オモチャだった。守りのヒトは。

 この世界には、交じってはいけない人間と、そうでない人間がいる。引力に引き込まれて、さほりは、異界の皇子とであった。その皇子は、ずっと、守護する、といったが。

さほり、、、。

さほり。いるか。いるかあ。

なんですか。アルスさん。

さほり。こっちへこいよ。

な、なんですか。

アルスは、わたしを抱き締めて、わたしの唇を吸った。

アルスは、さほ。な。さほ。

といって、赤ちゃんみたいに。

あ。

れ。


ここ。ちょっと違う。


引力が弱い。

ふっと。上から声が聞こえた。

もう。悲しい。

アルスに失恋した。

そして、1カ月後。


アルスとわたしとで、戦場へ行く。


戦場は、もののけとの戦いだ。


アルスは、アルスだけの引力に住んでいる。


わたしは、わたしの引力に住んでいる。


アルスには、関係ないんだ、


アルス、あなたは、気づいてないの?


わたし、こわいよ。


アルスは、おもちゃね。


恋人の、オモチャ。

もう、いいよ。

さようなら。

オモチャだった。守りのヒトは。

 人間ではない、皇子アルスは、さほりに未練を残す。そして、さほりはもう一度、引力に引き込まれて、ようやく、異界から帰還する。あ。ここがはじまりの日だ。

オモチャだった。守りのヒトは。

さほり、俺は、ずっと、お前と甘えていたいよ。なんで、俺のことを消す!?アルスは言った。

  • 自由詩
  • 掌編
  • 恋愛
  • 青年向け
更新日
登録日
2018-12-24

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