あの真夏

君を初めて お店で見つけた時のこと

まだ僕は覚えているよ

とてもかわいくて かわいくて

ほしいって思ったけど

生き物は別れが来た時に悲しいからって反対されたんだよ

だけど僕はどうしても欲しかったから

お母さんにすごくお願いしたんだ

そしたら お母さんは真剣な顔で

ちゃんとあんたが育てるんだよって

すごく嬉しかったな

それから君は僕のとなりをいつもとって

僕よりも僕のことを知ってたんじゃないのかな

君は僕の一番の友達だった 家族だった

何よりも大切だった

ああ それは今もそうか

君は僕のとなりにはいなくなってしまったけど

なんでかな

また帰って来てくれるような そんな気がしているんだよ

不思議だよね

君のおかげでたくさんのことを知れた

生活が少し彩った

それが日常に変わった頃

君は病気にかかったんだけど

僕はその頃毎晩泣いてて

君に気づかれちゃってたかも知れないけど

すごくすごく悲しかったんだよ

こんな日が来ることをわかっていたはずなのに

そうだよ

僕はすごくさみしい 悲しい

苦しくて死んでしまいそう

君は僕と生きてて しあわせだったかな

僕はしあわせだった 数少ない癒しを与えてくれた

君は 僕と生きててよかったのかな

君のことを考えても 後悔が募るばかりなので

君のことを考えないことにしたよ

代わりに 君のお墓をたてた

君を忘れないように

君という一番の相棒を 

ずっと心に秘めておくために

君をこれからも忘れないよ

あの日のことも

絶対に

愛してたよ

愛してるよ

あの真夏

あの真夏

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-02-18

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