memories

私は、もうこの地球上にいないような気がします。


そう書き込まれたコメント

わたしがなぜ彼女の頭の上に醤油瓶があるかについて コメントしている間、

誰もが本当に気が滅入るようなコメントを書いてる


忘れたい記憶が、ある。

みんなにあるだろうそんなもの

だけど 忘れたいことはなかなか忘れられない

記憶は刻み込まれるばかり

そうやってわたしたちの心は ずたぼろに廃れていくのね


ピンクの制服も 彼の綺麗なその目も

わたしの人生においては最悪なんだよ


人生は自分のものだ。とか誰かが言っていたけれど

そうはならないことだってあるのよ、と言ってやりたい

声を大にしてね

自分自身の選択が正解であるとは限らないだろうし

人や流行の波に飲まれて 自分自身をなくしてしまうことだって

あるでしょうにね


わたしが彼に

「すぐにここへ戻ってきちょうだい」

と言ったら、彼は

「僕の居場所はもともとここにはないよ」

と、吐き捨てるように言いました

わたしは悲しみと怒りの渦に巻かれて

身体が溶けてしまいそうだった

なんでどうしての繰り返し

置いていかれた彼のライター

次会ったら、あの火で彼を燃やしてしまいわ

彼はそのままわたしの前に現れることはなかったのだけど、


話なんて繋がらないものだと思うし

繋がってほしくもない

だから、急に突飛もない話をしても

許して欲しいのよ


わたしにはたくさんの個性があります

だからこそ わたしはどれが本当の私なのかが分からない

それを使い分けることで なんとか上手く生きてきたのに


彼の前でのわたしはとても嫌いだった

自分でも本当のわたしなんて分からないけれど

これだけは断言できるのですよ

あれはわたしのあるべき姿ではなかったって


だから仕方なく吹っ切れてやるの

彼がもう一度、わたしの前に現れて

また調子をこいておかしな冗談を言ったとしても

わたしは絶対に 彼のライターで彼を燃やし

警察のお世話さんになることはしない

絶対にね、



わたしの人生はわたし自身のものではないかもしれない


だけど


わたしの人生において


感動的でロマンチックな長いラブストーリーはいらない。

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更新日
登録日
2019-04-03

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