ふせん付きの命
ぼくたちは皆 バランスをとって生きているらしい
そのバランスが少しでも崩れたら 生きることが悲しくなって
生きることをやめたくなるらしい
だけど バランスの定義は 人によってちがう
例えば
好きと嫌いでバランスをとる人
やりたいとやりたくないでバランスをとる人
生きると死ぬでバランスをとる人だっている
こんな時に ぼくはまた 夢想するのだ
ああ ふせんのついた教科書のような人生だったらな
そんな人生だったらいいのにな
そうだ ふせんのついた人生なら
未来のことも過去のこともすぐにわかるんだ
こんなに素晴らしいことはないな
人生のなかで重要なポイントは全てふせんに書いてあるんだ
筋書き通りの完全が保証された人生
こんなに完璧なものはないだろう
調和と効率的な生活 考えただけでも
心が踊るようだ
そんなのおもしろくない と
声を上げるのは 狂人が勇者だけだ
浪漫に溢れた人は ここでは必要ないのだ
全ては完璧を求めるためのバランス
そう思っては いても
あんまり可哀想で笑えてくるな
完璧は素晴らしいのだ
ぼくは完璧を求めている
ふせん付きの命