀行の次期候補者の
詳細なプロフィールまで知っていて、欧州の事情に詳しかった。

イタリアやギリシャのアホを覗いて全体的にマイナス金利になっており、
国債の利回りが非常に低い(というかマイナス)状態で、
リセッションを迎えることを、資本主義の堕落と吐き捨てた。

「ギリシャは学校のクラスで例えると、一番成績が悪くて
 お小遣いを親戚のおばさんから三か月先まで前借りして、
 全部使いこんじゃうタイプ。
 しかも嘘つき。資本主義はこれだからダメだよねー」

「は、はぁ(;^ω^)」

「財務状態がヤバいなら、はっきり公表しなくちゃ困るよね?
 素直に教えてくれたらドイツフランスも財政出動してあげる
 余裕はあったと思うのに。ギリシア政府は巨大な財政赤字を
 抱えているのに、知らないふりをして公務員にはがんがん
 お給料払ってたんだよ」

「で、ある日突然、実はドイツやフランスから借りた
 お金が払えません。ごめんなさいって頭下げて来たの。
 ほんと馬鹿。
 ああいうバカな国の面倒をみたくないから
 英はEU離脱したいって言ってるんだよ」

ギリシャ国内で流通しているお金(ユーロ)は、
EU(欧州連合)の共通通貨である為、ギリシャがデフォルトすることに
よってユーロの価値が減少してしまう為、ギリシャがEUに残り続ける可能性は低い。

賢人は話しの内容に付いて行けず、( ゚д゚)ポカーンとしていたが、
ミウは得意になっており続ける。

「仮にギリシャが債務履行になると、ドラクマってギリシャの
 通貨を使ってると仮定したら、外国の通貨に対して急激なドラクマ安に
 なってハイパーインフレ。物価が10倍以上に高騰するだろうね。
 でも現実のギリシャはユーロ加盟国で通貨はユーロを使ってるの。
 だから、ギリシャが財政破たんしたら
 貸し手であるドイツやフランスの銀行も悪影響を受ける」

「EUはクラスで例えると分かりやすいかな?
 クラスにいる、嘘つきで怠け者で、悪さをしても反省もしない
 アホ。それがギリシャ。こういう馬鹿の面倒を見たくないから
 英はEU離脱したいって騒いでたんだよ」

ミウはEU連合について懐疑的だった。前回の欧州議会選でも
極右政党の躍進が目立った。シリアの難民受け入れ問題でも政治は大きく揺れた。
今後、米国中心のポピュリズムが世界のスタンダードとなると
ミウは予見している。

彼らは令和10年の人のはずだが、先ほどから普通に現実世界の話をしている。
いつものことなので気にしないことにしよう。
最近は、日本のお隣の韓国が話題となっている。
かの国は、国際条約違反の常習者なのだが、
これには特に辛口の評価を加えた。

憲法⇒国の最高法規
法律⇒政府が制定 
条例⇒自治体が制定

この三つより偉いのが、国際条約である。
韓国は平気でこれを破る(河野談話)のだから
ある意味あっぱれである。

・はい河野談話。賠償もしたし、これで戦争時代のことはチャラね( ゚Д゚)
・おk (^○^) 国際条約に調印(批准)しました。

10年後。

・……やっぱり日本は悪だ。もっと賠償しろ。
 韓国内にあるおめーらの企業の資産、凍結するわwww
・ちょ、条約は(´・ω`・)
・そんなん知らねーwwwwちょりーっすwwww

↑韓国のいつものパターン。
 歴史を知っている人間なら「はぁ。またか」で終わり。

「賢人君は、憲法の意味は理解できてるかな?
 面接みたいな質問で申し訳ないんだけど、
 共産主義を学びたいなら法律関係の知識は必須なんだよね(^-^)」

「憲法ですか……学校で学んだ程度の知識で申し訳ありませんが」

(あっ、無意識のうちに敬語で話してた。
 相手が年上の人だからつい)

「が、学校で学んだ程度の知識だけど」

「( ´,_ゝ`)ぷっ。何言い直してるの!! なんかウける!!」

「いやいや、ミウが敬語使うなって言ったから!!」

「もうどっちでもいいよ!!  そんなの気にしてないし!!
 あははは!! なんか君、私と初対面だからって
 気を使いすぎて逆に笑える!!」

ミウは良く笑う女だった。
よほど機嫌が良いのか、テーブルをバシンバシンと派手に叩いて
爆笑することが珍しくなかった。

そんなミウの笑い声をさえぎるかのように、
アンティークなデザインの電話代の上に置かれた、
これまたアンティークなデザインの電話が鳴る。

(´-`).。oO  
あの電話の形、古い映画で見たことがある(>_<)
回転ダイヤル式なんて、わざわざ使いにくいものを。
ミウさん20代なのに凝ってるなぁ。

ミウが受話器を耳に当てると、不思議と貫禄があった。
顔も女優並みに美しいので映画のワンシーンのようだ。

学園付きのシェフからだった。

「同士閣下。お食事の準備が間もなく整います。
 お客様もいらっしゃるようなので
 本日はイタリアンのフルコースをご用意させていただきました」

「へ? Σ(゚Д゚) あっ、今日はわざわざ作ってくれたのね。
 こっちが頼んだわけでもないに悪かったね」

「お食事はどちらまで運べばよろしいでしょうか。
 ジュニア様はすでにマリ様と泉様と本部の食堂で
 お食事をとられておりますが」

(もうそんな時間なの?)

ミウが小物代わりにテーブルに置いていた懐中時計を見ると、
7時過ぎになっている。彼らは1時間半もおしゃべりしていたのだ。

(´-`).。oO 
おーすげー。(;゚Д゚)今どき懐中時計を
使ってる人なんているんだ。ペンダントっぽい鎖が付いたデザインで、
ローマ数字が刻印されてる…。ちょっと時代錯誤な気もするけど
ミウさんにはよく似合うのが不思議だ。

「今賢人と話が弾んでるところなの。
 この部屋まで持って来てくれる?」

「かしこまりました」

それから1分もしないうちに、業務用のワゴンを押して
シェフが入って来た。東アジア風の、顔のパーツが横に伸びた
猫っぽい顔立ちで、賢人の目には中国人のように見えた。

ミウの邪魔にならないようにと、テーブルの上に
全部の皿を並べてしまい、最後に空のワイングラスと
ワインボトル二本を置いてから、恭しくお辞儀をして去って行った。

「……ミウは普段からこんな豪華な食事を食べてるんだね」

「違う違う。普段は質素な家庭料理だよ」

「またまた」

「本当だって(>_<) 私はもともと料理下手だし、子供が生まれてから
 仕方なくやってる感じなんだよ。今日は賢人が来てるから
 シェフが気を利かせて特別に作ってくれただけだよ。
 それより乾杯しよー(^○^)」

白ワインのグラスが、重なる。品の有る乾いた音を立てた。

ミウが白ワインのグラスに口をつけ
「んーhh Good taste.I love it.」
ますます上機嫌になる。

「明日は良かったら中の施設も見学していってね。
 私あなたと一緒にいると楽しいし、賢人さえよければ
 三日で四日でも一週間でも見学していいからね」

ミウの言い方は直球すぎて逆に賢人は返答に困ってしまう。
賢人も今では女の経験がないわけではない。
ミウが嘘や冗談を言いそうなタイプじゃないことは
外国で育ったことからも伝わってくる。

