夏は少女の生きた証

「君」といって 思い浮かぶのは一体誰だろう

夕立の後に綺麗な虹を見たら 誰に一番に教えたくなるだろう

とても大きな入道雲を写真に撮った時 誰に見せたくなるだろう


きっと その人は あなたにとって 最も大切な人


それが誰であれ________________



朝 それは目覚ましい

ぼくにとっては 1日で1番好きな時間だ

全てのものが輝いて見えて

やる気もみなぎって

美味しい朝食を食べて

きらきらが溢れる 最も美しい時間



蝉の声が五月蝿くて

耳を塞いだのなら

きっと 君には大きな入道雲をあげよう

美味しくて ふわふわで

誰もがこぞって欲しがるような


いいや そんなことはない

僕らはあまりに現実的に生きているのだから

僕らはいつだって世間体を気にし

常に誰かに見られていることを意識しているのだ

そういうものだ

大人とはそうあるべきだった

だから 僕らはそうやって生きてきたんだ


入道雲は食べられないし 雲の上に乗ることもできない

いつかの夏 悟ったよね

夢を見続けることは無理なこと

そう 察したよね

察すること つまりは大人になることなのでは

真っ白な状態から色がつけられて

染められて

いつしかこの国が欲しがるような

イチニンマエ人間ができてしまうんだ

思想の自由 そんなものは形だけだった

理解を得ようとすれば 踏み殺され

感動を得ようとすれば 笑われた

大人になるというのは そういうことだ

理解を得ることは 酷だ

失敗とは笑われることだ

そう 察して



理解されるって恐ろしい

ぼくはふとこう思ってしまったんだ

ぼくは 想像以上に 何をやっても 何を喋っても

他人から理解されることなんてなかったし

きっとそれはこれからもないと思う

でもだからこそ

誰からもぼくを ぼくの存在を理解されないからこそ

ぼくは自由に自分らしく生きることができる

理解とは 本当に恐ろしいことだ



そう考えていたら 1日のうちの朝が終わった

こんな窮屈で退屈なことで朝を終えるなんて

ため息をついたら

ぼくは昼に入る準備をした

昨日読み忘れた夜を

今日は読もう

Live for today !

その本にはこう書いてあった

「今日を生きよう」

君がこの言葉を聞いたら なんて言うだろうか

夏は少女の生きた証

夏は少女の生きた証

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-07-22

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