夜のこと。K町3階にて。
わたしが 私 を
壊しながら 歩いてきた道
あの日 なんともなかった
派手に転んだ痛みが
今になって
進もうとする 私の 邪魔をする
未来を担保に
一夜限りの 眠りを手にした
love も like も どうでもよかった
Like a child.
踊るために かけた魔法
幸せを探した 灰かぶり姫
前借りした 愛を 踏み倒して
ネオン街で 逃げ隠れ
本当の名前を 呼ばれないように
涙は 小さなカバンの中へ
一枚の 毛布があれば
一杯の ウォッカがあれば
夜をなんとか 生き延びるでしょう
ただ美しい 朝陽をそっと
カーテン越しに眺めるうちは
人形じみた顔で 笑っているでしょう
夜のこと。K町3階にて。
源氏名で歩いた街のこと。
小さな世界。
明け方に眠る生活。
朝陽が鬱陶しくて悲しかった頃。