この二歳年上の女性は、理由は良く分からないが、自分のことが
嫌いではないのだろう。むしろかなり気に入られている。
逆に明日にでも帰ると言ったら機嫌を損ねるのは確実。

ならば。

「共産主義のことも勉強したいし、俺もミウと話してると
 昔からの友達と話してるみたいで楽しいよ。
 お言葉に甘えてしばらく滞在させてもらおうかな(^○^)」

「よし。決まりね!! あれ?(´ー`)」

「ん?(;゚Д゚)」

「ごめん。今更だけど賢人って社会人だったよね?
 お盆休みも過ぎているし、何日もここにいると
 賢人が会社に行けなくなっちゃうね」

賢人は、ペンタックが派遣社員のストにより、
無期限で業務停止状態なことを説明した。

賢人は知らなかったが、この時点でペンタック久喜工場は
復興の見込みがないと判断され、正式に閉鎖が決定。
瞳以外の全ての従業員はすでに解雇されていた。

つまり今現在、彼が最も恐れていた、
令和10年の魔界で無職となってしまったのだった

「あはははは!!! ヾ(≧▽≦)ノ はははははっ。
 ごめんねーヾ(≧▽≦)ノ 
 笑ったら賢人が怒るだろうけど、面白過ぎてお腹痛い!!!
 派遣社員が武装して派遣会社の事務所を襲撃!?
 勤務先の工場がリアルで炎上している!? 
 なにそれバッカじゃないの!!」

賢人は意識してないがミウの好きなネタを提供していたのだ。
行きづまった資本主義社会が
暴走すれば、市民が暴徒と化すのは必然。

資本家階級と労働者階級の対立。
貴族と庶民。専制君主と奴隷。格差。地位の違い。お金。
これこそが、資本主義そのものの矛盾。

ミウは、どんどんおかしくなっていく日本の政治経済を
実態を知るたびに、このように爆笑していた。
日本のニウス・ペイパアはマイナスな
企業の不祥事の記事が目立つから面白いそうだ。

冷戦終結後、米主導の世界秩序は、
現在までマルクス・エンゲルスが予想した通りの展開になっている。
資本主義は、その構造上の矛盾から最終的に
世界戦争を生み、やがて全ての人類が破滅する。

「実は俺もミウの考えに完全同意なんだよ」
「へえ。そうなの? 賢人の考えも聞かせてよ」

賢人は未婚率の増加、少子高齢化、財政赤字の増加、
MMT(財政無制限拡大)理論の将来的な破綻、
外国為替市場でますますの円高が強まり、
現金の価値が目減りするリスク、
大手企業による労働者の搾取が今後も続くことから

どうやっても何があっても、どう頑張っても、
それこそ日本本土が空爆される大戦争でも起きない限り、
日本の経済は、絶対に限りなく100%に近い
可能性で悪化し続け、改善の見込みはないと力説した。

「すごーい。若いのにそこまで経済のことを
 知ってるだけでもすごいことだよ(*^▽^*)
 自民党の発表する国のファンダメンタルズ分析が
 クソだってことも分かってるんだね」

「いえいえ。これでも元銀行マンだったからさ。
 ミウに比べたら赤ちゃんみたいな知識だよ」

「金融機関で勤めた経験があるなんて奇遇だね。
 私のパパが現役の証券マンなのよ」

「ええ(・´з`・)!? 
 ミウが共産主義者なのにお父さんはモロ
 資本主義の仕事をしてるってことじゃないか!!」

「赤の他人だったら収容所行きだけど、私の肉親だからね。
 ここまで育ててくれた恩があるから、
 父の仕事のことは関心がないふりをしているの。
 みんなよく勘違いするけど、これでも父とは結構仲良しなんだよ」

「お父さんが頭の良い人だからミウも頭が良いんだね」

「ありがとね。パパはエリートだけど私はごく普通だよ。
 人より読書するのが好きなだけで」

「ミウはさすが学園の権力者って感じだよ。貫禄もあるし、すごいよ」

「そんなに褒めなくていいってば(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾(^○^)
 ところで賢人はさぁ」

「ん( ゚Д゚)?」

「もしかして株式投資してる人なのかなって」

「あ……(;´・ω・)」

「あなたのさっきの話で、ドル円相場、ダウ平均とか、株式市場の
 内容が多かったのね。元銀行マンっていっても地銀だと
 主な貸出先は国内法人と個人でしょ。外国為替市場の
 話題とか普通でないと思うんだ。FRBやFOMCも知ってるみたいだから、
 少なくとも米国の株か債権を持ってるでしょ?
 それとも若い人だからFXや先物取引に手を出してるのかな?」

賢人は、コンビニで立ち読みした週刊誌の内容を思い出した。
その週は共産主義の生んだゆがんだ美女・高野ミウの特集記事が書かれていた。
ミウは嘘つきが嫌い。嘘つきは全員むごたらしく拷問させ、
謝罪させてから内臓を引きづり出すか、
校内引き回しの刑にして殺すことを知っていた。

ミウは共産主義者なので、金融の取引でもうける人間は大嫌いだろう。
現に、先ほどの父親の話でも、肉親でなければ収容所行きだと口にしていた。

ならば。

ここで賢人が株式投資をしていると言えば、どうなるのか。

実は賢人ではなく妹の美雪が外国株式の運用をしているのだが、
共産主義では資本家の家族(5親等以内)は連帯責任で全員収容所行きだ。
資本家の血筋を絶やすために編み出された恐ろしい制度で、
北朝鮮が現在も実行している。

「手が震えてるけどダイジョブ?
  怖がらせるつもりはないんだ。ただ気になったことは
  なんでも聞かないと気が済まない性格だからさ(*^▽^*)」

「俺は投資はしてないけど、俺の妹が、
 米国の株を9000万くらい持ってます。
 先月親父から生前譲渡されたんだ」

「9000万!!?? (゚∀゚) お金持ちなんだねー。
 しかも生前譲渡するってどういうこと? 
 気になるから詳しく教えてー」

賢人は、第一シーズンの17話当たりの話を全部聞かせてあげた。
ミウは時々うなずき、たまにレタスやトマトをつつきながら、
楽しそうに聞いていた。

「あーなるほどね。日本株がゴミだから米国株投資ってそれは
 算数の計算ができれば誰でもわかることだねー(´ー`)
 お金を増やしたいなら今の積み立て投資で正解だと思うよ。
 君の話でVOOってETFを初めて知ったよ。信託報酬が激安だから、
 安心して機関投資家に運用を任せておけるね」

「俺はVOOは最強だと信じてるよ。
 ただドル建ての資産だと為替が怖いんだよね(;・∀・)
 俺らが生まれる前にもいろいろあったみたいじゃないか。
 いきなり急激な円高になって資産が半減したりとか」

「為替なんてそんなに神経質に考えなくてもいいんじゃない?
 10年先まで考えているんだったら、ためらう意味ないよ。
 むしろ機会損失。10年後にトータルリターン(株価、配当)で
 儲かる絶対の自信があるんだったら、買うタイミングを
 ためらっている方が、むしろ素人の考えかもしれないよ」

