僕を待ってるんだよ
蕾を小さく咲かせた夢が
僕を静かに待っていた
うっすらと見えた
あったかい
とてつもなく悲しい夢
誰かが落とした愛を拾い上げて
磨いて 新しい愛にする
音に愛を詰め込んで
僕は夢を迎えにいった
もうそろそろ
たどり着く頃かな
そう思った時には まだ
夢に何光年と離れていて
まだかな
遠すぎるな
途中で何度も
休みたいと思った
でもあの日見た花を
思い出して
あの花みたいになりたくて
蕾は夢を抱いた
それは決して花を咲かすことのできない蕾
それでも花は咲いた
とても長い時間をかけて
とても深い愛と
とても美しい音
儚くて簡単に壊れてしまうような
そんな花だから
そんな特別な花だから
大事に育てなきゃ
「私の特別が大切に育てられますように」
そう花は祈った
その花はいつしか
蝶となり
空となり
太陽となり
銀河の星となった
蕾から花を咲かせた”それ”は、必ず消えてしまう
僕は夢を追いかけて 花を咲かせてしまった
僕を待ってるんだよ