白い月

白い月

凍りつく全て

ふと 見上げた

月は白くて

ひどく 孤独に見えた


ため息は白い冷たさに変わって
寂しさに慣れてしまった心が
今日も 少しだけ 音をたてて軋んだ



ただ 歩いてゆくだけ

こうして

歩き続けてゆくだけ



道の色が変わろうとも

風の音が変わろうとも

夜の色は いつも同じ



夢と嘘の香りを纏って
わたしが わたしを失くしても


どこまでも歩いて

夜の街を歩いて



立ち止まるな

サビシイ?

息が止まる


考えるな


―サビシイ


息が

止まる



柔らかな優しさなんて
刺し貫くような
あの白い月に焦がれる


孤独を連れて どこまでも

ただ通り過ぎる 夜の街

白い月

白い月

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2018-01-29

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