「うーん、そうなのかな(>_<)」

「自分が良く分析して、信じて買う金融商品だったら
 自信をもって運用すればいいじゃない。あっ、投資信託だから
 プロに任せてるから運用しなくていいんだったね。
 それで経費率0,03%なら大安心だね。
 バンガード社って気前良い会社なんだね。
 激安金融商品を販売する所は、さすが米国」

「逆に日本の投信の手数料は高いよね(;´・ω・)」

「そうそう(^○^) うちのパパも良く言っていたの。
 日本の銀行や証券会社は手数料割高のアクティブ型
 ばっかりお客に売りつけて割高な手数料をぶんどってるって。
 そうしないと儲からないからね。実は機関投資家たちの間では、
 インデックスファンドの方が長期のリターンで儲かるってのは
 常識なのに、お客さんの前では口が裂けても言えないじゃない?」

「やっぱりインデックスの方がリターンが大きんだΣ(゚Д゚)」

「常識だよ(*^▽^*)」

※インデックス = 日経平均、TOPIX、SP500など株価指数・関連銘柄にまとめて投資。
 アクティブ  = いくつかの銘柄に絞る。リスクが高い。

ミウはニコニコしていて、声もでかい。
怒った様子がないどころか、上機嫌にしか思えない。
だから賢人は逆に怖かった。

「ミウは、怒らないのかい?((((;゚Д゚))))ガクガク」

「怒るって?」

「俺が資本家の立場の人間だってことを話してしまってるのに、
 普通に株の話をしてくれるのが不思議でしょうがないんだ」

「んーん。私はね」

ミウは、賢人の食が進んでないから遠慮なく食べるように言ってから。

「資本家連中が死ねばいいとは思ってるけど、人は選ぶつもりだよ。
 さっきも言ったけど賢人のことは不思議と嫌いになれないのよ。
 元気だったころの旦那と話してる時を思い出して、胸が暖かくなるの」

「ミウは俺のこと好き?」

Σ(゚Д゚) (あ、俺はなんでこんな直球な質問を…)

「好きだよ。嫌いなわけないじゃん」

賢人は、共産主義の狂気に染まった女性なのは承知していても、
美人のミウに好きだと言われてうれしくなってしまった。

「賢人は私の知らない世界を知ってるよね?
 私は、私の知らない世界を知っている人が好きなの。
 私は学生の頃からボリシェビキだったから、
 資本主義の世界で生きていた人の話がもっと聞きたい」

彼女も自覚してないのだろうが、どうせ口もきけなくなった
旦那の代わりを求めてるだけだろうと賢人は心の奥底で感じた。
なぜだろう。彼女の賢人を見る時のキラキラした瞳が、
愛と性に飢えていた瞳によくかぶるのだ。ミウは相当に欲求不満なのだろう。

だが賢人も妹と瞳から逃げてきた身だから、
しばらく家に帰りたくない事情もある。
よって利害が一致している。

それに一目見た時から、
ミウの飾らない笑顔と美しさには圧倒されていた。
賢人は異性としての高野ミウには興味があった。
瞳や美雪とは全然違う怖さもあって余計に興奮する。

「俺も、君の話がもっと聞きたいんだ。ミウ」
「賢人……」

二人は熱っぽく見つめあった。

賢人が席を立ち、ミウの肩を抱き、くちびるを重ねると
食事のことなどすっかり忘れてしまい、愛し合うように
なってしまった。食事を片付けに来たシェフが
謝罪してから逃げ出してしまうのが滑稽だった。

妻が浮気しているのに旦那の太盛は、

⊂⌒~⊃。Д。)⊃ まだこんな状態だった。

最近の日本では妻の浮気が流行ってるらしい。
イスラム教だったら極刑である。

ミウ「この国はいつまで資本主義が続くの?」

日付が変わると外は小雨が降っていた。
ミウは託児所代わりの生徒会本部へjrを預け、
賢人と2人で校内をぶらぶらと歩きまわっていた。

どこの教室もがらんとしていて、どこを歩いても人気はない。

「八月が終わるまで学校は夏休み期間なんだ。
 この学校は夏期講習も部活動も休み期間中は一切禁止。
 自宅や市の公共施設を利用して勉強や運動をしてもらう決まりなの」

反革命主義者とは、はっきりいって
ソビエト社会主義(日本共産党とは違う)
に賛同しない全ての国民を差すわけだが

学生たちは頭が柔らかく、血の気が多く、多感な時期でも
あるため、外部からの刺激を受けやすい。
思想的にはかなり危うい存在と考えられている。

「夏休み中にこの学校が嫌になって転校を考える人。
  外部のスパイ組織(自民党)と連絡を取る人。
  こっそり自宅で武器や弾薬を密輸する人。製造する人。
  色々な人が毎年出る」

ミウは護衛の一人に命じて、プリントアウトされた一覧表を
賢人に見せてあげた。

・高橋ちづる スパイ容疑(ネットでの防諜)
・榊原愛奈  スパイ容疑(ネットで不適切ページの閲覧)
・柳瀬未亜  連帯責任 (スパイ容疑者の親友)

他多数 全部で30余名。諜報広報委員会が作成。

「この時期が一番危険なんだよ。だから私も神経をとがらせているの。
 どこに危険分子が潜んでるか分かわらないんだもの。
 この子達が新学期から破壊工作と化してもおかしくない」

「容疑者は女の子ばかりだけど、破壊工作するってのは
 なんだか実感がわかないね」

「そうでもないんだよ?」

ミウは、学生時代に起きた爆弾テロリスト事件を説明してあげた。
理系の一年生の進学コースが引き起こそうとした事件だが、
生徒会が事前に作戦計画を手に入れ、未然に防ぐことに成功した。

「それと女子が多いのはね」

ミウが卒業してから実に9年も経過したが、この学園では
反対主義者の取り締まりが特に厳しく実施されているため、
上から押さえつけられるのが苦痛に感じる人の多い男子生徒は、
ほとんど入学してこなくなってしまった。

在学中の男子もやはり反社会的な活動を取る人が多いので
収容所行きになり、そのせいで男女の比率が次第に変わっていった。

ミウの時代は男女比6:4で比較的男子が優勢だったが、
今では2:8。ほとんど女子高に近い割合となっている。

彼らが歩いているのはB棟。2学年が使う校舎である。
ミウがボリシェビキに目覚めた時は2学年の夏休み明けだった。
彼女はかつての自分のクラス2年A組組の前で立ち止まる。

「ここが、かつてのミウのクラスなのか……」

「まだ説明してないのによくわかったね?」

「いや、何となくそんな感じがしたから言ってみたんだ。
 まさか本当にミウの教室だとは(>_<)」

ミウは定期的に自分のクラスを見回る。
特に意味はないのだが、記念日など特別な日には必ずここを訪れる。

クラスで目立たない少女だったミウ。
このクラスでの生活から当時の生徒会副会長のアキラと関わり、
組織委員部のナツキと引き抜かれ、
ついには共産主義のトップの権力に上り詰めた。
ミウの学園生活。彼女の人生に与えた影響は計り知れない。

