おかあさん

私はおかあさんになった

あなたを産んで 育てるんだって

とても幸せだった

大変なことだらけだけど とても幸せで 充実で

でも 誰も私を褒めてはくれなかった

私はおかあさんだから 家事をするのが 子育てするのが

全部当たり前なんだって

全部当たり前なんだよ

私は 会社でも働いている

だけど あなたが熱を出して休んだ時

周りの人に ひどいことを言われた

今休んだら迷惑なんだけど 気持ちはわかるけどさ

なんて 心無いよね

世間は 子供を増やそう増やそう って言ってるのに

私たちおかあさんが 子供を産みにくい 育てにくい社会にしてどうするの

家でだって 私の愛する人は何も考えてなんかないの

帰ってきたら 一言 ご飯先食べるから って

そのあとお風呂に入って もう寝てしまうの

やっぱり私は褒めてくれない

当たり前だって

私がおかしいのかな 見返りを求めちゃダメなのかな


だけど やっぱり幸せなのには変わりなくって

産む前は あなたを本当に愛せるか不安だったのにね

今じゃ もうすっかり あなたがいなきゃダメみたいよ

でもこれから先 あなたは私がお母さんであるために

いろいろいやな言葉をかけられるかもしれない

その時は そっとそっと 自分を褒めてあげてね

おかあさんみたいになっちゃダメなのよ

そっと 優しく 自分をなでるようにね

誰かを褒める時もそう

赤ちゃんを抱っこするみたいに 優しく

あなたにはそういう人になって欲しいの

私おかあさんだから ちゃんとしなきゃね

私おかあさんだけど 褒めて欲しいのよ

おかあさん

おかあさん

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-02-04

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