砂
一ページ完結綴りです。
気になったら開いてみてください。
出会いと別れ
人と人との間には、「出会い」というものが必ずしも存在している。
自分と相手が出会ったのはいつだったか。どんな出会い方だったか。そんなのを一つ一つ、一人一人把握できてる人なんて、世の中のほんの一握りだと思う。
何億分の一という確率で出会ったわたしたちは人間。命を宿すものでもあり、必ずしも「別れ」はやってくる。
死、という別れかもしれない。どこか遠くへ旅立つことの別れかもしれない。
どんな形であれ、出会えば別れる。
よくドラマや本の中で、
「別れ際に彼女(若しくは彼)は静かに笑った」
というような表現があるが、結局どの別れでも悲しい、という気持ちの表れであるように思う。
別れ際に笑うという行為には、読み手の様々な解釈があるかもしれないが、結論的にいうと「悲しい」ということに相違ないと感じるのである。
わざわざそんな悲しい思いをしてまで、
人は出会う価値があるのであろうか。
悲しまなきゃいけない理由はどこにもない。
自分に非はない。
ならば、なぜ。なぜ悲しまなくてはならないのだ。
出会いは自分にとっても相手にとっても嬉しいこと。その分、別れる時には数倍も辛い。
こんな思いをしなければならないのなら、思い出なんていらなかったから…光を見せたあなたとの別れがくるのであれば、出会わなければよかった。
出会ったときにはその価値が実感できないが、別れが訪れるにつれて、明白化してくる。
もうわたしに何も与えないで。
砂のように…手にとっても、時間が経てばただただこぼれ落ちていくようなものだったのなら、最初から何も与えないで、何も見せないで、もう何も、これ以上は何も望まないから。
(完)
砂
こんな形で終わりました。
別れの価値はいつ訪れるのでしょうか?