笑窪
全然知らない人のことを 悪く言うのは
あんまり好きじゃない
それでも世間的に 自分を守るために
思ってもないようなことを言わなきゃいけないのは 本当のこと
自分を決して曲げられないような
かっこいい人になれたらいいのだけど
そう思って 今日も嘘を吐き続ける
檸檬みたいな味がして
悲しくなってきて
ああ こんなにもちっぽけだったかしら
知らないうちに涙が溢れている
そういうときは笑うんだって
無理にでも笑うんだって
いろんな人に教わってきた
だから 目を瞑って笑ってやる
だけど悲しさなんて薄れなくて
ちょっぴり 表面上楽になった って感じ
電話が鳴ったから 涙を拭って
ベルを取ったんだ
あいつだ
__もしもし?
___ちょっと聞いてよ!あの人がまたさ…
まただよ これ
なんども同じような話
それも人の愚痴ばっかり
もっと夢のある話をしようとは思わないの?
でも こういうことを言う人は自分が嫌な奴になっていっていること
気づいてないんだろうな
かわいそうに
やっと終わったと思ったら 今度は自分なの
自分が嫌になって
また涙よ
本当にきらいだわ
笑窪