くま

新聞紙に並んだ活字が

わたしを襲ってくるように

わたしは今日も お昼になっても

起きられないままでいる

心臓がくさい

勇気はもうとっくの昔に腐ってしまったみたいだ

使い道なんてもうないけれど

ベタベタと湿った髪の毛も

もう何日着ているかわからないような服も

全部が嫌で

死にたくなるような虚無感で

空っぽなのに何か空っぽ以外が

こう、ぐるって

わたしに巻き付いて離れないんだ

だからわたしの中で 綺麗なとこなんて

どこにもない

きっとそのせいなんだ

現実逃避なんて 簡単なものじゃない

わたしに現実はない

わたしは多分虚像

触れられないようだ

くま

くま

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-03-06

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