青い交差点と彼女の歌声

青い交差点と彼女の歌声

眠れない夜に

あなたを巻き込むのは もう やめた


冷えた空気が

小さなてのひらから

簡単に 奪ってゆく



街が 動き始めるまで


ひとり 歌う


思い出とか 懐かしさとか

片付けるのも面倒で


半端に縋った愛が 散らかる部屋


寂しくなるのを やめた夜


眠れない夜に ひとり 泣くのは


もう やめた




帰るつもりでいた 青い交差点で
歩けなくなった わたしのこと
あなたは 知っている気がした

沈黙する街が怖い

怖い?

そう
取り残されているみたいで



ざりざりになった一夜のこころ
ぐしゃぐしゃと 騒いで


わたしは


わたしは わたしは


わたし は


叫べやしない 愛


愛?

そう
あの人への 愛


忘れるという愛

そんなものがあるなんて

知らなかった

知らなくてもよかった?


I know.


you know.



あの歌声を聴いて
ふと 口にした名前が
あなたではなかったことに
切なさを憶えたのは


現在(いま) だから


痛まない傷を

笑うなら 笑って


消えない痣を


隠すなら 赦して


わたしは 歌うよ

青い交差点と彼女の歌声

呟きをつなげた。
ぶつ切りで並べたかった言葉。
座りの悪いまま並べたかった。

青い交差点と彼女の歌声

夜と朝の間のスクランブル。 彼女の歌声。

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-03-13

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