猫の髭

猫の髭が下を向いている
僕が柔らかな顎を撫でてやれば
小さな顔がゆっくりと動いて
猫の髭は少し上を向いた

もし君が猫の髭ならば
君の心が沈む悲しい夜に
僕は柔らかな首に手を当てて
ゆっくりと擦り続けるだろう

床に着いてしまいそうな猫の髭が
いつの間にか僕の胸を向いていた
グググと喉から音を鳴らして

もし僕が猫の髭ならば
僕が俯き涙を流しているとき
君に優しく肌を擦って欲しい

猫の髭

猫の髭

最近、動悸が激しいことが悩みですが、そんな日は猫の髭を見るようにしています。

  • 韻文詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-09-30

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted