君になりたかった

君になりたかった

もしも 僕に 君と同じものがあって

それが 生きていたとして

僕は 君と同じ道を歩けたのかな

君にはあって 僕にはないもの

そんなものは たくさん とても たくさん

僕にはあって 君にはないもの

それは どうやっても 見つからないんだよ

どうしてかな 君と僕は 始まりが違っていたのかな

どうしてかな 誰も 僕の言葉に 耳を向けようとしないんだ

どうしてかな 広くて青かった空が 狭くて黒くなったのは

やっぱり 僕は 君になれない

それは 努力とかじゃなくて 

きっと 僕にその能力が ないから

君が あまりにも 優秀すぎたのか

僕が あまりにも 無能すぎたのか

そんなのどっちでもいいや

そう言って 笑う僕に 君はこう言うんだ


僕は まだまだ 君には 及ばない

だって 君は 自分のことも 僕のことも 世界のことすらも 

すべて 見透かしているような人だからね

君が 僕よりも 劣っているというのなら それは

大きな 間違いだ

だって 君は 完璧なんだから!


完璧だって?

笑わせないでくれ

やっぱり 僕は


君になりたい

君になりたかった

君になりたかった

  • 自由詩
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-07-18

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