kiss
描いたイラストに、文章をつけていく感じ。
短編集、と、言った方がいい感じがしてきました。
「ん………!」
チュ、チュ、と、音を立てて、吸われ続ける唇。
シュバルツは、衣服を取り払われ、産まれたままの姿にさせられて、両の手首をシャツで拘束されていた。
龍の忍者も、服を脱ぎ捨て、シュバルツに迫ってくる。
「俺から逃げようとするのは、許さない……!」
「違……! 逃げようとしたわけでは………あっ!」
少し不機嫌なハヤブサに、深く唇を奪われて────今に至る。
「く…………ん…………」
深く、長すぎるキス。
シュバルツは、酸素を求めて、無意識のうちにハヤブサを振りほどく。
だがそれを、ハヤブサが赦すはずも無く。
再び唇を、強引に奪われてしまっていた。
「んぅ…………!」
キスをしながらハヤブサは、シュバルツの胸の頂に、指を這わせる。
「んうっ!?」
敏感なところを弄られるから、シュバルツは咄嗟に身を引こうとした。しかし、ハヤブサがそれを許してくれない。腰を深く抱き込まれ、更に引き寄せられる。
そしてそのまま、シュバルツの胸を、良いように弄ぶ、ハヤブサの、指。
「ん………ッ! んんっ!! んぅ……!」
その刺激から逃れようと、シュバルツが必死に身を捩れば捩るほど、ハヤブサの愛撫は、助長されていくばかりで。
「んふ……! ん………!」
「シュバルツ………」
わずかな愛撫で、こんなにも乱れてくれる、愛おしいヒト。
もっともっと────彼を乱れさせたくて、腰を抱き込んでいた手を、彼自身へと這わせていった。
「あっ!!」
一番の性感帯に触れられた彼が、ビクッと跳ねる。
シュバルツ自身はすっかり勃ち上がり、その先端から、止めどなく愛液を溢れさせていた。ハヤブサの指がそこに擦れるたび、クチュッ、クチュッ、と、濡れた淫靡な水音が、部屋に響き渡っていた。
「ああ……! ああ……! 止め……て……ッ!」
(自分で腰を動かしてしまっているのに、どうしてこのヒトは、こんな事を言うのだろう)
ハヤブサは、常々疑問に思う。
自分は、手をそこにあてがっているだけ。それに、積極的に自身を擦りつけてしまっているのは、むしろシュバルツの方だ。
羞恥故に、頬は紅に染まり、恥じらっているのに、身体は素直に快感に溺れ、求めてくる淫らなヒト。
最高に────愛おしかった。
「愛してる………」
トン、と、身体を軽く押してやると、愛おしいヒトの身体は、あっさりとベッドの上に倒れ込んでしまった。
「あ…………!」
涙目で見上げてくる愛おしいヒトの上に、そっと覆い被さる。
「教えてやるよ……。シュバルツ……」
そう言いながらハヤブサは、シャツで拘束しているシュバルツの両手を、彼のヒトの頭上に持って行き、ベッドに押さえ込む。
「お前が俺から逃げられるは訳が、ない、と、言うことを────」
「ハヤブサ………」
無防備に晒された彼の肢体。
存分に愛して、可愛がってやろう、と、ハヤブサは思った。
ギシ、と、ベッドが、音を立てて軋んだ。
夜のとばりは、まだ降りたばかり。2人が愛し合う時間は、これからであった。
「あ…………! あ…………!」
腹の下の愛おしいヒトが、切なそうに声を上げている。
産まれたままの姿にさせられ、ベッドに押し倒された彼のヒトは、ハヤブサの指が、敏感な場所をいいように弄り倒すのを、瞳を閉じて懸命に耐えていた。
「あ………! ん………!」
上気した頬にかかる、乱れた黒髪。
震える、長い睫毛。
ハヤブサの手と指によって、快感に染め上げられていく身体は、素直に淫らで美しく、そして、何よりも愛おしかった。
ああ───
シュバルツ
シュバルツ
もっと、お前を、よく見せて欲しい。
「は………! ハヤブサ………ッ!」
名を呼んでくれた、その唇が愛おしいから、それを、己が唇で塞ぐ。そのまま、深く奪う。
「んう…………!」
奪われるままに、縋り付いてくる愛おしいヒト。
それが、自分の中の凶悪な熱を、更に煽ってしまっていると────このヒトは、気づいているのだろうか?
