“教室”

十年の時を経て、“教室”が蘇った。

ずっと私をそこに引き留めていた、このセカイで最も不要な存在。

そこにはゴミが随分と散らかっていて、意味を成さない騒音だけが響き渡っている。

よく見ると、教壇には一人の人物が偉そうに突っ立っており、意味の成さないコトバを永遠と喚いているようだが、
どうやら、これがやかましい騒音の正体らしい。

この耳障りな騒音のお蔭で、徐々にゴミが形成を成し、各々の場所に腰掛け始めた。

私の“願い”により、狙撃された教壇にいる人物は首がもげてしまったようだが、まだ耳障りなコトバを喚き散らしている。

そうするしかない。

私は手足を縛られ、コトバを奪われているからだ。

止めなくてはならない。それは理解できる。

だが、ゴミはどんどんと形成を成し、不気味な笑みを浮かべながら、一つの集合体になっていく......

なぜゴミが笑えるのか不思議でならないが、私は手足を縛られ、コトバを奪われているので、
“願い”によってそれらを狙撃するしかない。

私の隣には華が腰掛けていた。

綺麗なキレイな華だった........

彼女もゴミに引き込まれてしまう........

早く止めなくては。

それが、私が生きている理由かもしれない。

“教室”

“教室”

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-11-08

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