オモチャだった。守りのヒトは。
この世界には、交じってはいけない人間と、そうでない人間がいる。引力に引き込まれて、さほりは、異界の皇子とであった。その皇子は、ずっと、守護する、といったが。
さほり、、、。
さほり。いるか。いるかあ。
なんですか。アルスさん。
さほり。こっちへこいよ。
な、なんですか。
アルスは、わたしを抱き締めて、わたしの唇を吸った。
アルスは、さほ。な。さほ。
といって、赤ちゃんみたいに。
あ。
れ。
ここ。ちょっと違う。
引力が弱い。
ふっと。上から声が聞こえた。
もう。悲しい。
アルスに失恋した。
そして、1カ月後。
アルスとわたしとで、戦場へ行く。
戦場は、もののけとの戦いだ。
アルスは、アルスだけの引力に住んでいる。
わたしは、わたしの引力に住んでいる。
アルスには、関係ないんだ、
アルス、あなたは、気づいてないの?
わたし、こわいよ。
アルスは、おもちゃね。
恋人の、オモチャ。
もう、いいよ。
さようなら。
オモチャだった。守りのヒトは。
人間ではない、皇子アルスは、さほりに未練を残す。そして、さほりはもう一度、引力に引き込まれて、ようやく、異界から帰還する。あ。ここがはじまりの日だ。