ミウが引き戸を引いた瞬間、中に仕掛けられていたダイナマイトが爆発した。

「ぬわあああああああああああああ!?」

ミウの隣を歩ていた賢人は、爆風の衝撃によって廊下の壁まで吹き飛ばされた。
ミウも一緒にだ。二人は廊下の窓ガラスに激突し、
窓ガラスに巨大なヒビを生じさせた後、床に重なって倒れた。

「ミウさまああああ!!」 「同士閣下あああ!!」 「またしてもテロか!!」

ミウに後ろから付き添っていた護衛達は、急いで緊急の措置を発動する。
医務室から石、じゃなくて医師を呼び出し、直ちにタンカの準備を始める者。
周囲に敵の気配がないかを調べる者。ミウに手当てするために、応急措置用に
持っていた救急セットを取り出す者。混乱のあまり、誰もいない廊下の先へと
拳銃を放つ者。暗に賢人の死を願う者(ミウと仲良しなので嫉妬)

反応は様々だった。なにせ護衛が40名近くいるのだ。

「いったぁ……。右腕が火傷してひりひりする。賢人は大丈夫?」
「俺は背中を強く打って息が止まったけど、今は大丈夫だ」

二人は奇跡的に軽傷ですんだ。

ミウの火傷は中程度といったところで、直ちに手当てして
軟膏を塗り、包帯を巻いて安静にすることにした。
引き戸を開けた右手の火傷以外には、外傷はなく、
賢人に至っては治療の必要すらないのだが、
念のため精密検査を受けることになった。

二人は病院へ搬送(護送)され、夕方には学園へ返された。

右手に包帯を巻いたミウが本部へと帰ると、
大泣きした太盛jrがママに抱き着くのだった。

「うわあああああああああああん。ママあああ!! (ノД`)・゜・。
 ママがテロリストの攻撃にあったんだ!!
 ママが死んだら嫌だよおおお :;(∩´﹏`∩);:」

「いつものように軽傷だったらから、安心しなさい。
 ほら。ママは自分の足で歩くことができるのよ?」

「うわあああん (ノД`)・゜・。 ママああ!!
 僕ね、ママが病院に行ったまま帰ってこなかったら
 どうしようかって思ってたの!!」

「ジュニアに心配かけちゃってごめんね。
 よしよし。もう泣かないの」

ママは元気だから ヾ(・ω・*)
:;(∩´﹏`∩);: う、うん


(;゚Д゚) ……(いつものように軽傷?)

賢人は気になったのでミウに訊いた。

「テロ事件のこと? 生徒や教員の誰かが
 私を狙って殺そうとしたんだろうね。
 こんなの学園の支配者をしてれば日常茶飯事だよ。
 今まで爆発物をしかけられたことが17回あるよ」

「17回も!?」

会議室の机の下。朝、本部の玄関を開けた瞬間。
お風呂場のバスタブの底。学園の花壇の道。
ミウの縁演説中に、護衛と思われたスパイが、
直接爆発物を投げつけて来た時もある。

護衛の中にスパイが混じってたのは
初めてのパターンだったので驚いた。

いっそ護衛を全員抹殺しようかと考えたが、
当該スパイを徹底的に拷問して見せしめにするにとどめた。
拷問の内容は、背中を100回むち打ちした後、オートバイで
学内引き回し、最後は校庭の真ん中で生きたまま四肢切断してやった。

ミウは探偵の才能でもあるのか、爆発物を仕込んだ犯人や
その関連人物まで瞬時に特定し、次々に見せしめの拷問をしてから
殺してやった。ミウの復讐心の恐ろしさに学園関係者は
戦慄したが、ミウが残酷すぎるがゆえに逆に敵を作りまくり、
現在まで断続的なテロ行為が続いていた。

「シェフには暗殺者が混じっていたのか、野菜とベーコンの
 スープに毒物が混じってたこともあったよ(^○^)」

「まじか!!( ゚Д゚)」

毒物の特定はできなかったが、新手の化学薬品の一種だった。
少なくとも日本で入手できるものではなかったそうだ。

ミウは激しい嘔吐の後、2時間にもわたる下痢に襲われ、
その後も猛烈な激痛が続き、夜も眠れずご飯も食べれず、
おむつなしには生活できないほど深刻なレベルまで達した。

「あの時の私の顔すごくてさ(*^▽^*)
 部下に命じて写メ取らせてあるの。
 見る? 70過ぎの老婆に間違えられるほど老けちゃって。
 頬がゾンビみたいにげっそり。
 髪の毛が白髪でいっぱいになっちゃったの。
 だから今は茶髪に染めてるんだけど」

(それでこんなに濃い色に染めてるのか。
 外国育ちって聞いたから、その影響かと思いきや)

ミウの髪の色は、言い方を悪くすればギャルとかキャバ嬢みたいな印象だった。
品性と教養と威圧感の有る、共産主義美女には似合わない色合いには理由があったのだ。

「私が大変な時期に旦那はベッドで寝てたんだよ?
 信じられる? 医師の診断ではうつの一種で無気力症とかいって。
 私が一番そばにいてほしい時に、あの人は……。ああ、くやしい。ムカつく。
 思い出したらストレスで手が震えちゃうの。ほら震えてるでしょ?」

「ミウ……(;´∀`)」

「さすがに旦那への思いも冷めちゃうよね?
 学生の時は好きで好きでたまらなかったのに。
 だから私が太盛への想いを失わないように
 この教室を訪れることもあった。でも、もうだめだね」

ミウは、にやりと口元だけで笑った。
過去の記憶が蘇ると彼女は思わず笑うのだ。

ミウの正体は正真正銘の共産主義者。
裏切者、反対主義者、スパイは徹底的に殲滅するのが彼女の使命。
また恋愛については太盛に執着し、執着心が強すぎるがために
夫に求めるハードルが無制限に高くなり、夫婦生活に不満があれば
怒りが天井知らずに上がるという、悪循環に陥っていた。

ずっとママにしがみついていた太盛jrが、

「ひぃ;つД`)」

さっと、ママから思わず身を放してしまうほど、
ミウの放つ負のオーラはすさまじかった。

「ママが……怖いよぉ……((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル」

ジュニアは、ミウの護衛達に愚痴ることがある。
ママがたまに鬼になる時があると。
ママは実は人間ではなく、鬼と人間のハーフなのだと信じているほどだった。

ジュニアがこの世で最も恐れているのは、ママのヒステリーだったのだ。


ジュニアは、「ママはお仕事があるから今日は一人で夕飯を済ませなさい」
と言われ、そそくさとその場を去るのだった。
昨日は大好きなママを賢人に独り占めされたのに、今日も奪われてしまうのか。
文句を言いたいが、ママの言うことに従わないと何を
されるか分からないので大人しく従った。

「あはは(^○^)
 賢人君ごめんね? 変なとこ見せちゃってさ。
 私の過去なんて君には関係ないのに、つい感情的になっちゃって。
 あとでジュニアが欲しがっていた漫画本でも買ってあげないと……」

