命を弾いている
心臓と 命って 何が違うんだろう
齢5歳の私は いつも そんなことばかり考えていた
私として この世に生まれてしまい
3歳にして この世界の窮屈さを知り
5歳にして 自分を殺して生きることを決断した
「私は通常の人間とはかけ離れている」そう自分に言い聞かせて
今日も そんな退屈を並べながら
あの場所へと 足を運ぶ
その場所は 私ができる限り自然体でいられる場所だった
多くの人間がいるのにもかかわらず
私は生きることを楽しいと思える
そんなことを思えるのは 思えてしまうのは
全部彼女のせいだ
私より 少し年上の女の子だった
まぁ 当然のように私より知能レベルは低い
けれど 彼女は私に持っていないものを持っていた
彼女は
「こんな窮屈で退屈な世の中だし、がんばんなきゃいけない世の中で
毎日同じことを繰り返してるだけだけど、私といるときくらいは。
私といるときくらいは、楽しそうにしなさいよ。」
って はにかみながら
こんな人間は初めてだった
新鮮できらきらした何かが見えた
私が人間らしくいられる場所
それが彼女のとなり
命を弾いている