1DK
ため息を1つ吐いて
仕方なく
ベッドから降りる
裸足で立つフローリング
目眩がして
ああ もう朝を見失った
梅雨雲り
薄暗い部屋
君はもう 出かけていた
転がっている靴下は
昨日の洗濯物
不安に襲われて
君の残骸を探す
まだ封を切ってない
煙草の箱見つけて
少しだけ 落ち着く
換気扇を回して
君の煙草に火をつける
一口だけ吸って
灰皿にほったらかす
ひどく喉が渇いている
冷蔵庫にはなにもなくて
水道の蛇口をひねって
手ですくってみるけど
もう渇きは
どうでもよくなっていて
なんとなく 手を洗う
手を 洗う
私の手がきれいになれば
君が今すぐにでも
帰ってきてくれるんじゃないかしら
なんて 空想 妄想
そこまで壊れてはいないから
手洗いはすぐに終わって
君の煙草はまだ 燃えている
さあ ほら ひとりぼっちだ
ねえ ほら ひとりぼっちだ
私は意味を見失う
2つ並んだマグカップ
君のシャツと私のパーカーが
1つの籠に投げ込まれている
私は意味を見失う
ねえ
ひとりぼっちだ
眠らなきゃ
眠らなきゃ
眠らなきゃ
君が帰ってくるまで
意味を思い出せるまで
教えてくれるために
きっと君が帰ってくるのだから
水道水で飲み込む
私のお守りたち
目眩がして
倒れ込むベッド
君の匂いにしがみつく
煙草の匂い
換気扇の音
梅雨雲り
ほら また 朝を見失った
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