【まいにながされ】
海を魅ゐ射出す舞に流され
どんなにか翔くとも。
山紫水明欲するのは空が近いから
高みから俯瞰する自らを下る。
慎重に降りれば良いのに、
安堵でしょうか
やはり孕んで征く赤い糸
内に孵るだけと
桃源郷に転落す。終い閉じた籠に
覆い被さる芥、胎動する思慕
生み堕されるのも いつか亡く成るもの
羽纏いては惑い空に奔る曇りに
底に仕舞があること。
風光明媚な欠片を旋回する後塵は
ないものを知っているのですから
私達は元から何もありませんでした。
唯、輪廻の鎖に繋がれているだけなのです
ですから人は、苦労を厭わず
彼方に手をかけ、瞳を閉じれるのでしょう
【まいにながされ】