賢人は過去作の学園生活を読んでいたから、ミウが本当は純粋な少女で
太盛をめぐる複雑な恋愛と共産主義的学園に巻き込まれる形で
苦労をしていることを知っていた。

ミウに対する評価は賛否両論、というより悪評しかないのだろうが、
少なくとも賢人はミウの美しい顔立ちに完全に惚れていた。
ミウの顔は満月のように美しく、この世にあらわれた妖精が
いつの間にか結婚して子持ちになっていた。そんな印象だった。

仮にミウが共産主義者じゃなかったら、今すぐ旦那と
別れて自分と再婚してくれと言ってしまったかもしれない。
賢人は、気が付いたらミウの肩を優しく抱き寄せ、キスをしていた。

「僕でよければ、君のそばにいさせてほしいんだ。
 ミウ。君は職務から解放されたら、一人のか弱い女性なんだ。
 だから僕の前では強がらないでいいんだよ。
 僕は君のことをもっと理解してあげたいと思っている」

「賢人……(^ω^)」

「もうはっきり言わせてくれ。君が大好きなんだ!!
 好きで好きでたまらないんだ!!」

ミウは、日本人離れした情熱的な告白をされて
言葉に詰まってしまう。本気でうれしい時ほど返す言葉が
思い浮かばないのだ。昨夜は体を重ね合った仲なのだが、
ミウの仲では一種の遊びの延長だった。

なのに彼にここまで迫られてしまったら、本気になってしまいそうだった。
ミウは、もし自分がこの二歳下の彼のことを好きになったら、
旦那とは別れるか、もしくは仮面夫婦をこれからも続けることになる。

再婚したとしたら、ジュニアはどうなる?
新しい父親を幼い息子が認めてくれるのだろうか。
きっと不安しかないだろう。
だから安易に返事ができない。

ミウは冷酷なボリシェビキだが息子に対する愛は本物だった。

「愛してる」

賢人の言葉は魔法と同じだった。
ミウは後にこの現象にケント・マジックと名前を付けた。

ミウが賢人に子供のように抱き着くと、彼も抱き返してくれた。
二人は情熱的な口づけを交わし、今夜も肌を重ね合い、一緒に寝た。

これはダブル不倫に近い状況である。
ミウはもちろんのこと、賢人も名目上の婚約者の瞳と、
何話か前に結婚の宣言までした美雪を完全に放置。

美雪と瞳は、完全に……スルー!!

まさかの!!

というか、今の彼には妹達のことは眼中にない!!
まさに……アウト おぶ 眼中!! 
あうろぉぶ がん ちゅー(米語風)

渋谷賢人。彼のやっていることはいったいなんなのだろう。
実の母から瞳と美雪を公平に愛しなさいと言われ、実際に
淑女協定まで作り上げたのに、華麗に無視し、既婚者のミウと
浮気するなど、普通に考えておかしいだろう。

彼は小説の登場人物なのだから破天荒な人生を送ったほうが
物語向けなのは分かるが、普通の男性だったら美人の瞳と婚約した
時点でもう決定だろう。しかも瞳は金持ちである。

仮に彼が妹の美雪との同棲を解除し、
瞳と普通に結婚した場合はどうなるのだろう?
妹は嫉妬に狂い自殺するだろうか。

メンヘラの女性は、自らの死ぬことによって相手の
心の中に一生住み続けようとするらしい。女の執念は恐ろしい。
古代より描かれる幽霊の大半が白装束で髪の長い女である。

賢人が美雪を振って瞳と結婚したら美雪が自殺する可能性が高いだろう。
だからママが二人を同時に愛せと言ったのだ。

『同時に愛する』

口にするのは簡単だが、実際は夢物語である。
賢人の性格からすると美雪をひいきするのは間違いない。

かつて一夫多妻制を採用していた古代社会では、
もっぱら大金持ちや王族の男性にのみそれが許された。
古今東西、王族の場合は側室(愛人)がいるのが当然であった。

フランスのマリー・アントワネットの時代もそうだ。
ルイとの政略結婚に愛情などあるわけもなく、結婚は義理。
結婚後に夫婦がそれぞれ愛人を作ってから、初めて恋愛をするものだ。

欧州一の伝統を誇る、千年王国・ブルボン王室で
そのように考えられていたのだから驚かされる。
フランスは恋愛に対し非常に寛容な国で有名で、
現在でも権力者に愛人が7人くらいはいても誰も驚かない。

恋とは一種の病気であり、情熱であり、瞬間的なものであり、
恋愛感情を隠さないことを仏国人は美徳としている。

「愛してる」「好きだ」「君と一緒にいたい」

マリー・アントワネットは、19歳の時に参加した
仮面舞踏会で、生涯の恋人フェルエンと出会う。
二人は初対面だが非常に気が合った。仮面の下の互いの身分を
明かした後も、いつまでもおしゃべりを続けていて、
マリーのお付きの女性を冷や冷やさせたという。

フェルゼンはスェーデンの軍人で貴公子だった。
その洗練された仕草、美貌は社交界で各国の婦人たちの
ため息を誘うほどだったという。
しかも長身。金持ちのイケメンである。

マリーは、このイケメンと真剣に恋愛をし、
夫のルイもそれを知っていながら放置するという
カオスな関係を維持していた。

あの超有名な「ヴァレンヌ逃亡」を計画し、実行してくれたのも彼だ。
マリーを助けるために借金をし、日本円で3億円もの費用を使って
フランス国境を超えるために壮大な逃亡計画を立ててくれたのだ。

フェルゼンは、アントワネットがギロチン刑になった後も、
彼女のことが忘れられず、彼女を助けられなかった自分の
ふがいなさを呪い、生涯独身を貫いた。
愛の深さが伝わるエピソードである。

「私も賢人のこと、好きよ?」
「(˘ω˘) スヤスヤ」
「ふふ。ぐっすり寝ちゃってるんだ」

ミウがカーテンを開くと、満月の明かりに照らされた室内。
マホガニー性の高級机の引き出しの中に、写真立てがある。
ミウは普段から見たくなかったので、写真を写真立てに
入れたまましまっておいたのだ。

高校卒業の時、校門の前で彼と一緒に撮った写真だ。
肩を寄せ合い、微笑し、卒業証書を手にしている。

「こんなもの……」

ミウは、写真をくしゃくしゃにして捨ててしまおうかと思ったが、
寸前で手が止まってしまう。学生の時の太盛は、やはり美しかった。

顔立ちには10代の幼さが残るが、知性を感じさせる凛々しい瞳が特徴だ。
肩幅が広く、育ちの良さを感じさせる、
背筋を伸ばした立ち姿で他の男子よりずっと立派に見える。

