【睡郷すいきょう】
日が昇る姿にどれだけの価値を見出すか。
あゝ 誰かが、
ごねる風に囁いたのだろうか?
解かれて程枯れて往く死におねんね
いつかなんであろうと着くトコに。
キミが勝手に創った爪楊枝の鳥籠は
融きに溺れ、難癖付けて
滔々 灯を飼って。
おねんねの最中に厭にまじまじと
鮮やかに具現化されまして、
私を讃えるように美しく囀るのです
唄は奏して髪を靡かせて 燃え滓に。
遷り替わる時 蹴り堕ち転がして
運悪く死んだ仄か柔らかいトコで
知の罅は赤黒く染まり
偽りないモノを得る。
道は作られて、
繋がれた燦燦と照れる秘に
何が埋まれるだろうか。
ふんわりと高みを描く
ことり 加護の中
期待になることなく。底に残る。
そっと開くのを、その掌は心待ちに、
対岸には海が満ちては惹いて
あゝ 溢れて流るる、涙は。
塩気で糞不味い日々は、
因れた四面に培われて、その平を濡らし
おかえりなさい、と。
小さな柩は揺蕩わせた瞼に
虹彩の瞬きを より 拝として逢わせる。
【睡郷すいきょう】