「んあ………! ダメ……!」
そんな表情で、許しを乞うてもダメだ、シュバルツ。
俺はもう、止まれないから
もっと見せて
もっと、溺れさせて
愛している
愛している、シュバルツ
「ああ………!」
シュバルツの身体を翻弄する、この激しい愛の嵐は
まだ当分、終わりを迎えそうになかった。
「あ…………」
先ほどまで、自分の中を激しく穿ち、攪拌してきた物が、引き抜かれる。
その時に擦られ、与えられた快感に、シュバルツは震えていた。
「は…………あ…………」
呼吸を整えようとするのだが、うまくいかない。
つながっていた場所から、ハヤブサの残滓が、とろ、とろ、と、伝い落ちているのが分かった。
(コート……。汚してしまったな………)
シュバルツは、自分の背に敷かれた格好になっている、ロングコートを意識する。
部屋に入るなり、ハヤブサに乱暴に押し倒され、早急に暴かれ、むさぼるように蹂躙されてしまった自分は、コートをベッドから退けることも、シャツを脱ぎきることすらできなかった。乱暴に脱がされたから、ボタンがいくつか、ちぎれ飛んでしまっていることだろう。
(ボタンを繕って……コートをクリーニングに出さなければ………)
熱に浮かされながらも、ぼんやりとそんなことを考える。
喰らったダメージはそれなりにあるが、このまま眠りに落ちても、今は特に問題はなさそうだった。
ことは、もう終わった。
終わった、はずなのだから。
「………………」
ハヤブサは己の物をシュバルツの中から引き抜き、大きくため息を吐いた。
愛おしさが命じるままに、部屋に入るなり、彼のヒトを押し倒し、性急に抱いた。
(愛している………)
熱が暴走し、欲が止まらない。
彼のヒトがあげる悲鳴のような嬌声を堪能しながら、3度、愛の証をシュバルツの中に放っていた。
(一度、離れるか)
少し人心地が付いたハヤブサは、そう判断して、繋がりを解いたのだが。
「あ………………」
彼のヒトから漏れる、小さな声。
はっと、その姿を見て、ハヤブサは息を呑んでいた。
小さく開いた唇の隙間から、は、は、と、喘ぐように続く呼吸。
暗がりの中にいるはずなのに、彼のヒトの白い肌は、まるで淡い光を放っているように見えた。
小刻みに震える胸には、艶めかしく熟れ切った乳首が、ハヤブサを誘うかのように、その存在を主張している。
上気した頬が
耳が
開いた唇から流れ落ちる、飲み切れなかった唾液が
乱れた黒髪が、かかるうなじが
ギリシャ彫刻のように、美しく引き締まった身体が────
全てが、自分を誘っているようにしか
ハヤブサにはもう、見えなかった。
「…………………」
ぐっと、足を持ち上げ、股を広げさせる。
「あ……………」
シュバルツは小さな声を上げたが、特に抵抗もせず、ハヤブサのなすがままに任せていた。
ハヤブサの目の前に晒されてしまった秘所が、ひくひくと妖しく蠢きながら、ハヤブサの物を外に垂れ流し続けている。
シュバルツ自身も艶やかに色づき、達した余韻を溢れさせていた。
(シュバルツ………!)
ハヤブサは、改めて思う。
なんて、美しい─────
美しい、ヒトなのだろう。
「シュバルツ………」
そっと、頬に手をあてがい、唇を求める。シュバルツも素直に応じてくれた。
「ん……………」
口づけの震度を、徐々に深くしていく。それをしながらハヤブサは、自分を誘っていた艶やかに熟れ切っていた乳首に、そろそろと指を這わせた。
「んんっ!? んうっ!!」
案の定、腹の下の愛おしいヒトは、びくびくっと、身体を震わせる。この胸は、もう、僅かな刺激にも、耐えられなくなってしまっているのだろう。
なんて、淫らな身体。
淫乱なヒト。
ハヤブサは、その結果に満足する。
そういう風に──────俺が、教え込んだのだから。
胸を弄びながら、もう一つの手は、先程までつながっていた場所に、侵入を試みる。
自分の残滓で湿らされているその場所は、くちゅくちゅと、淫らな水音を立てながら、ハヤブサの指を受け入れていた。
「ああっ! やあっ!」
解放された唇から悲鳴が漏れ、潤んだ瞳から涙があふれる。
彼のヒトの手が、こちらの身体を押しのけようと、軽い抵抗を開始する。
だが、そんな抵抗など、無意味だ。
俺の熱を煽っているだけなのだと、何故彼のヒトは、気づかないのだろう。
(そんな……! 終わったばかりで………っ!)
