空に落ちた涙

夢が彩る花畑の中で
僕は幼子となり歌を口ずさむ
果てしなく広がる花の一面を
僕は狂人のように笑い駆け回る

ふと母の姿を思い浮かべて
一輪の花を手に摘んだ
僕は愛する人を頭に思い浮かべて
鮮やかな花弁に嗅覚で接吻をする

儚い夢の幻よ
僕の手を装飾する花は
香りを全く漂わせずにいた

握り拳からは砂が流れて落ちた
さらさらと消える憧憬の地よ
僕は無限の砂粒の上で激しく泣いた

空に落ちた涙

空に落ちた涙

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  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-11-02

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