ハレルヤ

最初は、どちらが悪いかわからないはずです。優征は、トリッキーな奴なのかただの利己主義者なのか。

メグロ

―海岸沿いを走る二台のバイク

「オイ、ガス入れたか?」

「入ってるよ?幸ちゃん」

「幸ちゃん(こうちゃん)とかいうな」

「しょうがねーだろ?」

「第一半端こいて抜けない」

「うるせぇよ?」

「そうだね」

「どこで食う?」

「サテン」

「この前会った奴ら」

「おかわり」

「殴るぞ」

「わかったよ」

「…」

顔色をうかがう優征(ゆうせい)

「病院の?」

「一言おおい」

「で?どう」

「楽しそうだったな」

「だねー?おかわり」

「…」

「携っ帯」

「だから」

「なに?」

「鳴ってるくらい」

「言え」

「また?」

「どうした」

「カーツーアーゲー」

「ゆーせー…」

「なに」

「電源は」

「待って」

「切っとけ?」

「行く」

「おい」

「コウちゃん」

「笑うな」

「出るね」

「用件(ようけん)を言え」

「じゃ」

「おい」

急ぐ優征(ゆうせい)

「払ッてけ」

「ったく…払うんだろう?オレ…」

―優征(ゆうせい)は、ある高校へ

「おかしいな~、このあたりと思うんだよ?」

「ども、マスター」

「メンチカツがいうには」

「カツアゲされたらしいですね?メンチ」

「やべーな?工藤兄弟(くどうきょうだい)がでてくるかも」

「オレらとは」

「焦って(あせって)」

「関係ないこと」

「コウちゃんだすわけにいかないだろ?」

「心配なのは」

「というか」

「ゆーせーです」

「金がかえってくれば」

―沈黙

「出ますね、マスター…」

「いいわけで」

「工藤は」

「パチンコで勝てるかな?」

「やばいっすね」

―優征は、工場跡(こうじょうあと)へ

「んッだよ、もうこんなに集まって」

「おい、どこにいる?」

「あれ、携帯…」

「ゆーせー、立ち会いつけろよ?」

「おい、何人でくるんだ」

―切れる携帯

「待ってろ」

「待つかよ、大馬鹿」

殴りかかる優征(ゆうせい)

「あたってみるか」

「まずは」

「工場跡…か」

「一発」

腹部を殴る

「立て、こんなもんじゃねーぞ?」

「着いた」

「お前ら兄弟は」

「邪魔する」

―幸平(こうへい)が工場跡へ

「弟」

続けて

「なんだ、このザマ」

「うるせーよ?コウちゃん」

「黙ってろ」

「じゃあ俺は」

「お前と俺の時間だ」

「殴られ損かよ?」

「加減は」

―工藤(くどう)の兄が顔面への強打で、気絶

「しない」

―直進し、弟に強打

ダチ

「わからなかったんだな」

「先にいえよ?」

「奴は」

「あーもういいよ」

「俺の友達だ」

「だから」

「猫を殺されたんだよ?」

「こういう事だろう、元々」

「まっ暴走(ぼうそう)」

「コウちゃんの事を知ってて」

「眠くなってきたな…」

「ガス抜いたボケが同一だって」

「そうかな?」

「そうだよ?」

「かもしれないな」

ハレルヤ

優征は汚い奴なのかなと思いましたが、一件落着です。

ハレルヤ

安定と幸福外伝 登場人物 多田 幸平 松田 優征

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-07-14

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  1. メグロ
  2. ダチ