深夜の一服に思うこと

深夜の一服に思うこと


慌ただしい日常に、一服の涼。


シャワーだけで済ませてしまった風呂上り。
夏が終わるというのに今夜も熱帯夜だ。
冷蔵庫から缶ビールを取り出してプルタブを開ける。
プシュという涼の音。缶のまま喉を潤す。
缶を片手に換気扇の下で煙草に火をつける。

あぁ、今日もきっと何かを失った。

壊れるように生きているのだから不思議はない。
ただ一つ問題なのは、私が何も思い出せないということだ。


今日出会った人 人 人。
誰のことも思い出せない。のっぺらぼうのような顔。

缶ビールを飲み干す。明日を生きるために。
一服の涼。
これのために生きているのかもしれないなんて
ぼんやり思いながら夜が深まってゆく。

深夜の一服に思うこと

ツイッターのお題募集にて 
やしまさん@HAL9000_Markllより頂いたお題。  

深夜の一服に思うこと

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-09-04

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