“教室”
十年の時を経て、“教室”が蘇った。
ずっと私をそこに引き留めていた、このセカイで最も不要な存在。
そこにはゴミが随分と散らかっていて、意味を成さない騒音だけが響き渡っている。
よく見ると、教壇には一人の人物が偉そうに突っ立っており、意味の成さないコトバを永遠と喚いているようだが、
どうやら、これがやかましい騒音の正体らしい。
この耳障りな騒音のお蔭で、徐々にゴミが形成を成し、各々の場所に腰掛け始めた。
私の“願い”により、狙撃された教壇にいる人物は首がもげてしまったようだが、まだ耳障りなコトバを喚き散らしている。
そうするしかない。
私は手足を縛られ、コトバを奪われているからだ。
止めなくてはならない。それは理解できる。
だが、ゴミはどんどんと形成を成し、不気味な笑みを浮かべながら、一つの集合体になっていく......
なぜゴミが笑えるのか不思議でならないが、私は手足を縛られ、コトバを奪われているので、
“願い”によってそれらを狙撃するしかない。
私の隣には華が腰掛けていた。
綺麗なキレイな華だった........
彼女もゴミに引き込まれてしまう........
早く止めなくては。
それが、私が生きている理由かもしれない。
“教室”