彼と同じ大学の推薦に受かった時は
飛び上がって喜んだものだった。

そんな彼は現在廃人になり、回復の見込みはおそらくない。
もう二度とミウと会話することも出来なければ、
夫婦としての生活を共にすることもできない。

学生の頃はあんなに彼に優しくしてほしかったのに、
今は、それが叶わないと知ってしまったから。

「ごめんね、太盛君……。太盛君のことは私の思い出の中にしまっておくよ。
 今は賢人君のことが好きになっちゃったから、もう止められないの」

―ミウを愛してる 
―君じゃないとだめなんだ
―僕でよければ、そばにいさせてほしい

彼の言葉を思い出すと、もう罪悪感は消えてしまう。
ミウの頭の彼は賢人でいっぱいになってしまう。

女性を舞い上がらせてしまう言葉。
本当は誰よりも夫に言って欲しかった言葉だったのに。

瞳「( ̄▽ ̄) 美雪さん。私の旦那が帰ってこないわ」

--美雪

うるさいよ、三十路。
そんなこと言われなくても分かっていますよ。

昨夜団地に帰宅した、かぐや姫の娘さんたちから
詳しい事情は聞いてるから。

お兄ちゃんの服に盗聴器を仕掛け、行方を追って
くれたみたいだけど、そんなことしなくても私たちは
「小説に出演していることを自覚しているタイプのキャラ」
だから、問題ないの。

私は前話の内容を読み、心を落ち着けてから、壁に拳を突き立てました。
団地は壁が薄いので私のこぶし大の穴が開きました。

「賢人のこと考えるの疲れちゃた」

瞳が重苦しい雰囲気で何か言ってます。

「だって、どう頑張っても賢人と結ばれないじゃない。
 処女までささげたのに、彼が別の女と浮気中って
 どういうこと? 大手の少女漫画でもここまでの
 展開ってそうないわよ」

「市販の少女漫画もそんなに変わらない展開だと思いますよ。
 最近のは性的にだらしない作品が多いんですよね」

「あらそう。そうなのね。うふふ。( ̄▽ ̄)
 あーなんだか楽しくなってきたわ。
 何もかもうまくいかなすぎて逆にね」

瞳は何をするのかと思ったら、キッチンの包丁を自分の
胸に刺そうとしていました。目がぼーっとして危ないので
さすがに止めに入ります。

「止めないで(>_<)」
「その前にやることがあるでしょ」

過去に何度も書きましたが、
この作品では作者への攻撃も可となっています。

つまり私達が作者を痛めつけるなどして
執筆する権利を奪えばいいのです。
執筆権を奪うのは、前作午後2時55分~でも
作中のマリー・アントワネットが実際にやっています。

「ふがーふがー」

私はさっそく団地の近くを散歩中だった作者を捕まえることに成功しました。
作者は手足を縛られ、麻袋に入っています。
本当ならその辺の川に投げ捨ててしまえばいいんでしょうけど、
まだ生活に行き詰っていないので人殺しはしたくありません。

「美雪さん(;・∀・) さすがにやりすぎ。
 作者の人にも人権があるんだから」

「でも、こうでもしないと物語がまともに 
 進展しないじゃないですか」

私が麻袋に強い蹴りを入れると、
作者の口から女々しい悲鳴が聞こえます。

「こら、よく聞きなさい」

私は作者を何度も蹴りながら、執筆権を
譲渡させることをしぶしぶ承諾させました。

これにて私が今日からこの作品の作者になったのです。

「待て」

作者が何か言ってます。

「俺は頭で考えてこの作品を書いていたわけじゃない。
 信じられないだろうが聞いてくれ。
 この作品は呪われている。その呪いとは」

は? 私は自分の耳がおかしくなったのかと思いました。
作者からサイコロを渡されました。
そのサイコロを振ると、出た数字に応じて物語が
コロコロ変わるとのこと。

意味が分かりません。だってこれって普通の六面体?
のサイコロで数字が1から6まで降ってあるだけですよ。

「早く振れ」

偉そうに。私はもう一度作者のお尻を蹴ってから
サイコロを振ってみました。サイコロを振るなんて
小学6年の時、林間学校でやった人生ゲーム以来かな。

6が出ましたけど。

「良い数字だね」

なにが?

「サイコロの一番後ろの数字が、一番悪い運命が
 決まる展開なんだよ。堀太盛が復活するぞ」

「復活って? 病気が治るってこと?」

「そうだ。奴は突然知性を回復させ、
 妻と浮気中の賢人に激怒し、修羅場になる」

なに……それ? (;゚Д゚)

------------------------------------------------------
※ 三人称

  舞台は変わって学園本部。
  豪華な大塚家具が自慢の「ミウの小屋」である。

「ミウ……。これは、いったいどういうことなんだ?」

「こ、これは違うの。お願い。話を聞いて?」

翌朝。
ミウは賢人とベッドインした状態を太盛に見られてしまう。
隣に寝ている賢人は深い眠りについており、
太盛から放たれる矢のような鋭い視線に気づいていない。

「へぇー。お前って意外と浮気性だったんだな。
 学生の頃は太盛君、太盛君って俺のこと
 あんなに追いかけまわしていたくせに」

「だからこれは違うの!! せ、太盛君が
 いつまでも病気のままだから、ちょっと気分転換に
 男友達を家に招待したって言うか……」

「おいミウ」

「は、はい」

「つまらねえ言い訳してんじゃねえよ!!」

パシーーーン (>_<) ←ミウ

朝から平手打ちは効いた。

ミウは急変する事態についていけず、頭の中が
ごちゃごちゃしてボロボロと涙を流した。
まさか朝起きると太盛が元気になっているとは。
それに間が悪すぎる。賢人と不倫をし始めたタイミングで、
彼に現場を見られてしまうとは。

筆者は元モーニング娘のやぐ〇を思い出した。

「ミウ。お前には裏切られたよ。あんなに俺のことを
 愛してるって言ってたのは嘘だったのかよ!!」

「いやあああ!! 髪の毛引っ張らないで!!  
 そんなに強く引っ張ったら抜けちゃうよ!!」

「おまえにはたっぷりお仕置きしてあげないとな!!
 そこで寝ている男もだぞ。おいてめえ。
 いつまで俺の妻の隣でぐーすか寝てやがるんだ!!」

復帰したばかりの太盛は、相変わらず身長167センチの小柄だが
筋骨たくましくなっており、賢人を持ちあげて
8メートル遠くまで吹き飛ばしてやった。

(しかしよく考えたら12畳の部屋なので
 8メートルも距離がないことに気づいた)

「あがががが(;゚Д゚) いったい何が起きたんだ!!
 腰と背中を打ったΣ(゚Д゚)」

「ぶっころす!!」

太盛は、ジャッカルのように賢人に飛び掛かり、馬乗りになり、
彼の前歯が二本も折れるまで殴り続けるのだった。

「太盛君、お願い!! もうその辺で許してあげて!!」

「ああ?! 浮気相手が殴られてるのがそんなに悲しいのか?」

「そうじゃないの(>_<) お願い太盛君、ゆっくり話を
 きいてちょうだい。お願いだから怒りを鎮めてよ!!」

「おう。なら俺といますぐキスしろ」

「えΣ(゚Д゚)」

「できねえのか? だったらおまえとはこれで…」

ミウは、つま先立ちになって彼の頬にキスした。
すると今度は太盛の方が、おびえているミウの両手を握りながら
キスを返す。もう何年も忘れていた彼の感触を思い出した
ミウの体温が上がり、彼への情熱がにわかに高まってしまう。