シュバルツは、少し信じられないような心地に襲われながら、必死に足掻いた。
おかしい。
おかしいだろう。
なんでまたハヤブサは
私の身体なんかに、欲情してくるのだろう。
理解できない。
どうして
どうして─────
「あっ!!」
シュバルツの腹に、固い物が擦りつけられる。
それが、ハヤブサの怒張しきった物なのだ、と、シュバルツが悟るまで、そう時間はかからなかった。
「挿入るぞ………!」
切迫した声とともに、それはシュバルツの身体の中に、一気に侵入してくる。
「ああっ!! 待て……! 待ってくれ……!!」
悲鳴を上げるが、ハヤブサは最早聞き入れてくれない。そのままシュバルツの中で、ハヤブサの物は律動を開始した。ぎしぎしと、古いベッドが悲鳴を上げ、シュバルツは再び、抗うことのできない快感の嵐の中に、飲み込まれてしまう。
「ハヤブサ……! ハヤブサ……ッ!」
シュバルツの甘やかな悲鳴は、しばらく途切れることなく、辺りに響き渡っていたのだった。
「ん……! あ………!」
シュバルツ・ブルーダーはずっと辟易していた。
先ほどからリュウ・ハヤブサに後ろから挿入されている。
ハヤブサの男根は、シュバルツの内側の敏感な部分を確実に抉ってきていた。
「ん……! くぅ……!」
その刺激から、少しでも逃れたいシュバルツは、腰を左右にくねらせながら、あがき続けていた。そのさまが、かえってハヤブサの男根を刺激し、彼の劣情に火を注いでいることに、シュバルツは気づくことができない。
「はぁ!」
胸がやさしく刺激される。腰が動いて、敏感な場所をさらに抉られる。
(ダメ……!)
キュ、キュ、と乳首を指で転がされ、たまらずシュバルツの胸が逸らされた。
乳首をさらに突き出すような恰好───
(触られたいんだな💕)
ハヤブサはその姿勢を都合よく解釈して、両の乳首を優しく弄び始めた。
「あ……ッ! そんな……ッ! 両方なんて……!」
指を乳首から外そうと、シュバルツは弱弱しく抵抗する。だがそれは、ハヤブサを楽しませ、乳首の玩弄を助長させてしまっているだけであった。
「つらいなら、俺の方に掴まれ。少し楽になるぞ」
ハヤブサが、目の前で足搔く愛おしいヒトに囁いてやると、彼のヒトは素直にそれに従ってきた。延ばされてきた腕は、そっとハヤブサの二の腕を掴んだ。
ハヤブサはその手を脇の下に挟み込むと、しっかりと捕まえて、さらに己の方に引き寄せる。
「あうっ!」
男根は、ことさらに深く侵入し、手は遠慮なくシュバルツの肌や乳首を弄び始める。
(馬鹿だな。楽になるわけないじゃないか。お前を深く捕まえるための罠なのに───)
「は……う……! くぅッ!」
(ダメだこんなの……! 感じすぎ……て……!)
腰をくねらせ、胸をそらせて刺激から逃れようとするが、深くえぐられる男根と、優しく触れられる指先は、なかなか外れてくれそうにない。
(あ……! またイク……! 耐えないと……!)
容易く何度も絶頂に導かれる身体が、シュバルツには信じられない。
知らなかった。
甘い快感を伴うパルスが、こんなにも耐え難いものだったとは。
達するたびに、ハヤブサに「淫らだな」と、囁かれ、甘すぎるキスをされる。
体の芯からトロトロに蕩かされ、ハヤブサに深く入り込まれてしまう。
最奥を甘く揺さぶられ、我慢できずにハヤブサの前でもう何度も醜態を晒し続けている。
こんな状態が執拗に、長く続けられてしまうのは耐えられない。
(ダメ……! ダメだ……!)
