あなたの腕の中
甘えることを、覚えました。
やっと。あなたの隣でもう何年過ごしているのか。
小さな小さなSOSにあなたは気付いてくれるらしい。
2人ごろりと転がるベッド。
おいで と彼が言う。
少しだけ意地を張る私は背中を向けて彼にくっつく。
背中越しに抱きしめられて、安心を錯覚しそうになる。
手と手を絡ませて。
ごめんね。と言葉がこぼれた。
小さな声で。
あなたの寝息が聞こえるまであなたにすっぽり抱きしめられて。
そっとあなたの腕から抜け出す。
抜け出したことに気付かないあなたに安心する。
そして私は煙草を手にキッチンへ。
これこそが、甘えなのだ。
帰る場所を知ってしまった。
煙草を灰にしたら私は彼の腕の中へと帰る。
夢に落ちているあなたの腕を
私に巻きつけて。それからやっと私は眠りにつくのです。
あなたの腕の中
ツイッターでのお題募集にて
桜香ちゃん@tohka_uktn より頂いたお題。