形にそっと蓋をする

形にそっと蓋をする

形にそっと蓋をする

 まあ、いいや。
 そんな言葉を聞きたかったんじゃないけど、僕は心の中でそんな言葉を呟いてみたりする。
 
 まあ、いいや。
 そうしてまた1日は通り過ぎていくけれど、通り過ぎていった日々は思い返す事もなく、ずっと遠くの方へ消えていってしまった。

 まあ、いいや。
 そんな日が続いたら、いずれその「まあ、いいや」に呑み込まれて、僕は”不幸”って簡単に名付けられたその穴の中に落ちていってしまう不安があるけれど、それでも「まあ、いいや」なんて言う。
 本当はとっても不安、だけど言ってしまう。「まあ、いいや」

 まあ、いいや。
 きっとその内僕は「まあ、いいや」人間になってしまうのだ。
 不安はまだあるままなのに、それでもそこから出られないまま。
 もし、誰かがその「まあ、いいや」から出る方法を教えてくれたら、僕は真摯に耳を傾けるんだ、きっと。
 だけど、それを行動出来るかは別。そう、それは全く別の問題なのだ。

 君も分かるだろう?
 でも、まあ、いいや。
 僕には会話が出来るし、こうして文を書く事も出来るから。

 だから、それだけで、「まあ、いいや」
 それでもまだ僕は夢を見てる。きっと、明日は「まあ、よくない」って言うんだ、って夢。
 今日が終わる、それには誰も逆らえないから「まあ、いいや」


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形にそっと蓋をする

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……、いいや。

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-01-21

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