「ん……! ぐぅッ!」
シュバルツは歯を喰いしばって、ハヤブサの愛撫の嵐を耐える。だが、そんなシュバルツの抵抗を、ハヤブサが見逃すはずもなく。
「シュバルツ、口を開けて」
「あ………!」
もうハヤブサの言葉に逆らえなくなっているシュバルツは、言われるままに口を開ける。
そこに、ハヤブサの指がそっと差し出されてきた。
「指……舐めて」
「え……あ………」
おずおずと差し出される舌先に、ハヤブサの指がチョン、と触れる。それと同時に片方のハヤブサの手が乳首を優しく摘まみ上げ、男根が一層奥へと侵入してきた。
「ああ!!」
口を強制的に開けさせられているがゆえに、シュバルツは声を殺す手段を失ってしまっている。ハヤブサが愛撫を加えるたびに、艶っぽい嬌声が、シュバルツの唇から上がることになった。
「ああ! ああっ! えあっ!」
「かわいい声で啼くな……お前は……」
シュバルツの耳をちゅぷちゅぷと舐めながら、ハヤブサが囁きかける。
「あ……! はあっ! ああっ!」
無防備に開いた彼のヒトの口の中に、ハヤブサの指が二本突っ込まれる。
「んぅ!」
「そのまま……俺の指を舐めて、シュバルツ……」
「んんう……ちゅ……う……」
その間にもハヤブサの男根はシュバルツを攻め続け、乳首は執拗なまでに優しく弄られ続けている。
「んふ……! ううっ!」
ハヤブサが望むなら、と、懸命に舌を動かし、口の中のハヤブサの指に『奉仕』し続けるシュバルツ。しかしそれは、自身を絶頂へと、さらに追い込む行為でもあった。
(ダメ……! 口の中まで……犯されてる……!)
指は時折、妖しく蠢きながら、くちゅくちゅ、と口の中をかき回すように動く。それがシュバルツに、キスのような、フェラチオのような、不思議な感覚を与えてきた。
「んんう! くうううっ!」
三か所同時の激しい攻めに、今のシュバルツの身体が堪えきれるはずもなく。
ぴゅ、ぴゅ、とシュバルツの牡茎から達した証が飛び散り、身体がびくびくと震えた。
キュンキュンと、ハヤブサを受け入れている場所が蠱惑的に蠢き、彼を楽しませる結果となった。
「シュバルツ」
優しく名を呼ばれ、顎をとらえられて強引にキスをされる。
「う………ん………」
深く優しいキスを受け入れ続けているうちに、身体の力が入らなくなってしまって───
「あ………!」
カクン、と、膝から頽れるシュバルツを、ハヤブサが優しく支えた。
「シュバルツ……」
「ハヤブ……サ……」
震えながら見上げてくる愛おしいヒトを、ハヤブサはそっと抱き寄せる。そのままそっとベッドに横たえさせると、シュバルツは安堵したようかのように、ほっと、小さく息を吐いた。
(終わった……?)
達しすぎた身体が、がくがくと震えているのが分かる。まるで力が入らない。
ふわふわと事後の余韻を味わっていると、ハヤブサの身体が覆いかぶさってきた。
二コリ、と優しく微笑む彼を、シュバルツは『好きだ』と思う。
「シュバルツ」
そのままハヤブサの顔が近づいてきて───
「んっ!? んんうっ!?」
あまりにも深すぎる、性的なキスをされる。
(嘘……! 何で……ッ!)
必死に足搔こうとするが、ベッドに押し付けられてあっさりと身動きを封じられてしまう。
「んうっ! んぅっ! んぐぅ!」
体中を弄られながらのキスに、もう蕩ける以外に道はなくて───
「………終わったと、思ったのか?」
腹の下でぐったりとなった愛おしいヒトに、ハヤブサは微笑みながら己の男根をあてがう。あまりにも硬度を保ったそれに、シュバルツの顔面は一気に青ざめた。
「ま……まさか……!」
「残念だったな、シュバルツ。俺はまだ満足していないんだ」
そういいながらハヤブサは、シュバルツの入り口を弄る。
「あうっ!」
ビクン、と、反応する愛おしいヒトを見て、ハヤブサは満足げにほほ笑んだ。
「……夜は、まだ長い。今度は、顔を見ながら……」
「う、嘘……! あ……!」
ずぶずぶ、と、再びハヤブサの物が、シュバルツの中に侵入していく。
恋人たちの夜は、まだまだ、終わりそうになかった。
kiss
気が向いたら、続きを書くかも。