夜のこと。K町3階にて。

夜のこと。K町3階にて。

わたしが 私 を

壊しながら 歩いてきた道


あの日 なんともなかった

派手に転んだ痛みが

今になって

進もうとする 私の 邪魔をする


未来を担保に

一夜限りの 眠りを手にした

love も like も どうでもよかった

Like a child.


踊るために かけた魔法

幸せを探した 灰かぶり姫



前借りした 愛を 踏み倒して

ネオン街で 逃げ隠れ


本当の名前を 呼ばれないように

涙は 小さなカバンの中へ



一枚の 毛布があれば


一杯の ウォッカがあれば


夜をなんとか 生き延びるでしょう


ただ美しい 朝陽をそっと

カーテン越しに眺めるうちは

人形じみた顔で 笑っているでしょう

夜のこと。K町3階にて。

源氏名で歩いた街のこと。
小さな世界。
明け方に眠る生活。
朝陽が鬱陶しくて悲しかった頃。

夜のこと。K町3階にて。

思い出を切り貼り。 夜の街で生きていた頃。

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-04-12

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