【洛容】

【洛容】

冥土見下げた子の月に
十六夜の希望を遷しゐ抱いては、
ふらりふらしづくしぬれまして

出逢うこともないでしょうか
せめては解かれること祈るのです

あゝ 叶うのことならひとめだけ

酔いに雫が堕ちました。涙だとは思います
幾許か奏して吹かれて
ほたりほたりとそよいでおります

瞼を震わせ月は冷たく照らし
こそり六文 わたしくだされて。
こんな遇われな私にも洛と翳が添いました。

みなひとしくひとしづくおちてはすくわれ
冥土見下げた子の月に
十六夜の希望を遷しゐ抱いては、
ふらりふらしづくしぬれまして

包がない手はようやと。
辿りて撞きた気がしましょう。
いとしもの ここにおります
越え亡き寝入ろ葉擦れ着きて
満ち解き得る死あと少し乞え照り眩しく

傍すら苦痛に感じる。
けれどこの腕では祈ることすらできやしない
屹度一生 纏わり燻り続け 月て狂えよ

もう聲すら出でず、あゝ 去り逝きましょう
沈むことも浮かぶこともない、只の廃になる

私の明かりが途絶えた跡 
この馨は残るでしょうか

【洛容】

【洛容】

こんな遇われな私にも洛と翳が添いました。

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-03-26

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