呼吸する微笑
この背に張り付いた道筋の
儚い後ろ
涯てなく暗かった日。
悪業からたどるんだ
自分のためだけに
生きてきてしまったから。
生まれ変わらなくていい。
神はいらない。
いつも通りの朝を
いつもどおり迎えてる。
呼吸する
人待ち顔で息を吸い
孤独の歌が息を吐いて。
この罪で
このヤケクソで
生き切ってやる。
やせぽっちな
おまえの色の血
混ざり合う
汚くピュアな
この場所から。
「神を選ばないなら、あたしに来て」
ゲヘナへ堕ちて
おまえを詩に書くさ。
おまえの誰かへの憎悪さえも
おれへ火を垂れてくれ
おれが死灰になるだろう。
風 なびく
救われるかもしれない
救いを決して求めない
救うことができるかもしれない
むしろおれたちは
この救いをくれてやる
深い傷で ついてきてくれ
負け犬の こころで
きっと 守ってやる。
明けない夜はない
らしくない言い方でいい
届けたかった
今朝。
「苦いわ ブラックコーヒー」
やせっぽちの微笑で
包み込んでくれる朝。
裏切るなんていう
言葉のない世界の微笑。
「攻撃されたらね
先に自滅してやるのよ」
「いい戦法だ」
微笑しあった そんな昨夜。
たとえ世界中の人間が
敵に変わっても
戦える 微笑。
二人が 呼吸する微笑で。
呼吸する微笑
『こきゅうする たましい』(http://slib.net/71609)という作品の姉妹作として書いた。
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