【まいにながされ】

【まいにながされ】

海を魅ゐ射出す舞に流され
どんなにか翔くとも。
山紫水明欲するのは空が近いから

高みから俯瞰する自らを下る。
慎重に降りれば良いのに、
安堵でしょうか
やはり孕んで征く赤い糸
内に孵るだけと

桃源郷に転落す。終い閉じた籠に
覆い被さる芥、胎動する思慕

生み堕されるのも いつか亡く成るもの

羽纏いては惑い空に奔る曇りに
底に仕舞があること。
風光明媚な欠片を旋回する後塵は
ないものを知っているのですから

私達は元から何もありませんでした。
唯、輪廻の鎖に繋がれているだけなのです
ですから人は、苦労を厭わず
彼方に手をかけ、瞳を閉じれるのでしょう

【まいにながされ】

【まいにながされ】

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-04-02

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