vivet

メメント.モリ

いつか必ず死ぬことを忘れるな。


私たちに生きている理由なんてものは存在しない

生きるために生きて、ただ死んでいくだけ

そこにとりとめもない理由をつけて

毎日与えられた寿命をこなして

消費しながら

着実に死に近づきながら

生きている


生まれた時から死ぬことをわかっていた

君にあって私にないもの

夢を思うことで感じる不甲斐なさとか

人を想うことで生じる孤独感とか

光があるからこそ

見たくないものも見えてしまう


私たちに本当の意味での名前などない

いつか消えてなくなるものに

名前なんて必要ない と


不死の身体になりたいと思った

でもやっぱりやめた

永遠に生き続けることの怖さを

流れ行く時代の無常観に耐えなければならないことを

私は感じ取ってしまったのだ


生きていたい人がいれば死にたい人もいるのだろう

私はそのどちらにも共感できないのだけれど

どうにでもすればいいのだと思う

どうせ誰だって死んでしまうし

どれだけ医療が進歩したって

私たちの心はそれに追いついていけない

誰かを殺め、苦しめ合い

争うんだね

いつか死ぬというのに

本当に阿呆のようで

おかしくってたまらなかった


命あること誇るべし

生きてるだけで素晴らしい

今 生存する全ての人を

褒め称えるような言葉がたくさんあるけど

やはり人間なんてものは

生きてるか死んでるかの二択だし

たまたま生きてる私たちは

たまたま明日死ぬかもしれない

何でもかんでも偶然で

奇跡なんてものありはしない


私たちはなにも すごくなんてない

全ての意味が命になるようにしたいだけ

いつか訪れる死に

少しばかり怯えているだけ




vivet

そうだよ

君さえいなければ

vivet

vivet

  • 自由詩
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-03-03

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