「ミウ。君は俺の妻だ。そうだな?」
「はい。私は太盛君の妻です」

太盛はミウを愛おしそうに抱きながら続けた。

「さっきは髪の毛引っ張たりしてごめんな?
 痛かっただろ」

「ううん。もう全然大丈夫。だって私が全部悪いんだから。
 私が……私が……太盛君のことを信じて待ってあげられなかったから……
 うっ……うぐっ……うえええん。太盛くぅううん」

ミウはやっぱり自分の居場所は、彼の隣しかないのだと再確認した。
もう何が会っても彼のことを裏切ったりしない。そう誓ったのだった。

賢人⊂⌒~⊃。Д。)⊃ だ、誰か病院へ連れて行ってくれ……

数話前とすっかり立場が逆転した。
これは人生でも起こりうること。
まさに三日天下である。

--------------------------------------------------------------
※美雪ちゃんの達は、
不思議な水晶に映し出された上の茶番劇を観ていた。

美雪「なにこれ?(´・ω`・)」
瞳「賢人がボッコにされてるじゃない」
美雪「考え方によっては、お兄ちゃんがミウに振られたわけだから」
瞳「私たちにとっては得な展開になった……?」

美雪「良いこと思いついたんだけど」
瞳「なにを?」
美雪「私が今すぐお兄ちゃんを助けに行けばいいんだよ」
瞳「(;゚Д゚) へ?」

---------------------------
※ 美雪は学園へワープした。

太盛「うあああああ、いきなり何だ君は!!
   小屋は部外者立ち入り禁止なんだぞ!!」

美雪「あっ、ご夫婦のお邪魔はしませんからお構いなく。
   私は兄の賢人を引き取って速やかに帰りますので」

美雪は、手慣れた様子で賢人の顔中に付いた血をハンカチでぬぐう。
賢人の左手首は吹き飛ばされた時の衝撃でねんざしており、
少し動かすだけで「あぎゃあああ(>_<)」 と叫ぶのだった。

「あの堀太盛さん。すみませんが、湿布とかないですか?」

「シップ……?Σ(゚Д゚) 英語で船のことじゃないよな。
 あ、ああ。湿布なら救急箱の中に」

太盛は湿布を美雪に手渡した瞬間、電流のような衝撃が
体中を駆け巡ったのだった。

(この少女、何て美しさなんだ!!)

今日の美雪はコンタクトを外して眼鏡をかけていた。
メタルフレームのクラシックな眼鏡なのでいつも以上に
知性を感じさせた。ガゼルのような黒い瞳に長いまつ毛。

若くてモチモチした肌。長く伸びた茶髪を左にまとめて垂らしている。
少しふくよかだが、胸もお尻も出ていて女性らしさがある。
太盛はミウのような細身の女性より、ふくよかな女性がタイプだった。

兄を献身的に看病する姿が、太盛をより感動させた。
あのナイチンゲールを連想させるほどだ。

太盛は実は看護師フェチで、自分の娘のレナが
看護師になった時は影で興奮していた。


美雪 (;´・ω・) お兄ちゃん。今顔を拭いてあげるからね
賢人 ⊂⌒~⊃。Д。)⊃ すまん。世話をかける

太盛はこの思いをどう伝えたらいいか分からず、
思わず後ろから美雪に近づき、彼女の手を握ってしまった。

「ちょ、なにしてるんですか (; ・`д・´)」

「ちょっと君に伝えたいことがあるんだ」

「なんです?( ゚Д゚)」

「そんな兄貴のことは放っておけよ」

確かに太盛は賢人に一時的に妻を奪われてしまったのだから
賢人を恨むのは分かる。だが、美雪が看病している
傍らで、そんな奴を放っておけと言われて良い気持ちはしない。

(; ・`д・´)
堀さんの気持ちは分かります。本当にすぐ帰りますから、
少しの間だけ手当てさせてください

(;^ω^) あ、ごめん。君を怒らせるつもりはなかったんだ。
     お兄さんのことは好きなだけ看病してあげてくれ。
     ミウ。保健室から看護兵を呼んできてくれないか。

ミウは「はい。ただいま」と従順に従う。旦那にメロメロである。

太盛はミウが出て行ったのを横目で確認し、
美雪には見えない角度で賢人に手刀を食らわせた。

⊂⌒~⊃。Д。)⊃ ぐえー。バタン

Σ(゚Д゚) あれ? お兄ちゃんがとつぜん寝ちゃった
(*^▽^*) ちょっと眠くなったんじゃないのか。それりさ

―君ってかわいいよね。
―はい?

(*^▽^*) 髪型チョーかわいいし似合ってるよ。
     朝時間かけてパーマ掛けてるの?

(;・∀・) 私はデジタルパーマにしてるんですよ。
      朝は時間がないので10分でセットを済ませています。

(*^▽^*) へえ。そうなんだ。すごいね。
     君若いけど女子高生? 俺より年下だよね?

(;^ω^) 女子大生ですけど……

(*^▽^*) 女子大生だったんだ。どおりで綺麗なわけだ。
     年はいくつ?

(;゚Д゚) 21です……

(*^▽^*) 俺とそんなに年変わらないね(←えっ?)
     俺は27なんだよ。
     ところで君は彼氏とかいるの?

(; ・`д・´) か、彼氏……

美雪はちらっと⊂⌒~⊃。Д。)⊃←兄を見たが、
まさか初対面の人相手に兄と結婚するとは言いにくい。

(>_<)  彼氏はいません
(*^▽^*) それは良かった。ならさ

――良かったら俺と結婚してくれないか?

最初は何を言われたのか理解できず、15秒固まった。

(*^▽^*)良かったら、俺と結婚してくれないか?

二度も言われてしまい、聞き間違えでは済まされなくなった。

いったい、何が起きたのか。
美雪は兄を回収する目的でこの本部に来たのである。
このミウ専用の小屋は、本来なら高野夫婦が食事をしたり
夜愛し合うための部屋であり、渋谷兄妹は邪魔である。

その邪魔者のはずの自分に、何を思ったのか太盛は求婚してきた。
美雪は美少女?(大学生なら美女か?)なので見知らぬ男性に
ナンパされたことは一度や二度ではない。

それにしても太盛みたいなタイプの男は初めてだった。
付き合うのを通り越していきなり「結婚」
しかも初対面で。しかも太盛は学園の支配者の夫なのに。
いろいろとぶっ飛んでいる。

だから遠回しに断るしかなかった。

「堀さんってミウさんと結婚してますよね」

「あんな浮気性の女は、もうどうでもいい。
 俺には君さえいてくれれば十分だ」

もうだめだ。きっと何を言ってもこの人は聞き入れてくれない。
美雪はそう思ったので兄を連れて元の世界?(団地)に戻ろうと思ったが。

「しまった(;´・ω・) 戻るにはサイコロがないと」

実は元の世界に戻るには「例のサイコロ」が必要だった。
サイコロの目がまた6を出すと元に世界にワープできるのだ。

実はマキシスカートのポケットの中に入っていたのだが
美雪はそのことをすっかり忘れてしまっていた。
美雪は女子大生の割には30代っぽい服を好み、
白のマキシスカートに紺色の夏物カーディガンでコーデしていた。

これがまた困ったことに太盛の好みだったので
太盛は死んでも彼女を元の世界に戻すつもりなどなかった。

「なんだかよく分からないけど、君は別の世界から来たようだね。
 だったらなおさら今すぐ帰る必要はないよ。
 しばらく学園の見学も兼ねて僕と一緒に暮らそうじゃないか」

「あの、はっきり言っていいですか?」

(*^▽^*)ん?

(´・_・`) いやです。

あっさり振られた。当然だが。
太盛はショックで血を吐き倒れたが、すぐに起き上がった。

(^ω^)私はお兄ちゃん萌えなんですよ
(;゚Д゚) お兄ちゃん萌え?‥…? なんだそりゃ

美雪はちょっとピアノを借りますねと言い、ピアノを
引きながら兄への愛を語ろうと思った。だがこの小屋には
ピアノなんてなかった。古風なデザインの棚にジュニア用の
鍵盤ハーモニカがあった。美雪はそれを拝借し、
伴奏を初め、よく通るソプラノで歌を歌い始めた。

(=゚ω゚)ノ 私が~ 兄を~ 愛してるのは~~~ 理由がございます~

(∩´∀`;) な、なんだこの子は……。いきなりオペラの練習を始めたぞ

(=゚ω゚)ノ 小さい頃から~両親は~~共働きで帰りは夜の11時~~
     兄と2人で家事を分担し~~買い物や料理も~~~

美雪は18分もの間歌い続けた。鍵盤ハーモニカは口に付けて吹くので
歌の間は、演奏を中断させている。歌と伴奏を交互に繰り出すので
相当な腕前である。シューベルトの魔王をイメージした見事な
即興曲だったので、太盛は途中からスマホで彼女の美しい歌声を録音しておいた。
あとでパソコンで編集して夜のおかずに使うつもりだった。

(´ー`) なるほど。
     両親がエリート過ぎて兄妹(けいまい)の絆が深まったというわけだね。

( `ー´)ノ ですから~~あなた様と~~結婚はおろか~~~
       お付き合いすることすら~~~かないませ~~ん

太盛は完膚なきまでに振られたに等しい。だが諦められない。
一人っ子の太盛は以前から妹に憧れていたこともあり、
美雪が欲しくてたまらなくなったのと同時に、兄の賢人に嫉妬する。

すでに美雪の心は賢人でいっぱいだ。渋谷兄妹は真剣に愛し合っている。
賢人が美雪を振ったように、太盛も美雪に振られる運命なのだ。

(*^▽^*) 美雪ちゃん。やっぱり俺と結婚してくれ

( ゚Д゚)ハァ? あの、失礼ですけど、耳ついてますよね?
       さっき録音していた私のオペラを再生してみてくださいよ

(;一_一) 君はお兄さんと結婚するのは無理だ。
      君のお兄さんをみてごらんよ

(´・ω`・)エッ?

さっきまで⊂⌒~⊃。Д。)⊃この状態だった最愛の兄はいなくなっていた。
代わりにいつからいたのか、一匹の『ヘラジカ』がそこにいた。
でかい。体長が3.1メートルもあり、小屋を圧迫している。

太盛は、賢人はヘラジカに変身したと説明した。
実は太盛は病気から復帰してから魔法が使えるようになったのだ。

ここにいる太盛は、本物の太盛ではなかった。「ジン」である。
かつてクルアーン(コーラン)が伝わる前のアラビア半島で
古く言い伝えられていたジン。
コーランでもジンの存在は認められている。

煙の出ない炎の中から生まれた異端者。土くれから創造された
アーダム(アダム)とは根本が違い、悪霊の一種とされている。

ジンを階級別に表すとアラビア語で
マリード、イフリート、シャイターン(サタン)、ジン、ジャーンがある。
訳すと魔霊,鬼神,悪魔,妖霊,悪霊。太盛の場合はイフリートだった。

太盛・イフリートは人を動物の姿に変えることが得意なのである。
美雪の肩をポンと叩き、
兄を元の姿に戻してほしかったら自分と結婚しろと迫った。

(お兄ちゃんが、ヘラジカになった……?)

兄の姿は確かに消えているが、いきなり変身したと言われても納得できない。

美雪が見てない間に誰かが連れ去ったか、にしても
ヘラジカが小屋に入ってくるのをスルーするほどボケてない。
やはり兄はヘラジカになってしまったのか。

「お兄ちゃん」
「ひひーん」

ちゃんと返事をした。ヘラジカのつぶらな瞳は、確かに美雪を見ている。
愛おしそうに美雪に頬ずりまでしている。さらにありがたいことに
ヘラジカの首からネームプレートが下げられていて、渋谷賢人・ヘラジカと書かれている。


そもそもヘラジカとは何か。
筆者は適当に小説を書いているだけで実物を見たことがない。
辞書で調べてみよう。

wiki
ヘラジカ(箆鹿、Alces alces)は、哺乳綱偶蹄目シカ科ヘラジカ属に分類されるシカ。
本種のみでヘラジカ属を形成する。別名オオジカ。

ピクシブ百科事典
シカの一種。トナカイではない。
偶蹄目シカ科に分類される哺乳類の一種。
漢字表記は「箆鹿」。巨大な角をヘラに見立てての命名。
原住民による名前は「木を喰う者」の意味を持つ。

「ふざけないで!!」

美雪は切れた。
今すぐ兄を元に戻せと、大塚家具の8万もする椅子を持って
暴れ始めた。太盛・イフリートは顔を強打しても平然としている。

美雪は不良学生のように小屋中のガラスを割って回った。
驚いた護衛たちが外から駆けこんでくるが、イフリートがそれを制した。

「太盛君、これは何の騒ぎなの!!」妻がやって来た。
「パパが誰かと遊んでるのかな?」ジュニアも一緒である。

太盛は、ママに抱っこされているジュニアの髪を撫でたあと、こう言った。

「ミウ。突然だが俺と別れてくれ」

「は……。別れる!?」

「紹介するよ。俺の新しい奥さんの渋谷美雪さんだ」

ミウは早く冗談だと言って欲しかったが、太盛は馴れ馴れしくも
美雪の肩を抱き寄せ、頬にキスまでした。美雪は兄がトナカイ?に
イメチェンしたショックで対応する余裕がない。

(;゚Д゚) せまる……く……ん? なにを……いってる……の…?

(^○^) パパがよその女の人と浮気してるー 浮気だ浮気だー

太盛は、ショックで震えているミウの頬をつねったが、
反応はない。美雪も同様だ。ジュニアだけが元気だった。

「そろそろ第三シーズンに入ろうか」太盛は第二部の終了を告げた。

令和10年 兄妹の物語 第二シーズン

令和10年 兄妹の物語 第二シーズン

「令和10年。財政破綻と強制労働と若い兄妹の絆の物語」の続き (パート2) 単純に前作が長く続きすぎたので新しく書いただけである。 特に意味はないのだが。 令和10年は自民党の一党独裁が続き、物価の変動なしに消費税率34%。 埼玉県の最低賃金は170円まで減少。お金のない労働者たちは 平均で2000万円の借金をするか、近所のスーパーを襲撃するなどして 生計を立てている、この世の地獄である。

  • 小説
  • 長編
  • 恋愛
  • サスペンス
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2019-06-22

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted